プレスリリースとは広報活動の基本であり、メディアに対して自社の商品・サービスなどを伝える場合に用いられます。
インターネットの普及により、SNSや自社の媒体などで情報を伝えることも多くなりました。しかし、いまだにメディアに宣伝してもらうプレスリリースの効果は健在です。そこで、今回はプレスリリースの基本中の基本から高度な戦略知識をまとめて解説。
ちなみに、私は20年近く、「スーパーJチャンネル」「めざましテレビ」「王様のブランチ」など人気番組の放送作家や、日本テレビ「ストーリーランド」の脚本家などすべて同時に手掛けてきました。
今回はそうした経験やノウハウを踏まえ、プレスリリースとは?の基本的な部分からテレビ業界の裏話、さらには広報担当者なら知っておきたいプロジェクト実行方法や作り方のポイント、オススメ書籍まで詳しく紹介します。
*こちらも人気:PRと広告の最大の違い知ってる?現役記者が解説
プレスリリースとは

そもそも、プレスリリースとはなんでしょうか?
テレビや新聞などのマスメディアに向けた情報提供をプレスリリース(英語名: press release)と呼びます。あるいは、告知や発表のことであり、「ニュースレター」「ニュースリリース」「報道発表」とも呼ばれています。英語でpressとは「新聞」または「マスメディア」を指します。releaseは「報道」「発表」「公開」を意味します。
という堅い内容は置いて、簡単に一言でいうとメディア向けの企業・団体の公式発表をプレスリリースだと覚えて下さい。
近年では、リリースの内容はウェブ配信サービスや、自社メディアなどへのプレスだけでなく、SNSなどを通じて直接消費者の目に止まることも多くなってきています。そのため、ニュースリリースと呼ばれることも増えてきたわけですね。
プレスリリースも変化している
2022年においてもはやプレスリリースを知らない人はいないでしょう。インターネットが普及した現在では、紙媒体よりもスマホでニュースを見ることが多くなっています。プレスリリースの発表はファックス送信、郵送、記者クラブなどでの文書の直接配布や投げ込み、記者会見での手渡しなどの方法が用いられます。また、上記の理由からメールや配信サービスで行う場合も増えています。リリース後は、自社のウェブサイトの情報掲載するなどオンドメディアでの活用ケースも増加しています。
それでも元をたどれば、プレスリリースは新聞や雑誌、テレビなどのメディアを通して提供されてきました。独自の視点で提供しているウェブニュースサイトを含め、今でもメディアから取り上げてもらうためにプレスリリースを作成し、送付するのが基本です。
送る方法として、郵送、FAX、電子メール、サイト専用フォーム、投げ込みなどを利用します。このサイトでは全てのやり方まで紹介していきますので、わざわざ有料セミナーなどで学ぶ必要もありません。
プレスリリースの目的
プレスリリースをメディアの種類別に送る目的は、メディアに「取り上げたい」と思ってもらうためです。メディアから取材をしてもらえれば、宣伝効果が見込めます。しかも、広告枠を購入する場合とは違い、掲載されてもメディア側から料金を請求されることもありません。プレスリリースは、費用対効果が高い施策だといえます。
通常の企業では広報部門やIR部門の担当者、マーケティング部門などがリリース配信を行うことが多く、政府や行政などでは報道官や入札による外部のPR会社などが請け負っています。
*リンク:すべて完璧にまとめてみた!メディアの17の種類と影響度を知ろう
プレスリリースが存在する理由
メディアは常に新しい情報を求めています。とはいえ、常に探し続けていたとしても限界があります。しかし、プレスリリースがあることで向こうから情報が飛び込んできます。
メディア側としては非常にありがたいものなのです。一方、提供側や企業側もプレスリリースを送ることによって、メディアに取り上げられるメリットがあります。つまり、プレスリリースがあることで、メディア側、提供サイドや企業側の双方が満足する仕組みになっているわけですね。
*リンク:弊社代表が取材を受けました「どうしたらメディアに露出できるの?」(出典:INOZU times)
プレスリリースはどうして必要【一番重要な役割とは】

自社で売りたい商品や知ってもらいたい活動があるのに、知名度がないため売れない、人が来ない……。
そんな時にメディアを使ってあなたの活動を世間に知らせてくれるのも「プレスリリース」です。
プレスリリースは広報業務の中核
そのため、広報の必須スキルとしてまず最初に覚えるのもプレスリリースの作成です。
基本的な広報業務ではありますが、自社のサービスや製品が世の中に広まるか広まらないかを大きく左右するものと言っても過言ではないでしょう。
プレスリリースによって発信される企業ニュースや新サービス、新商品に関する情報を報道関係者に向けて発表する文書は、広報業務の中核を成します。プレスリリースの基本はタイトル、写真、リード、本文、会社概要・連絡先の構成になり、内容は企業の新しいニュースや製品、場合によっては合併や他社との協業なども紹介します。
プレスリリースが企業の成長速度を左右する
同じコンテンツだとしてもプレスリリースの書き方次第で、その商品やサービスが世界中に世に広まるか、他の情報に埋まるかが決まる重要な役割を果たします。
認知度を得るだけなら新聞などに掲載される「広告」がありますが、広告とプレスリリースは以下のような違いがあります。
- 1:広告は掲載費用を媒体側に支払わなければならないが、プレスリリースは取り上げてもらえれば無料で掲載ができる。
- 2:広告はあくまで広告なため読者の反応が薄い場合もあるが、プレスリリースは記事として掲載されるため信頼度が高くなる。
- 3:広告は確実に掲載されるが、プレスリリースは新聞社やニュースサイトに選ばれないと掲載されない。
- 4:掲載内容も自分の意図していたことが書かれていないといった、自分でコントロールできない部分が発生する。
そのほか、投資家会社などのベンチャーキャピタルから出資の話が舞い込む、社員もモチベーションが上がる、採用PRに繋がる、社員のご両親が喜ぶ、などの副次的な波及効果も期待できます。
いっぽう、無料で掲載できて、高い効果を得られるとされているプレスリリースでも、扱いにくい部分もあるわけです。
広告との違いも含め、その特徴はしっかり把握しておくとよいでしょう。
*リンク:広報意外と知らない?広報PRがもたらす18種類の効果を知る

※出典_弊社が現場で活用している情報戦略策定シート
プレスリリースに必要なのは文章力よりも企画力
もしあなたが広報担当になりプレスリリースを書くことになった場合、「私に書けるのかな」と心配になるかもしれません。
しかし、心配には及びません。メディア担当者が欲しているのは、美しい文章ではなくニュース性のあるネタなのです。ニュース性というのは自らで作り出すこともできます。従来の商品・サービスに対して、季節ネタ、流行ネタといったものを無理やりこじつけて作り出すことも可能です。
メディア側が求めている物であれば掲載はしてもらえます。既存の物に何を掛け合わせるかという企画力が試されることもあります。
採用されない人に共通した考え方とは
プレスリリースがなかなか採用されない人に共通している考え方というのがあります。それはあきらめるという事です。実際、プレスリリースが採用されるまでには時間がかかります。ですので、あきらめずに送り続ける必要があるのです。かといって毎回なにも学習しないでリリースを送り続けたとしても、うまくいかない可能性もあります。そのためにも原因を考えることが必要です。
□あなたのプレスリリースが採用されない理由は主に3つあります。
- プレスリリースで伝えている内容が魅力的ではない
- メディア担当者にプレスリリースが届いていない
- メディア担当者にはプレスリリースが届いてはいるが読まれてはいない
1)プレスリリースで伝えている内容が魅力的ではない
この理由が該当すると思った場合は、次回は魅力的にする工夫を考えることです。どこまでいっても魅力次第です。他社の事例なども見ながらどういうのが採用されているのかを考える必要があります。
2)メディア担当者にプレスリリースが届いていない
見落としがちなのですが、このような場合も結構あるのです。担当者の名前を知っていれば、届きやすくなったり、読まれやすくなったりする可能性は上がりますが、最初は名前を知らないのが普通です。そこからいかにして名前を覚えるかが重要となります。
そのためにも、まずは何度も送ってみることから始めてみるしかありません。プレスリリースを送りすぎて怒られることはありません。とはいえ、宣伝じみた内容を何度も送ると嫌がられることはあるかもしれませんが、常識の範囲で送る分には何も問題はありません。担当者は日々の仕事で忙しく、興味のないリリースに関してはなるべく労力を掛けたくないだけなのです。
3)メディア担当者にはプレスリリースが届いてはいるが読まれてはいない
リリースの内容を工夫するのは広報だけでは難しいこともあるでしょう。しかし送り方に気を付けることはできます。「興味がある・ない」という評価を貰うところまでいけるように送り方に努力するのは広報にとって必要なことともいえます。

※出典_弊社が現場で活用しているPR文脈策定シート
【超重要】必要とされるプレスリリースの8つのチェックポイント
ここでプレスリリースの重要ポイントを1分で一気におさらいしましょう。
時間がない方はここだけ読めば、プレスリリースの基本的な戦略策定部分はすべて理解できます。
①タイトル・”何がニュースか?”が一目で分かる
・結論を言い切れている
・1テーマに絞られている
・ニュース価値を高めるキーワード(新・初・珍・最・特、等)を含む
・広告的・オーバーな表現をしていない
・サブタイトルが効果的
②リード文
・会社を一言で表現している
・15秒で読める(150文字程度、3~4行以内)
・「読者に知ってほしい」内容をここで言い切れている
・5W1Hを全て満たしている
③本文
・伝えたいことから順番に書いている
・主要内容を1枚目にまとめている(2枚目以降=商品概要、参考資料等)
・5W1Hに加え、Whom(誰に・誰を)、How much(金額・数・量)を記載
・将来の計画(拡大予定、売り上げ目標等)を記載
・会社名、商品名を重複させない(2回目以降は当社、当商品は、で可)
・タイトル、リードと同じ表現を重複させない
・時代背景・社会的背景(何故今?)を記載
・大義(地域、社会のため、等)がある
・客観的な実証データがある
・誤字・脱字・語句の用法の違いがない
・専門用語、業界用語を多用しない(特殊な語句:脚注付ける)
・段落分け、小見出しをつける
④ビジュアル(写真、イラスト等)
・一目でイメージがわく
・データ提供可能
・著作権・肖像権をクリアしている
⑤問い合わせ先
・社名・担当者名・電話番号、携帯番号、メールアドレスを正しく記載
・顧客、メディアそれぞれの問い合わせ先を区別している
⑥会社概要
・初対面の記者が一読して納得できる内容
・最新情報である
⑦その他(ターゲットメディア向けに意識して書く)
・自画自賛的、宣伝臭くない
・新聞向きか、テレビ向きかを意識している
⑧仮想プレスリリースを開発前に書く
さらに「在庫の山」を抱えないための、いわばビジネスプランのトライエラーをリリースで行う方法があります。新しく開発する商品・サービスが市場で受け入れられる確率を高める方法の一つとして、”仮想プレスリリース”を書くわけです。
書くメリットとしては、足りない何かを見つけるためはもちろん、ビジネスモデルのあら探しもできます。トライエラーのため箇条書きでもOKです。
□仮想プレスリリースの主な項目
- 開発時期、商品・サービス概要
- 単純明快な表現
- 競争優位性
- 社会的背景、経緯、必要性
- 技術的側面、苦労話
- ターゲット市場
- 定性的・定量的な目標
もし、上記のうち一つでも書けないポイントがあれば、世に出す前にハッキリとさせておくべきでしょう。
「商品・サービスを社会にどう伝え、何をもって知ってもらうのか?」。その完成後の情報拡散イメージを膨らませてこそ、結果的に自信をもって開発に専念できると思います。これが、プロダクトデザインとコミュニケーションデザインを相互に結びつける戦略策定につながります。
また、事前にニュースになる要件が全て整うのであれば、マーケティングで重要な4Pのうち、
①Product(製品)戦略
②Promotion(販促)戦略
は上手くいきやすくなります。あとは、私たちが問題解決手法として提唱する逆算思考マーケティングで、
③Price(価格)戦略
④Place(流通)戦略
が合っていれば、売れる予測ができ、開発の継続が判断できます。このように、PR広報だからこそ、プロダクトデザインとコミュニケーションデザインを双方からアプローチできます。
プレスリリースは単に情報発信して取材誘致することだけを目的とせず、事業戦略から落とし込んで考えることが重要です。PRサービスの必要性を、企業の広報担当者だけでなく、経営者や事業責任者に訴求する際にもこの視点は特に重要となりますので、是非参考にしてみてください。
*こちらもチェック:これからの新スキーム!戦略PRマーケティングとは?
プレスリリースの7つの配信方法

プレスリリースを発送する方法は大きく分けて7つあります。
これですべて網羅しているといっても過言ではありません。1つずつ説明していきましょう!
- FAX
- 郵送
- 電子メール
- サイト専用フォーム
- 記者クラブへの投げ込み
- 報道機関への直接持ち込み
- プレスリリース配信サービス
FAX
従来のプレスリリースではよく使われていた方法で、今でも新聞社やテレビ局などの現場では使われています。
FAXはページ単位で送ります。複数ページになるとバラバラになるために1枚にまとめたほうが良いともいわれ、内容量を気にする必要があります。また、メディア側のFAX番号を探し当てる必要があります。新しいメディアであるウェブメディアでは、アナログであるFAXはあまり使われることがありません。
郵送
新聞社やテレビ局、雑誌社ではまだまだ健在の方法です。送付する量もコントロールしやすいことがメリットです。
手間がかかる郵送だと重要な情報があるに違いないと考えてつい読んでしまうメディア担当者もいますので、工夫次第でもありますが開封率は高い傾向にあります。一方、ウェブメディアなどの新興メディアだとFAXと同じくあまり歓迎されない傾向にあります。
電子メール
現在、もっと一般的になった送付方法が電子メールによるプレスリリースです。
手軽に送ることができる電子メールは、受け取るメディア側も破棄することが簡単という両者のメリットがあります。その一方、手軽なだけに安易なプレスリリースの乱発が起きている事実も見逃せません。
サイト専用フォーム
メディアへの電子メールアドレスが分からない場合などに使用するのが、サイト専用フォームからのプレスリリースの送付です。
プレスリリースだけではなく、サイト全体の投稿フォームのために、メディアの担当者が見ていない可能性があります。
記者クラブへの投げ込み
全国各地にある県庁や市役所には「記者クラブ」があります。その「記者クラブ」に印刷したプレスリリースを持ち込む方法です。
印刷したものを直接メディア担当者に渡すことができるので、プレスリリースが読まれやすいというメリットがある一方、宣伝色が強いプレスリリースを提出してしまうと、それ以降相手にしてもらえない可能性があるというデメリットがあります。
*関連リンク:記者クラブへの投げ込みって効果あるの?方法は?
報道機関への直接持ち込み
新聞社やテレビ局、雑誌社に直接出向いて、プレスリリースを手渡す方法です。
受け取ってもらえれば読んでもらえる可能性が高いメリットがある一方、メディア側も忙しいため会ってもらえないことのほうが多いでしょう。メディア担当者との面識や、誰かの紹介がないと難しい方法です。仮に会ってもらえたとしても、宣伝色の強いプレスリリースを渡してしまうと、今後は相手にされない可能性もありますので注意が必要です。
プレスリリース配信サービス
最近、急激に増えているのがプレスリリース配信サービスを利用して、プレスリリースをメディアに送る方法です。
費用が手軽で一度に大量のメディアに送ることが可能、プレスリリース配信サービス会社にプレスリリースの添削、送付先であるメディアの選定などを依頼もできるので楽というメリットがあります。一方、自社の商品・サービスとマッチしていない複数のメディアにプレスリリースを送ってしまうというデメリットもあり、運用には注意が必要です。
*参考リンク:プレスリリースの4つの配信方法紹介
■プレスリリースの記者クラブ活用方法(浜松記者クラブの場合)
静岡県浜松エリアには、浜松市役所にある「浜松市政記者クラブ」と浜松商工会議所にある「浜松経済記者クラブ」の2つがあります。
市政に関する情報は浜松市政記者クラブ、浜松経済や企業情報などは浜松経済記者クラブの管轄です。
ここでは、より具体的にイメージできるよう浜松記者クラブの流れをお伝えしていきます。
浜松記者クラブの場合、「資料投函」「記者発表」の2つの流れがあります。

1)資料投函のやり方
PRしたい内容を書面にまとめて、記者クラブ内にある各社のポストに投函するのが「資料投函」の方法です。
・投函する予定の資料を15部作成する
・予約しないで浜松商工会議所会館5階西側にある浜松記者クラブに行く。
(記者会見中は中に入れないので前もって当日のスケジュールを聞いた方が無難)
・資料配布一覧を加入している団体にFAXするため、問い合わせができるように企業・団体名・件名・担当者・連絡先を明記する。
・加入社の名前が記入されているロッカーに1部ずつ資料を投函する
・それで終了ですので、そのまま帰れます。
2)記者発表までのプロセス
その時の担当になっている幹事会社に連絡し、記者発表の内容を説明して、許可が得られたら日程調整を行います。
・発表前に、発表内容をまとめ、説明に使う資料を作成します。
・浜松商工会議所5階西側にある浜松経済記者クラブに発表5分前までに向かいます。
・終了したらそのまま帰れます。
3)記者発表・記者会見の定義とは
なお、大きな組織や政府機関などが、社会的に考えてかなり重要な内容や、影響が大きいと判断されるような内容の場合、記者発表を行ないます。
プレスリリースの中でも記者発表になるのはごく一部にすぎません。官公庁や公社などの組織の場合は、建物内部に記者室がありますので、そこで行います。一方、民間企業は特に社会的に問題になり、関心ごとが高い内容に関しては自社内の会議室などに会見場をつくり、行われることが多いといいます。
社会的に関心があるような新商品発表であれば華やかに開かれるが、統計や経済指標の発表などは淡々と進むことが多いようです。
また不祥事が発生した場合の謝罪会見などは、たくさんのカメラのフラッシュを浴びながら行う事となり、記者からもかなり鋭い質問が投げかけられることも多い。発言の内容は注意深く行う必要があり、不適切な発言をするとますます問題が深刻化することもあります。

※引用画像_100名以上の記者が集まったエレクトロンラックス様の記者会見
さて、ここからはさらに私の知人の元産経新聞記者やNHK記者、現役のテレビディレクターに独占インタビュー。広報PRに関する業界内のうわさ話や裏話まで公開。どれもここでしか聞けない、プレスリリースの採用率を高めるために役に立つトピックばかりですよ。
FAXの一斉送信は知名度のない会社は不利(元産経新聞記者)
プレスリリースをFAXで一斉送信ということも考えたことがあるかもしれません。もし、あなたの会社がそれなりに知名度のある会社・組織であればそれなりに有効かもしれません。なぜなら有名企業からのリリースは、メディアにとっても有効なことが多いため採用されやすいのです。
一方、あまり知名度がないのであればFAX送信のやり方は難しいかもしれません。それはFAXの特性とも関係します。
FAXは担当者一人につき、一台というわけではありません。ほとんどが代表のところのFAX番号に送ることとなります。つまり担当者とFAXが物理的に遠かったりすると、ちゃんと届かせるということが無名の会社だと難しいこともあるのです。「〇〇部担当者にお渡しください」というメッセージがあれば先ほどよりも渡される可能性が高くはなるかもしれません。
しかし、FAXの場合はまだ問題があります。それはサイズです。FAX用紙は通常A4用紙が使われます。そして会社内で使われる紙も大抵A4なのです。それは何を意味しているかというと、メディア担当者の机が書類で積み上げられている状態だったとしたら、書類とFAXの区別がつきにくくなってしまい、埋もれてしまうことも考えられます。
あなたのプレスリリースだけを丁寧に保管しておくなどということはまずありません。結局他の書類に埋没してしまい捨てられてしまうことも多々あるのです。
メール送信はタイトルに力を入れる必要あり(NHK記者)
メディア担当者のメールアドレスはHPに記載されていることもあります。ですので、比較的容易に連絡先を獲得することは可能です。しかし安易に送ったとしても見てもらえない可能性もあります。担当者と面識がある状態であればちゃんと見てもらうという事もあるでしょう。
しかし、そのような関係がないのであればすぐ削除されることも考えられます。これらを防ぐための方法は、どこかで担当者と出会って面識になる、もしくはプレスリリースで掲載されたときに関係性を作っておくなどの事前準備が求められます。
それらの事前準備がないのであれば、メールの見出しに勝負をかけるしかありません。渾身を込めた見出しを作成してメールを送りましょう。
郵送はWEBメディア以外であれば有効的(テレビディレクター)
雑誌や新聞などWEBメディア以外の媒体であれば効果的なのが郵送です。プレスリリースを行った時にまず重要なのは、メディア担当者に手に取ってもらう事、そして読んでもらえることです。
郵送の場合、FAXやメールよりも大切にされることは想像がつくと思います。しかし、普通の大きさの封筒であればやはり担当者のデスクに置かれたまま放置されてしまうということも考えられます。そこで気を付けたいのはサイズです。よくあるタイプの長方形の茶封筒などで送っても大切にされない可能性もあります。
そこで提案したいのがA4サイズのプレスリリースを折らなくても入るサイズの大きい封筒を使う方法です。できればカラフルな色を使ってみるのも良いでしょう。
その上、表紙には大きい字で「プレス入りリース在中」と明記します。このように通常のサイズより大きい封筒で、色がカラフルで、表紙にプレスリリース在中と書かれていたら、よほどのことがない限り担当者は中身を見ないでゴミ箱直行ということはないはずです。
もちろん、内容が良くなければ掲載にはならないでしょう。しかしまずは担当者にちゃんと届けるということが大切なのです。
プレスリリースが採用されたら確かるべきこと
プレスリリースをあきらめずに続けていると、そのうち結果がついてきて掲載という話になります。特に最初に掲載が決まったときは、興奮してしまうかもしれません。しかし、ここで考えたいことがあります。それは以下の5つです。
- 無料で掲載できるかどうか
- 特集記事なのかどうか
- 特集でない場合はどのぐらいのサイズなのか
- プレゼント企画かどうか
- 広告依頼だったらどうするのか
1)無料で掲載できるかどうか
プレスリリースの目的は何といっても無料で掲載できることです。実はメディア担当者からではなく、広告担当者から広告の話を持ち込まれることも結構多いのです。ですので、メディア担当者から掲載の話を聞いたら、迷うことなくOKにしましょう。あなたが損をすることは何もないのですから。
2)特集記事なのかどうか
雑誌などであれば、掲載して反応が高いのは特集記事になった時です。特集記事とは、その企画だけで数ページにわたって記事や商品を紹介するスタイルのもの。読者から最も読まれる文章であり、ここに掲載されるということは注目を集めやすくなります。
3)特集でない場合はどのぐらいのサイズなのか
WEBメディアの媒体であれば、紙面という制約がないため一ページ全部をあなたのニュースに使ってくれることもあるでしょう。しかし、紙面の場合はそうはいきません。スペースという制約があり、特集記事でないのであれば1/4や1/2、それ以下のスペースも十分考えられます。とはいえ、掲載されることはチャンスです。担当者にできるだけ「ここだけは押さえてほしい」というポイントを伝え、読んだ人が読み足りなくて情報を探した時に辿りつけるような導線設計をしておく必要があります。
4)プレゼント企画かどうか
雑誌の場合、無料で掲載できる代わりにプレゼントを提供するというコーナーになるということもあります。このコーナーはプレゼント企画ですので、商品を提供することとなります。あなたが掲載したい商品の原価が安ければそれほど問題にならない可能性がありますが、そうでなければどれだけコストをかけても良いのかを考慮する必要があります。またプレゼント企画の場合は、応募先を自社にしてもらえるように出版社にかけあってみましょう。自社で送ることができれば、手間は増えますがリストを手に入れることができます。無料のものを欲しがるリストですので、購買にはそれほどつながらない可能性はありますが、欲しいとアクションを起こせる人でもあります。その後、特別なオファーをすれば顧客になる可能性もあります。
5)広告依頼だったらどうするのか
プレスリリースを出すのは無料の掲載が目的なわけですが、広告担当から広告掲載の打診の電話がくることもあります。もし、広告掲載の依頼だとしても反射的に断ってしまうことはもったいないといえそうです。というのも、広告の営業から電話がくるということは、出稿者がいなくて困っているからです。その上、あなたの商品・サービスが広告にも該当すると思っている節があります。つまり、あなた側に決める主導権があるのです。まずは金額を聞いてみましょう。その金額でも想定範囲内であれば頼んでも良いでしょう。しかし、ここでもう一回踏み込んで聴いてみるのも一つの方法です。もしかしたら半値以下の金額が出てくる可能性もあります。ここでやっていけないのは最初のいい値で契約してしまうことです。価格交渉は行う方がメリットは高いといえます。
プレスリリース12の基本構成と作成のコツ

プレスリリースが企業や団体が情報発信する基本のツールは間違いありませんが、インターネットの普及による環境の変化によってプレスリリースの役割も変化してきています。
具体的には、ニュースの素材であるにもかかわらず、ニュースそのものになっているということです。以前であればメディアの担当者を意識すればよかったものが、現在は生活者の目も意識しながら、関心を引くためにはどうしたらよいのかということが広報担当者の課題となりつつあります。
プレスリリースは新聞記事型が基本形
メディアによって情報のニーズは異なります。新聞記者であればニュースの素材となる、事実情報がもっとも必要とします。なぜなら情報の価値やニュース性の有無は記者が判断します。そのため必要なのは事実情報と簡潔にまとめられた要点だからです。
一方、テレビ関係者の場合は事実情報ももちろん必要ですが、即座にイメージできるかどうか、エンターテイメントとしての価値があるかどうかという点も重要です。
さらに、雑誌の場合は、その雑誌の読者に合致しているかが重要になります。そのため雑誌毎に異なるニーズが発生します。最後にWEBメディアの場合は、新聞的要素・テレビ的要素・雑誌的要素などさまざまなメディアが混在している状態になっています。
プレスリリースをする場合、本来であれば媒体毎に分ける方が効果は高くなります。しかし、そのやり方では物理的に大変な作業になってしまいます。そのため、メディアの特徴の最大公約数をとる意味でも新聞記事型のプレスリリースに落ち着いているようです。
具体的にご説明すると事実情報に対して過不足なく、簡潔に要点をまとめて説明しながら、面白みを追加するというものです。このような経緯があり、プレスリリースは比較的似たようなテイストである新聞記事型が多くなっているというわけです。
【他では絶対読めない】メディア目線で本音で語る読んでもらえるプレスリリースを作る12のコツ
あるメディアには週に300通ものプレスリリースが送られてきます。正直言って、担当者は開かずに見ないで「既読」にして終わることもしばしばです。
そんな大量にプレスリリースが送られてくる中でも、キラリと光るプレスリリースがあるといいます。今回はどのような「プレスリリースであれば目を引くか」ということを、あくまでも一例にはなりますが解説していきます。
1)件名が普通のプレスリリースと違う
ニュースアプリから配信されてきたようなタイトルになっていると、つい手に取ってしまうおようにしています。件名を見出しのようにすることで、読む人が楽しめるような工夫をしているわけです。
そのようなプレスリリースするには、以下の点に気をつけると良いでしょう。
- Webニュース・新聞の見出し・ニュースアプリでみるタイトルのパターンを組み込む
- 端的に伝わるように新聞調の言葉にかえてみる
- 件名には社名を入れていない
- 件名を読んだらワクワクする
- 宣伝だと一瞬で内容が分かるようにする
- ローマ字を使う際は、カタカナも併記する
- 件名に商品名を必ずしもいれるとは限らない
2)本文に細やかな配慮がある
そして、採用されるプレスリリースの本文ですが以下のような特徴がありました。
- リード文があることによって全体の内容が把握しやすくなっている。
- 定型文としてよくありがちな「××サービスをおこなっている株式会社□□(本社:東京都渋谷区、代表取締役:△△、以下〇×)は、といった文面を最初に置かない
- 受け取り手から「またここか」と思われないようにする
- Webニュースに掲載されることを想定して写真素材の用意はしっかりとする
- 写真で適当なものがなければ、広報自らが自分で撮影したり、社内のデザイナーに頼んだりして撮ってもらう
- プレスリリースをラブレターのように意識する
- 内容を作りこみすぎると受け手側は編集する余地が減ってしまい掲載しづらくなってしまうため、ある程度空白の余地を残す
- 商品の特徴だけでなく、使ってみた生まれた感情も入れてみる
3)全体を見てもらえるほど作りこまれているか
メディアに大量に送られてくるプレスリリースの中から、担当者に選んでもらい記事にしてもらうためには初見が重要になります。担当者が見る順番は最初が日付、鮮度を見るためです。
その次にタイトル。ここで興味を持たれなければ読んでもらえません。タイトルに興味を持ってもらえば、次に上から数行読まれることになります。そのあたりで記事にするかどうかが決まります。
もっと知りたければ記者側から問い合わせがおこります。このように最初の1枚で決まってしまいます。まずは最初の1枚をちゃんと読んでもらえるようにつくりこみましょう。
4)対象者が分かっているかどうか
ターゲットとする生活者が見えているかどうかで、文章の内容は変わってきます。
技術的な要素を気にしているのか、価格的要素を意識しているのか、ブランド的要素を気にしているのかで書く内容は変化します。ぜひ対象者が知りたい情報を盛り込みましょう。
5)リリースした目的は何なのかが明確
目的によってリリースの内容も変化します
- テレビや新聞などのマスメディアに取り上げられることによる露出の拡大
- イベントの集客向上のため
- 新商品の販売促進のため
- 新技術開発による市場での認知向上
- 投資家向けの認知向上
このようにさまざまなゴールがありますので、それぞれに角度を変えた書き方が必要になるのです。
6)何に絞って書くのを考えているのか
伝えたいものを全部伝えたとしても、受け手からすると印象がボケてしまいます。大きい組織であればあるほど、部署も多岐にわたりそれぞれが主張してくることもあります。その主張を受け入れてしまえば、内容を絞り切れなくなります。
では、どのようにして絞っていくかというと、重要なポイントだけを残して切り取っていくしか方法はありません。
そもそもプレスリリースを行うのは、生活者に訴求できるようにメディア担当者に原稿を配布します。ポイントが多すぎて生活者に訴求できず、担当者に響かないようであれば本来の目的を果たせなくなってしまいます。
一つの訴求ポイントがしっくりくれば、他のポイントも知りたくなるものです。まずはどれが一番の訴求ポイントなのかということを理解することが重要になります。
7)プレスリリース後の準備はできているか
企業・組織としての目的があり、その手段としてプレスリリースを使うのが普通ではないでしょうか。ですので、プレスリリースによって本来の目的に近づいているかどうかが重要になってきます。本来の目的のためには、記事として取りあげられようとするタイミングでの対応が重要になってきます。
というのもプレスリリースが採用される場合は、いきなり記事になるということも確かにありますが、大抵プレスリリース担当者に確認が入ることが多いものです。その時、プレスリリース担当者がどれだけ熱意をもって説明できるのかでその後の記事の対応が変わってくることがあります。リリース後も気を抜かずにいたいものです。
8)プレスリリース担当者はフルネームで書く
メディア担当者から見た場合、気になるのがプレスリリース元の会社の熱意です。「どれだけ本気に、熱意をもってやっているか」という部分はどうしても気になります。その一例として気になるのが担当者の名前です。通常仕事において苗字しか使わないこともあるとは思いますが、フルネームの方が責任をもって行っているという印象を与えやすいといえそうです。
9)メディア担当者と関係が良くなる工夫を
プレスリリースの目的としては、単純に記事になって問い合わせがきて終わりということではないはずです。あくまでもその先のことを考えて行っている場合がほとんどです。
もし、そうであればメディアの担当者と関係を良くしておくことは次回のプレスリリースの時にも優先的に対応してくれるかもしれません。そのため、メディア担当者にとってありがたいのは自分の知らないことを教えてくれる人です。
そのためにもプレスリリース担当者は、常に情報を提供しようと準備しておくことが必要です。
具体的には、メディア担当者から問い合わせが来た時に、相手が予期したものよりも深く納得できる材料を持っていれば信頼が得られます。信頼が得られるようになればプレスリリースを優先して読んでくれたり、何か情報が欲しい時は率先して質問してくれたりして、立場が逆転してしまうこともあります。
10)資料には数値の裏付けのあるデータを用意しておくと喜ばれる
メディア担当者からすると、資料の裏付けは欲しいところです。なぜなら正確でない情報は流せないからです。そのためにも、資料の裏付けとなるものを用意しておくと喜ばれます。できるだけ裏付けは数値のほうが客観的に評価しやすいということもあり喜ばれます。
11)会社全体での情報共有が必要
プレスリリースを行うにあたって、一番の障害となるのは「社内調整」です。この調整がもっとも時間がかかるということも少なくありません。そのためにしておくこととして、会社のトップと情報を共有し、説得をしておくことです。トップを味方につけることにより、プレスリリースの権限が明確になります。
このような状態にしておけば、他の部署から何か言われたとしても大丈夫です。このようにして広報担当者の仕事をやりやすくしておく必要があります。
12)プレスリリースの魅力度を上げるメゾッド「PR IMPACT」
もともとは、PR全体のストーリー構築のために有効な視点を見た場合の、マスメディアが注目するポイントを整理したものだったのですが、プレスリリースの内容を吟味するうえでも有効な方法です。
- 逆説、対立構造・・・Inverse
- 最上級、初、独自・・Most
- 社会性、地域性・・・Public
- 役者、人情・・・・・Actor/Actress
- キーワード、数字・・・Keyword
- 時流、世相、季節性・・Trend
このような6つの視点から情報を探し出すか創造していきます。
次に行うことは、アピールするポイントを決定することです。その案件が持ち合わせているいくつかの特徴のなかで、もっともニュース価値が高いポイントを選定し、そのポイントが一番映えるような表現をタイトルに使用します。
そのあと本文執筆に入りますが、簡潔な文章を心がけ、漢字やカタカナを過剰に使わないよう、読みやすくなるよう意識します。さらに写真、グラフ、チャートなどのビジュアルも意識していきます。ビジュアル的要素は、読者に理解を促すだけでなくインパクトを与えることができますので積極的に活用していきます。
そして、最後にネガティブチェックです。記事風、広告風のリリースは記者には嫌われます。著作権や薬事法などの法への配慮は必須ですし、他の媒体で掲載された「〇〇に掲載されました」などは、リリースの観点からみると不適切と言わざるを得ません。このような手順を踏みリリースを作成していきます。
プレスリリースの8つの目的別の作り方

メディアには大量のプレスリリースが届きます。
その中から読んでもらい、採用されるためには、単に情報を羅列するだけではなく、読まれるプレスリリースの作り方をきちんと覚えて、随所に工夫をする必要があります。メディアは公共的視点から宣伝色の強いプレスリリースは採用しないのはもちろんのこと、担当者が「面白い」「ぜひ取材をして視聴者に伝えたい」と思わせなければなりません。
プレスリリースの価値を上げる8つのコツ
そのために、ニュースの価値を上げる必要がありますが、以下の要素があると読んでもらえる可能性が高くなります
1.時流に乗っていること
世間で話題になっていること、多くの人が興味をもっていること、あえて時代に逆行していることなどを盛り込みます。
2.斬新的であること
新しく、画期的で、アイディアに富んでいるような内容を盛り込みます。
3.希少価値があること
唯一、他にはない、珍しい、優れている、ユニークなど希少価値があることを盛り込みます。
4.実利・実益があること
視聴者(読者)にとって、利益がある、役に立つ、商品などが当たるなど、実利・実益があることを盛り込みます。
5.季節感がある
季節限定、その季節と関連する、季節を感じさせるなど、季節感がある内容を盛り込みます。
6.今までで一番
業界初、日本初、世界初、地域初、最多、最小、最大、最短、最長など、今までで一番の内容を盛り込みます。
7.将来性を感じる
伸びそう、広がりそう、大きくなりそう、一般化しそうなど、将来性を感じる内容を盛り込みます。
8.人の心が動く
ストーリー性がある、感動する、びっくりする、感心する、心温まるなどの内容を盛り込みます。

※弊社出典:_戦略シナリオ・プランニングのための情報優劣判定マトリクス
ベテラン広報が語るメディアが取り上げたくなるリリースの3原則
では、この道10年以上のベテラン広報はプレスリリースについてどう語るのか。弊社のコンサルタントにアンケートを採りました。その結果が次の3つです。
1)プレスリリースはタイトルで決まる
前述の通り、ニュースレターでもプレスリリースでも最も重要な部分が「タイトル」です。
テレビのディレクターなどは、一日に500枚ほどのプレスリリースが手元に届きます。ただでさえ忙しい合間に全部のプレスリリースにゆっくり目を通してくれることなんてありません。
2)どのようにプレスリリースを見ているのか?
こちらも、ズバリ「タイトル」。タイトルを見て自分に必要な情報かそうでないか判断しているんです。自分に必要な情報とは、自分の持っている番組・コーナー・企画に合いそうか、ということを、です。そのために、各メディアに合った表現でタイトルを作ることが大切です。
いっぽう、タイトルの作り方の重要性を知っていると、つい、メディアの目を引こうとして「世界初の取り組み!」「史上初」といった煽るような文を書いていませんか?
3)脚色しすぎない
本当に世界初でスゴイものもあるでしょうが、実は大体がこじつけです。メディアの人はそんなリリースを何百枚と見ています。そのため、そのようなタイトルを見ても「またか・・」・と嫌な顔をされてしまう場合があります。ぎゃくに煽るような文に頼っていた方は、そのやり方はやめて、「簡潔に・客観的に・要点を伝える」ことを意識して書いてみて下さい。
もっとも良いタイトルの字数は?
タイトルは簡潔にまとめた方が良いということは分かりましたね。ではどれだけ短くまとめれば良いのでしょうか。短すぎても何が何だか分からない、長すぎても読みくい。一体どれくらいのボリュームが一番刺さるの?
ズバリ、タイトルの文字数は「13.5文字」と言われています。この文字数には2つの理由があります。
1)テレビのテロップが15字~20字であること
テレビのテロップはしっかり読むというより見せるように作られています。
この文字数を超えると左から右へとわざわざ目線を動かさないといけなくなり、見る人が大変になってしまいます。プレスリリースも一緒で読んでもらうというより、「見せる」ことが大切です。
2)Yahoo!トピックスのタイトルも13.5文字
タイトルで読者をひきつけなければいけないwebメディアでもタイトルの文字数は決まっています。この文字数が一番目につきやすいということが分かりますね。
実際にテレビや忙しいビジネス系の記者の方からは、プレスリリースはタイトルでほぼ判断すると言われるため、タイトルを短く簡潔に作ることができるようになるように訓練をしていきましょう!

※弊社出典:テレビ6番組に取材されたドローン操縦士協会様プレスリリース
ストーリーを伝えるタイトルを作ろう
さらにプレスリリースで欠かせないのが「ストーリー作り」。PR広報担当の方は頭を悩ませる要因の一つではないでしょうか。
原則プレスリリースは新しいもの・ことを発表する文書ですが、メディアの心を打つストーリーの中の新しいことであればプレスリリースを発信することができます。
ではストーリーの中の新しいこととはどのように見つけていけば良いのでしょうか。
社会性とストーリーの掛け算は効果的【事例紹介】
そこで私たちのクライアントの例を出してご説明いたします。
その企業は新卒採用で、現場のエース社員を投入し採用を行っていくという制度を導入しました。この取り組み自体は3年前に始めたものです。この取り組みが始まって3年、内定辞退者0という快挙を達成しました。エース社員だからこそ分かる本当に欲しい人材採用というところで、普段は現場で働いている方が専門外の人事という分野で頑張った結果です。
そのため、この内定辞退者0というところに焦点を当て、そこをフックにメディアへのアプローチを行い、新聞の取材を獲得しました。この件をプレスリリースでは打ちませんでしたが、プレスリリースにしても全く問題ない内容だったと思います。このように、一度出したものでも、ストーリーを作ることができ何か新しいニュースができれば発信することができます。それをタイトルで上手く使ってみましょう。
たかがストーリー、されどストーリー。中身をいくら頑張って書いても、ストーリーが魅力が無くて落とされてしまったら悲しいですよね。基本を大事にしつつ、色々な方法を試してみても良いかもしれません。

プレスリリースで大切なストーリーの心得3選
企業がテレビをはじめとするメディアに効果的に取り上げてもらうためには「ストーリー作り」が大切ということは、だんだん分かってきたのではないでしょうか。ここからは、そのストーリーを発信していく際に気を付けるべきポイント、より効果的に発信できるポイントを今回はお伝えできればと思います。
ポイントは次の3つです。
- ①リリース興味を引き付け、自社サイトでファン化・顧客化する
- ②ストーリーは微調整を繰り返す
- ③経営者は自信を持って話す
それぞれのポイントを詳しく説明していきましょう。
①リリースで興味を引き付け、自社サイトでファン化・顧客化する
ファン化!と言われるとちょっと身構えてしまいますか?
でもそのくらいの気持ちで伝えていかないと、中小企業は大手の面白い情報に勝てません。
プレスリリースにストーリーを詰め込み、メディアが興味を持ったら、次にメディアが必ず行うのは自社HPを見ることです。リリースでは少しの情報しか分かりませんから、企業HPを見て取材をするに値する企業なのか、リリースに書いてある情報は正しいのか、よく見極めます。
企業HPの中でも、とくに重要視して見るのが「会社情報」のページです。会社情報のページには概要はもちろんのこと、代表者の想いや会社が伝えたいメッセージ、企業の沿革など、もっともストーリーが現れる場所です。
しかし、ここをテンプレートのような無機質な作り方をしてしまっている企業は多くあります。それではもったいないですよね。会社情報とはもっとメッセージやストーリーなどの想いを伝えられる場でなければいけません。
会社情報を魅力的なページにするポイントは、以下の4つです。
- 沿革は年号と出来事を書くのではなく、そこに至った経緯や想いも書く
- なぜ自社のサービス、商品があるかを伝える
- 資格や賞はどんどん見せる
- 苦労話もストーリーが伝われば掲載してよい
いずれも、メディアが取材をするときに企画になるように書かれていること、紹介するに値するかを決めれられるエビデンスがあることがポイントです。
②ストーリーは微調整を繰り返す
ストーリーを作り、これでメディアに当たっていくぞと意気込んだはいいものの、中々出ない・・・。と悩んでいる広報担当者がいたら、時代の流れとともに微調整をしていくことをお勧めします。
営業をする時も、昔から鉄板の売り文句を何十年も使いまわす人はいませんよね。
時代の流れ、もっと言ってしまえば日々の移り変わりとともにストーリーも最新のものに少しずつ変えていく必要があります。
最近話題の社会的な時事ネタに絡ませてみたり・・・。メディアの意見や反応によって文言を変えてみたり・・・。微調整を繰り返しながらその瞬間に最高のストーリーを創り上げてきましょう。
③経営者はストーリーを自信を持って話す
メディアの前で経営者が話す際、自身なさげにたどたどしく話す方がいらっしゃいます。それではせっかくのストーリーが台無しですよね。
とにかく、メディアに出るチャンスを逃すまいと、必死で訴えかけてください。また、やってもいないうちから守りに入ってしまう経営者の方も多く見受けられます。中小企業の限界だから、どうせやっても無駄だから、とあきらめてはいけません。ストーリーを作ったら魂を込めて伝えればきっと届くはずです。そのお手伝いを私たちPR会社が行いますよ
以上、プレスリリースのためのストーリー作りの応用編でした。是非活用してみてください!
プレスリリース3つのメリット・2つのデメリット

プレスリリースの3つのメリットとは?
プレスリリースは、企業・団体側にとって3つのメリットがあります。それは「コストがかからない」「高い信頼性を獲得できる」「「情報を一気に拡散できる」です。
1)コストがかからない
プレスリリースは、メディアに採用され取材されたとしても、広告とは違い費用がかかりません。
郵送代、印刷代などの費用しかかかることはなく、電子メールを使用すれば限りなく無料に近いコストで送ることが可能です。
2)高い信頼性を獲得できる
宣伝色の強い広告と違い、メディアが取り上げるという事によって情報の質が担保されます。
なぜなら視聴者はメディアが中立性を保っており、メディアのフィルタリングを通した優良な情報だと認識しているからです。
3)情報を一気に拡散できる
テレビ・新聞、大手ウェブメディアに取り上げてもらえることで、大量の人に一気に情報を伝えることが可能です
*外部リンク:この記事も参考になるかも!筆者が解説した勝手に広がる情報の作り方(出典:Logmiメディア)
プレスリリースの2つのデメリットとは?
プレスリリースにはメリットがある一方、デメリットも存在します。
「記事の内容をコントロールできない」「記事にしてもらえるか分からない」などがあげられます。
1)記事の内容をコントロールできない
プレスリリースをとおして、メディアが取材してくれたとしても、自分の希望どおりの内容になるとは限りません。
あくまでもメディア側は客観的な視点での報道を意識します。そのため、メディア側にとって都合のいいように加工されたとしても覚悟するしかありません。
情報元がコントロールできないからこそ、視聴者(読者)は安心して見ることができるともいえます。
2)記事にしてもらえるか分からない
新聞社やテレビ局には毎日大量のプレスリリースが届きます。その数は電子メールの普及もあり、年々増加傾向にあります。
そのため、ますます競争率が高くなっているのが現状です。仮にその競争率を勝ち抜いたとしても、自分が報道して欲しいタイミングとは違う可能性もあり、その点ではデメリットです。
プレスリリースの理想のかたちをテレビ記者にヒヤリング

プレスリリースに様式はあるのでしょうか。実は、様式は決まったものがありません。
メディア側にとってみれば、必要な情報があればどのような様式でも問題はないのです。
とはいえ、メディア担当者も忙しいので、無駄に長くしたような文章は嫌われます。FAXで送付する場合は、バラバラになってしまうため、1枚に簡潔にまとめたほうが良いという意見もあったのですが、電子メールが主流になってきた今、あまり長さにこだわる必要はないようです。とはいえ、ある程度の書き方がありますので参考にしてみてください。
*参考記事:「ワールドビジネスサテライト」元ディレクター直伝!テレビを呼び込む禁断のプレスリリースの書き方
プレスリリースにかかる費用はほとんどナシ
プレスリリースによって、メディア側から取材、掲載されたとしても請求はありません。
広告代理店などを通して広告枠を買うのとは違い、プレスリリースはメディア側から取材をしたいと思う場合にしか掲載されません。あくまでもメディア側の意図に応えるカタチですので費用が発生しないのです。
かかる費用といえば、プレスリリースを発送する際、FAXで送れば電話代、郵送で送れば切手代など。わずかなお金で行うことができるのがプレスリリースの魅力です。
プレスリリースとニュースリリースとの違い
最近はプレスリリースに近い言葉でニュースリリースということが言われるようになりました。
内容自体はこの2つは何も変わりません。では、何が違うかというと対象が違います。プレスリリースは、プレス(メディア)に対して送るもの。一方ニュースリリースは、自社で一般のお客様向に対してニュースを発表したものです。
プレスリリースを送るべき理由
さらに、ここからは、プレスリリースの基本構成について考えてみたいと思います。このような悩みを持った方にお役に立ちます。
- 一生懸命工夫してリリースを作ったのに、なぜ採用されないかわからない
- マスコミにスルーされないリリースを作りたい
- これまでのリリース戦略を見直したい
コンスタントにプレスリリースを送っている会社を見ると、プレスリリースの効果を実感していると感じます。
広告と違い、取材されて掲載されるプレスリリースの内容は、視聴者(読者)からの信頼も厚いのです。広告と違い、プレスリリースは計算が立たないところが多いのですが、それでも消費者の信頼を勝ち取る意味ではなくてはならない手法なのです。
*参考リンク:プレスリリースの配信スタンド13社の徹底比較
「エイプリルフール」リリース

※出典_PRコンテンツのダイオウイカ天を紹介するはなまるうどん
近年、4月1日のエイプリルフールの日に架空の内容をリリースする企業・団体が増えてきています。これは報道を主とするメディアへの提供ではなく、あくまでも生活者への話題を提供、そして拡散を狙ったものになっており、面白さ・インパクトを重視した内容になっています。
ステマ問題やフェイクニュースなど、現在は情報により正確性を求められています。しかし、エイプリルフールに関して言えば、「このリリースは架空」であるということを明記することでリスクを排除しています。
実際にリリースした内容を見てみると、かなり緻密に作りこまれているものも多く、表現も豊かで、魅力的に仕上がっていることが多いので、プレスリリースを発信する側としては、研究対象にしてみるのもよいかもしれません。
動画リリース

※出典_PRで認知訴求を図ったワークライフバランス様のプロジェクト
また、ネットを意識したリリース方法として、動画でのリリースというやり方が見うけられるようになりました。
動画の良さである「すぐに理解できる」と「拡散されやすい」を活用した手法といえそうです。現在動画リリースは、リリース全文を動画にするというより、インパクトのある部分だけど切り取り動画にしている場合が多いようです。これは新しい試みでありますが、活字と画像が主だったリリース業界において、クリエイティブ的様相が強い。
プレスリリースとニュースレターの違いは?
私たちは普段何気なく、「リリース」という単語を使っていますが、実はリリースは大きく分けて2種類存在します。まずはその違いから一緒に考えていきましょう。
①「プレスリリース」
PRしたい商品やサービス、経営方針などの要点を報道機関または記者向けにまとめた資料
②「ニュースレター」
webメディアなどの報道機関を介さない情報発信または発表資料、メディアキャラバン用のファクトブックや郵送レター
リリースはA4用紙1枚にまとめるのが基本です。多くても2~3枚以内にとどめます。ただし、ニュースの要となる基本的な情報は必ず1枚目にまとめ、2枚目以降は参考情報としましょう。
プレスリリースに記載する要素をさらに詳しく解説
①宛名
「報道関係各位」は記者クラブで一斉発表する際に使用します。
「媒体名+記者名」は個別郵送もしくはFAXの場合で活用します。宛名部分は空欄にしておき、個別手書きでも大丈夫です。
②日付・会社名
リリース右上は、「発表当日の日付+企業名(正式名称)」としましょう。
会社名は、ロゴがあれば使用すべきです。トップにくる社名のみ正式表記にし、
本文では「株式会社」「(株)」等を省略します。本文中に2回以上社名が出る場合は、「当社は」で十分です。
③タイトル(超重要!!)
リリースはタイトルの良し悪しが、運命の分かれ道です。
目立つように本文よりひと回り大きい太文字で「何が面白いか?」「何がニュースか?」を分かりやすくします。弊社ではタイトルとサブタイトルの2行構成にすることが多いです。
下記のように、宣伝色が強すぎると、タイトルをひと目見て捨てられてしまいます。
NG例)広告宣伝文句「〇〇抜群の△△が新発売!□□のシーズンにピッタリ!」等
④リード(*要注意!記者はここまでしか読んでいません!)
本文を読ませるための重要部分です。
商品名、サービス、取り組みのうち、「ニュースのキモ」をメインにし、4~5行以内、100~150文字以内で説明します。
例)「〇〇社は〇月〇日、□□な人に向け✖✖サービスを開始します」等
⑤本文(詳細よりも、簡潔に説明)
ニュースの具体的説明(商品概要、開発経緯、特徴、時代背景等)です。
「5W1H+α」のうち、ニュース性が高い要素を優先的に書きます。通常、”開発経緯”、”関わった人”等の方がニュース性が高いです。価格・規格・サイズ・データ等に特異性がある場合、そちらを優先してもかまいません。なお、小見出しを付ける等して、読み手の心理を理解して、簡潔にまとめましょう。
⑥トップ、開発担当者コメント
開発者としての展望、熱意を本文に加えます。
例)”このサービスを普及させ、世の中を〇〇のように良くしたい”等
⑦問い合わせ先
住所、会社名、電話番号、FAX番号、HPアドレス、担当者氏名、メールアドレスを記入します。担当者名は、その案件に責任を持って答えられる人が望ましいです。
中小企業の場合、代表者が直接受けるのがベストです。クローズドのプレスリリースであれば、可能なら会社から支給されたオフィシャルな携帯番号も必ず記載しておきましょう。夜に突然、記者からの質問、確認電話がかかってくることもあります。
⑧参考資料
写真、会社概要、開発背景、参考データ、文献等、1枚目に入りきらなかった資料を2枚目以降に記載します。本文と区別できるよう、「参考資料」と明記します。
♥この事例も参考になるかも?
1回のプレスリリースで「フジテレビ」「産経新聞」を決めたITベンチャーの手法

最初はwebで書き方をチェックして、マネしよう。
それぞれの企業の業界大手の「企業名」と「プレスリリース」を検索してみると、たいていの場合、企業のHPや配信サイト経由で過去のプレスリリースをチェックできます。
どの企業も、ほぼ基本的な形式でリリースを作っていますので、まずは真似るところから始めてみてはいかがでしょうか。
結局、リリースは基本形が一番読まれやすい
毎日多忙な記者に、取材・執筆の合間にリリースを読ませるための攻略ヒントを、
ここでいくつかにまとめてみたいと思います。
ちなみに、読まれるプレスリリースかどうか。その「チャンスはわずか3~10秒程度」です。リリースは、多忙な記者が取材・執筆の合間で手早く「見る」ものです。
地方紙、全国紙地方支局の記者の場合、1日あたり数十件~数百件程度のリリースを、取材や締め切りに追われている中、短時間で全て「見る」くらいしか時間がありません。
取材候補に上がる割合は、わずか1割程度
タイトルだけ見る→面白そうならリード、本文も読み、記事化の価値があれば候補に残す、というものです。保留が2割、ゴミ箱行きが7割と覚えておきましょう。
記者が読みやすいリリース3つの共通点
全国紙、地方紙、経済紙共に、実は基本構成は何十年も変わっていません。
見出し、記事の配置、文字数、文体などだいたい似ており、結論が先で、その後、具体的内容→背景と続く流れで統一されています。大切なことですが、記者は毎日情報をチェックするので、似た形式の方が読みやすいです。
①リリースと音楽の「頭サビ」の共通点=「パンチが効いている」
最近のJ-popでは、短いイントロの後、いきなりサビから始まる、という曲が増えています。これをリリースに置き換えて、冒頭に一番パンチのある部分(サビ)を置いて、印象付けるべきです。
②「デザイン性」に凝るのは逆効果
一部のPR会社や広告代理店、デザイン会社などの関係者の中に、リリースの”デザイン”にこだわる人がおり、実はそういう方々がはまりやすい落とし穴があります。
例)
・活字フォントを何十種類も使用している
・パンフレットやファッション雑誌のような凝ったデザイン
・新聞記事風の形式 等
記者からすればこのようなことは、”余計なお世話”とみなされます。記者は、「元情報」さえ手に入れば良いのです。中身であるニュース価値をシンプルに、強力に伝えるのが重要です。
③テレビ、雑誌等、それぞれの媒体向けにリリースを用意
また、これまでにリリースを配信した際に新聞からの取材はあったものの、雑誌やテレビからの反響がなかった、という経験は多くの広報担当者が体験していると思われます。
大半の企業では、1件の新規案件のプレスリリースは、定型の1種類しか作成していません。実はこの定型は、新聞社向けの「ストレートニュース」用の基本形で、各社ともこれに倣ってリリース作成していることが多いです。しかしながら、このパターンだけで発信すると、特に中小企業がテレビや雑誌に登場するチャンスが減ることになります。
ここからは、その機会ロスを減らすべく、対策ヒントをまとめてみました。
テレビは「絵撮り」がカギ
撮れる映像が1日で想起できる、ビジュアル重視にするのがおすすめです。プレスリリースというよりも、視聴率を稼ぐための「企画提案書」としてとらえると良いでしょう。
①プレスリリース雛形「情報バラエティー番組向け」
・概要、写真
・主人公と周辺の人間模様
・失敗談や感動エピソード
・消費者にもたらす影響
等を分かりやすく書く
(食べ物であれば、スタジオに持参して実際に食べたり試したりもできる、等)
②プレスリリース雛形「旅番組向け」
・何月に取材に来ると、こんな食べ物、イベントがある
・どの時期なら、ここで面白い映像が撮れる、
等をビジュアルで伝え、撮影協力の条件等も具体的にアピール
常にカレンダーを手元に置き、数か月前まで前倒しでリリースネタを考える癖付けが重要です。
日々のプレスリリースの研究を欠かさない
さらにニュースのキャッチフレーズ、ネタ構成まで、メディア毎の方針・特徴に合ったものをタイムリーに提案することにより、採用確率が飛躍的に上がります。
♥こちらの事例も参考になるかも?
11番組テレビ取材を誘致したプレスリリースを3度中身を変えた?その理由は

取材成功率を高める5つの方法は?
とくに大切なのは「こんなものができた」<「誰にどんなことが起こるか」という視点です。
①スペックよりストーリーを伝える
商品、サービスを受け取る側のメリットをイメージしやすくなる訴求が大事です。スペックよりも、それにより手に入るストーリーや社会性をPRしましょう。
例)
8倍ズーム機能付きカメラ
「運動会やお遊戯会で活躍するお子さんの笑顔を、こんなにアップで撮れて、ご自宅での上映会も楽しくなります」
さらに「商品単体」+「人が一緒に写っている写真」を用意すべし。商品単体写真と、人が一緒に写っている写真を両方撮影しておくと、メディアから素材リクエストがあった際に、すぐ対応できます。
例)
・商品発売告知のみ=商品単体でOK
・開発の苦労話&思い=開発者や社長が書品を手に持った写真
・新店オープン=店の外観+オーナーや店長が一緒に写っている
・問い合わせ先に、責任者の携帯番号を必ず明記し、機会ロス防止
また、新聞記者の場合、翌日の朝刊向けに記事を書くのは、夕方~夜が多く、執筆中に不明点・確認事項を電話で問い合わせてくることがあります。固定電話番号しか記載がない場合、営業終了でつながらず結局記事がボツになる、ということがよくあります。
あくまで業務外の対応も必要となりますが、ここは勝負どころというときは、24時間対応可と示し、掲載率を上げましょう。
②裏技=小さいオマケをつける
さらに、新発売のお菓子等、小さな商品サンプルがあるなら、添付するのも裏技です。
立体的で小さなものが指に触れると、リリースを読まれる確率と印象に残る度合いが上がります。
例)
岩佐佛喜堂のリリース:お香サンプル小袋がついている→記者クラブで有名に
NG例)
・クーポン券、ティッシュペーパー等かさばるもの
・高額なもの
・ニュース価値がないにも関わらず、サンプルを添付する
③「読者プレゼント提供」情報を追記
リリース最終ページに、読者プレゼント提供可であることを記載しておくと、仮に本編記事でボツになっても、プレゼントページでの露出獲得につながる場合もあります。クライアントから了承を得ているなら、是非やってみると良いでしょう。
④直筆お手紙作戦も場合によってはあり
地方の小規模企業や個人商店ネタの場合、「社長からの直筆のお手紙」を地元メディアに送ると、記者の印象に残り、取材される場合もあります。
これは、他社のリリースとは一線を画す情報提供で、地方メディアを攻略する有効な手段の一つです。
例)
「脱サラ主人が、故郷で小さな店をオープン」
「社長夫妻と従業員数名の工場、初のオリジナル商品」等
手紙を書く場合には、下記のような準備が不可欠です。
・署名記事に記載している記者名をチェック
・過去に、その記者がどんな視点で記事を書いているのか分析
・記者の記事を読んだ感想、苦労話、将来への展望を盛り込む
(手紙文_例)
”〇月〇日付の△△様の記事を拝読し、心温まる話に非常に感銘致しました。
弊社はA市で高齢者の介護に役立つオリジナル商品□□を開発しております。業界の大変革で苦境に立たされている中、将来への活路を開くとともに、高齢化社会の課題解決に貢献したく、どうかご取材いただき、弊社の取り組みを多くの方々にお知らせいただけないでしょうか?” 等
⑤記者は、世のため人のためになる記事を書きたい
記者にとって、自分が書いた記事で社会が良くなり、また特定の誰かを救うことができ、その記事がきっかけで人々の暮らしや将来のためになる商品・サービスが広がるなら、とてもやりがいのある取り組みと考えます。そうした心理が働けば、積極的に記事化や取材に協力してくれるでしょう。
*参考リンク:テレビPRの基本を全部マスターしよう
プレスリリースの送信後にすべきこと

テレビ局や新聞社・出版社などにプレリリースを送ったとしましょう。
その際気になるのが、本当に目を通してもらえるかどうかですよね。そこでここからはプレリリースの送付後の、一般的な対応方法について解説していきます。率直に言ってTELをしても意味がない場合がほとんどです……が。
「プレリリースを送らせていただきましたが、到着したでしょうか?」
そうわざわざTELで質問された立場になって考えてみてください。とりあえず鬱陶しいですし、相手と全く面識がないのであれば戸惑うだけですよね。実際、広報担当者としてTELをしたとしても、「確認しますね」「必要がありましたらこちらから連絡を差し上げます」などと返されるケースがほとんどです。
しかし、だからといって相手方に嫌われることはまずありません。なぜなら、新聞社や出版社などには日々プレリリースが大量に届いていて、それぞれを個別に認識するようなことはほとんどないからです。
しつこくなければ、あとはタイミング次第
つまりは、一度ぐらいの確認電話なら、「メリットが得られることはほとんどないが、デメリットもまずない」ということ。そのため、筆者としてはプレリリース後にTELをすることに問題はないと感じています。
ちなみに、1年間、同じプレリリースをテレビ局に送付し続けていたら、2年目でようやく使ってもらえた(しかも、かなり良い取り上げ方だったそう)という事例もあります。
もちろんこれは極めてレアなケースですし、ここまで極端なことをすると流石に嫌われるかもしれません。しかし、こうしたレアな成功パターンもあることを一応知っておきましょう。
プレリリースの送付後にTELをする際のポイント5つ
ここまでデメリットばかりお伝えしてきました。「届きましたか?」などと言っても芸がありません。
それだけでは、本当に相手の時間を無駄に奪うだけですので煙たがられてもおかしくありません。
では、プレリリースの送付後のTELではどのようなことを話すべきなのでしょうか。
最後に、記者やディレクターの心をくすぐる電話の仕方を伝授します!
1)プレリリースに書いていないことを話す
いわゆる「開発秘話」や「裏話」などに該当するようなネタですね。
これについては、変に腹芸をせずに「お送りしたプレリリースに関して、さらに開発秘話をお伝えしたいのですが」などと切り出しましょう。
2)複数回TELをしても大丈夫です
テレビ局に1年間同じプレリリースを送り続けたという話をしましたとおり、場合によっては、年に複数回TELをしても問題ありません。
ただし、もちろん1日のうちに何度も電話をかけてはいけません。最低でも数週間くらいの期間を開けるようにしましょう。
ちなみに、何回目の電話であっても、相手から指摘されない限りは「何度も電話しています」という素振りは見せないほうがいいです。
「まだ記事にしてくれないの?」と嫌味を言っているように聞こえてしまう恐れがあるからです。
また、この場合、大事なのが、商品力があり、伝える情報が良いこと、が前提です。
3)社会状況が変わってから再度TELをする
何回か電話をしても良い返事が聞けないという場合も当然あります。
そういったケースでは、「ちょうどいいタイミングになってから、もう一度連絡をする」という方法を試してみてはいかがでしょうか。
例えば、「定額の清掃サポートサービス」に関するプレリリースをして、一旦スルーされてしまったとしましょう。
しかしその後、
- これまで知名度の低かった定額○○サービスが有名になってきた
- 大手企業が清掃サービスに参入してきた
- サブスクリプションなど定額というワードがホットになってきた
などがあればチャンスです。
このタイミングで「定額清掃サポートサービス」についてのプレリリースを再度送れば、新聞社などに「今なら、ちょうどいい話題だ!」と考えてもらえるかもしれません。
4)季節が変わってから連絡する
いわゆる「季節ネタ」の場合は、その話題のニーズが強くなるタイミングがあるかもしれません。ですから、何度かスルーされたら、季節が変わってからまたアプローチしてみると良いでしょう。
また、一見、季節ネタではないような話題でも無関係ではありません。新聞社や出版社にしかわからないような「この季節はこの話題」というものがあるかもしれませんの。ぜひ、この手法を試してみるとよいいでしょう。
5)一つの出版社・新聞社などにこだわり過ぎない
「1つの出版社や新聞社だけにしかプレリリースを送ってはいけない」などというルールはありません。
いくつかのメディアに並行して送付するようにしましょう。
もしも、一度に複数の出版社・新聞社などに採用された場合は、どちらかを断ればOKです。ただし、せっかく取り上げてもらえるものをキャンセルするのはもったいない。そう思うならば、どちらかにはきちんと理由を説明したうえで、別のネタを提供するというのも良いでしょう(それだけの準備が必要なので簡単ではありませんが)。
いずれにせよ、テレビや新聞の場合は「同じネタ(もしくは似たようなネタ)が、メディアが知らない状況のまま、ほぼ同時に別々のメディアに取り上げられる」という状況にだけはならないようにしてくださいね。
プレスリリースにありがちな残念7つの共通点【必見!業界裏話】

ここで、不採用になるリリースの共通点をいくつか列挙します。
普段みなさんが書いているリリースを点検する際のヒントになると思います。
①テーマにまとまりがない
1リリースにつき、1テーマに絞りましょう。
PRしたいことが山ほどあるのは理解できますが、他のトピックは別リリースにするか、取材の際に伝える程度で十分です。
②「社会視点」より「販促視点」が大きい
販促視点が前面に出ると、「売り込み」「お知らせ」とみなされ、注目されにくくなります。社会的な意味合い、記者の興味をかきたてる要素を最重要視しましょう。
③トレンドに合わない
食べ物と同様、たとえ良いネタも「旬」でなければ、旨味がありません。
社会で注目されている事象・世相・時流と、自社の取り組みや商品・サービスを関連付けることが大事です。
④具体的、客観的でない
言葉は悪いですが、PRする側は、”謳い文句”は何とでも言えるものです。
しかし、メディアは背景・根拠があいまいな情報は採用しません。「世界初」「日本最高」「健康に良い」等を訴求するのであれば、裏付けデータや出典元を明確にしましょう。
⑤エンドユーザーに無関係な情報
新聞・テレビは、衣・食・住など暮らしに直接関わるネタが最優先されます。
BtoBの商品・サービスの場合、最終消費者の暮らしとの関連性を訴求することが不可欠です。
⑥影響範囲が狭く、経済的な効果が少ない
記者が原稿を書く前提として、人件費、媒体スペース、かかる時間等、を考慮する必要があります。
話題づくりのため数量限定の新商品企画、というのも良く聞く話ですが、例えば1個300円の商品×1000個で販売しても、経済効果はわずか30万円にとどまるのでは、ニュースバリューは低くなります。
また、地域限定販売の食品の場合、”ご当地グルメ”、”観光地名物”などの特別なものでないと採用されません。全国メディアへの露出を考えているのであれば、オンラインショップ等、全国どこでも買える受け皿も必要です。
⑦専門用語やカタカナ多い
難解用語やカタカナ言葉が多いと、一般紙記者に敬遠されがちです。
特に化学・医療・IT業界ネタはこの傾向が多いので、できる限り一般的な言い回しに”翻訳”して伝える努力が不可欠です。
*参考リンク:プレスリリースって効果あるの?その疑問に全部答えます!

◎プレスリリースの必要性を評価する6つのチェックポイント
プレスリリースを配信する段階になると、今度はメディアに送付しようとしているプレスリリースの内容は社会にとって有用なのかという疑問がでてきます。ここでは自社で行う場合、やった方が良いセルフチェック項目を以下の6つとりあげます。
- 一般社会にとってこの内容は有用なのか
- 自分自身がイケてる内容だと思うか
- 顧客があなたの会社のストーリーに喜ぶか
- 掲載してもらいたいメディアと自社のストーリーの相性は良いか
- 伝えてほしいジャーナリストと自社のストーリーは相性が良いか
- 未来にとってこの内容は可能性があるのか
1.一般社会にこの内容は有益なのか
あなたの会社が提供しようとしている内容が、一般社会にとって必要かどうかを検討します。
自社の中だけで考えると、これは価値があると思っても、一般社会では価値がないかもしれません。
2.自分自身がイケてる内容だと思うか
会社内では盛り上がっている内容だとしても、あなた自身があまり乗り気でないかもしれません。
その時は、努めて冷静になり何に引っかかっているか検討してみると良いでしょう。
3.顧客があなたの会社のストーリーに喜ぶか
あなたの会社の顧客は今回提出するストーリーを見たら、喜ぶでしょうか?それともガッカリするでしょうか?ガッカリすると感じたら、なぜそう感じたかを考えてみましょう。
4.掲載してもらいたいメディアと自社のストーリーの相性は良いか
あなたの会社のストーリーと掲載して欲しいメディアの論調の方向は同じ方向でしょうか?方向が同じでなければ掲載されないかもしれません。
5.伝えてほしいジャーナリストと自社のストーリーは相性が良いか
あなたの会社のストーリーと、伝えてほしいジャーナリストの論調は同じ方向でしょうか?方向性が違うと、批判的に捉えられてしまうかもしれません。
6.未来にとってこの内容は可能性があるのか
現在、世界中が環境破壊や地球温暖化に強い関心があります。また、それにともない自然災害や人口問題、公害、食糧問題が注目を集めています。こうした未来課題を解決する社会性の高いストーリーはメディアの強い関心を集めることができます。
プレスリリースの基本を学ぶおすすめ書籍8冊

最後にプレスリリースについてより詳しく知りたい人のために、オススメ書籍をご紹介します。
自社でプレスリリースを出して集客や認知度を上げよう!そう思った時にまず考えるのはセミナーに参加することかもしれません。
しかし、それでも敷居が高いものです。そんな時におすすめなのは、本を読んでみることです。現在はたくさんの書籍がでていますので、十分に学ぶことができます。最後にプレスリリースを作成する際に役に立つ参考書をいくつかご紹介します。
プレスリリースのやり方を覚えれば1回の成功だけでなく、繰り返し別の商品やサービスにも応用できるスキルとなります。一度学んでしまえば、必ず心強い味方となってくれるはずですよ。
共感PR(朝日新聞出版社)

こちらは私の著書になります。自薦で申し訳ありませんが、大学院等での教鞭実績や業界20年のキャリアを注ぎ込んだ渾身の一冊となっています。台湾、中国でも翻訳され人気を得て、日本中に共感PRブームを起こしました。収録されている内容は主に以下です。
・プレスリリースを戦略的にクリエイティブする8×3の方法
・プレスリリースでバズを仕掛けて世の中を動かす3つの法則
・テレビや新聞を動かすプレスリリースの作り方
・予算をかけずに成功した豊富なPR成功事例
詳しくは、共感PRの手法を紹介したこちらのサイトから内容の一部抜粋が読めます。興味がある方はのぞいてみて下さい。
*関連リンク:日本中にクチコミを広げる!共感PRの紹介記事(出典:朝日新聞系ネットメディア)
実践! プレスリリース道場 完全版 (月刊広報会議MASTER SERIES)

日本で唯一の広報実務者のための専門誌『広報会議』の人気連載を書籍化した本です。著者は10年近くプレスリリースの技法や広報のノウハウを分析・検証してきたPRコンサルタントの井上岳久氏。
・リリースの書き方をマスターしたい!
・商品のどこをPRすれば反応があるのか?
・メディアが欲している情報とは?
といった疑問に答えてくれる一冊です。大手企業の事例が多く載せられているだけでなく、業界・企業規模別の優れたリリースも網羅しています。赤城乳業のガリガリ君やフィリップスのノンフライヤーといった誰もが知っているヒット商品のリリースは見ているだけで面白いです。どういった戦略で作られたのかを考えながら読めば、参考になる部分がたくさん出てきます。また身近な企業の事例だと、読み物として見るだけでも面白いです。
デジタルPR実践入門 完全版 (月刊広報会議MASTER SERIES)

この本も『広報会議』の人気シリーズを書籍化したものです。業界を牽引する20人の執筆陣がプレスリリースだけでなく、SNSの活用法や自社サイトの改革方法、さらには炎上対策(ソーシャルリスク)まで解説しています。
・ブロガーやwebメディアに響くプレスリリースを書きたい。
・Web上で自社ブランドや商品を認知させたい、バズらせたい。
・Yahoo!ニュースに掲載される方法が知りたい。
・SNSや自社サイトをリニューアルして集客に活用したい。
といった悩みがあるならこの本がピッタリです。テレビや新聞向けではなく、Yahoo!ニュースといったwebメディアや人気ブロガーなどに響くプレスリリースを書きたい方におすすめしたい内容となっています。豊富なデータや図解、ケーススタディもあるため非常にわかりやすいです。*参考リンク:SNSの広報活用には3つの戦略が必要不可欠って知ってる?
タダで、何度も、テレビに出る! 小さな会社のPR戦略(DO BOOKS)

中小企業だからこそテレビに出られるチャンスがある!著者は「ワールドビジネスサテライト」「ガイアの夜明け」を担当した元ディレクター。何万件ものプレスリリースを見てきたマスコミ出身の方が書いた本です。
小さな会社の持つ最強の武器とは、ずばり『ストーリー』です。創業した時の苦労話、商品の開発秘話、会社の経営が傾いた時、次世代への事業承継など、中小企業はマスコミが好むネタの宝庫。
ですが多くのPRは商品やサービスがどれだけすごいのかをアピールしたものばかりで、マスコミはよほど画期的なものやサービスでない限り取り上げることはありません。しかしストーリーがあれば、これといった特徴のない商品、まったくの無名会社、notカリスマ経営者であっても大企業と互角以上に戦えます。
この本では中小企業がマスコミ露出を勝ち取るためのプレスリリースを、3つのストーリー戦略(社会軸・社長軸・組織軸)で解説しています。番組を作成していた人の目線から多くの事が語られているため、プレスリリースの書き方だけでなくブランドを高めるテレビの出演方法なども紹介されています。この本を読めばテレビ出演が決まった時にも冷静に対応ができること間違いなしです。
A4一枚であなたの会社が有名になる方法

「プレスリリースで新たなビジネスチャンスを広げてみませんか?」というシンプルかつ直球なタイトルの本書は、報道の第一線で活躍していた元ニュースキャスターの方は書いています。
自身の取材経験をもとにマスコミに取材される裏側、テレビ局に選ばれるネタ出し、テレビが注目するPRの仕方などを知ることができ、「取材する側」の視点でどのような部分が取材のポイントになるのかを具体的に紹介してくれています。
また、テレビ局でニュースがどのように作られているかといった、テレビの裏側について紹介する元ニュースキャスターならではのアプローチで、A4用紙1枚のプレスリリースの概要や文章の書き方、プレスリリースの具体的な事例を解説。自社商品の強みを見つける方法や取材をされやすくなるためのテクニック、取材後のフォローにも触れておあるあるり、「取材をされたらこうなるのだな」というイメージがつきやすく、実践的な内容となっています。
新聞に必ず取材されて記事になるたった一つの方法

あなたのプレスリリースが取り上げられ、新聞に「記事」として載るため、どのようにマスコミにアプローチすればいいのか?というノウハウをまとめたのがこちらの本です。思わず目を引くプレスリリースと、一瞬見ただけでスルーするプレスリリースの違いを知り尽くした著者は元新聞記者。記事・取材をするかどうかを決めるのはマスコミの記者です。記者のアイディアと着眼点、その思考を逆手に取りマスコミにアプローチする側の方法を伝えています。
マスコミの記者はどんな取材をするのか?
どのような商品がマスコミの注目を集めるのか?
新聞は大手がいいのか地方紙がいいのか?
といった元記者だからこそ答えられる質問に対し、実例を見ながら書くプレスリリースや記者に見てもらえるプレスリリースの秘訣、記者からの問い合わせ対応方法など、即効性の高い学びを提供してくれます。また記者目線のため、PR会社とは異なる視点で語られている点も勉強になります。
手紙を書いてマスコミにPRする方法

プレスリリースの書き方の1つとして、この本を提案します。大事な人に送る手紙のような書き方でマスメディアにアプローチしてみる、「お手紙プレスリリース」です。
マスコミ記者は気づいています。「どうやって無料でマスコミを宣伝に使ってやろうか」という考えを。プレスリリースの見た目は良い感じにまとまっていても、中身の「心」が感じられないから取材する気になれない。それは誰もが知るような大手企業のプレスリリースでも、こういうものが大半です。
そこで真摯に仕事に取り組む姿勢や想いを、「手紙」という形で出してみればマスコミ記者の心を打つにちがいない。たとえ規模は小さくても、真摯な思いを持って事業に取り組んでいることを文章として伝えたらどうなるだろうか?というアプローチの方法でプレスリリースを出すというのが本の大まかな内容です。マスコミ記者と共感し、つながりをつくることでお互いにとって良い関係を築けるため、結果的に取材が増えるという好循環が発生します。
地方の中小企業が全国ブランドになるための広報PR パブリシティ戦略

マスコミ記者は地方で頑張る中小企業が持つユニークなネタを待っている!たった1枚のプレスリリースでメディアを味方につけるノウハウが詰まった本書。その大きな特徴として、有名企業ではなく地方の中小企業目線で書かれていることがあげられます。
なぜ大企業ではなく中小企業がプレスリリースを出すのに有利なのか?という理由からメディアが歓迎するネタの見つけ方、取材をしたくなるプレスリリースの書き方と行った具体的な手法を紹介しています。「残念すぎるプレスリリース」など失敗に近い事例もあるので一見の価値アリです。
また地方の企業が実際に全国メディアから取材を受けた実例をいくつかピックアップしており、プレスリリースの経験がない人でも参考にできる部分がたくさんあります。中小企業とマスコミ記者がWin-Winの関係になることは企業の飛躍につながり、記者も良質な情報を提供できるようになります。そのための第一歩は、たった1枚のプレスリリースから始まります。
なお、プレスリリースの情報の作り方について知りたい方は以下のコンテンツもチェックを。
プレスリリースとは小が大と戦う武器

「プレスリリースとは?」というあなたの疑問に答えるために、基本的な知識から役立つ参考書籍までご紹介しました。
もちろん本を読んだだけでは成功しませんし、初心者が一発ホームランを狙うのも難しいです。ですが、本を読んで内容を少しずつでも試し、トライエラーを繰り返しながら練り上げ、少しずつ経験を継ぎ足していけば成功の確率は上がります。焦らずじっくり取り組んでいきましょう。
【まとめ】中小企業ほどプレスリリースを行うべき
特に、中小企業にとってプレスリリースほど頼りになる武器はありません。
最後に、中小企業やベンチャー企業がリリース提供をすべき理由をまとめてみました。その際、気を付けるべきポイントも一緒にどうぞ。
1)声に出して読んでみる
WEBの媒体であればそれほど問題にはならないのですが、紙などの媒体は印刷してしまえば、修正はほぼ不可能です。
そのため、何度もチェックしたいのが原稿チェックです。編集者から原稿が回ってきたときは、目で追うだけでなく声に出して確認してみましょう。
特に間違いやすいのは金額部分です。税抜き、税込みのどちらなのか改めて確認しましょう。原稿をチェックするポイントは、間違いはどこにあるのかなといった「間違い探し」をするつもりで行うのが有効です。
2)メディアに掲載される効果よりもその後の波及効果を考える
プレスリリースを出して掲載されたことがない人からすると、メディアに掲載されることで売上が一気に上がると思い込んでいるかもしれません。ですが、効果がでるかどうかはメディアの規模やどのようなカタチでの掲載かにもよりますが、時と場合によります。
テレビや著名なWEB媒体であれば、反応が一気に感じることがあるかもしれません。
しかし、それ以外の場合であればそれほどでもない可能性があります。それでもなぜプレスリリースをするかといえば、第三者メディアに掲載されることで社会的な信用になるからです。
メディアの掲載実績があると無名の商品であっても、生活者からの信頼を勝ち取ることができ人が関心を持ちやすくなるからです。それに連動して、広告を展開しても成約率が高くなることになります。
3)プレスリリースは最初に掲載されるまでが一番難しい
まったく目にしたことがない商品と、あちこちのメディアで見かけた商品であればどちらが購入したくなるかは一目瞭然です。そのためにも、メディアに掲載することを目的とするのではなく、その後も継続的にメディアに掲載し続けるための施策を考える必要があるのです。
プレスリリースは最初に掲載されることが一番難しく、それ以降の難易度は低くなります。掲載回数が増えれば増えるほど掲載率は上がっていくことになっていきます。その時に考えたいのがメディア担当者と関係を作っておくことです。そうなればなおさら掲載は容易となっていくことでしょう。
4)プレスリリースは小さな会社こそ活用するべき
プレスリリースはメディアに自社の商品・サービスを伝えることで、メディアに取り上げてもらうように促す行動です。
アイディア次第では、大きいメディアに取り上げてもらうことができ、その影響力は計り知れません。かかる費用は送付する郵便切手代や電話代だけで済みます。中小企業ほど恩恵を受けやすいプレスリリース。ぜひチャレンジしてみてはどうでしょうか。