【現役記者が解説】プレスリリースの投げ込みとは?記者クラブの役割と配布方法
PR戦略とは
勝利の方程式「戦略の種類」
2024.02.06

【現役記者が解説】プレスリリースの投げ込みとは?記者クラブの役割と配布方法

プレスリリースはともかく、「投げ込み」については聞き慣れない方も多いですよね。これは広報の業界用語で、企業や行政、団体・個人など、実際にプレスリリースを作成した側から、記者クラブへ直接、プレスリリースを持ち込むことを指しています。

たとえば官公庁・地方自治体から発信された情報や、教育機関の発表など、社会的・公共的な影響が大きい情報について投げ込みを行うと、メディアなどに取り上げられ、不特定多数に情報を提供した場合よりも効果的な場合があるのです。

➡人気記事:PR会社20選!特徴・強み・種別をカオスマップで分類してみた

プレスリリースの投げ込みとは?

プレスリリースの投げ込みとは

プレスリリースの投げ込みとは、企業や組織が重要な情報を伝えるために、メディアや報道機関に対して直接送付する手法です。特に、記者クラブへの配布は、マスメディアとの密な関係を構築し、情報を効果的に伝える重要な手段となります。

プレスリリースの投げ込みがうまくいけば効率的に記者にプレスリリースを届けやすくなる一方で、もしも間違った投げ込みをしてしまうと、最悪の場合は迷惑な業者として認識されてしまい、ブラックリストに入ることも実際にあります。

つまり、プレスリリースの投げ込みを行う際には、十分な注意を払う必要があるのです。

➡人気記事:テレビ新聞が必ず興味を持つプレスリリース書き方12パターン

プレスリリースの投げ込み先の記者クラブとは?

プレスリリースの投げ込み先の記者クラブとは

プレスリリースの投げ込みは、広報活動の重要な課題です。なぜなら、企業や組織が記者クラブへ配布することで、メディアとの密接な関係を築き、自社の情報を効果的に伝えることができる有効な手法だからです。

ここでは、配布先となる記者クラブについて詳しく見ていきましょう。

ポイント

  • 記者クラブとは
  • 記者クラブの種類

記者クラブとは

記者クラブとは、省庁・行政機関、警察・消防などの公的機関や、東京証券取引所・商工会議所などの業界団体内に設置されたマスメディア組織であり、新聞社やテレビ局から派遣された記者が活動しています。

記者クラブ内の記者はデスクを置き、継続的な取材やニュース対応を行っていますから、投げ込み先として記者クラブを活用すれば、効率的な情報伝達ができるというメリットがあります。

企業や組織が記者クラブに対してプレスリリースを投げ込むと、印刷物やファイル形式で同時に複数の場所へと提供されていきます。つまり、一度の発信で複数のメディアに情報を届けることができるのです。

記者クラブの種類

記者クラブの種類には、業界別の記者クラブや公的機関の記者クラブなどがあります。それぞれの記者クラブは、特定の業界や分野に関する情報収集と報道活動を担当しています。

ここでは、記者クラブの種類を詳しく見ていきましょう。

兜倶楽部

東京証券所内にある記者クラブです。常時30社の新聞関連と6社の雑誌関連記者で構成されています。兜倶楽部は上場会社、証券会社、運用会社などがプレスリリースの投げ込み、決算発表、株価に重要な影響を及ぼすと想定されるような出来事が起きた時に記者会見を行います。

年4回の決算シーズンともなると、2000社以上の上場会社の代表、経理担当、広報担当が兜倶楽部を訪れ決算資料を配り、記者会見をします。数多くある記者クラブの中でも記者会見の数では突出した記者クラブです。

東商記者クラブ

東京商工会議所に設置されている記者クラブです。東京の中小企業が記者会見をする場合、基本的にはこの東商記者クラブですることになります。ただし、東京商工会議所に設置されていますので、東京商工会議所に加盟していなければここで記者会見を行うことはできません。

主に百貨店、コンビニなどの流通や小売、食品、通販などの企業が資料の配布や記者会見をすることが多いようです。

日銀クラブ(金融記者クラブ)

日本銀行内にある記者クラブが日銀クラブです。銀行や保険会社といった金融関係の企業がプレスリリースの投げ込みや決算の発表などの記者会見にこの場を使うことが多いようです。主要銀行や生損保企業の決算発表は、兜倶楽部ではなく日銀クラブで行われます。全国紙、通信社、NHK経済部などの記者が多数常駐していています。

➡人気記事:PRと広告の最大の違い知ってる?現役記者が解説

プレスリリースの投げ込み方法【基本の3ステップ】

プレスリリースの投げ込み方法

プレスリリースの投げ込みについては、順序立てて進めることが重要です。

記者クラブに正確かつ効果的に情報を届けるために、以下の基本となる3ステップを参考に進めていくとよいでしょう。

ポイント

  • 1. プレスリリースを投げ込みする記者クラブへ連絡
  • 2. プレスリリースの投げ込み方法と必要な部数を確認
  • 3. プレスリリースを記者クラブへ持参する

1. プレスリリースを投げ込みする記者クラブへ連絡

まずは、プレスリリースを投げ込む予定の記者クラブの連絡先を確認しましょう。記者クラブの連絡先は、ウェブサイトや公開されているリストなどから見つけることができます。正確な連絡先を把握することで、スムーズなやり取りが可能となります。

また連絡方法についても、電話やメールなど、適切な手段を選びましょう。記者クラブのウェブサイトや公式文書には、連絡方法や窓口が記載されていることが多いです。連絡方法を選ぶ際には、記者クラブが指定している方法に従いましょう。

さらに連絡をする際には、プレスリリースの投げ込み意図を明確に伝えましょう。たとえば、新製品の発表やイベントの開催など、投げ込みの目的やニュースの要点を簡潔に伝えることが重要です。また、投げ込みの予定日時や形式についても確認しましょう。

2. プレスリリースの投げ込み方法と必要な部数を確認

プレスリリースを投げ込む方法には、場所によっても違いがあるようです。一般的な投げ込み方法には、メール送付、郵送、オンラインフォームの利用などがありますが、こちらについてもウェブサイトや公開されている情報を確認し、適切な投げ込み方法を把握しておきましょう。

また、投げ込みに求められるプレスリリースの形式や要件が異なる場合があり、特定のフォーマットを要求されることもあります。投げ込み前に、要件や指示を確認しておきましょう。

また、投げ込み時には必要な部数を適切に設定することが重要です。規模や配布先の数、関心度などを考慮して決定しなくてはいけません。これらの状況を事前に把握し、部数の確認をしておきましょう。

3. プレスリリースを記者クラブへ持参する

まずは、プレスリリースを持参する記者クラブの場所と受付時間を確認しましょう。記者クラブは一般に報道機関や経済団体の建物内に設置されています。インターネットや電話で事前に場所や営業時間を調べるか、関連する組織に問い合わせてください。

プレスリリースを持参する際には、事前に印刷して整えましょう。プレスリリースは、クリアな内容と見やすいレイアウトが求められます。また、必要な場合は添付資料やパンフレットも用意しておきましょう。

持参日に記者クラブを訪れ、受付や案内所で指示に従ってプレスリリースを提出します。受付で担当者に伝えると、適切な場所でプレスリリースを受け取ってもらえます。やり取りがスムーズに進むよう、丁寧に対応しましょう。

プレスリリースの投げ込みの6つの注意点

戦略PRとは

プレスリリースの記者クラブへの投げ込みは簡単にできてしまう反面、対応によってはブラックリストに載ってしまうことも考えられますので慎重に行っていきます。

以下では、プレスリリースの記者クラブへの投げ込みで注意するポイントを紹介します。

ポイント

  • 広告・宣伝目的のチラシはもっていかない
  • 記者クラブへの情報提供は加盟各社に同時・一斉にするのが原則
  • 勝手に解禁日時などはしない
  • 記者クラブへの投げ込みのタイミング
  • 記者クラブを訪問したら職員さんの指示に従う
  • 記者クラブに投げ込む費用は印刷費用と交通費のみ

1. 広告・宣伝目的のチラシはもっていかない

記者クラブ側の目的を勘違いしてしまうとうまくいきません。企業からすると「宣伝してもらうために投げ込みをする」と考えがちですが、記者クラブに在籍している記者達にすれば「世の中で必要な情報を届けるために記者クラブを設けている」のです。

そのため、記者などメディア担当者からすると、自らの利だけを求める営利事業の宣伝行為に加担をしたくないのです。そのためにも、営利であったとしても社会的に必要であると認識されないものは取り上げてもらえないと考えたほうがよいでしょう。その前提を忘れてプレスリリースの投げ込みをしたとしても、そのことが発覚して今後お断りと言われてもおかしくはありません。

2. 記者クラブへの情報提供は加盟各社に同時・一斉にするのが原則

記者クラブに加盟している会社は大きく分けてテレビと新聞に分かれます。たまに「テレビ局だけに投げ込みをしたい」と思う企業がでてきますがこれは問題行動です。

なぜなら記者クラブに在籍しているメディアは公平に情報を貰えることが基本ルールだからです。メディアにとって情報は一番価値があるものです。その情報が優良であればあるほどどこよりも早く欲しいが本音です。そのために各社はスクープを追い求めます。

しかし、記者クラブで抜けがけが起きてしまうと、メディア側としては面白くありません。記者クラブ内においてメディア各社は公平に同時に一斉にすることが基本です。もしも特定のメディアにプレスリリースを送りたい場合は、直接その会社に送るようにします。

3. 勝手に解禁日時などはしない

一般の企業がプレスリリースにおいて、報道の解禁日時を指定していることがあります。「〇月〇日〇時よりこのプレスリリースを解禁します」といった内容です。そもそも解禁付きのプレスリリースとは、事前に報道主体とメディアで報道協定が結ばれているものに限られています。

その事情を知らずに解禁付きにしてしまうと、メディア側から反発される恐れがあります。解禁をつけることが問題なのではなく、理由なき解禁が問題なのです。しかるべく理由があればメディアも納得してくれることもあります。そのためにもまずは記者クラブの幹事にあたる会社に相談することをおすすめします。

4. 記者クラブへの投げ込みのタイミング

記者クラブによって状況が変わることがありますので、まずは訪問する予定の記者クラブに直接聞いてみるのがベストな選択です。

一般的な話でいえば、午後を過ぎたあたりからは記者達は比較的に落ち着きやすいといわれています。というのも、新聞社の場合は夕刊の締め切りが終わって、ランチを食べたあとぐらいだからです。

もうひとつは午前10時頃も良いです。それ以降になると忙しくなりますが、その前の段階だからです。

5. 記者クラブを訪問したら職員さんの指示に従う

「記者クラブに訪問したら事務の職員さんだけだった」というのもよく聞く話です。そこで長々と話をするのではなく、挨拶をして自分が何者であるかを名乗り、何の要件かということを手短に話します。

プレスリリースの投げ込み自体はそれほど手間がかかるものでもありませんので、職員さんの指示に従って粛々と行います。もし、その場に幹事社がいて名刺交換できそうであれば、しておくとあとあと話がスムーズになることがあるかもしれません。

6. 記者クラブに投げ込む費用は印刷費用と交通費のみ

プレスリリースを記者クラブに投げ込む際に費用がかかるのかと言われれば、特に記者クラブから費用を請求されることはありません。あえてあげるとするのならば、プレスリリースを印刷する費用と記者クラブに赴く移動費ぐらいのものです。

その「費用がかからない」ということにつけこみ、むやみやたらに自社の営利目的一色のチラシまがいのものが届けられると、今まで一般にも開かれていた記者クラブの門戸が閉じてしまうことが考えられます。あくまでも社会になにかしらの良い影響を及ぼす内容のプレスリリースを記者クラブに投げ込みたいものです。

そして、忘れがちなのですが、記者クラブにいる記者達も人間です。彼らと顔見知りになることで人間関係を構築することができれば、内容が妥当であれば採用される率は今後上がる可能性は高くなります。広報担当にとって必要な資質の1つはコミュニケーション能力です。

3大記者クラブへのプレスリリース投げ込み手続きを解説

プレスリリース投げ込み

実際に、どのようにプレスリリースを投げ込みするのか、いくつかの記者クラブごとに解説していきます。

ポイント

  • 都庁記者クラブ(東京都庁)のプレスリリース投げ込み手続き
  • 兜クラブ(東京証券取引所)のプレスリリース投げ込み手続き
  • 農政クラブ(農林水産省)のプレスリリース投げ込み手続き

都庁記者クラブ(東京都庁)のプレスリリース投げ込み手続き

*最寄り駅:都庁前駅

東京都庁にある大手新聞・テレビ局などで構成されている記者クラブです。主に政治や都政を取り扱っていますが、中小企業やスタートアップ企業を対象にしているメディアもあります。

都庁記者クラブへのプレスリリースの投げ込み手順は以下の通りです。

  1. プレスリリースを23部印刷して持ち込む
    メディア用(20部)、都庁報道課用(3部)合計23部を印刷して持ち込みます。
  2. 都庁で入館手続きを行う
    1F、2Fのエレベーター前や入口近くにあるテーブルに手続きをするところがあります。その場にある入庁票に名前、社名、電話番号などの必要事項を記入します。
  3. 入庁証を守衛から受け取る
    エレベーター前のいる守衛に先ほど記入した入庁票を手渡すと、プラスチックカードでのゲスト用IDカードである入庁証を渡されます。それを受け取り、ゲートを通過します。
  4. エレベーターで6Fに上がる
    停止階数が緑のプレートで示されているエレベーターを使い、6Fまで上がります。エレベーターは2か所にありますが、どちらを利用してたどり着くことができます。
  5. 報道課にまず3部を渡す
    エレベーターで上がると、二つのエレベーターの間に報道課があります。その報道課にまずリリース文書を3部手渡します。初めての時だと緊張するかもしれませんが、部屋に入れば職員の方が受け取ってくれますので大丈夫です。
  6. 各メディアポストに投函していく
    報道課の部屋に入ると、右手にある薄肌色の金属でできたロッカーのようなポストがりますので、そこに7部を投函。その後、別室の部屋に入って左手にあるポストに残りの13部を投函してきます。

記者クラブに登録されている加盟社の数は増減することがあります。最初の時や、長く投げ込みに行ってない場合は、大目にプレスリリースを準備しておくか、事前に都庁に連絡をして、現在の記者クラブの加盟社数を確認すると安全です。

兜クラブ(東京証券取引所)のプレスリリース投げ込み手続き

*最寄り駅:茅場町駅・日本橋駅

東京証券取引所に常駐している新聞・通信社・テレビ局で構成されている記者クラブです。主に取り扱う内容は新規上場の記者会見や企業の決算発表などです。

入館後の流れは、入口の場所に流れを説明した用紙が置いてあることもありますので、それを参考にするとスムーズです。

兜クラブへのプレスリリース投げ込みは、おおよそ以下のとおりになっています。

  1. 入館チェックをする
    金属探知機のゲートを通過して、カバン内にある所持品のチェックをしてもらう。
  2. 入館票に記入する
    受付にある入館票に記入していきます。時として、社員証や名刺、プレスリリースを受付に問われることもありますので、その時は提示します。広報が所属している会社と告知したい会社がグループ会社などで違う場合、確認を受けることもありますので、完結に説明できるようにしておきます。
  3. 入館証を貸してもらい記者クラブに向かう
    入館証を受付で貸してもらい、受付の場所から左奥にある通路を進んでいきます。そのまま進んでいくと、エスカレーターが見えますので、降りていくと左手に入口が見えてきてそこが記者クラブです。
  4. ホワイトボードに自社名、リリース内容を記入していく
    目的地である記者クラブに入ると、左手にホワイトボードが置かれています。ナンバーが〇で囲んでありますので、その中で最も大きい数字の空白部分のところに、自社名・リリース内容を書き込んでいきます。最初は戸惑うかもしれませんが、すでに記入している会社に沿って同じように書いていけば大丈夫です。
  5. 受付にもリリース1部提出する
    ホワイトボードに記入したナンバーがあなたに割り振られた番号となります。その番号をプレスリリース上部にある空きスペースに、準備されている赤鉛筆で書き込んだのち、ボックスに入れます。その後、受付のボックスと反対側に置かれている各メディアへのボックスに、必要部数を投入します。2部必要なメディアもありますので、多めに部数を持っていくと良いでしょう。
  6. アナウンスを行う
    状況によっては受付のマイクを使って、社名、リリース内容をアナウンスすることもあります。できるだけ簡潔にすると良いでしょう。
  7. 雑誌社へもプレスリリースを投げ込む
    近隣に雑誌社宛専用のボックスがありますので、必要性があるのであれば投函します。

農政クラブ(農林水産省)のプレスリリース投げ込み手続き

*最寄り駅:霞ケ関駅

農林水産省内にある記者クラブが農政クラブです。全国紙、テレビ局、食品・畜産・農業関連の専門メディアなどで構成されています。

農政クラブへプレスリリースの投げ込みをする場合、事前予約をする必要があります。流れは以下のようなものです。

■投げ込み前(投げ込む時間よりも48時間以上前)

  1. プレスリリースを配りたいという旨を農政クラブに電話をして報告する
  2. リリース配信申込書を折り返しで送ってもらう(FAX)
  3. 送られてきた申込書に必要事項を書き込んでいき、投げ込む時間の48時間前までに返送する
  4. 再度農政クラブに連絡をして、投げ込みの了承が取れたかを確認する
  5. 30部印刷をして準備完了

■投げ込み当日

  1. 予約時間の10分前までに提出が必須なので早めに伺う
  2. 本館の正面玄関で訪問先・目的・アポイント内容に答え、身分証明書を提示。入館票に記入して受付を済ませる
  3. 入館ICカードを受付から受け取り、カードを使って入館ゲートを通過する
  4. そのままエレベーターを使い3階へ上がる
  5. 3階に到着後、警備員が立っていない方に進み左折、その後進んでいき突き当たりをもう一度左折し、20mほど進んで行くと右側に農政クラブが見えてくる
  6. 受付に社名を告げたのち、印刷してきた30部のプレスリリース渡す
    都庁記者クラブや兜クラブなどは自分で所定のボックスに配布していきますが、農政クラブは受付に渡すと受付のひとが配布してくれるのでこれで終了となります。

【Q&A】プレスリリースの投げ込みについて多い質問

プレスリリースの投げ込みに関する質問

以下では、プレスリリースの記者クラブへの投げ込みについて多い質問・疑問に回答します。

Q&A

  • プレスリリースを記者クラブへ投げ込みする目的・メリットは?
  • プレスリリースの投げ込み先となる記者クラブの探し方は?
  • 東京や大阪など都会の記者クラブと地方の記者クラブの違いは?

Q. プレスリリースを記者クラブへ投げ込みする目的・メリットは?

プレスリリースを記者クラブに投げ込むことで、企業や組織の信頼性を高める効果もあります。記者クラブはメディアの信頼を得ている場所であり、そこからのプレスリリースは一定の信頼性を持って受け取られる傾向があります。

さらに、情報の迅速な発信が可能となります。記者クラブでは日々のニュースやトピックが共有されるため、他のメディアよりも早く情報を受け取ってもらえる可能性があります。また、記者クラブでの直接のプレスリリース提出は、ニュースの価値や重要性を強調する効果もあります。

Q. プレスリリースの投げ込み先となる記者クラブの探し方は?

記者クラブは一般的に公的機関や業界団体が運営していますので、インターネットでの検索や、関連する団体などに問い合わせることも効果的です。

また、メディアリストや業界情報サイトは、記者の連絡先などをまとめたリストや情報を提供しています。これらのリストやサイトを参考にすることで、各メディアがどの記者クラブに所属しているかを把握することができます。

さらに、業界のイベントやセミナーに参加することで、記者クラブの存在や活動についての情報を得ることができます。イベントやセミナーには記者も参加していることが多く、直接交流する機会も得られます。

Q. 東京や大阪など都会の記者クラブと地方の記者クラブの違いは?

記者クラブは、地方自治体の庁舎や団体内にも存在します。基本的な役割はどこでもほぼ同じであり、メディア関係者が集まり情報の収集やニュースの発信を行う場となっています。

ビジネスやイベントは都会に偏っている傾向があるため、地方の記者クラブに届くプレスリリースの量は少なくなりますが、これは競合が少なくなり、プレスリリースが記者の目に留まる確率が高くなるとも言えます。地域に根ざした事業展開や地域住民への情報発信が重要な場合などは、地方の記者クラブを活用したほうがよいでしょう。

*こちらも参考になるかも?:記者クラブ一覧はこちら(外部リンク)

プレスリリースの投げ込みを企業発展に活用しよう

記者クラブにプレスリリースの投げ込みをしようという発想は、メールやFAXでプレスリリースを送るよりも担当者に近づきやすくなります。その意味では最良の選択の1つと言って良いでしょう。

ぜひとも記者達と会い関係性を作っていきながら、社会にとって有益な情報を送り届けてみてはいかがでしょうか。

➡人気記事:プレスリリースとは?配信する目的・手順・メリットを解説


執筆者・監修者
上岡正明
経済記者・経済コメンテーター
戦略PRプランナー・著書26冊累計105万部のビジネス作家
登録者25万人のYoutuber
上岡正明

MBA(多摩大学院経営情報学修了)
テレビコメンテーター
多摩大学客員講師(18,19)
帝塚山大学客員講師(19)
登録者24万人のビジネス系YouTube

「スーパーJチャンネル」「めざましテレビ」「王様のブランチ」「クイズミリオネア」等の元放送作家。日本を代表するPR戦略の専門家で、企業広報のスペシャリスト。未上場から上場企業まで戦略PRを手掛けたクライアントは300社以上。

広報ブランディング、新規事業構築、外資系企業の国内イベント、海外プロモーション支援のコンサルティング会社代表。現在まで約20年間、実業家として会社を経営。これまでに三井物産、SONY、三菱鉛筆、日本瓦斯など200社以上の広報支援、スウェーデン大使館やドバイ政府観光局などの国際観光誘致イベントなどを行う。

代表的なコンサルティング案件としては、日本中の女性たちの心を動かした「表参道のパンケーキブーム」、1年で200万台以上を売り上げた「ふとん専用掃除機レイコップ」、世界が注目する食イベント「肉フェス」、1カ月で6000万人(日本の約半分)にバズらせた「ジャポニカ学習帳“昆虫の表紙が変わった?”」がある。

経営と並行してMBA(情報工学博士前期課程)取得。東京都中小企業振興公社講師。成蹊大学、多摩大学、帝塚山大学の客員講師。東洋経済新報社、ダイヤモンド社、朝日新聞出版社、PHP出版、総合法令出版社、アスコム社、大和出版、すばる舎、宝島社から累計21冊80万部の著書を上梓。

日本神経心理学会、日本行動心理学学会、行動経済学学会、一般社団法人日本行動分析学会、日本社会心理学会、一般社団法人日本小児心身医学会、認知神経科学会の各学会員。

日経ヴェリタス・東洋経済オンライン・ダイヤモンドオンライン・プレジデントの4大経済メディアで専門家として記事連載もおこなっております。お読みになりたい方はこちらからご覧下さい。

①:東洋経済オンラインでの連載記事
②:ダイヤモンドオンラインでの連載記事
③:プレジデントでの連載記事
④:日本経済新聞での連載記事