➡【MBA保有の現役記者】上岡正明のプロフィールを見る
これからプレスリリースを作成するにあたって、魅力的な書き方が分からない人も多いのではないでしょうか?
テレビ新聞をドカンと呼び込むプレスリリースの書き方を教えるのは、「王様のブランチ」「めざましテレビ」「スーパーJチャンネル」などの人気放送作家で、累計85万部のベストセラー作家。
現役作家・大手メディア記者でもある業界研究の第一人者。そんなメディアに精通した業界人ならではの、ここでしか読めない実践的かつオリジナルコンテンツばかりです。
魅力的に見せるプレスリリースの書き方がわかれば、潜在顧客だけでなく顕在顧客などの様々な人の目に止まってくれるでしょう。そのためにも、タイトルやリード文、本文など、様々なポイントを押さえることが大切です。
それでは、魅力的なプレスリリースの書き方についてご説明しましょう。
➡人気記事:PR会社20選!特徴・強みをカオスマップで分類してみた
プレスリリースの書き方は目的を意識しよう
※出典_弊社の戦略コンサルティングシートより
プレスリリースとは広報PR活動に欠かせない手段の一つで、自社の様々な情報を顧客を初めとする多くの人に発信します。ただ、プレスリリースを発信するといっても、どんな目的で発信するのか決まっていなければ効果が薄くなってしまいます。
したがって、プレスリリースを書く前にどんな目的で発信するのか明確にしましょう。自社の認知度を上げるためなのか、マーケティング活動に活かしたいのか、目的をハッキリさせることでプレスリリースが書きやすくなります。
プレスリリースの書き方の基本は記者の気持ちを考える
プレスリリースの書き方で意識したいことは多くあります。プレスリリースを目にする人にとって具体的かつ端的で分かりやすい内容かどうかが重要です。それでは、プレスリリースの書き方で意識したいことについてご説明しましょう。
ポイント
- プレスリリースとは公式文書である
- メディアフックやニュースバリューを明確にする
- 具体的・端的・分かりやすい表現を心がける
プレスリリースとは公式文書である
そもそもプレスリリースとは企業や組織が発信する公式文書のことです。プレスは報道機関、リリースは発表・公開という意味があり、企業から公式に発表された文書ということで情報の信頼性が非常に高いのがポイントです。 今まで公開されていなかった新しい情報が発信されるので期待度が非常に高く、新商品や新サービス、新イベントやキャンペーンなど有益な情報が発信されます。
メディアフックやニュースバリューを明確にする
メディアフックとはメディアがニュースとして取り上げたくなる情報の価値のことです。ニュースバリューとは報道に値されると認められる価値のことです。 つまり、プレスリリースを書く上でメディアフックとニュースバリューを明確にすることを意識することで質が高いものが出来上がるでしょう。企業が発信する新情報だからこそ、メディアやニュースに取り上げられるかどうかも大切です。
具体的・端的・分かりやすい表現を心がける
プレスリリースを書くにあたって、数多くの人の目に入るからこそ、誰もが読んで分かりやすい表現にすることが大切です。内容は具体的に発信するのはもちろん、端的で分かりやすい内容にしなければなりません。 内容が具体的でも長ったらしく書いてしまうと魅力が半減して顧客が途中離脱する可能性が高まります。全ての顧客に読んでもらうことを想定して、具体的かつ端的で分かりやすい内容を心がけましょう。
プレスリリースの書き方5つの章立てと構成ポイント
※引用_テレビ4番組に露出したスマ婚イベントリリースより
プレスリリースの書き方で意識したいのが、5つの基本構成です。 タイトル、リード文、本文、写真・画像、連絡先の5つの基本的な構成を意識して書くことで、全体的にまとまったプレスリリースが完成します。それでは、プレスリリースの書き方で意識したい5つの基本構成についてご説明しましょう。
ポイント
- 1. タイトル
- 2. リード文
- 3. 本文
- 4. 写真・画像
- 5. 連絡先
1. タイトル
最初に意識したいのが、タイトルの決め方です。タイトルはどんな人が見てもどんな内容なのか分かるようなものにする必要性があります。現在はありとあらゆる情報が雪崩のように流れてくる以上、顧客も情報の取捨選択を無意識に行っている状態です。 タイトルで興味を引くことができなければ読まれないため、短い文章で欲しい情報があることを伝えるように意識しましょう。
2. リード文
タイトルと一緒に意識したいのが、リード文です。基本的にリード文は100文字~300文字程度ほど書く部分で、プレスリリース全体を要約した内容を端的に説明します。 タイトルと同様にプレスリリースを読んでもらえるように興味を引くリード文になることを心がけましょう。
3. 本文
上記でご説明したように、プレスリリースの内容は具体的かつ端的で分かりやすいものにすることが大切です。文字数に余裕があると伝えたい内容を詰め込みたくなりますが、内容を整理して冗長表現にならないように注意しなければなりません。 十分な情報量を提供し、読みやすくて理解しやすい内容を心がけることで質が高くなるでしょう。
4. 写真・画像
プレスリリースを書く上で重要な要素になるのが、写真や画像の添付です。本文だけを読んでもイマイチ内容が伝わってこないケースが多くありますが、写真や画像で豊富な情報を正確に伝えることができます。 写真や画像によって視覚的に豊富な情報を伝えることができるので、一つのプレスリリースに対して3枚~5枚は添付するのがおすすめです。
5. 連絡先
最後に、プレスリリースを読んだ人が企業に問い合わせができるように、担当者の連絡先を記載しましょう。問い合わせてきたということはプレスリリースを最後まで読み、興味を持ってもっと詳しい情報が知りたいと言えます。 企業情報はもちろん、社名、住所、電話番号、メールアドレスを忘れずに記載しましょう。
プレスリリースの書き方12のコツと文例
基本構成が把握できたところで、次にプレスリリースの書き方・作り方のポイントを押さえることが大切です。それでは、プレスリリースの12の書き方・作り方のポイントについてご説明しましょう。
ポイント
- プレスリリースのタイトルの書き方
- プレスリリースのリード文の書き方
- プレスリリースの本文の書き方
- プレスリリースの写真・画像の使い方
- プレスリリースの連絡先の書き方
プレスリリースのタイトルの書き方
プレスリリースの書き方において、ユーザーの興味を引くタイトルの書き方を知ることが大切です。それでは、プレスリリースにおけるタイトルの書き方についてご説明しましょう。
1. タイトルの長さは30文字以内
タイトルの長さは、ディレクターや記者がパっと見て判断できるぐらいの長さがベストです。どんなに長いタイトルを書いたとしても読んでもらえなければ意味がありません。様々な情報の中から読んでもらうためにも、瞬時に判断できる30文字程度に留めるのが無難です。 後ほど書き方の雛形テンプレートをいくつか紹介しながら解説していきますが、ここではなるべく横に一行で収まるようにしましょう。やたらと改行すると一気に見づらくなるので注意が必要です。 なお、サブタイトルを付ける場合もタイトルと同様に30文字程度にすると見栄えがスッキリします。
2. 形容詞をタイトルに入れないようにする
魅力的なプレスリリースにするためには、何よりも目を引く内容にしないとユーザーには読んでもらえません。そこで重要なのが、誇張せずにインパクトのある内容にすることです。 そのために検討してほしいことが「数字」と「固有名詞」をタイトルに盛り込むことです。 「数字」と「固有名詞」があると、タイトルが具体的になります。その上、事実を伝えているだけなので誇張表現になりません。 初心者ほど形容詞を多用しますが、形容詞はあくまで自分の基準なので、客観的な文書であるプレスリリースには馴染まないということを覚えておきましょう。
3. タイトルにターゲットが明確に入っている
ターゲットが明確になっていると、プレスリリースから受け取るメッセージが理解しやすくなります。そのため、見てほしいターゲットが自分のことだと認識できる文言はできるだけ入れるようにしましょう。
プレスリリースのリード文の書き方
プレスリリースの書き方で押さえておきたいのが、リード文です。リード文はタイトルの次に重要な部分なので、上手く書けるポイントを押さえる必要性があります。それでは、プレスリリースのリード文の書き方についてご説明しましょう。
4. リード文は結論と重要なことから
タイトルに続いて読まれるのがリード文です。ユーザーの興味を引くためには、結論から重要なことから書くようにしましょう。挨拶文などを入れずに、「○○社が△△という商品を販売することになった」というように、結論を分かりやすく書きましょう。 その際は主語述語をハッキリさせるようにする点も意識しましょう。
5. 5W1Hを意識しながら1~3文程度で完結にまとめる
リード文とはプレスリリースの本文の内容を簡潔にまとめたものなので、短い文章でどんな内容なのか伝わるようにしなければなりません。そこで『誰が・何を・どこで・いつ・どうして・どのように』の5W1Hを意識し、リード文だけを読めば全体像が分かるようにするのがポイントです。 できれば1~3文程度に抑えるのがベストですが、もし収まらない場合は注釈をつけるなどをして分かりやすくする工夫を凝らしましょう。
プレスリリースの本文の書き方
プレスリリースにおける本文の書き方を押さえることで、冗長表現にならず具体的で分かりやすい内容になります。それでは、プレスリリースにおける本文の書き方についてご説明しましょう。
6. 本文は記者の視点に立ち5W3Hを意識する
プレスリリースは客観的に見て有益な情報をメディアに提供します。したがって、他人が読んでも分かりやすい文章を書くことが重要です。オフィシャルな形式が必要な場合は、丁寧かつ要素を漏らさないように書くようにしましょう。 公式性を強調する場合、具体的には以下の5W3Hが入っていると分かりやすくなります。
- When(いつ)
- Who(誰)
- What(何)
- Where(どこ)
- Why(なぜ)
- How(どのように)
- How long(どのぐらい)
- How much(いくら)
7. 見出しや箇条書きを用いて読みやすい文章にする
プレスリリースの本文を書く際にやりがちなのが、ひたすら様々な情報を書き並べてしまうことです。人は文字ばかりだと読む気を失くす傾向にあるので、視覚的にも読んでいて楽しく、それでいて分かりやすい文章にすることが大切です。 たとえば大見出しと中見出しを分けたり、箇条書きにして見やすくしたりと、読みやすい文章にする方法はいくらでもあります。見出しを分ける場合は大見出しの中で、中見出しでどんなことを説明するのか簡単に書きましょう。
8. プレスリリースに書く内容には社会的意義が不可欠
ほとんどのプレスリリースの内容は、宣伝したいという意識が働きすぎてしまい、「商品・サービスのスペック」の説明に終始しているものも多くあります。プレスリリースは社会的な意義があるものだからこそメディアや記者が取り上げます。 よほどの画期的なものではない限り、スペックだけの内容はただの宣伝として認識されてしまうので採用されづらくなります。世の中に対し、自社の製品・サービスがいかに人々にとって必要なのかという理由を説明できるようにしておくことが重要です。
9. プレスリリースを書くときは難しい言葉は使わない
プレスリリースで使用する言葉は、業界の人しか分からないような専門用語や業界用語は極力避けるのがベストです。いきなり専門用語や業界用語を並べられ立てたとしても、読み手に伝わらなければ意味がありません。 どうしても自分の業界に長くいると現実とかけ離れている場合があるので、社外の人に協力してもらってチェックしてもらうのがおすすめです。
プレスリリースの写真・画像の使い方
プレスリリースを書く上で読み手に豊富な情報を理解してもらうためには、写真や画像の添付が必要です。それでは、プレスリリースにおける写真や画像の使い方についてご説明しましょう。
10. 高解像度で高インパクトな素材を使用する
タイトルと同様に目につくのが、写真や画像です。 プレスリリース内に写真や画像を1,2枚入れておくのが効果的です。写真や画像を入れる時はユーザーがプレスリリースの内容を瞬時にイメージできるものでないと採用されません。 したがって、イメージが湧きやすいように、なるべく鮮明かつインパクトのある画像を使用することが大切です。また写真の画像データはユーザーに対して提供できるように配慮しておくと好感度が増します。 こうすることでユーザーが自ら素材を探す手間が省けるため、小さい配慮が実を結ぶこともあります。プレスリリースの成否はタイトルと写真でほとんど決まってしまうと言っても過言ではないので、時間をかけて作成しましょう。
11. 画像だけでなく図や表を挿入して直感的に分かる内容にする
プレスリリースには写真や画像だけでなく、図や表を挿入するのもおすすめです。プレスリリース上でデータに関する情報を入れる場合、文章だけではイマイチ伝わりにくいですが、図や表で分かりやすく表示されていれば直感的に内容が分かるでしょう。 ユーザーがじっくり読まなくても直観的に分かるように作成しましょう。
プレスリリースの連絡先の書き方
プレスリリースを最後まで読んでくれたユーザーのために、連絡先の書き方も知ることが大切です。それでは、プレスリリースにおける連絡先の書き方についてご説明しましょう。
12. お問い合わせにいつもつながる連絡先を記入する
プレスリリースの文末には「会社名・部署名」「担当者名」「電話番号・メールアドレス」を記入しましょう。連絡先はユーザーが興味を持った時にすぐに連絡が取れるものにします。 せっかく先方が興味を持ってくれても、こちらに連絡が取れないせいで掲載は見送られたとなれば損失が大きくなってしまいます。会社の電話番号は担当者がいなくても連絡が受けられるように、代表の電話番号を記入するのも一つの方法です。 それができないのであれば、個人の携帯番号を載せてみるのも良いでしょう。
プレスリリースの書き方テンプレートを紹介
※弊社事例より引用_ドローン操縦士養成スクールのプレスリリース
ここからはプレスリリースの書き方のテンプレート、つまり基本構造についてご説明します。これまでが戦略プロセス(工程)であるなら、ここからは実務レベルとなります。最もスキルを要する大切な部分でもあるので、しっかりと把握しましょう。 プレスリリースの書き方フォーマットとテンプレートは、以下の通りです。
- 「プレスリリース」「報道関係者各位」などのヘッダー
- 発信者
- 日付
- タイトル
- リード
- 本文
- 会社概要
- 問合せ先(メディアからの問い合わせ/一般のお客様からの問い合わせ)
- プレスリリースの内容に合わせた写真やイラスト
プレスリリースには定型はありません。したがって、案件の内容や伝えたい重要性により、見やすく分かりやすいレイアウトで、自分の作品のように作ることが大切です。最初に写真・画像やグラフなどを有効に使用し、忙しいユーザーが斜め読みでも「見て分かる」ようにすることが大切です。
1)タイトル(見出し) プレスリリースはタイトルが9割と言っても過言ではありません。 「誰が(会社、主催者)」「何を(新商品案内、サービスなど)」「どうするのか(発売、発表など)」を端的かつ明確に書くこと。新聞やWEBニュースのタイトルの見出しとなるように書くのがポイントです。
2)リード 「誰が」「いつ」「どこで」「何を」「なぜ」「どうするのか」の5W1Hの基本情報を入れることが大切です。また、ユーザーは具体的な数字を求める傾向があるので、開示できる情報は積極的に出すことも重要です。 さらに発表することになった時代背景や裏付けとなる調査データなども、リリース内容によって外せない要素となります。
3)結論から先に書く 忙しいユーザーは内容を詳細に読まないこともあります。したがって、新聞の構成のように一番伝えたい情報を冒頭に持っていき、背景や詳細情報は後から補足説明をするのがおすすめです。
プレスリリースの書く時のネタを捻り出すプロ技3ステップ
※出典_弊社の情報開発マップより
プレスリリースの書き方で重要なのは、有用なネタをいかに集められるかどうかです。それでは、プレスリリースの書き方におけるネタを捻り出す3ステップについてご説明しましょう。
ポイント
- 1.自社の売りを見つけ出す
- 2. 時代の流れをつかむ
- 3. 知りたくなるコンテンツに加工
ステップ1.自社の売りを見つけ出す
プレスリリースの戦略策定でPRネタを考える時に重要なのは、「自社の売りを見つけ出す」ことです。自社の売りがそのままPRネタになるとは限りませんが、全ての基本となることなので最初にやっておくべきです。 ただ、シンプルかつ根本的なことと言えども、すぐに書けるというわけではないのでポイントを押さえる必要性があります。自社の売りを見つけ出すためには、以下のような視点を持って考えてみるとよいでしょう。
- 経営方針…自社の業界で他と違う取り組みや方針を持っているか
- ビジネスモデル…独自の商品やサービス、技術提供などがあるか
- 老舗…長年お客様に愛されてきた歴史があるか
- 評価、信頼、実績…実績や事例、感謝の声が豊富か
- 商品開発力…ユニークなデザインや高い性能などがあるか
- アフターフォロー、サービス…充実しているか、独自のものがあるか
- 納期、スピード感…短納期が可能か、対応スピードが早いか
- 価格…考えられないほどの低価格か、もしくは理由のある高価格か
以上のような視点を持って、まずは自社の商品やサービスを洗い直してみましょう。他社企業にはない何らかの違うところがあれば、そこが「売り」になるはずです。 自社でしかアピールできないような売りを見つけたら、次はその売りを「数値化」できないか考えてみましょう。数値化することで説得力が出て、ユーザーに伝わりやすくなります。
また、自社を分析するフレームワークとしては「VRIO分析」という手法を用いるのも有効です。VRIO分析とは、以下の4つの視点で自社の競争優位性を図るためのものです。
- Value(経済価値)…社会にどれくらいの価値をもたらしているか
- Rarity(希少性)…市場において珍しく希少性が高いものであるか
- Inimitability(模倣困難性)…歴史性やデザイン性、技術などの模倣が困難か
- Organization(組織優位性)…組織のメンバーが上記価値を正しく理解しているか
➡参考リンク:VRIO分析の基本おさらい
特に欠けている点をあぶり出すのに効果的な手法ですが、備わっている点に注目し、さらに磨き上げることで売りを見つけ出すことにも繋がります。企業の成長を考える際にこうした分析は不可欠なので、やっておいて損はありません。
ステップ2. 時代の流れをつかむ
自社の売りを発見したからといって、それだけをアピールしても効果的なPRにはなりません。自社の売りを効果的なPRネタとして使うには、時代の流れを掴み、それに沿ったコンテンツ作りをしていく必要性があります。 時代の流れには大きく分けて以下の2つがあります。 ①毎年行われるイベント
- バレンタインデー
- クリスマス
- 母の日
- 父の日
- お中元
- お歳暮
- ゴールデンウイーク
- エイプリルフール
- お盆
- 衣替えなど
②その年ならではのトレンド
- 東京オリンピック
- 消費税増税
- スカイツリー開業
- 天皇の退位
- 起業ブーム
- 断捨離ブーム
- その年ならではのダイエットなど
これら2つについてはどちらが上というものではなく、自社の売りと相性の良いものを選んで組み合わせる必要性があります。特に短期的な効果が大きいのはその年ならではのトレンドやイベントですが、効果が大きいからといって無理やり組み合わせると本末転倒になるでしょう。
逆にこうした時代の流れから自社の売りを考えることもできます。PRネタを考える立場にある人は、世の中のトレンドに対して常にアンテナを張ることが重要です。
ステップ3. 知りたくなるコンテンツに加工
自社の売りと時代のトレンドを上手く組み合わせることで魅力的なPRコンテンツとなります。どんなに魅力的な売りでも、「なぜ今それを発信するのか」という点がぼやけていると存在感が弱くなってしまいます。 また、上手く「加工」することも大切です。PRの手法は非常に多様化しており、使い方一つで大きく印象が変わっていきます。
近年はSNSやソーシャルメディアの比率が高くなっていますが、固い内容の場合は新聞などの方が相性が良いこともあります。 逆に軽く読めるライトな内容なら、SNSでの拡散を狙ったキャッチーな文面に加工する方が高い効果が狙えるでしょう。
➡参考リンク:SNSやソーシャルメディアを広報に活かすには
確かにメディア側から見ると情報コンテンツの在り方もアレンジが必要になってきます。採用されるコンテンツを目指して工夫と改善を重ねていきましょう。
効果の出るプレスリリースを書く際の切り口の見つけ方
プレスリリースを書く際の切り口を考える時は、ヒト、モノ、カネ、情報の4つの経営資源に注目すると切り口を見つけやすくなります。
ポイント
- ヒトを起点にする
- モノを起点にする
- おカネを起点にする
- 情報を起点にする
ヒトを起点にする
会社はヒトがいなければ成り立ちません。PRのネタ探しというと商品やサービスなど生み出した「モノ」に注目しがちですが、実はモノを作り出した「ヒト」にこそ魅力は詰まっています。特に強力なのは経営のトップです。
社長、会長など、経営のトップは会社の「顔」です。トップが語ることはプライベートでもなんでもPRのネタになります。年齢、社歴、所属部署、役割、プライベートの状況など様々な属性で見ていくとPRネタの切り口は見つかりやすくなります。 たとえば子育て中の社員や介護中の社員がいれば、待機児童の問題や高齢化など時代のトレンドにも合うネタが作れる可能性があるでしょう。
そういった属性の社員をサポートする会社の制度や仕事を効率化するコツなどもネタになるかもしれません。 また、新製品や新サービスが登場したら、それを作った社員にフォーカスするとストーリーのあるPRが可能です。
モノを起点にする
ほとんどのPR担当者が「モノ」を起点にしてPRネタを考えますが、モノが溢れている現代は「新しい」という切り口だけでは弱いです。 新しさ以外にも、以下のような切り口で見てみましょう。
- 珍しさ
- 時流にのっているか
- 他社との協力関係
- 実績
- 四季や入社、異動など季節
- 限定(世界初に限らず、日本初、業界初、部門初などニッチなところでも)
- おトク、使える、役立つ
- インスタ映えなどビジュアル性の良さ
以上のような切り口で見ると、新商品だけでなく既に定番となっている商品を新しい切り口でPRのネタとすることができるでしょう。
おカネを起点にする
おカネの話はユーザーに嫌がられるのではと思うかもしれませんが、実はそんなことはなく、意外と良いネタになります。 経営戦略や事業計画といったものはもちろん、コスト削減のための取り組みや、生産性を向上させるための取り組みなどは専門誌やホームページのネタとして人気のコンテンツです。
カネの切り口をヒトの切り口とかけ合わせるのもおすすめです。 コスト削減に一役買うアイデアを出した人という立役者的観点でもいいですし、会社の経営状態を知って驚いた社員という観点も面白いです。ユーザーをターゲットとするのであれば、顔が見えるPRの方が好感度が上がりやすいので積極的に活用していきましょう。
情報を起点にする
売り上げデータを元に、業界の動向や業界の情報を発信するというPRのネタ作りも可能です。業界の動向を総括するようなPR発信を行うと、業界のリーディングカンパニーという印象付けができるメリットがあります。
メディア別プレスリリースの書き方対策
メディア別でプレスリリースの書き方は大きく変わっていくので、メディアに合った書き方を知ることが大切です。それでは、メディア別にプレスリリースの書き方についてご説明しましょう。
ポイント
- テレビ向けプレスリリースの書き方のコツ
- 新聞(通信社)向けの書き方のコツ
- 雑誌向けの書き方のコツ
- Webメディア向けの書き方のコツ
テレビ向けプレスリリースの書き方のコツ
- リリース文脈:とにかく写真重視!
- アプローチ方法:コーナーに合わせた企画提案
テレビ番組に取材されるかどうかは、取材対象先でいかにインパクトのある映像が撮れるかにかかっています。そこで大切なのが、プレスリリースに撮影可能な映像をイメージできる写真を載せることです。 そうすることで番組ディレクターが企画構成や撮影ポイントを見極められるの、で取材確率が数倍高くなります。
新聞(通信社)向けの書き方のコツ
- リリース文脈:経済面・企業活動文脈の記事が中心
- アプローチ方法:自社情報と親和性の高い部署を見つける
新聞記者といっても、企業の業種によって担当する部署が異なっています。日経新聞であれば企業報道部・経済部・医療健康部などが挙げられます。アプローチする情報がどの部署と関連が高いかを見極め、部署毎に紙面から興味を持ってもらえそうな記者を探し出してアプローチを行うのがポイントです。
逆に読売新聞や朝日新聞ではエビデンスに基づく社会性の高い情報や、大衆向けの普遍的なネタが好まれます。産経新聞なら大衆向けと経済向けのちょうど中間、といったところです。
以上のように、一口に新聞といっても攻め方やアプローチ方法は違います。 地道な作業ですが、適切な部署と記者を見つけることができれば、掲載を獲得したと言っても過言ではありません。
雑誌向けの書き方のコツ
- リリース文脈:雑誌のテイストに合わせる
- アプローチ方法:編集者とのリレーション構築が必須
雑誌向けの場合、読者層と記事のジャンルが明確に分かるので掲載を獲得しやすいと思われますが、編集者との良好な人間関係の構築が他のメディアに比べて必要になります。
なぜなら、雑誌の企画は2ヶ月~3ヶ月先のモノを考案しており、企画に合わせた情報提供が必要になるからです。 商品を持って会いに行く「メディアキャラバン」を頻繁に行い、先々の企画内容を共有してもらえるくらいの関係性を構築していきましょう。
そしてリリースは載せてもらいたい情報と切り口を雑誌の雰囲気に合わせることも忘れずに行うことが大切です。
Webメディア向けの書き方のコツ
- リリース文脈:とにかくニュース性が一番
- アプローチ方法:画像素材のメール添付が必須
最後にWebメディアですが、Webでは新商品やできたばかりのお出かけスポットを掲載する傾向にあります。企画に合わせて掲載が決まる雑誌よりも記事化がしやすいメディアと言えるでしょう。
しかし、記事化しやすいWebメディアは2人~3人体制で運営している媒体がほとんどなので、取材をして写真を撮影してというわけにはいかないのが現状です。そこでキーポイントになるのが、リリースメールに掲載用の画像やプレスキッドを添付しておくことです。 人数の少ない編集部に手間をかけることなく記事化ができるので、掲載確率が一気に高まります。
プレスリリースを書き終えた後に確認する11のチェックポイント
その他にも、広報担当者として押さえておきたいプレスリリースの書き方のポイントを一気に列挙しました。 あとで「しまった!」とならないよう、以下の項目に目を通しておきましょう。
- タイトルは簡潔、かつ魅力的な内容になっているか
- 内容に間違いはないか
- 内容に情報の抜け漏れはないか
- 分かりやすい文章になっているか
- 過度な誇張表現はないか
- リンク先のURLは間違っていないか
- 日付や西暦は間違いなく記入されているか
- 正しい画像を添付しているか
- 誤字脱字はないか
- 複数人でチェックしたかどうか
- 客観的かつ情熱がこもっている文章か
プレスリリースを書いてメディアに送る直前に、以上の11のポイントをチェックするのがおすすめです。過度に誇張されていないか、抜け漏れがない客観的文章を情熱的に書き込んでいるかどうかを複数人でチェックしましょう。
プレスリリースは書き方だけでなく配信タイミングも重要
プレスリリースの書き方だけでなく、配信するタイミングも重要です。配信するタイミングによって様々な反応の違いがあります。それでは、プレスリリースを配信するタイミングについてご説明しましょう。
ポイント
- プレスリリースを配信する曜日は火曜・水曜・木曜がおすすめ
- プレスリリースを配信する時間帯は10時〜15時がおすすめ
プレスリリースを配信する曜日は火曜・水曜・木曜がおすすめ
プレスリリースを送る曜日としておすすめなのは、平日の「火曜・水曜・木曜」です。経済部やビジネス報道など、企業を取材する部署の記者は取材先に合わせて暦通りに休むことが少なくありません。 土日祝日のプレスリリースは、こうした担当の記者に見てもらえる確率が下がってしまいます。
また、月曜の午前や金曜の午後などの休日前後は記者のもとに届く情報量や業務量が多く、リリースチェックに割く時間が少なくなりがちです。 特別な曜日指定や日付指定がない場合は、「火曜・水曜・木曜」をプレスリリースの配信日に設定しましょう。忙しい曜日があらかじめ分かっている場合は、なるべく外したほうが安心できます。
プレスリリースを配信する時間帯は10時〜15時がおすすめ
プレスリリースの配信におすすめの時間帯は、企業のコアタイムに沿った10時~15時です。記者は取材で一日中現場に出ていることもありますし、夕方以降は朝刊や報道番組などの制作で忙しく、業務が落ち着くのは夜間になりがちです。 忙しい時間帯に配信しても読まれる可能性が低くなってしまうことを忘れてはいけません。
広報PR側のコアタイムも考慮し、互いにやり取りしやすい午前中から夕方前に配信した方が良いでしょう。
【Q&A】プレスリリースの書き方に関する質問一覧
以下では、プレスリリースの書き方に関する質問・疑問に回答します。
Q&A
- プレスリリースの基本構成は?
- プレスリリースの書き方のポイントは?
- プレスリリースを書くうえで意識すべきことは?
Q. プレスリリースの基本構成は?
プレスリリースの基本構成は、以下の通りです。
以上の5つの基本構成に沿ってプレスリリースを書くことで、完成度が高いプレスリリースが書けるでしょう。何から書けばいいのか分からなくても、基本構成に沿って書くことでまとまりのある文章になります。 ただ、ポイントを意識して書くことが重要です。
Q. プレスリリースの書き方のポイントは?
プレスリリースの書き方のポイントは、以下の通りです。
- タイトルの長さは30文字以内
- 形容詞をタイトルに入れないようにする
- タイトルにターゲットが明確に入っている
- リード文は結論と重要なことから
- 5W1Hを意識しながら1~3文程度で完結にまとめる
- 本文は記者の視点に立ち5W3Hを意識する
- 見出しや箇条書きを用いて読みやすい文章にする
- プレスリリースに書く内容には社会的意義が不可欠
- プレスリリースを書くときは難しい言葉は使わない
- 高解像度で高インパクトな素材を使用する
- 画像だけでなく図や表を挿入して直感的に分かる内容にする
- お問い合わせにいつもつながる連絡先を記入する
Q. プレスリリースを書くうえで意識すべきことは?
プレスリリースを書く上で意識すべきことは、以下の通りです。
- 公式文書であること
- メディアフックやニュースバリューを明確にすること
- 具体的・端的・分かりやすい表現を心がけること
特に重要なのは、具体的でありながら端的で分かりやすい内容にすることです。数多くの人が読んでも分かりやすいように専門用語や業界用語を使わず、分かりやすく説明できるかどうかが重要です。 場合によっては図や表を使って説明するのも良いでしょう。
プレスリリースの書き方について【まとめ】
プレスリリースの書き方は、基本的に5つの基本構成と12のポイント、そして具体的で端的かつ分かりやすい内容にすることが大切です。 配信するタイミングやメディア別に書く内容など様々なポイントもありますが、特に誰が読んでも分かりやすい内容にできるかどうかです。 万人が読んでも分かるように、専門用語や業界用語を避けて充実した内容にしていくことを意識しましょう。