広報・PR活動における生成AIの活用方法や事例7選と注意点を解説
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2025.03.10

広報・PR活動における生成AIの活用方法や事例7選と注意点を解説

➡記事を書いた人:Youtube登録者30万人【MBA保有の現役記者】上岡正明プロフィール

この記事では広報・PR担当者の皆さんに向けて、業務において生成AIを活用する方法や注意点などについてお伝えしていきます。

「現在生成AIをほぼ使っておらず焦っている」という広報・PR担当者から、「すでに生成AIを導入している」という方にまでおすすめの内容となっています。

本記事では、生成AIを活用する方法、生成AIを利用する上での注意点、そして生成AIを利用する広報・PR担当者に求められることなどに関して解説しますので、ぜひ参考にしてください。

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広報・PR活動に生成AIを活用する方法や事例7選

まずは広報・PR活動に生成AIを活用する方法をいくつか紹介していきます。一見、広報・PR活動には結びつかないように思えるかもしれませんが、実は様々に利用できます。

活用方法①:文章校正

生成AIでプレリリースなどの文章校正ができます。プレリリースの内容自体は広報・PR担当者が考えるはずなので、生成AIに抵抗がある人でも使いやすいはずです。また、例えば「箇条書きにするべき箇所を箇条書きにしてください」「段落をわかりやすくつけてください」などの指示もできます。

活用方法②:おおまかなファクトチェック

生成AIによってファクトチェックができます。最終的には人力で行わなければなりませんが、まずおおむね済ませてくれるのは大きいです。

活用方法③:リサーチ

例えば「参照元URLと一緒に日本のIT市場企業の規模を教えてください」と指示すれば、ほぼ間違いなく具体的な動向がわかります。これも時間短縮につながります。

活用方法④:アイデア出し

生成AIによるアイデア出しも可能です。例えばプレリリースを読み込ませて「タイトルを10個考えてください」と指示を出すなど。さらに「○○業界の課題を教えてください」などからアイデアを得ることもできます。

また、ユニークなアイデアが欲しい場合は、一例として「クリスマスという言葉を使わずにクリスマスのキャッチコピーを作ってください」などと指示をすると道が開けることもあります。

活用方法⑤:プレリリースの問題点や改善策の提案を出力させる

例えば生成AIにプレリリースを読み込ませることで、そのプレリリースの問題点や改善策の提案を出力させることもできます。少人数の人間では見落とすようなことでも、生成AIなら教えてくれるかもしれません。

活用方法⑥:メールの定型部分の作成

メールの定型部分など決まり切ったことをするのは生成AIの得意分野です。また、工夫すればメールの文面全体を作ることもできます。メールは基本的に世間に出す文章ではないので、「いかにもAIが作った文章」だとしても基本的に問題はないはずです。

活用方法⑦:SNSの投稿文やハッシュタグを作る

SNSの投稿文やハッシュタグなどの短い文章を作ることも生成AIは得意です。

また、例えばプレリリースを読み込ませてから、「このプレリリースを紹介する投稿を140字以内で考えてください「○○というキーワードを必ず入れてください」などの指示を出せば、それに合う投稿を作らせることも可能です。

ただ、「AI的な文章」になる場合もあるので、広報・PR担当者がチェックしたり手を加えたりしましょう。

広報・PR活動で生成AIを使う場合の注意点5選

続いては広報・PR活動で生成AIを使うにあたっての主な注意点を紹介していきます。ご存じの通り生成AI分野には、特有のデリケートな問題や気を付けるべきこともあるので、ぜひチェックしてください。

注意点①:人間が最終的なファクトチェックをする

すでに少し触れていますが、最終的には人間がファクトチェックをしなければなりません。これを怠ると単純な間違いを見逃して、「AIに任せるからこんなことになる」と強く批判される可能性があります。

✅ファクトチェックが不要な場合もある

ただ、ファクトチェックが不要な場合もあります。例えば「後で自分で噛み砕くことが前提のアイデア出し」「そもそも自分が手を加える前提でのメール文章生成」など。ファクトチェックが必要な場面・不要な場面をきちんと分けて考えましょう。

注意点②:「AIっぽさ」のある文章は嫌われる可能性がある

ここでいう「AIっぽさのある文章」とは例えば、全体的に抽象的、言い回しがくどい、文体が全体的に淡々としているなどです。他にも様々な要素があるので、あえて「AIっぽい文章」という乱暴な言い方をしています。

こういった文章を嫌う人は多いので、メディア関係者に見せたり一般公開したりする文書で生成AIを使う場合は気を付けてください。必要に応じてあなたが手を加えましょう。

また、完全に人間が文章を書くとしても「文章のテーマへの理解が浅い」「文字数稼ぎをしたい」などの気持ちがあると、「AIっぽい文章」になってしまいがちなので気を付けてください。「嫌われる」だけでなく、単純に心に響きにくいので、広報・PRのテキストとして好ましくありません。

注意点③:著作権侵害に注意

インターネット上のすべての情報やデータについて、生成AIで使うにあたっては、著作権などの権利に気を付けなくてはなりません。

ただ、現在でも生成AIと各種法律に関しては議論・整備が続いている状況であり、今後もルールやマナーが変わっていく可能性もあるので気を付けてください。また、使い方によっては「法律違反ではないもののイメージが悪い」ということもあり得ます。

注意点④:各種情報の漏洩に気を付ける

例えば生成AIが企業の情報を学習することで、その情報が外部に漏れる恐れがあります。そのため「入力した情報が外部利用されるリスク」がゼロではない生成AIは、使用しないことをおすすめします。

注意点⑤:企業やブランドイメージを崩さないようにする

先ほどもお伝えしましたが、例えば「AIっぽい文章」をそのまま広報・PRなどで使ってしまうことにより、人々に「いつもの文章ではない」「結局AIに頼るのか」などと思われて、企業やブランドのイメージが崩れる恐れがあります。

そのため一例として生成AIが出力した文章を手直ししたり、ボツにして自分で書き直したりするなどの工夫も検討しましょう。

生成AIを使う上で広報・PR担当者に必要な3つのこと

続いては生成をAIを使う上で広報・PR担当者に求められることをいくつか紹介していきます。AIについてあまり理解していない、AIに抵抗があるという方もいると思いますが、AI分野の進化は今後も加速していくとされていますので、ついていくしかありません。

①:「生成AIリテラシー」を高める

「ネットリテラシー」などと同じく「生成リテラシー」も高める必要があります。具体的にいうと例えば以下の通りです。

  • 生成AIの仕組みを知る
  • 利用する生成AI関連ソフトの仕組みを把握する
  • 生成AI関連の法律を理解する
  • 生成AI関連のマナーを理解する
  • 「情報を守りつつ生成AIを使うこと」について理解する

先ほども少し触れましたが、生成AI関連の法律は今後も変化していく可能性があるため気を付けてください。また、「法律違反ではないもののマイナスイメージになりかねない行為」もあるので、マナーの知識の一環として熟考しておきましょう。

②:社内にも生成AI活用のルールを周知させる

社内にも生成AI活用のルールを周知させましょう(こういった社内教育・社内コミュニケーションも広報・PR部署の仕事の一つです)。まだ生成AIを積極的に導入していない企業であるとしても、今後に備えて早めに動き出した方がいいかもしれません。

社員が生成AIについて理解すれば、広報・PR以外の業務の効率や精度もアップする可能性があるので検討してはいかがでしょうか。

✅社員に有料ツール・ソフトを一律配布する手もある

広報・PR担当者の一存で決められることではないでしょうが、社員に有料ツール・ソフトを一律配布する手もあります。上層部や他関係部署などと相談してみてはいかがでしょうか。

③:「手抜き」ではなく「効率化」や「広報・PRスキルアップ」のために生成AIを使う

生成AIツール・ソフトの使い方に慣れてくると、やろうと思えばいくらでも「手抜き」ができてしまいます。例えばプレリリースなども数分で書き終えることが可能になるかもしれません。ですが、そうして投げやりに作ったプレリリースは得てして高品質ではないものです。

そのため生成AIはあくまで「効率化」や「広報・PRスキルアップ」のために使いましょう。「少数の人間の限界を超えたアイデア出し」に活用するのもいいでしょう。

つまり「人間が行うべき部分」と「生成AIにサポートさせても良い部分」を明確に分けるべきということです。さらにいうと、「生成AIにやらせるべき部分」ではなく、あくまで「サポートさせてもいい部分」と考えるべきです。

広報シーンでの生成AIの活用方法や注意点まとめ

生成AIに抵抗がある広報・PR担当者もいれば、生成AIをすでに積極的に使っている人もいると思います。ただ、いずれにしても「生成AIに関する理解」と「生成AIの適切な活用」は、今後さらに求められていくことでしょう。「AIは嫌だ」で止められる流れではありません。

だからこそ今回紹介した内容を参考にしつつ、できる範囲から生成AIの理解や使用に取り組んでいくことをおすすめします。上手に利用できれば、例えば「作業の時短」→「その時間で効果的な広報・PR活動ができる」となることはほぼ間違いありません。

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執筆者・監修者
上岡正明
経済記者・経済コメンテーター
戦略PRプランナー・著書26冊累計105万部のビジネス作家
登録者25万人のYoutuber
上岡正明

MBA(多摩大学院経営情報学修了)
テレビコメンテーター
多摩大学客員講師(18,19)
帝塚山大学客員講師(19)
登録者24万人のビジネス系YouTube

「スーパーJチャンネル」「めざましテレビ」「王様のブランチ」「クイズミリオネア」等の元放送作家。日本を代表するPR戦略の専門家で、企業広報のスペシャリスト。未上場から上場企業まで戦略PRを手掛けたクライアントは300社以上。

広報ブランディング、新規事業構築、外資系企業の国内イベント、海外プロモーション支援のコンサルティング会社代表。現在まで約20年間、実業家として会社を経営。これまでに三井物産、SONY、三菱鉛筆、日本瓦斯など200社以上の広報支援、スウェーデン大使館やドバイ政府観光局などの国際観光誘致イベントなどを行う。

代表的なコンサルティング案件としては、日本中の女性たちの心を動かした「表参道のパンケーキブーム」、1年で200万台以上を売り上げた「ふとん専用掃除機レイコップ」、世界が注目する食イベント「肉フェス」、1カ月で6000万人(日本の約半分)にバズらせた「ジャポニカ学習帳“昆虫の表紙が変わった?”」がある。

経営と並行してMBA(情報工学博士前期課程)取得。東京都中小企業振興公社講師。成蹊大学、多摩大学、帝塚山大学の客員講師。東洋経済新報社、ダイヤモンド社、朝日新聞出版社、PHP出版、総合法令出版社、アスコム社、大和出版、すばる舎、宝島社から累計21冊80万部の著書を上梓。

日本神経心理学会、日本行動心理学学会、行動経済学学会、一般社団法人日本行動分析学会、日本社会心理学会、一般社団法人日本小児心身医学会、認知神経科学会の各学会員。

日経ヴェリタス・東洋経済オンライン・ダイヤモンドオンライン・プレジデントの4大経済メディアで専門家として記事連載もおこなっております。お読みになりたい方はこちらからご覧下さい。

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