広報担当者が今注目のアーンドメディアを活用する注意点とその有効性、ポイント5選を解説
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2025.03.11

広報担当者が今注目のアーンドメディアを活用する注意点とその有効性、ポイント5選を解説

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この記事では広報・PR担当者の皆さんに向けて、アーンドメディアを活用するためのポイントなどについてお伝えしていきます。

「広告を出してもなかなか結果がついてこない」「自社サイトだけでは限界を感じる」などとお考えの広報・PR担当者に特におすすめの内容となっています。

本記事ではアーンドメディアの概要、代表的なアーンドメディアの紹介、そしてアーンドメディアのメリットや、うまく利用するためのポイントなどに関して解説しますので、ぜひ参考にしてください。

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アーンドメディアとは?代表的なアーンドメディアは?

アーンドメディアとは「自社と直接的な利害関係にない第三者が、自社や商品・サービスについて情報発信してくれる可能性のある媒体」のことです。

代表的なアーンドメディアは?

代表的なアーンドメディアとしては以下のものがあります。

  • SNS:特に拡散力が強いアーンドメディア。商品・サービスの認知拡大に役立つ
  • レビュー・口コミサイト:「ぐるなび」や「ホットペッパー」などレビューや口コミが集まるサイト
  • ブログ:特に大手ブログで自社の商品・サービスが紹介されるとそれだけで注目度が上がる場合も
  • メディア:雑誌、新聞、テレビなど。プレリリースを送って採用されれば無料で広く情報を発信できる

なお雑誌・新聞・テレビなどに有料広告で進出する場合は、「アーンドメディア的な使い方」とはいえません。あくまで利害関係にないことが大事です。

アーンドメディアの広報・PR視点でのメリット4選

それではアーンドメディアの広報・PR視点での主なメリットを紹介していきます。

メリット①:信頼されやすい・愛着を持たれやすい

アーンドメディアは「第三者が情報発信してくれるメディア」です。そして近年では「広告の情報や自社情報よりも、直接関係のない人が発信する情報の方が信頼できて愛着も持てる」という人が多くなっています。

メリット②:拡散力がある

上でお伝えしている通り、特にSNSには拡散力が期待できます。また、たった一人のユーザーの投稿・口コミ・レビューなどが爆発的に拡散されて、それだけで自社や商品・サービスの認知度が上がることもないわけではありません。いわゆる「バズり」ですね。

メリット③:コストパフォーマンスを高くしやすい

アーンドメディアを利用する上ではそれほどお金はかかりません。それでいて上でお伝えしているように「バズり」によって一気に拡散される可能性があるのでコストパフォーマンスは高いといえます。

また、バズるとはまではいかなくても、ハッシュタグの設定、トレンドキーワードを含めた投稿、などの工夫をすることによって閲覧数などを上げることができます。

メリット④:一般消費者と直接コミュニケーションができる

アーンドメディアの種類によっては一般消費者と直接コミュニケーションを取ることができます。代表的なのは、SNSでのリプライやリポストなどですね。ポジティブな投稿に好意的な反応を示すだけでなく、厳しい意見やクレームに対して誠実に応じて信頼を高めることもできます。

また、レビュー・口コミサイトの投稿に反応することなどもコミュニケーションの一つといえるでしょう。

広報・PRでアーンドメディアを上手に使うためのポイント5選

それでは広報・PR活動の一環としてアーンドメディアをうまく使うためのポイントをいくつか紹介していきます。広告出稿などに比べると複雑で、かつ地道な努力が必要な要素も多いため、取り組み始める前の段階でポイントを抑えておきましょう。

ポイント①:長期計画を作ってモニタリングも継続していく

広告出稿などに比べると、アーンドメディアの利用はすぐに認知度や売上のアップにつながる方法ではないといえます。長期的・計画的に取り組んで徐々に一般消費者からの信頼や愛着を得て、それが売上などにつながっていく。

そのため計画段階から少なくとも6カ月分のスケジュールを練り、「時期ごとのアクション」と「各時期の目標」を決めましょう。そして目標達成率などを見ながら計画や実際のアクションを調整していきます。

深く考えずに見切り発車でスタートしてしまうと、「数か月間全く結果が出ない」→「かけた労力をほとんど回収できずにアーンドメディア戦略から撤退」という非常にダメージの大きい事態になりかねません。

ポイント②:ブランド力の強化を念頭に置く

アーンドメディアは主に一般消費者からの信頼と愛着を得るためのメディアであり、それが継続することによって徐々に売上なども伸びていくものです。そのため短期的に売上アップを狙うのではなく、ブランド力を上げることを軸にアーンドメディアの運営をすることをおすすめします。そのための方法は例えば以下の通り。

  • 商品やサービスについて「競合他社にはない強み」をアピールして差別化する
  • アピールポイントをむやみに増やさず、人々に「○○(会社名)の強みはコレ」と思ってもらえるようにする
  • フォローしていない段階の人でも「このSNSアカウント(など)をフォローするとどのような情報が得られるか」をイメージできるようにする

「特有の強み」がないとファンが増えにくいので、自社の商品・サービスや自社そのものを改めて見直して探してみましょう。そして下2つのことにも力を入れて、「思わず応援したくなる商品・サービス・ブランド」というイメージを作り上げると、ブランド力が上がり、売上アップにもつながります。

ポイント③:企業公式SNSアカウントを持つ

企業公式SNSアカウントを持たずに、「SNSというアーンドメディア」を使いこなすことはほぼ不可能ですので、まだない場合は早めにアカウントを作ることをおすすめします。

企業公式SNSアカウントで情報発信をして、他のアカウントにその情報への言及や拡散をしてもらいやすくする。また、自社や商品・サービスに関する投稿に対して直接コメントをつけるなどのコミュニケーションもするといいでしょう。さらにハッシュタグも自分で設定するのがおすすめです。

また、(SNS上の)トレンドのチェックも大事です。例えばXであれば「リアルタイムでトレンド入りしているハッシュタグ」を使いつつ、自社の情報を絡めて投稿することができれば、それだけで注目度がアップする可能性があります。

ポイント④:必要に応じてインフルエンサーを使う

アーンドメディアを活用する場合、必要に応じてインフルエンサーを使うことをおすすめします。インフルエンサー自体には報酬を支払うはずです。しかし「インフルエンサーの投稿によって発生する一般人の投稿」はお金を出さずに発生するので、これも「アーンドメディア的な使い方」と言えます。

インフルエンサーを起用する場合の具体的なポイントは主に以下の通り。

  • 自社、商品・サービスについてきちんと理解してもらう
  • 情報の出し方をこちらで決めて、それに沿ってもらう
  • 以降もできれば同じインフルエンサーを使い続ける

一番下ですが、以降の「インフルエンサーを起用する企画」においても同じインフルエンサーを使うことにより、新たに探す手間や自社に合うインフルエンサーなのかを見抜く労力を省くことができます。また、一般消費者側が「このインフルエンサーといえばこの企業」という認識を持ってくれることも、それもブランド力アップの一部といえます。

ポイント⑤:アーンドメディアならではの炎上対策をする

どのような広報・PR活動やマーケティングをするとしても炎上対策は必要ですが、アーンドメディアを利用する場合は特別な対策も欠かせません。それは「第三者の情報発信を起因とする炎上」の対策です。

具体的には例えば以下の通り。

  • クレーム系のSNS投稿にはリポストなどで対応する
  • 「根も葉もない噂で書かれた自社のイメージを下げるブログ記事」には削除依頼を出す
  • 起用したインフルエンサーが炎上した場合の対応も事前に考えておく(謝罪や降板など)

インフルエンサーと事前に炎上対策について相談しておくことは、「あなたは炎上するかもしれない」と言っているようで気が引けるかもしれません。しかし必要なことですし、「全員にお願いしていることなので」などと伝えれば角も立たないはずです。

アーンドメディアを活用する注意点とその有効性まとめ

アーンドメディアは「第三者が自社の情報を発信してくれるメディア」です。現代の、極端に言えば「広告は信じない」「自社情報は信じない」という環境において、強力なメディアであると表現できるでしょう。

ただ、すぐに広報・PRやマーケティング的な効果が出る可能性は低いので、少なくとも6カ月分の計画・目標を立て、それに沿って動いていくことが大事です。また、目標未達成であれば、計画を修正していくような柔軟性も欠かせません。

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執筆者・監修者
上岡正明
経済記者・経済コメンテーター
戦略PRプランナー・著書26冊累計105万部のビジネス作家
登録者25万人のYoutuber
上岡正明

MBA(多摩大学院経営情報学修了)
テレビコメンテーター
多摩大学客員講師(18,19)
帝塚山大学客員講師(19)
登録者24万人のビジネス系YouTube

「スーパーJチャンネル」「めざましテレビ」「王様のブランチ」「クイズミリオネア」等の元放送作家。日本を代表するPR戦略の専門家で、企業広報のスペシャリスト。未上場から上場企業まで戦略PRを手掛けたクライアントは300社以上。

広報ブランディング、新規事業構築、外資系企業の国内イベント、海外プロモーション支援のコンサルティング会社代表。現在まで約20年間、実業家として会社を経営。これまでに三井物産、SONY、三菱鉛筆、日本瓦斯など200社以上の広報支援、スウェーデン大使館やドバイ政府観光局などの国際観光誘致イベントなどを行う。

代表的なコンサルティング案件としては、日本中の女性たちの心を動かした「表参道のパンケーキブーム」、1年で200万台以上を売り上げた「ふとん専用掃除機レイコップ」、世界が注目する食イベント「肉フェス」、1カ月で6000万人(日本の約半分)にバズらせた「ジャポニカ学習帳“昆虫の表紙が変わった?”」がある。

経営と並行してMBA(情報工学博士前期課程)取得。東京都中小企業振興公社講師。成蹊大学、多摩大学、帝塚山大学の客員講師。東洋経済新報社、ダイヤモンド社、朝日新聞出版社、PHP出版、総合法令出版社、アスコム社、大和出版、すばる舎、宝島社から累計21冊80万部の著書を上梓。

日本神経心理学会、日本行動心理学学会、行動経済学学会、一般社団法人日本行動分析学会、日本社会心理学会、一般社団法人日本小児心身医学会、認知神経科学会の各学会員。

日経ヴェリタス・東洋経済オンライン・ダイヤモンドオンライン・プレジデントの4大経済メディアで専門家として記事連載もおこなっております。お読みになりたい方はこちらからご覧下さい。

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