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PR会社の正しい基礎知識!ステージごとの役割・手法・選び方も解説

一昔前まで、PR会社といえば広報戦略の代行業者としてリリースを作成したり、記者クラブ対応をおこなったり、メディアリストを整備するのが仕事でした。

しかし、PR会社を取り巻く環境は、我々フロンティアコンサルティングも含めて年々、驚くほどの進化と変化を遂げています。今やプレスリリース作成やマスメディアへの訪問、それによるパブリシティ獲得や広告換算値の計算だけではクライアントは満足しません。それらはもはや特殊な業務ではなく、PR会社が提供するサービスコンテンツのひとつにすぎなくなってきているのです。

そんなPR業界の動向や大手4社の紹介、激変する役割などをポイントをおさえて紹介してきます。

■この記事はこんな方にオススメです!

  1. PR会社の基本的な考え方をしっかり理解して、正しく依頼できるようになりたい
  2. 実践的なPR手法を学びたい
  3. 現状をもっと改善していきたい
  4. ブランディングの可能性を広げたい
  5. 競合との差別化やオンリーワン性を高めたい
  6. 様々な広報の打ち手を比較・検証したい
  7. 広報部門の育成を図りたい
  8. 自社のビジネスを広げたい
  9. 自社の強みや専門能力に新しい付加価値をつけたい

 

PR会社の超・基本

モノがあふれる現代では、商品の魅力をメディアやクチコミを通じて知ってもらったり、「PR」によってモノを買いたいと思う空気づくりをするのが非常に重要となっています。

そんなメディアや消費者との接点を創出をするのがPR会社の仕事です。我々フロンティアコンサルティングも創業20年来、一貫してPR戦略の実行支援と広報コンサルティングを提供しています。

しかし、意外と「PR会社って何?」といわれると、わからない人が多いものです。そうした疑問を持つ人に向けて、まずは、

  • PR会社の基本
  • PR会社の問題解決の手法
  • PR会社の活動ステップ

以上の点について紹介していきます。この記事を読めばPR会社の基本的なことについては、ほぼ全ての理解が深まることでしょう。

■PR会社とは何か?

PRとは「Public Relations(パブリックリレーションズ)」の略です。パブリックリレーションズは、直訳すると「社会との関係」となりますが、まさにその言葉に本質が隠されています。

PR会社とは、企業や団体が自社の商品やサービスについて、

  • ①社会の人々に理解してもらい
  • ②信頼関係を築き
  • ③良い印象を持ってもらい(最終的にはファンになってもらい)
  • ④メディア起点の購買やクチコミからの紹介に積極的につなげていく

ための活動をさします。

■PRと広告宣伝の違い

いっぽうで、PRはしばしば「広告」や「宣伝」と混同されます。どちらも自社の商品やサービスを知ってもらうための活動という意味では共通していますが、大きな違いとなるのは「メディアに料金を支払うかどうか」という点です。

■PRのメリット

PRでは新聞やテレビというメディアに料金を支払うことはありません。

記事や情報番組に取り上げてもらうことを目的に、プレスリリースを配信したり、イベントを行ったりします。いっぽう、意図したように取り上げてもらえるかどうかは確実ではありません。

しかしながら、客観的な立場からの紹介になるため説得力があり、圧倒的に信頼性が高まります。また、メディアに料金を支払うわけではないので、工夫すれば予算ゼロであっても効果的なPRが可能となります。

さらに「発信したら終わり」というわけではなく、「発信後にさらに拡散した対象(バズ)の情報に耳を傾ける」という行動もPRは含んでいます。PRは一方通行ではなく、クチコミやネットバズを含めた多様なコミュニケーションの形をとるものなのです。

■広告宣伝のメリット

一方、広告や宣伝はメディアに料金を支払って行うものです。

どのように露出させるかは企業の意図に合わせてできますが、情報は主観的なものであるため説得力としては低めです。さらに、数多く露出させるためには莫大な予算が必要となります。

ただ、マス向けに大規模かつスピーディーに認知度を高めたいのであれば、広告宣伝は非常に有効な手段になります。

 

PR会社を取り巻く業界動向

1.PR業界とは?注目すべきポイント

PR業界についても知識を深めておきましょう。日本のPR業界の歴史は、それほど古くありません。ネット上には多くの企業が存在しますが、じっさい社員の数が20名以上の企業規模になると10社前後でしょう。

なかでも最大手は電通PR・博報堂グループ・ベクトルの3社になります。それ以外に、私たちフロンティアコンサルティングのような独立系コンサルティングファームのPR会社や外資系ファームがあります。

  • 電通PR:言わずと知れた電通グループ傘下のPR会社。主にナショナルブランドや大手製薬メーカーなどのPRを手がけている。CMとの連動や大型キャンペーンや、緻密な分析手法やマーケティングに強みがある。
  • 博報堂グループ:傘下に複数のPR会社・イベント会社を持ち、依頼内容に合わせて使い分けをしている。広告代理店系グループとしては電通に次ぐ規模を誇る。
  • サニーサイドアップ:国内のPR会社の中では最大規模。もともとはタレントマネジメントに強みを持つ広告代理店からスタートしたが、上場後は総合PR会社として発展。タレントキャスティングやスポーツ選手のマネジメントにも力を注ぐ。
  • フライシュマン・ヒラード:1947年、米国ミズーリ州セントルイスで誕生したPRエージェントカンパニー。アメリカや日本をはじめ、現在は世界80箇所に拠点を展開している。名実ともに世界的ファームである。

2.PR会社の種類と4つのタイプについて

PR会社を正しく選ぶためには、まずその種類を知らなければなりません。

種類は大きく「広告代理店系」「外資エージェンシー」「独立系コンサルティング・ファーム」「専門・小規模」の4つに分かれます。どれが一番よいというわえではなく、予算や課題、目的に応じて使い分けるのがベスト。PR会社のタイプや仕事内容については以下の記事で詳しく紹介しています。ぜひ参照にしてください。

⇒参考:PR会社に依頼する前に知っておきたい26の問題解決手法

3.よいPR会社を選ぶための「3つの基準」とは

それでは、よいパートナー企業を選ぶにはどうすれよいでしょうか?

PRの選定を間違えると、コストだけでなく、時間や労力の損失につながりますよね。一度失った機会損出は取り戻すことができません。かといって、どこのPR会社も提案時には社長や役員が総出で訪問してきたり、100枚近くの提案書を作成してくることがあります。担当者の言葉だけでは、そのあとの活動の良し悪しは見分けがつきません。

そこでまず、PR会社を見極めるための3つの選定基準を紹介します。

■ダメなPR会社の3つのパターン
(1)露出がないのに提案もない
(2)プレゼンの内容と実際のコンサルティング内容が違う
(3)最後まで諦めずに活動してくれない

具体的には、担当者に直接会って話を聞くのが一番です。

知識や経験、なにより担当者の情熱は態度や言葉にこそ出てきます。以下の記事ではさらに、業界人としての目線もまじえて公平にズバリ!PR会社選びの5つのポイントを非常にわかりやすく解説しています。

⇒参考:3つの大失敗パターンから見えてくる良いPR会社・悪いPR会社の見分け方

 

PR会社はいつ必要?6つのベストな選定のタイミングとは

PR会社に相談や委託するタイミングは、企業の持つ問題や成長戦略によって大きく異なります。しかし、実際にPRを依頼するべきかどうかの判断がつかない状況では、それこそ暗闇のなかで手を動かすのに近く、不安も大きいことでしょう。

そこでフロンティアコンサルティングが考える、ステージごとに抱える課題に合わせた依頼内容や目的を明確してみました。主には会社設立時、設立後5~10年、成熟期、上場前後のタイミングには、それぞれ計画的なPRが必要となります。具体的に見ていきましょう。

  • 設立前:テレビ露出を中心に、ビジネスモデルの優位性や社長のキャラクターを前面に打ち出してPRする。
  • 設立後:競合調査をしっかりおこないながら、市場優位性を文脈に落とし込んで戦略的なPRをおこなう。
  • 成熟期:広報部門の刷新を図りながら、デジタルマーケティングとの連携でより効果的で質の高い露出を図る。
  • 上場前後:圧倒的なパフォーマンスでテレビ・新聞を面で支配する。スピードと戦略性が求められる。

 

■1.ステージ① シーズ・ステージ(起業前夜)

シーズ(種)から起業までのステージはスリリングであると同時に、常にリスクがつきまといます。このステージでのリスクをデスバレー(死の谷)と表現することもあります。社員はまだそれほど多くありません。社長を含めて幹部が数人しかいないことがほとんど。なにより資金が不足しがちです。そのため、基本的には戦略PRはパッションをもとに経営者みずからが差別化戦略、文脈の作成、リリース配布までをおこないます。

いっぽうで経営者に人脈があれば、それを活用するほどメディアに露出することは可能かも知れません。しかし、このステージならではの戦略的なPRの重要性を認識することも必要です。どのような文脈(コンテキスト)で、どう競合と差別化を図りながら、新しい市場でオンリーワンを創出していくか。

こうした戦略PRの視点を、期限やクオリティを決めて外部ブレーンを活用しながら組み上げていくことはとても有益です。PR会社を活用して露出が広がれば、その後の事業拡大や資金調達の足がかりにもなるでしょう。

■2.ステージ② アーリー・ステージ(起業後)

PRすべき商材が完成し、自社の価値がじょじょに社会に認められていく時期です。もっとも夢や野心が広がる時期でもあります。
こうしたアーリーステージの立ち上げ期には「人材難」が大きな課題になります。社長や幹部にはほかに経営課題や営業活動というタスクが累計的に増えてくるためです。仕組み化や社員の教育に割く時間もありません。

そうした場合に、経営者の頭脳となって発表資料の作成や投資家へ説明をするためのプレスリリースやファクトブックといった資料を構成するのも広報担当の役目となります。また、記者クラブとのリレーション、問題解決のための戦略ストーリー、トレンドを先取りした広報戦略をゼロから組み上げていく、ある意味起業家マインドと同調するマインドセットやスピリッツもPR会社の担当者には求められます。

■3.ステージ③ ディベロップメント・ステージ(拡大期)

ビジネスの大枠が固まり、信用度や知名度のアップとともに大口クライアントが大幅に増えるのがこの時期となります。

この時期では、ほとんどの企業が専任広報か、あるいはそれに近い部門を設置して社内外へのコミュニケーションを円滑となるようにシステム化を考えはじめています。社内に人材がいなければ、積極的にPR会社のような外部ブレーンに依頼したり、コンサルタントの活用と同時並行で採用により高度な専門職を身につけた人材を獲得するとよいでしょう。

この時期、PR広報は成長のための大切なブレイクスルーとなることもあります。ほとんどの急成長企業はPR広報がそのきっかけになっている、というデータもあります。メディアへの影響力、長尺でのテレビ露出、それによる採用や信用に対するパワーは絶大です。具体的には「ワールドビジネスサテライト」「ガイアの夜明け」「カンブリア宮殿」「日経新聞本紙」の3つに露出することを優先することで、一気に事業が急拡大するケースがあります。また、小売業や飲食店の場合であれば、同時に「王様のブランチ」「めざましテレビ」「Yahoo!ニュース」「日経MJ」の4媒体は確実に押さえていくとようにします。

■4.ステージ④ ミドル・ステージ(安定期)

会社の規模が拡大して、社員も大勢雇用していくステージです。いっぽうで、社内のコミュニケーション課題が明確になり、トップダウンの意思疎通やPR戦略の抜本的な見直しが図られはじめます。

同様に、この時期に一番多いのが会社全体でのリ・ブランディングであったり、広報部門の立て直しといった相談です。とくに広報部門の人材流失をきっかけにPR会社に相談するケースも増えています。

PR人財はコミュニケーション力が高く、活動的で社交性に富みます。いっぽうで飽きやすく、ひとつの場所に止まるのが苦手です。良い意味で非常に成長意欲が高いため、3年程度で辞職・転職してしまう可能性が高いのです。

同時に、この時期は創業メンバーの入れ替えも連続的に起こります。そのため社長の「ヴィジョン」「想い」「何のための会社が存続しているのか」といった存在価値や社会意義の明文化がとても大切です。そうしたメッセージを的確にPRの文面に活かすことで、会社と組織が実体化したステークホルダー向けの広報施策を打ち出すことが可能となります。

■5.ステージ⑤ プレ・エイクティ・ステージ(株式上場前)

順調に事業が拡大していくと、ベンチャーキャピタルから資金調達をして上場を目指すといった機会が訪れます。上場のさいには、上場専門のPRコンサルタントや危機管理広報がいるほど、その業務にはプロフェッショナル性が求められます。

同時に「自社に適したメディアはどれか?」「価値のない媒体には積極的に露出しない」といった媒体研究、自社FacebookなどのSNSや自社サイト(オウンドメディア)を活用した顧客リレーションについても考える必要が出てきます。自社が所属する業界担当の記者は誰なのか、どんなジャンルの、どのような記事を書いているのか、日々の業務のなかで媒体ごとに確認します。また、場合によってはメディアクリッピングやメディアリストを作成していきます。

■6.ステージ⑥ エクイティ・ステージ(上場後)

株式上場して業界を代表する企業に成長した場合、メディアコミュニケーションそのものは非常にやりやすくなります。戦略PRはむしろ企業が安定して成長するための「武器」であると同時に、「安定剤」としての力が大きくなるでしょう。

加えて、とくに大切になるのが危機管理です。不測の事態が起こってから対処法を探すのでは不十分です。広報部門の役割として事前対応のマニュアルのせ揖斐からリスクマネジメントの手順、緊急時におこなう記者対応対策も守備範囲にしていかなければなりません。万が一、大きなリスクが発生した場合にはすぐに対策室を設けて、ベストな受け答えの原稿を練り、真摯な態度で「事実」を伝えることに徹しましょう。

 

タイプ別・業種別の具体的な活用成功事例

1.事例①(設立時):1年で日本中に広まった「ダニ専用掃除機レイコップ」

海外メーカーであるレイコップは日本での販売に苦しんでいました。当初は広告を中心に販促展開をしており、予算が減っていくいっぽうでした。

しかし、ふとんに掃除機をかけるという文化のない日本では、広告を見ても、すぐに購買につながるアクションに結びつけることが難しいそこで、当時のマーケティングプランナーがPRファーストに戦略を切り替えます。私たちも協力してブランディングと広報戦略をゼロから構築し直し、認知を拡大するストーリーを創出して、少しずつメディア露出を広げていきました。結果、当時話題の「家電芸人」の番組で紹介され、一気にブームとなったのです。

2.事例②(設立後):ミドリムシが世界を救うのコンセプトでブランディングした「ユーグレナ」

ミドリムシの普及をおこなう世界的バイオ企業のユーグレナさまでは、当時、世界に通用する企業となるためのコンセプトメイキングをしていました。

最優先で構築したのが文脈(コンテキスト)です。文章を主体として、世論主である生活者やステークホルダーすべてに共感を与える。かつ、市場優位性も発揮できるコンセプトは、そのまま優れたコンテンツPRの土台になります。そうした広報戦略の設計計画のなかで生まれたのが「ミドリムシが世界を救う」でした。その後、文脈を伝えるストーリーPRに姿を変えて、世界を救うユーグレナの活動は多くの人々の心に伝搬していきました。

3.事例③(成熟期):1ヶ月で日本全国にバズった!ジャポニカ学習帳のPR「ショウワノート」

ショウワノートさまから依頼は、当初コーポレートブランディングがはじまりでした。その周年イベントのタイミングで歴史の古いジャポニカ学習帳の表紙を変更したわけです。理由は購入者であるお母さんがたの「昆虫の表紙を子供たちがこわがる」でした。

私たちの世代では当たり前の昆虫表紙。これを社会的な時代背景とともにマスコミ各社に一斉にメディアリリース。すると瞬く間にテレビや新聞に露出し、結果、50番組を超えるニュースや情報バラエティーに取り上げられることになったのです。

⇒参考:虫が消えた騒動の仕掛け人(アゴラ記事)

4.事例④(上場前後):上場3年前から支援した飲食店の雄「バルビバーニ」

東証市場に上場したバルビバーニさまでは、その上場3年前から支援がスタートしました。毎年のスケール拡大が急務であり、そのための社内体制は万全でありましたが、さらなるPR戦略とマーケティングに貢献するメディア露出が必要でした。

そこで私たちは、企業内の広報部門と二人三脚で情報のコンテンツを作成。広報部門が多忙で手の回らないメディアに1件1件アプローチを行いました。とくにテレビ局へのキャラバン(訪問)は手厚くしました。結果、ワールドビジネスサテライト、ガイアの夜明け、カンブリア宮殿という3大ビジネス番組への露出を実現しました。

⇒参考:ガイアの夜明け・カンブリア・ワールドビジネスサテライトの3大番組も網羅。その訳は?

 

PR会社に依頼するべきか?広告代理店に頼むべきか?

この議論は、実際によく聞かれます。そもそもPR会社に依頼した方がよい問題と、広告代理店に直接相談したほうがよい場合もあります。
PR会社にも強みや弱みがあれば、広告代理店にもあります。

わかりやすく、以下に列挙してみました。

1.PR会社に相談したほうが効果的なケース

一般的に、PR会社に相談したほうが効果的なケースは以下です。

  1. そもそもPR戦略や広報に悩みがある
  2. 総合広告代理店よりも一般的にコストパフォーマンスが高い
  3. プラン料などの代理店マージンが発生しづらい
  4. クチコミやバズを発生させたい
  5. PRや広報戦略にリソースを集中できる
  6. 情報戦にプロフェッショナル性を発揮しやすい
  7. 専門知識やメディアネットワークを持った人材が多い

 

2.広告代理店に相談したほうがよいケース

広告代理店にも高い優位性もあります。主には上記の裏返しとなります。

  1. 広告や店頭キャンペーンなどを絡めたトータルプロモーションを提案できる
  2. 幅広いブレーンを活用できる(ただし代理店の中間マージンが発生する場合があります)
  3. サンプリングや交通広告などのオールドメデイアに強い
  4. 総合力と規模のパワーを活かせる
  5. CMなど大型予算枠を押さえやすい
  6. 幅広い経験や人脈を持った人材が多い

 

3.PR会社に依頼しないほうがよいケース

正直、PR会社に依頼しないほうがよい分野やケースもあります。残念ながら、必ずしもすべてのクライアントさまでPR会社が成果を発揮できるわけではないのです。じっさい私たちも、ご相談の段階で年に2~3件はお断りしています。

  1. 商品やサービスに特徴がない。
  2. 情報開発する意思や意向がない。
  3. デジタル分析での購入単価分析の徹底が企業文化として社内に深く浸透している。
  4. コンバージョンレートでしか指標を評価できない。
  5. (以上から)広報担当やマーケッター自身が先頭に立ち自由な動きが取りづらい。
  6. 比較サイト運営や営業代行会社など、自社サービスの独自の強みを打つ出すのが難しい。

 

こうしてみると、どんなときにPR会社が必要かが見えてきますね。

「PR会社」と「広告代理店」の違いを、ただ単に比較しただけでは何もわからないことがほとんどです。双方とも手の内を明かさないので、強みと弱みを一覧にして可視化するとわかりやすくなります。なお一度相談された案件でも、広告代理店のほうがクライアントにとってメリットがあれば、プロジェクトの途中であっても当社はそのように率直にお話ししています。

4.PR会社に求める課題やニーズ

続いて、PR会社を探している企業や広報部門には、どんな課題やニーズがあるのでしょうか。

あくまで私たちフロンティアコンサルティングの自社調べになりますが、問合せのニーズの割合はおおよそ次の通りです(複数回答)。なかでも、上場企業やベンチャー企業にかかわらず「テレビに出したい」「戦略を明示したい」というニーズが70%前後と圧倒的に多いようです。

  1. テレビに出したい・・・72%
  2. 効果的なPR戦略の構築をおこないたい・・・68%
  3. プロモーション予算の最適化を図りたい・・・55%
  4. ブランディングを進めたい・・・51%
  5. クチコミやバズを起こしたい・・・51%
  6. 広報部門を育成したい・・・46%
  7. 人的リソースが足りない・広報担当が辞めてしまった・・・28%
  8. 外部専門家としてプロジェクトを一緒に運用して欲しい・・・17%

 

5.日本パブリックリレーション協会と日本広報協会について

なお、PR会社の学術的な定義については「日本パブリックリレーション協会」「日本広報協会」のサイトに詳しく掲載されています。興味があれば下記URLを参照にしてみると良いかも知れません。

ちなみに、パブリックリレーション協会はその倫理規定にて以下のようにPRの考え方を定めています。

パブリックリレーションズは、ステークホルダーおよび社会との間で健全な価値観を形成し、継続的に信頼関係を築くための活動である。その中心となるものは、相互理解と合意形成、信頼関係を深めるためのコミュニケーションである。
出典元:公益社団法人日本パブリックリレーションズ協会「倫理規定」より

 

また、ほかにも世界に通用する広報ビジネスパーソンの育成を目指して、2017年4月には日本初の広報専門職大学機関「社会情報大学院大学」も設立。こちらもPRコンサルタントの地位向上と広報研究の益々の発展が期待されています。さらには「日本広報学会」では、適切なリスクマネジメント社会の在り方や、多様なステークホルダーとの幅広い関係性の構築などを研究。ソーシャル・メディアを含めた広報・コミュニケーションの重要性をアカデミックに研究・発表しています。

  • 公益社団法人日本パブリックリレーション協会(PRSJ):2012年4月設立の公益社団法人。PR関連のセミナーを開催、認定資格であるPRプランナーは現在までに2,500人が取得。当協会が発刊する年次広報のバイブル「PR手帳」も有名である。
  • 公益社団法人日本広報協会:1954年発祥と歴史は古く、以来、会報誌の「月刊広報」を発刊している。調査分析も行い、定期的に有識者を交えたディスカッション形式の勉強会やセミナーを開催している。
  • 社会情報大学院大学:日本初の広報・情報の専門大学院。
  • 日本広報学会:組織を導くアカデミズムと実践を繋ぐ学術組織。

*参考サイト:
公益社団法人日本広報協会
社会情報大学院大学
日本広報学会

これからのPR会社に求められる4つの新しい付加価値

PR会社が課題解決の担い手として、広告代理店とすみわけを図りながら、これからの時代の新しい価値として提供すべきものはなんでしょうか。当社フロンティアコンサルティングではそれを4つの「PRソリューション・フレームワーク」として考えて、提唱しています。

1.広報戦略のフレームワーク

その1つは「PR戦略」の提示です。2つ目は「デジタルPR」の提供となります。3つ目はそれらをブランディングやデジタルマーケティングと連携させて、確実に実行していく「トータル・インテグレーション能力」。そして、最後の4つ目がクライアント自身をメディア化させる「メディアレップ機能」です。

●PR戦略:戦略の骨子となる目的や社会性を組み上げて、存在感のある文脈をデザインします。また、PDCAを回すための基本となる「仮説」と「指標」と組み立てます。
●デジタルPR:ウェブサイトやセールスと巻き込みながら、自社サイトへの流入や問い合わせ(コンバージョン)につなげるためのデジタルマーケティング環境を提案・整備します。
●トータルインテグレーション:動画やSNSなどの横のつながりとメディアコンテンツを連携させて、消費や購入などの顧客の行動喚起を促すPRを実行していきます。
●メディアレップ:創出したコンテンツを一次情報として有効活用しつつ、コンテンツマーケティングとして展開し自社サイトやオウンドメディアでアーカイブス。Googleの求める権威性・オリジナル性・網羅性を高めていきます。

2.PR戦略は使い分けが大事

PRと一口に言っても、実際には多くの方法論が乱立しています。

「とにかくすべてのメディアに通じて、同じように露出してもらおう」という内容では成功させることはできません。企業や広報の目的ごとにゴールがあり、そこに集まる読者やユーザー層、あるいはネットやソーシャル上での情報の拡散ルートなどが違うためです。

3.どんなことに悩んで、苦慮して、困っていますか?

ただ、企業の経営者やマーケティングや広報部門の責任者からコンサルティングの依頼をいただき、詳しく話をしていると、ほとんどのケースが4つに集約されます。つまりは自社や広報部門に「PR戦略がない」「(辞めてしまって)前任者のように遂行できない」あるいは「デジタルマーケティングとの連携が図れない」「自社コンテンツを創れない」という悩みです。

ご相談や悩みを聞くかぎり企業の約8割が、この「戦略の無さ」「再現性の難しさ」「PRとデジタルマーケティングの連携」「オンドメディア化」に苦しんでいるようにさえ思います。

そのためのPR会社のベストな「最適解」は、ゴールを明確にして現状をグリップしながら、現場の課題の1つ1つを解決していくことにあります。

⇒参考:PR×デジタルマーケティングにはSNSも必要!4つのエンゲージメント戦略について

 

どんな広報コンサルタントやエージェントが最適ですか?

PR会社のエージェントやコンサルタントに問題解決を依頼するさい、何を基準にしていますか?
もしかして、「会社規模」や「プレゼン資料」だけで判断していませんか?

それも1つの判断基準ですが、正直、それだけで安心して業務を任せることはできません。

1.PR会社に問われるのはプロフェッショナル性の高さ

たとえば、税理士。顧問となる税理士事務所を社員数やホームページだけで選んだらどうなるでしょうか?

おそらく、間違いなく失敗します。もちろん、それも大切な要素です。いっぽうでPR業務は税理士や弁護士などと同じ専門知識が問われるプロフェッショナルな領域です。そこには知識、経験、人脈、ソリューション能力、プロジェクトマネジメント、課題設定スキル、危機管理能力、プロフェッショナル性、さらには人柄やコミュニケーションなど会社規模とは関係ない、あるいは反比例する要素もたくさん存在します。

2.理想のPRコンサルタントの素質とは

PRコンサルタントなら誰でも、広報の問題が即時解決ができると思ってしまうのも少し間違っています。
たとえば、ほとんどメディア業界経験者やコンサルファーム出身の弊社の場合でも、戦略プラニングを上流から行えるのはごく少数です。まだ入社間もない社員ができないのは、ある意味当然なのです。

とくにPRや広報分野は社内情報の取りまとめからはじまりブランディング、WEB戦略やコンテンツマーケティングとのインテグレーション(連携)など多岐に渡ります。上場を控えている場合、経営戦略や株価対策などをトップダウンから構築する必要もあります。

そうした場合、現在の問題を的確に解決する『広報エージェントのプロフェッショナル力』を選ぶ目利きが選ぶ側にも必要となります。それらを踏まえて、あなただけに教えるPRコンサルタントを選ぶさいに押さえるべき10のポイントを紹介していきます。

 

あなたと相性の良いPR会社を探すために知っておくべき10のポイント

1.PR広報に集中的に取り組んでいる

PRのような専門性の高い分野では、依頼するエージェントが広報の問題に対して積極的かどうかで大きな違いが生まれます。

正直、相当に優秀な人材でなければ新人や新卒社員に情報戦略のコンサルティングはつとまらないでしょう。単に経験が長いだけではなく、その分野に集中的に取り組み、数多くの実績を残して案件を解決してきたことは絶対条件といえます。

2.過去に行ったコンサルティングなどの実績が豊富である

事例が多ければ、過去の事例を参考に最大公約数となる解決方法や、最短の進め方を選ぶことがができます。その結果、期待以上の成果やメディアとの有利なコミュニケーションが構築できます。

また、実績が豊富であれば、あなたの会社の欠点や不利になる点の指摘や改善策なども容易になります。単に広報的な知識が豊富というだけではなく、現場での対応力はそれだけ強みになるわけです。

3.テレビや芸能人イベント以外の打ち手を豊富に持っている

「何でもかんでも芸能人イベントや記者会見にテレビを呼んで解決しようとする」。最近、よく耳にする話題です。芸能人イベントはコスト負担が大きくなります。狙った番組に強引に出そうとすると、制作サイトへのペイドが必要になります。また、イベントを行えばタレント起用の費用が発生します。また、そこに呼ぶためのテレビクルーもコストに盛り込まれることさえあり、どんどん悪循環に陥ります。

もちろん、最終的な着地が芸能人イベントやテレビ番組であってもかまいません。ただ、そこに至るまでにそれ以外の解決方法を豊富に持ち、自社の損得や都合を一度脇に置いて、クライアントファーストで提案してくれることがベストなPR会社の特徴といえるでしょう。

⇒参考:広告はもう古い?PRファーストで市場をつくれ!

4.専門家との横のつながりを多く持っている

PR広報ではメディア人脈や有識者同士のネットワークが必要になります。そういった人的ネットワークや専門家との連携を取れるかどうかもとても重要です。

会社規模は、じつはあまり結果を左右しません。それもよりも対応できない問題に対して、専門性を深く掘げて有機的に動けることこそ良いPRコンサルタントの条件といえるでしょう。

5.エビデンスをみずからリサーチして提示できる

完璧なエビデンスを手に入れるためには、専門家の力を借りた方がいいでしょう。ただし、社会的背景やストーリー作りのきっかけであれば、ネット上の「ファクト(事実)」だけで事足りることがほとんどです。

⇒参考:PRストーリーの創出は最良の広報対策である

6.料金体系が明確である

PR会社への依頼は『リテナー契約』が基本になります。が、高すぎると負担になります。だいたい、どれぐらいが相場感になるかというと、依頼する会社規模や条件によって変わってきます。

弊社へのセカンドオピニオンの相談でよくあるのが芸能イベントやプレス資料作成、あるいはBS番組やネット動画配信などの項目が、ペイドパブリシティ(有料広告)と一緒に最初からセットにされた見積になっているケースです。オプション料金が続々と発生してしまうと、本来はPR広報に回すべき予算が削られるばかりか、広告プロモーションと大差がなくなぅていまいます。

これでは、PR会社を活用して予算を最適化するという目的から外れるばかりか、総額金額も相当な額になってしまうでしょう。そして、これに端を発したのがパブリシティのステマ問題でした。そうならないためにも、必要な施策とそうでない施策をしっかりと区別することが必要です。

7.できないことは利益になっても「できない」とハッキリ言う

一方でPR会社が全部悪いいうかというと、一概にもいえません。KPIをコストパフォーマンスや目的からの逆算でなく、露出だけで判断するとなければ、追求の結果として広告のようにメディアを枠として押さえてアウトプットだけを評価するのは正解だからです。結果、PR会社のステマ問題が世間を賑わせることになるのです。

これは、私たちも含めたPR業界全体の問題です。誰かだけがダメージを受ける話ではありません。我々だけが他人の顔をするつもりもありません。ある程度の規模を持ったエージェンシーであれば同じように背筋を凍らせたでしょう。

ただ、少なくとも実施の有無はもちろん、リスクや別の手法ををわかりやすく説明してくれるかどうかがPRエージェンシーやコンサルタントを選ぶ重要なポイントになります。できれば担当のコンサルタントに詳細な説明を求めながら、不必要な施策やインクルードされたペイドメディアがないかは確認しましょう。

⇒参考:PR会社のステマ問題について(出典 週刊ダイヤモンド 記事より)

8.リスクについてもしっかりと説明をしてくれる

上記7にも通じることですが、PRや広報の露出や成果に「絶対に」「必ず」という約束はありません。

もしあれば、そこには必ず「ペイドで枠を押さえてあるので」というコンサルタントの心の声があるはずです。それは、100%ペイドパブリシティとなりますし、弊社のコンサルタントは間違ってもそのような発言はしません。とくにPRにおいては確実に露出できる事案でもあっても、リスクは必ず存在しているのです。

⇒参考:PR会社の2つのメリットと4つのデメリットとは

9.コンサルタントの数にこだわらない

PR会社に相談をするさいに、担当するコンサルタントの数にこだわって探す方が多くいます。大勢の担当がつけば、それだけメディア露出が有利であるという考えからくるものです。

しかし、たとえば弊社であれば、メディアアプローチは社内で情報が共有され、組織的に行われております。テレビ局の訪問も1人の担当が数件のリリースを同時にディレクターに説明しています。また、2000名以上の記者やディレクターに、一斉リリースメール配信する独自機能も備えています。数はむしろ邪魔になることが多く、質の高い1,2名のプランナーがいれば十分であり、むしろプロジェクトの話が進みやすいでしょう。

10.あなたにとって話しやすい存在ですか

最後になりますが、PRにおいては担当とのコミュニケーションが成果を左右します。そのためにも最終的に担当との相性が一番大切です。担当の情熱が感じられるか、想いを共有できるか、最後まで諦めずに活動して食えるか、をしっかりと確かめながら、あなたの条件を満たす会社や人を選びましょう。

 

PR会社側が抱える問題点とは

いっぽうで、PR会社も「戦略」という言葉を難しく語りたがります。そのほうがプロフェッショナル性を感じさせることができるからです。しかし、これを一言で表現すると「目的を達成するための準備と計画」です。本当は小学生でもわかるシンプルな意味です。

それがいざ、ビジネスのコンサルティングや情報発信のシーンになると、多くのビジネスパーソンが「市場セグメント」「ターゲティング」「ポジショニング」「ペルソナ」「カスタマージャーニー」などの難しい言葉に捉われ、動きやアウトプットの幅を狭めてしまいます。

1.シンプルにすれば見えてくる「戦略PR」と「PR」の違い?

それらを踏まえて戦略PRとPRの違い一言で表現すると、戦略PRとは「目的達成の為に主体性と計画性を持って行うPR活動」。⇒参考:戦略PRとは?今さら人に聞けない

比べてPRは「目的を持たずに、受け身でメディア露出を獲得するPR活動」といえます。

2.目的を明確するから戦略のPDCAが活きてくる

  • 商品やサービスの売り上げを何割上げたいのか?
  • 誰に、どのようなイメージや文脈で知ってもらいたいのか?
  • 企業のイメージをどのように変えたいのか?
  • 広告費を抑えたいのか、増やしながら連携させたいのか?

たとえばこれらを定義して目指す理想像を決める事で、初めて企業が目指すべき広報や、そのための戦略PRを実施する土台が作れます。

PR会社を活用したあとで、その「セカンドオピニオン的」に弊社に相談されるケースも増えています。そうしたさいに、この「目的部分」があやふやなマーケティング・広報部門が多いという印象をうけます。

 

戦略的なPRを行う上で大切なことは2つだけ

PR会社を活用してPR戦略を実践するあたっては、利用する側のクライアントはどのような点を意識すれば良いのでしょうか?
じつは戦略PRを実践するために大切な事は2つしかありません。

1.目的と目標管理や実行方法を担当者全員が同じく共有ができる

何のために広報活動を行うのかという「目的」と、そのためにどのような「イメージ」「文脈」をプラニングし、どれくらいの売り上げ・認知度を、いつまでに獲得するかという「目標」を、いつでもサラッと言葉にできるくらい頭に叩き込む事が大切です。

2.大切な人や企業に理想的な行動を取って貰うイメージで長期的に説得する

これもビジネスの現場では、「市場をセグメントして「適切なカスタマージャーニーを用いて」「ペルソナのターゲットに」などと難しく語られます。しかし、大切なのは、人や企業に理想的な行動を取ってもらうための会話を、広報活動としてどうするかです。

例えば、目が悪くなった母親に老眼鏡を薦める場合、

  • お母さんこんな老眼鏡があるんだよ=商品発表
  • 眼鏡を掛けないと転んじゃう!心配だよ=リスク喚起
  • 一回眼鏡屋さんに行ってかけてみよう=キャンペーン
  • お母さんを助ける情報がサイトにあるよ。怪我する前に見てみて!=デジタルマーケティング
  • 眼鏡を掛ければ表情がイキイキして明るくなれるよ。=PR文脈
  • 文章よりも利用シーンのほうがわかりやすいよ=動画配信・YouTuber

上記のようなコミュニケーションを順番に半年~1年のスパンで取っていきます。
市場セグメントやカスタマージャーニーなど、難しい言葉で理解しようとするから混乱してしまいますが、PR会社がおこなうべき戦略PRのコミュニケーション設計は、本当はとても簡単なことなのです。

⇒参考:地道な広報戦略の先にこそメディアがメディアを呼ぶ情報連鎖がある

 

企業における活動の本質を理解する

さてここからは、実際の企業コンサルティングの活動内容をより深く紹介しながら、PR会社の本質的な活動内容を掘り下げていきたいと思います。

PR会社の活動は、しばしば広告宣伝と混同されるというのは前述の通りです。なぜ混同されるかというと、「人々に自社の商品やサービスを広く認知してもらい、利用につなげたい」という明確なゴールが同じだからです。

また、昨今ではコンテンツマーケティングや記事風広告の登場により、ユーザーに与える影響はかなり近いものになってきています。PR活動にお金をかけるのも、広告にお金をかけるのも、ゴールと成果が似ているのならば、どちらでもかまわないと考える人が増えるのも無理ないことです。

■PR会社の活動の本質は社会との接点づくり

しかし、PR会社の活動と広告宣伝は、本質的には本来違うものがあります。

PR会社の活動の本質は、「社会との(よい)関係性を作る」ことです。
簡単に言うと「会社自体や商品、サービスなどにファンを作る」こととも言い換えられるでしょう。

そのために、すべきなのが「自分たちはどういう形で、社会との関係性を作っていくかをクリエイティブして表明する」ことです。
ときには、地道にコツコツとユーザーと向き合うことも必要です。ソーシャルネットワーキングが普及した現代では、ブログやSNS、クチコミやファンコミュニティなどを通じて、顧客と対話していくことが必要とされるでしょう。

■PRでファンを生み出すとは

しっぽう、こうした考え方がアップデートされていないと、PR活動の意義を見出せないこともあるかもしれません。

しかしPR活動の最大の成果は、会社のファンを創出すること。そして、ファンがさらなる熱狂的なファンを生み出すことにあります。そのため、長い目で見ると、PR活動によって企業の大きな財産を得ることになります。

■広告の本質は商品やサービスの売り上げをあげる

一方、広告の本質は「商品やサービスを認知させ、売り上げをあげる」ことです。
お金をかければそのぶん狙った時期に、確実に露出できるため、認知度を高めるにはPR活動より早く結果が出ます。

かわりに、広告は一方的な宣伝となってしまうため、多すぎると「イメージダウン」「うざい」「やらせ」といったマイナス感情をユーザーに持たせてしまいます。

さらに効果は短期的であることが多く、会社のファンを作るのは難しいのも特徴です。そのため長期的なブランディングには不向きといえるでしょう。

■メディアとのリレーション(関係)構築について

PR活動を行う上で、メディアリレーションを構築することは1つのキーポイントになります。

メディアリレーションとは、その名の通り「メディアとの関係を構築すること」です。メディアに取り上げてもらうことは、認知度を高めるために大きなステップとなります。

そのためにも、メディアの記者やライターとはより良い関係性を築いておかねばなりません。

また、メディアの方々も全てではないにしても、困ったときに良い情報を提供してくれるPR会社とは仲良くしておきたいと思っています。
特ダネや良質な材料の提供ができる、信頼できる情報源がほしいためです。

■メディアリレーションの注意点

ただ、メディアリレーションを考えるときに、注意しなければならないポイントも存在します。
とくに以下の点に注意してください。

①メディアは「宣伝」に使われたくない

メディアは「特定の企業や商品、サービスを宣伝することができないし、したくない」という考えを持っています。そのため、PR活動をする際は、常に念頭に置いておかねばなりません。

メディアは「社会の課題」「読者の話題になりそうな内容」を取り上げたいのであって、特定の企業やサービスに肩入れしているわけではありません。

ただ、PR活動をしていると、どうしても「宣伝してほしい」「1社単独で取り上げて欲しい」「自社に有利になるように扱ってほしい」という意識を強く持ってしまいがちです。
しかし、それではいけません。メディアに向けて発信するときは、提供する情報がいかに社会の役に立つか、を考えなければならないのです。

②メディアの理念を理解する

セミナーや告知などの「宣伝」をしないというのもメディアの理念です。もちろん、それはCMなどの広告枠以外では、という意味です。

それを含め、根本的にメディアの持つ理念を理解しておきましょう。ここの理解がおぼつかないと、的外れなPR活動をしてしまう可能性があります。

③メディアは社会を良くしたいと思っている

メディアの中でも、とくに社会的地位の高い新聞や報道番組といったメディアは「社会を良くしたい」という理念を持っています。なかでも、若い現場の記者ほどそれが顕著です。

2018年、ある東京新聞記者と内閣官房副長官とのいざこざが絶えませんでした。賛否はあれ、これもやはり社会をより良くしたい、という理念からくるものでしょう。そのため、社会を良くするために必要なことは何か?提供する情報は社会にどう影響するか?という視点を持たねばなりません。⇒参考記事:東京新聞社と内閣官房会見のメディア問題(出典 BUSINESS INSIDERより)

④記者は「稼ぎたい」という思考を嫌う

とくに現場にいる記者は、「媒体を稼がせるために書く」という意識を持っておらず、ジャーナリズムの動機で動く傾向にあります。そのため、一般の企業が持つ「稼ぎたい」「稼がせたい」というニュアンスを漂わせると、嫌われる可能性が高くなります。

PR活動の本質である、「社会との関係性を築き」「読者の関心を通じて」「社会をより良くする」という方向性を忘れないようにしましょう。

 

取材を獲得する仕組みを知る

こうした理念を理解していても、メディアの目に留まらなければ取材されることはありません。取材されるために必要なのは、さらにその仕組みを知ることです。

■情報を入手する

記者は以下のようなルートで情報を入手します。

  • ・プレスリリース
  • ・電話
  • ・記者クラブへの情報提供
  • ・記者個人の情報網

このうち、PR会社の活動として最も多く使われるのがプレスリリースです。
記者個人への情報網に潜り込むためには相当の年月を要します。

■取材

こうした情報源に基づき、記事にする価値があると判断したら、記者は取材を行います。
取材したものがすべて記事になるとは限りませんが、取材されないことにはメディアへ露出する可能性は低いままです。

■上司(デスク)によるチェック

記者が取材をし、記事になると判断されれば、記者は記事を書きます。
ただ記事になる前に「デスク」と呼ばれる上司にチェックを受けることになります。

デスクの判断で記事掲載が見送られたり、記事のテイストががらりと変わったりすることもあります。

■PR会社がメディアの特徴を踏まえてやるべき3つのこと

こうした特徴や仕組みを踏まえると、実際にやるべき3つの具体的行動が浮かび上がってきます。

①提供する情報に社会的価値を付加する

自社利益しか考えていないPRはメディアに嫌われるだけでなく、長い目で見ると行き詰ります。「社会とのよい関係を築くために何をすべきか」というPR活動の本質を忘れてはなりません。

そのためにも、メディアに情報を提供する際には、社会的価値を付加するように意識しましょう。もちろん根本に社会との関係性を意識するのは大切ですが、わかりやすい形で情報をデザインすることも重要です。

②プレスリリースはこまめに送る

メディアリレーションをこれから築くという段階では、プレスリリースが基本的な情報発信手段となります。
プレスリリースはこまめに、継続して送りましょう。粘り強く送ることでいずれ目に留まる日が来ます。

③記者との関係を良くするように努める

記者も人間です。日ごろから親しくしている人がいたり、役に立つ情報をくれたりする企業や人には恩返しがしたいと思うのが自然な心理です。

むやみやたらに媚を売る必要はありませんが、クオリティの高い情報を提供する、逆に低質な情報は提供を控えるなど、記者との関係性はよくするように努めましょう。

記者にとってより良いPR会社の担当者となることも大切です。記者にとってよいPR担当者とは、質問への答えが明確で、顔が広く、記者の立場に寄り添ってくれる、そんな特徴を持つ人材です。

このようにメディアリレーションは非常に重要ですが、構築にかなりの時間がかかるものです。しかし、一度深い関係性になれば、長く付き合うことができ、お互いに価値を交換し合うことができます。PR活動の成功には欠かせない要素ですから、意識すべきでしょう。

 

「戦略を作る」ために行う8つの上流工程を知る

PR会社は、戦略的に社会的に価値のある情報を発信することを重要視しています。

しかしそれだけではメディアに取り上げられる可能性は低く、取り上げられてもその扱いは小さいものになりがちです。

メディアで大々的に取り上げられるためには、「話題性」が必要だからです。PRを効果的に進めるためには、話題を作ることを意識しなければなりません。そのためには以下の8つを意識しましょう。

1.PRにニュース性を持たせる

PRしたいものと社会との接点を設けて、注目されるようなニュース作りを行いましょう。
どうやってニュース性を持たせるか?を考えるには、アイデアドーナツという方法が有効です。

たとえば、PRしたいものと関係性の強いキーワード、世間が関心を持っているキーワード、ユーザーが常に気にしているキーワード、流行しているキーワードなどを一覧にしてアイデアを膨らませます。

このようなアイデア出しやシミュレーションは、取材獲得のヒントにもなります。

2.コラボレーション

新規ユーザーの獲得と、注目度アップに効果的なのがコラボレーションです。別名ジョイントベンチャーともいいます。

コラボレーションには同業他社とのコラボレーションと、異色のコラボレーションの2種類があります。同業他社とのコラボレーションは大きく外す心配はないですが、お互いの顧客を食い合うおそれがあります。また、注目度としてはそこまで高くありません。

異色のコラボレーションは注目度が高く、新規ユーザーの獲得を狙いやすいですが、既存ユーザーが離れたり大コケしたりするおそれもあります。効果が高いぶん、リスクも相応にあり、諸刃の剣になるといえます。

3.イベント開催や大会への出演

イベントや大会といった、ある程度の規模がある施策はそれ自体にニュース性があり、メディアの関心はもともと高いものです。ただ費用が掛かるという点、単発的なPRにとどまることが多いという注意点もあります。

イベントや大会の成功だけに目を向けず、その先にある長い目線でのPR活動も意識して行いましょう。うまく活用できればPR戦略の起爆剤ともなり得ます。

4.ブランディングと独自性を磨きぬく

しっかりとした信念のもとにPR起点でのブランディングを行い、独自性を磨きぬけば、事業自体にメディアを引き寄せる効果が生まれます。

時間はかかりますが、長く注目されることになるため最終的にはこの方法を目指すのが望ましいです。

5.活動のステップに落とし込む

PRの手法にも様々なものがあります。フロンティアコンサルティングが過去に推奨してきた手法としては、プレスリリース、イベント、有名人に商品やサービスを使ってもらう、記者会見などの方法があります。

もちろん、今でもそういった方法は健在ですが、最近、特に注目を集めているのがソーシャルメディアや動画を活用したバズPR手法です。

とくにソーシャルメディアの投稿自体や動画を話題化させるという手法が注目を集めています。ネット環境の高速化により、よりリッチでハイスペックな動画も、問題なくターゲットに届けることができるようになりました。

ネット時代である今では、ネットを利用したPR手法を把握しておくことがPRの成否に大きく関係してきます。常に最新のトレンドをリサーチするアンテナを持つ必要があるでしょう。

6.コンセプト設計を決定する

そのブランドは何を提供していて、何をもって社会に貢献できるのかをしっかり作りこむことも大切です。このコンセプトがぶれていると、いくらPRをおこなっても効果は半減してしまいます。

本来は自社内で行うべきことですが、客観性を持つ第三者(PR会社のスタッフなど)をまじえることで、戦略的で自然なコンセプトの決定がなされることもあります。

7.ブランディングデザインを設計する

続いて考えるべきは戦略のデザイン設計です。ブランドを最も象徴づけるのがイメージやキャッチコピーです。
様々なメディアを通じて発信されるとき、名称とキャッチコピーは一糸乱れぬ統一感がなければなりません。

そのためには、考え抜かれた洗練されたものを作る必要があります。
一目見て、PRコンセプトやメッセージのインパクトが伝わるかが大切です。

8.PR戦略のためのストーリーを設計する

コンセプトと代表となるデザイン設計が可能となったら、「誰に」「何を」「いつ」「どのように」情報を発信するのか、「どの媒体に」発信すれば効果的なのかを考え、ストーリーを作ります。

各メディアへのプレスリリース、キャンペーンサイトの制作、プロモーションイベントの企画、SNSを通じた拡散とイベントの企画から運営、記者会見、タレントキャスティングなど、様々な方法を検討しつつ、社会的に浸透・拡散させ、好意的に感じてもらえるようなストーリー作りを行います。

また、一度発信して終わりではなく、SNSの拡散数など効果を測定できるところを探し、効果測定と見直しを繰り返しながらPR手法を磨きぬくことも重要です。

 

まとめ 改めて問われるPRの本当の意味とは

PR会社の活動とは企業のなりたい理想像・商品の売り上げ数字を達成するために、「誰に」「どのメディアで」「どんなメッセージを」「いつまでに伝えるか」を計画し実践する活動です。

世の中の広報関連のビジネス書は、どれも難しい言葉で説明されています。しかし、極論をいえば、すごく簡単で単純なことを難しく表現しているだけです!海外に向けたの情報拡散でもそれは同じ。本質はとてもシンプルなんですね。

また、仮に予算が少なくても、今回紹介した点をよく理解していれば効果的なPRは不可能ではありません。広告宣伝と違い、スモールスタートが可能であるというのもPRの大きなメリットです。

ただ、そのためには自分たちの会社のサービスについて、本当に重要なことをきちんと把握しておく必要があります。
あとから後悔しないためにも、PR会社との活動を通じて、自分たちのことをもう一度見つめなおす第一歩とすることも大切なのです。

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