PR戦略の設計|戦略シナリオを誰でも作れるようになる7つの方法
PR戦略とは
戦略から実行まで「ソリューションの種類」
2019.10.13

PR戦略の設計|戦略シナリオを誰でも作れるようになる7つの方法

「PR戦略ってどう組み上げればいいの?」
「そもそも、PR戦略のプロジェクト範囲ってどこまで」
「明日までに必要だから、手っ取り早く3分で戦略を作る方法を教えて!

そんな疑問にすべてお答えします。

 

戦略とはそもそも何?

PR戦略とは、いったいどういったことを指すのでしょうか。

まず、これが不明確ですと、しっかりとしたPR戦略を立てることができません。当サイトではこの戦略の定義を、問題や課題の解決をおこなう上での準備・計画・運用・改善の4つのステップと考えています。目的を達成するために作成するシナリオ・プランニングと捉えることもできます。

 

PR戦略はどうして必要なのか

戦略の構築

1.PR戦略は企業成長のカギ

以前は新聞広告やチラシを出稿すると、多くはなくともそれなりに集客ができていたと思います。
しかし、経済状況の悪化やITメディアの普及、新聞を購読しない若年層が増加していくなど、広告だけでは集客できなくなっているのも事実です。

新市場開拓・既存市場への攻勢では、さらなる浸透戦略・新商品プロモーションや集客などの課題を効果的な戦略によるマーケティング&コミュニケーションと総合力によって、面と点で攻めなければなりません。

そして、これを打ち手として広く普及させたのが戦略PRという戦略理論です。

*関連記事:戦略PRを1分で理解する

 

2.上手に成長している企業ほどPRファーストで経営に取り組んでいる

市場の変化を敏感に察知したPRマーケティング展開は企業戦略の要です。企業が市場に向けて発信すべき適切な情報を“適切なメディア”を選び出し、“適切なコンテンツデザイン”を設計し、“適切なタイミング”で発信する。そしてより深く、より素早く、まだ見えていない価値に個性を与えて見える化することで市場へのコミュニケーションルートを確保し、企業や商品・サービスを訴求・浸透させます。

年間のPR戦略を立案する、あるいは戦略PRを取り入れてプロジェクトを推進する、という場合には「どの優先順位で」「どこから着手していく」かを決めることが大切です。

たとえば、新商品の普及を早めたいのか・ブランドのロイヤリティを高めたいのか、採用率を高めて組織効率を上げたいのか、営業の成果に結びつけたいのか、でシナリオ・プラニングも変わってくるからです。

 

戦略構築までの5つのアクション

また、そのさいには「悩む」「考える」「調べる」「迷う」「選ぶ」などの5なアクションが生まれると思います。

●悩む

ゴールやミッションが曖昧であり、どこから着手すればよいかのプライオリティ(優先順位)が不明確な状態。

●考える

目的が明確で有り、常にゴールを意識しながら、達成するための戦略やシナリオと取るべき方法を考えることができる状態。

●調べる

目的に向かうために必要なルートやプロセス、場合によっては競合データなどを調べる行為。

●迷う

ゴールに対するプロセスが明確でなく、どのアクションが重要かつ緊急かといったプライオリティがない状態。

●選ぶ

改善の狙いや意図が組織全体で共通言語化されて理解できており、「どこで」「何を」「どのように」が最適に選択できる状態。

これらを踏まえて、PR戦略の目的や課題を洗い出します。または、改善したい内容をシナリオに落とし込んでいきます。
いくつかの方法がありますが、これらのステップで一般的には戦略の改善の狙いが理解できるようになります。具体的に弊社がおこなっている一例を下記に紹介しましょう。

 

PR戦略シナリオプランニングの7つのステップ

戦略の選択

ここでは、戦略を進めるためのシナリオを作成します。考え方はステップ順に考えると良いでしょう。

1.現状把握:

問題が起きている場合、まずその本質を定性的・定量的に数値化やヒヤリングをしながら明確にしていきます。さらに事象をデータ化し、問題点を絞ります。また担当者や担当部門だけの意見だけでなく、他部門や競合調査などをおこない、多角的に問題を列挙していきます。

2.問題分析:

分析とは現状からのアプローチにおいて、複雑に見えていた物事を分解して、構成や関係について明らかにすることです。このさい大切になるのが、全体と部分をそれぞれ鳥の目線、虫の目線、消費者の目線の3つで考えること。とりあえずアンケートを取る、市場調査をするだけでは、有益な情報を得ることはできません。分析をおこなうさいは、客観性を意識した服薄の仮説を自分なりに持って行うようにしましょう。

3.目標設定:

問題を正確に把握しながら、目標を設定するステップです。目標にはマイルストーンを置きます。目的に沿ったマイルストーンを達成することで、選定したテーマを解決できるようになります。

4.課題摘出:

目標のマイルストーンが遅滞していたり、達成しても目的が達成されない場合には、その原因についての要因を見つけなくてはなりません。これらの原因の要因に対しては、「WHY(なぜか)」「WHAT(なにが原因か)」「HOW(どのように改善するか)」の3つの究明をおこないます。

5.オプション展開:

課題摘出で見つけたボトルネックを解決するための戦略を立てます。原因ごとに「対策のオプション」を展開します。それぞれに緊急度と優先度のポイントを付けて「期限」を考えながら実行スケジュールに落とし込んでいきます。

6.競争力の強化:

戦略を推進するなかで大切なのが、競合に対するナンバーワン性・オンリーワン性を生み出すことです。PR戦略とは、つきとめればこのナンバーワン・オンリーワンをどう早期に獲得、あるいは高めることができるかの情報クリエイティブだともいえます。

■競争力の考え方は3つあります。一緒に覚えてしまうと役に立ちます。

  • 市場優位性戦略:既存の商品の見せ方を工夫しながら、競合に対してマーケットシェアを高めるキラーコンテンツを中心に考えます。
  • 新製品・サービス開発戦略:サービス開発を通じて顧客やメディアへのアプローチをおこないます。
  • 新市場開拓戦略:海外市場や新しい市場への展開を通じて、メディアやターゲットの興味を喚起します。たとえば、男性用のブラジャーなどはこれに当てはまります。

7.成果確認:

プライオリティを付けたオプションを実行したあとで、その効果を検証します。効果には効率性と効果性があります。効率とはそれにより生産性やスピードが上がること。効果は効率性では図ることができにくい、数値には見えないモチベーション向上や競合からの乗り換え、ターゲットの忠誠心(リーチ)やファン化(深度)などです。どちらか一方というわけではなく、両方とも満たすようにオプションを実行していくことが大切です。

 

マーケティング&コミュニケーションにおけるPR戦略設計の3ステップ

戦略を考えるシーン

最後に、PR戦略をマーケティングやコミュニケーションなどの各戦略とインテグレーション(連携)させていきます。

■ステップ1 PRデザイン設計・ブランドメッセージの開発・ブランドの見える化

ブランドをもっとも象徴するもの、顔となるもの、それは名称でありロゴ・マークです。視覚表現の最終形態ともいえるもっともデリケートな部分を、PR戦略の設計に合わせて考え抜かれたクリエイティブデザイン(意匠)で視覚化します。また、ブランドはさまざまなメディアを通じて発信されなければなりません。その際もっとも注意が必要なのは、統一されたデザインフォーマットと一糸乱れぬイメージ統一です。

フロンティアコンサルティングでは、デザインコンセプトとメディア間を統一するデザインフォーマットを開発。めざす市場へのブランド発信をスムーズにおこなうよう支援します。

■ステップ2 PRプロモーションのためのコンセプトデザインの開発

すでに商品・サービスを立ち上げているが、上手く機能していない。または、ブランドが市場に浸透していない・・・など、問題を抱えて言える企業・商品サービスの既存ブランド・マーケティングを再構築します。

■ステップ3 PR戦略のためのストーリー設計

「誰に」「何を」「いつ」「どのように」情報を発信するのか、どのように効果的に発信できるのかを考えたシナリオをコミュニケーション戦略構築およびWEBデザインの制作に落とし込みます。各メディアへのプレスリリースほか、キャンペーンサイトの制作、メディア掲載がされやすい話題性のあるSNSイベントの企画から運営、あるいは記者発表会など露出機会を作るための話題づくりを戦略的に行います。

メディア戦略において、フロンティアコンサルティングが発行する媒体や運営サービスを活用することで、オリジナルなメディア戦略や広報活動も可能です。

⇒参考記事:こちらの記事も合わせて読むと理解が深まるかも。【意外と知らない?】広告代理店とPR会社3つの大きな違い


執筆者・監修者
上岡正明
経済記者・経済コメンテーター
戦略PRプランナー・著書26冊累計105万部のビジネス作家
登録者25万人のYoutuber
上岡正明

MBA(多摩大学院経営情報学修了)
テレビコメンテーター
多摩大学客員講師(18,19)
帝塚山大学客員講師(19)
登録者24万人のビジネス系YouTube

「スーパーJチャンネル」「めざましテレビ」「王様のブランチ」「クイズミリオネア」等の元放送作家。日本を代表するPR戦略の専門家で、企業広報のスペシャリスト。未上場から上場企業まで戦略PRを手掛けたクライアントは300社以上。

広報ブランディング、新規事業構築、外資系企業の国内イベント、海外プロモーション支援のコンサルティング会社代表。現在まで約20年間、実業家として会社を経営。これまでに三井物産、SONY、三菱鉛筆、日本瓦斯など200社以上の広報支援、スウェーデン大使館やドバイ政府観光局などの国際観光誘致イベントなどを行う。

代表的なコンサルティング案件としては、日本中の女性たちの心を動かした「表参道のパンケーキブーム」、1年で200万台以上を売り上げた「ふとん専用掃除機レイコップ」、世界が注目する食イベント「肉フェス」、1カ月で6000万人(日本の約半分)にバズらせた「ジャポニカ学習帳“昆虫の表紙が変わった?”」がある。

経営と並行してMBA(情報工学博士前期課程)取得。東京都中小企業振興公社講師。成蹊大学、多摩大学、帝塚山大学の客員講師。東洋経済新報社、ダイヤモンド社、朝日新聞出版社、PHP出版、総合法令出版社、アスコム社、大和出版、すばる舎、宝島社から累計21冊80万部の著書を上梓。

日本神経心理学会、日本行動心理学学会、行動経済学学会、一般社団法人日本行動分析学会、日本社会心理学会、一般社団法人日本小児心身医学会、認知神経科学会の各学会員。

日経ヴェリタス・東洋経済オンライン・ダイヤモンドオンライン・プレジデントの4大経済メディアで専門家として記事連載もおこなっております。お読みになりたい方はこちらからご覧下さい。

①:東洋経済オンラインでの連載記事
②:ダイヤモンドオンラインでの連載記事
③:プレジデントでの連載記事
④:日本経済新聞での連載記事