広報担当者がメディアに送る際に活用したいアプローチメール8ステップ【テンプレ付き】
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2024.09.11

広報担当者がメディアに送る際に活用したいアプローチメール8ステップ【テンプレ付き】

この記事では、広報・PR活動においてメディア関係者などに送るアプローチメールのテンプレートを紹介していきます。

「送るネタは決まっていて自信もあるのにメール作成でつまずく」という広報・PR担当者は少なくないのではないでしょうか。そこで本記事では、テンプレートを使うことの意義をお話ししてから、ステップ分けをしつつテンプレートの解説をしていきます。

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広報メール

アプローチメールのテンプレートで時短+質の高い広報・PRを!

メディア関係者へのアプローチメールを書くことに時間がかかりすぎたり、内容自体に自信がなかったりする広報・PR担当者は少なくないと思います。

ただ、それはセンスがないからでも文才がないからでもありません。恐らく書き方のテンプレートを知らないだけです。プライベートのメールではないので、テンプレートに沿って高品質なアプローチメールを書きましょう。

【そのまま使える】メディアへのアプローチメールテンプレート8ステップ|広報・PR

それではメディア関係者へのアプローチメールのテンプレートを8ステップに区分けして紹介していきます。あなたの企業やシチュエーションに合うように書き換えつつ、そのまま使うことができます。

ステップ①:タイトル

タイトルとしては「○月○日の新商品イベントのご紹介|○○社広報担当」など。あっさりしていますが「新商品のイベントがある」「○月○日です」「○○社の広報担当の者です」と伝えるべきことはすべて書いてあるので問題はありません。

なお相手と見知った仲になってからは「○○社広報担当」の部分はカットしても構いません。

ステップ②:あいさつ+名乗り

あいさつ+名乗りとして「初めまして、突然のメールにて失礼いたします」「○○社の広報担当の□□ちと申します」などと書きます。

ちなみにタイトルで「○○社の広報担当です」と名乗れている場合は、ここではなく、「本題(商品やサービスの紹介など)」の直前に書く方がバランスがいいかもしれません。ただ、もちろん大きな差にはならないのであなたの感覚で決めても構いません。

ステップ③:(必要に応じて)お礼

必要に応じてお礼を言います。

例えば「先日は○○の記事で取り上げていただきありがとうございました」などです。もちろん相手もビジネスでやっていることですが、きちんとお礼を伝える方が相手からの印象も良くなります。

ただ、初メールである、会ったことがないなど特にお礼をすることがない場合は、もちろんお礼は不要です。無理に「本メールをご覧いただきありがとうございます」などと言うのはわざとらしすぎるのでやめましょう。

ステップ④:相手の番組や記事の感想|自社を取り上げてもらった場合はその感想

例えば「先日の放送を拝見しました」「○○様の担当のテーマはまだ未知の部分が多いと思いますが、特に□□は個人的にも興味があるテーマなので感動しました」などです。

やはりメディア関係者にとっては、自身の番組や記事などについて言及されることが一番嬉しいので、アプローチメールを送る前にチェックして個人的な感想を書けるようにしましょう(もちろんアプローチ先の選定のためにも必要なことです)。なお番組や記事で自社を取り上げてもらっている場合は、もちろんそれに対する感想を言います。ただし「○○様に頼んで大正解でした!」などの上から目線な表現は避けましょう。

ステップ⑤:【本題】商品やサービス(つまりネタ)の紹介

感想を書いたらいよいよ本題です。商品やサービスの紹介をします。例えば以下の通りです。

『このたび弊社より新商品の○○が発売します。発売日は○月○日です。情報解禁日は□月□日となっております。

○○の開発担当は「△△△」という成分に特に力を入れていました。日本人のおよそ80%が□□のダメージに弱いと言われていますが、△△△にはそのダメージを軽減する効果が期待できるデータがございます。

△△△には安定した状態を維持することが難しく、効果が出にくいという欠点がありましたが、別成分の□□の力により、類似商品の◆◆と比較して○%以上△△△の効果をキープさせることに成功しました』

※長くなりましたので項目を分けて解説します。

要素を区切って解説

では要素を区切って解説します。

  • このたび弊社より新商品の○○が発売します。発売日は○月○日です。→直球で要件を伝える
  • 情報解禁日は□月□日となっております。→メディア関係者には「情報解禁」が刺さる
  • ○○の開発担当は「△△△」という成分に~期待できるデータがございます。→商品のメリット
  • △△△には安定した状態を維持することが~成功しました→ややマニアックな強み
  • 類似商品の◆◆と比較して→できれば類似商品にはない強みを書く(類似商品を悪く言わないように)

このような構成を意識すると、伝わる文章が書きやすいです。

ステップ⑥:添付資料

例えば「詳細資料を添付させていただきましたのでご覧いただけますと幸いです」など。メールの文章が長くなりすぎないように詳しい情報は資料にまとめることをおすすめします。もしくは参考URLなどでも構いません。

ステップ⑦:面談の提案

例えば「もしよろしければ、弊社の広報担当である私と商品担当の○○が、□□様に直接お会いして詳細をお話しいたします。」「ご検討いただけますと幸いです」など。

メディア関係者と直接会ってこそ、その後の関係が続きやすいですし、メディア掲載もされやすくなります。初回のメールでもためらわずに面談の提案をしましょう。

ステップ⑧:最後に連絡先アドレス、各種URLなどを載せる

最後に連絡先アドレスや各種URLなどを載せます。あえて「こちらもぜひご覧ください」などとは書かないようにしましょう。単に羅列する方が嫌味が少なく、チェックしてもらいやすいです。

主に以下を載せましょう。

  • 社名、部署名、広報担当者名(つまりメールの送り手)
  • 広報担当者の連絡先(電話、メールなど)
  • 会社の住所、電話番号、FAX番号など
  • 会社の公式サイト
  • 会社の広報ブログ
  • 会社独自のオンラインショップ
  • 会社の求人情報

広報担当者が活用できるメールアプローチまとめ

今回紹介したような流れに沿えばメディア関係者へのアプローチメールを、それほど時間をかけずに、かつ高品質で書けるようになります。広報・PRは忙しい仕事なので、こういったところで時間とエネルギーを節約しましょう。

また、もちろんメディア関係者との関係性(初メール、複数回目、打ち解けているなど)や送るネタによってはメールの内容も多少変わってくるはずですので、流れとポイントを抑えつつ適切にアレンジしていただければと思います。


執筆者・監修者
上岡正明
経済記者・経済コメンテーター
戦略PRプランナー・著書26冊累計105万部のビジネス作家
登録者25万人のYoutuber
上岡正明

MBA(多摩大学院経営情報学修了)
テレビコメンテーター
多摩大学客員講師(18,19)
帝塚山大学客員講師(19)
登録者24万人のビジネス系YouTube

「スーパーJチャンネル」「めざましテレビ」「王様のブランチ」「クイズミリオネア」等の元放送作家。日本を代表するPR戦略の専門家で、企業広報のスペシャリスト。未上場から上場企業まで戦略PRを手掛けたクライアントは300社以上。

広報ブランディング、新規事業構築、外資系企業の国内イベント、海外プロモーション支援のコンサルティング会社代表。現在まで約20年間、実業家として会社を経営。これまでに三井物産、SONY、三菱鉛筆、日本瓦斯など200社以上の広報支援、スウェーデン大使館やドバイ政府観光局などの国際観光誘致イベントなどを行う。

代表的なコンサルティング案件としては、日本中の女性たちの心を動かした「表参道のパンケーキブーム」、1年で200万台以上を売り上げた「ふとん専用掃除機レイコップ」、世界が注目する食イベント「肉フェス」、1カ月で6000万人(日本の約半分)にバズらせた「ジャポニカ学習帳“昆虫の表紙が変わった?”」がある。

経営と並行してMBA(情報工学博士前期課程)取得。東京都中小企業振興公社講師。成蹊大学、多摩大学、帝塚山大学の客員講師。東洋経済新報社、ダイヤモンド社、朝日新聞出版社、PHP出版、総合法令出版社、アスコム社、大和出版、すばる舎、宝島社から累計21冊80万部の著書を上梓。

日本神経心理学会、日本行動心理学学会、行動経済学学会、一般社団法人日本行動分析学会、日本社会心理学会、一般社団法人日本小児心身医学会、認知神経科学会の各学会員。

日経ヴェリタス・東洋経済オンライン・ダイヤモンドオンライン・プレジデントの4大経済メディアで専門家として記事連載もおこなっております。お読みになりたい方はこちらからご覧下さい。

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