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この記事では広報・PR担当者の皆さんに向けて、プレスリリースを送付に関する基本的な注意点などについて解説していきます。
特に「限界まで高品質なプレスリリースを作成しなくては」とお考えの広報・PR担当者は、この記事を最後まで読むことで道が開けるかもしれません。
本記事では、プレスリリースを作成して送付するにあたっての心構え、そして作成・送付についての基本的な注意点に関してお伝えしますので、ぜひ参考にしてください。
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「美しいプレスリリース」よりもまずは「問題のないプレスリリース」を目指すべき
プレスリリース作成・送付は広報・PR担当者の大事な仕事です。しかし「とにかく美しい、高品質なプレスリリースを作らないと」と気合いが空回りして、1本作成するのに時間をかけすぎたり、かえって読みにくくなったりするケースも少なくないようです。
そのためまずは「美しいプレスリリース」よりも「問題のないプレスリリース」を目指すことをおすすめします。プレスリリースに限らず、そして広報・PRというジャンルに限らず、人は「高品質なものへのプラスの感情」よりも「質が低いものへのマイナスの感情」が強くなる傾向にあるとされているためです。
そこで今回は問題のないプレスリリースを作成、そして送付するための注意点をいくつかお伝えします。
プレスリリース送付に関する基本的な注意点5つ
それではプレスリリース作成・送付に関する基本的な注意点をいくつか紹介していきますので、広報・PR担当者の皆さんはぜひ参考にしてください。
注意点①:プレスリリースを送付したからといって掲載・報道されるとは限らない
プレスリリースを送付したからといって必ず掲載・報道されるわけではありません。広報・PRのノウハウ本やインターネット記事などの中にはメディア露出できることを前提に書かれているようなものもあるので注意してください。
プレスリリースが掲載・報道につながらない主な理由としては、内容のニュースバリューが薄い、そのメディアとプレスリリースネタの相性が悪い、プレスリリースを送るタイミングが悪い、他にもっとニュースバリューの高いネタが送られていたなどがあります。
つまり必ずしも「ネタ自体に魅力がない」というわけではないのです。よって切り口を変えて別のメディアに送るのもいいでしょう。それ以外にも企業公式ウェブサイトに同じような内容を掲載する、SNSなどで小分けして情報発信するなどのやり方もあります。
✅メディア露出につながらなかったプレスリリースも大切な財産になる
掲載・報道が確約されているわけではないので、プレスリリース作成・送付以外の広報・PR活動もするべきということは確かです。そうでないと徐々に「プレスリリースを送っただけ」でもやりがいを感じてしまい、さらに成果が出なくなる恐れがあります。
とはいえメディア露出につながらなかったプレスリリースも自社や広報・PR部署の大切な財産になります。まず、他の各部署の責任者にも送付して読んでもらえばその部署の取り組みのヒントになるかもしれません。
また、広報・PR部署にとっても他のプレスリリースを作成する際の参考になる可能性がありますし、例えば数年後に世の中のトレンドが変わった際にほとんど自動的にニュースバリューが強くなっているケースもないわけではありません。そのため「数撃てば当たる」はNGですが、失敗を恐れすぎずにプレスリリースを積極的に作成・送付することも重要であることを覚えておきましょう。
注意点②:どのように掲載・報道されるかなどを完全にコントロールすることはできない
プレスリリースを送付したとして、それがどのような内容で掲載・報道されるかを広報・PR担当者側が完全にコントロールすることはできません。
当然大きくねじ曲がったような内容で掲載・報道されるケースはほとんどありませんが、例えば「一番アピールしたい部分が表に出なかった」、「それほど力を入れていない部分が大きく取り上げられた」などのことはあり得ます。
そのためプレスリリースはできる限り誤解が生まれない書き方をしましょう。アピールしたい部分はアピールする、そこまでではない情報は控えめに扱う(または伏せる)などのメリハリが必要です。
✅取材や面談の際に要望を伝えることも重要
プレスリリースを送付して掲載・報道される前に、取材や直接面談の機会が設けられることも多いです(そうでなければ電話やメールのやり取りだけで掲載・報道されるなど)。その際に可能な限り要望を伝えましょう。
ただ、メディア関係者側にも「自分たちで記事や番組を作りたい」というプライドがありますので、「要望をゴリ押しする」のではなく、「特にアピールしたい部分についてさらに掘り下げて説明する」という方向性で臨むといいでしょう。
✅掲載・報道の内容に問題がある場合の対応は?
掲載方法の内容に問題がある場合の対応として考えられるものは以下の通りです。
- スルー:少し問題があってもイメージダウンなどにつながらない場合はスルーも可
- SNSや公式サイトで補足説明をする:○○という報道がありましたが□□という側面もあって~など緩くフォロー
- SNSや公式サイトで声明を出す:「補足説明」よりも厳格・硬いトーン&マナーでの声明
- 訂正を求める:インターネット記事などの場合は訂正を求めればすぐに対応される場合も
- 訂正記事・コーナーを求める:新聞やテレビの場合で硬い対応を求めるならこちら
「問題」の度合いによって対応を決めましょう。ただ、新聞、雑誌、テレビなどで訂正記事・訂正コーナーがあったとしても扱いはかなり小さくなることが多いです。「それでも抗議する意味はある」という考え方もありますが、冷静に考えることも必要です。
注意点③:基本の構成をきちんとする、過度な装飾は避けるなど「内容」以外も重要
プレスリリースとしての基本構成を守ったり、過度な装飾を避けたりするなど「内容」以外の部分も重要です。内容(ネタ)がどれほど魅力的でも、これらに関しておかしいと全く読んでもらえない可能性もあるので気を付けてください。
基本構成についてはPR TIMESなどのオンラインプラットフォームなどに投稿されているプレスリリースを確認するのがおすすめ。また、自社で過去に掲載・報道につながったプレスリリースがあればそれを参考にするのもいいでしょう。
そしてプレスリリースはあくまで「資料」なので過度な装飾は厳禁です。あまりに派手になってしまうと「広告」のようになって印象が悪いですし、そもそも読みにくくなる可能性が高いといえます。
注意点④:「謎を提示する」→「徐々に解説する」という書き方はNG
メディアに嫌われるプレスリリースとして多いのが、例えばタイトルで「新商品□□の最大の魅力は……?」などと謎を示して、本文で徐々に解説するようなパターンです。
読者に読み進めてもらうことが第一のインターネット記事などであればむしろこの書き方が良いのかもしれませんが、プレスリリースはあくまで「メディア関係者に対して簡潔に情報を届ける資料」なのでこういった書き方は基本的にNG。相手をイライラさせて、それ以降別のプレスリリースを送っても相手をされなくなる可能性さえあります。
そのためこの場合は、タイトルの時点で「新商品□□は○○成分配合」などと明確にアピールポイントを示して、本文でさらに解説するスタイルを採りましょう。とにかく「さあ、なんでしょうか、これから解説しますよ?」という雰囲気にならないようにするのが大事です。
注意点⑤:プレスリリースの送付方法にも気を配る
現代のプレスリリースの送付方法の基本はメールですが、業界紙や地方新聞の中にはファックスを活用しているところも多いです。そのため可能ならプレスリリースの送付前に「送付方法は何が良いでしょうか?」と直接聞きましょう(難しければメールで)。
さらにすでにある程度関係性を構築しているメディアの場合は、直接足を運んでプレスリリースを渡すのも一つの手です。これは「その方が誠意が伝わる」というよりは、「その場でプレスリリースについて顔を合わせて話すことができる」というメリットが大きいので、きちんとアポイントメントをして時間を取ってもらうことをおすすめします(最低10分、できれば30分は欲しい)。
いずれにしても「そもそも届いてない」「届いても開いてもらえていない」というのは避けたいので可能な限り気を配りましょう。
✅「プレスリリースは読んでいただけましたでしょうか?」のメールはNG
プレスリリースを送付してからしばらく経つと「読んでいただけましたでしょうか?」と連絡したくなるかもしれませんがNG。
メディア関係者側も常にネタを求めているのでプレスリリースを全く読まずにスルーすることはほぼありませんし、内容に興味を持てば言われなくても反応してくれるはずだからです。そのためプレスリリースを送ったら基本的にはじっと我慢して待ちましょう。
ただし、メール以外の方法でプレスリリースを渡した場合は、メールで「プレスリリースをお送りしました。」「よろしくお願いいたします」と端的に伝えても構いません。ただ、そもそもメールでプレスリリースを送っている場合、再度メールで確認を入れるのはしつこいのでおすすめしません。
プレスリリース送付の作法は目立つことより問題ないを目指す(まとめ)
「美しいプレスリリース」というよりも「問題のないプレスリリース」を作る方法をお伝えしました。
他にも気を付けるべきことは様々にありますので、広報・PR担当者の皆さんは常に「読みにくくならないだろうか」「面倒をかけないだろうか」という視点を持って作成・送付していただければと思います。
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