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この記事では広報・PR担当者の皆さんに向けて、パブリシティの定義や、ノンペイドパブリシティの注意点などについてお伝えします。
「パブリシティという言葉そのものが初耳」という広報・PR担当者にもわかりやすい内容となっていますので、ぜひ最後までご覧ください。
本記事ではパブリシティの定義、パブリシティと広報・PRの違いや注意点、パブリシティの種類、ノンペイドパブリシティに関する注意点などに関して解説します。
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パブリシティとは?|広報担当者が必ず知るべき言葉の意味・PRとの違い・注意点
結論からお伝えしますと、パブリシティとは広報・PR活動の一種であり、主に以下のような違いがあります。
- パブリシティ:情報を報道で取り上げてもらうための活動。または取り上げてもらうこと自体
- 広報・PR:情報発信などによってあらゆる関係者との望ましい関係を構築するための活動
言い換えると、広報・PR活動は基本的に「広報・PR担当者が自社の利益のために行う活動全般」で、パブリシティは「そのうち情報をメディアに取り上げてもらうための活動」ということになります。
言葉の定義を厳密に理解するよりも「大まかな意味合いの違い」を知ることが大事
「パブリシティ」や「広報・PR」に限りませんが、言葉の定義を厳密に理解するよりも、「大まかな意味合いの違い」を捉えて、自身の活動の指針にすることの方が大事です。そもそも両者の言葉の定義が明確に定められているわけではなく、「使い分けよう」という意識さえほとんどない人も少なくありません。
そのため例えば、「もう少しパブリシティを増やしていこう」と広報・PR部署の部下に指示を出すなど、その程度におさめることをおすすめします。
もちろん、その部下に「パブリシティとはなんですか?」と聞かれれば、言葉の定義を堅苦しく伝えるのではなく「メディアにもう少し取り上げてもらうための活動をしようという意味ですね」などと言います(最初からそのように言うべきでもありますが)。
関係のあるメディア関係者の言葉の使い方の傾向を捉えて、できる限り合わせることは大事
ただし関係のある(関係を持ちたい)メディア関係者の言葉の使い方の傾向を捉えて、可能な限り合わせることは大事です。
例えば「言葉の定義に比較的強くこだわる」なら、そのこだわりの傾向を理解してできるだけ合わせる。逆にこだわりが少ないならあえてあまり気にしないようにして、「私は言葉の定義にこだわります」という言動を取らないようにしましょう。
ただ、これらは全体を見れば些細なことであり、以下のことの方が大事です。
- 言葉の捉え方により誤解が生じそうな場合はきちんと聞く(例:メディア採用の増加を狙っていくという意味でよろしいでしょうか?)
- プレリリースのネタ自体が魅力的であることの方が圧倒的に重要
- 当然の礼儀やマナーを大切にする(例:言葉について聞くとしても礼儀正しく。相手の無知な部分を責めない)
パブリシティは主に2種類|広報PR担当者が重視するべきなのはどっち?
パブリシティには主に2種類あります。それぞれについて解説しますので、広報・PR担当者の皆さんはぜひご確認ください。
①:ノンペイドパブリシティ|広報・PRではこちらが重要
ノンペイドパブリシティとは「(人件費や経費などを除いて)お金を使わずに行うパブリシティ」のことです。広報・PR活動におけるパブリシティは、こちらの意味を指す場合が多く、実際にこちらの方を重視するべきです。その主な理由は以下の通り。
- 大手企業を除いて広報・PR活動にそれほど金銭的コストはかけられないため(企業として他にかけるべきことがある)
- 広告費などを支払わないパブリシティの方が「わざとらしくなくて信頼しやすい」と感じる人が多い
- 有料広告の効果は短期的なものになりがちである一方、ノンペイドパブリシティによる広報・PR効果は長期的なものにしやすい
②:ペイドパブリシティ
こちらは「広告費・宣伝費などを払って行うパブリシティ」のこと。有料広告だけでなく、例えばインフルエンサーに有料で宣伝してもらうなどのことも該当します。
ただ、こちらには「有料なので確実に宣伝してもらえる」「有料なので宣伝内容をコントロールできる」というメリットもあります。
そのためあくまでノンペイドパブリシティを重視するべきであるものの、ペイドパブリシティも毛嫌いしないようにしましょう。「費用対効果」や「信頼性の変動」などを考慮して実践する価値があると判断した場合は、挑戦しても構わないはずです。
ノンペイドパブリシティの注意点4つ
続いては広報・PR担当者がノンペイドパブリシティに取り組むにあたっての主な注意点を紹介します。ここまでの解説でペイドパブリシティよりも優れているように感じたかと思いますが、気を付けるべき点も多いです。
注意点①:そもそも情報発信できない場合もある
例えば新聞・雑誌・テレビなどを取り上げてもらいたい場合、そのメディアの関係者にプレリリースなどを配信するのが基本的なセオリーです。ただ、そのメディアに「取り上げる価値がある」と判断してもらえないと、メディア露出できません。
特に全国ネット・全国紙などでの露出を目指すとなると、どれだけプレリリースを魅力的に仕上げたとしても「ニュースバリューがない」「他の大量の情報に埋もれる」などの可能性が高いので根気のいる挑戦となります。
ただ、一例として自社サイトでの情報発信、SNS投稿、オウンドメディア運営などについては、基本的に自社でコントロールできるため、情報発信も確実にできます。そのためメディア掲載だけにこだわらず、柔軟に広報・PR活動を継続することをおすすめします。
注意点②:メディア露出においては発信内容をコントロールしにくい
有料の広告とは異なり、プレリリース配信などのパブリシティではメディア側が発信の内容を調整するため広報・PR担当者側からはコントロールしにくいです。
もちろん大きくプレリリースの内容などから大きく捻じ曲げた発信になることはまずありません。ですが、それでも例えば「内容の大幅カットで一部分のみ」「数ある類似商品のうちの一つ」などの扱われ方をするケースはあります。
できる限り望んだ内容の発信に近づけるためにも、メディア関係者と積極的にコミュニケーションを取って良好な関係性を構築したり、そもそもプレリリースの内容を魅力的にしたりすることを心掛けましょう(魅力的であればそのままに近い状態で使われやすくなる)。
✅あまりにもおかしなメディア発信をされた場合は訂正を求める
基本的に少しズレた内容のメディア発信をされたくらいでは受け入れるしかありません。
ですが、あまりにもおかしな発信、例えば「意味が正反対に伝わる」「切り取りによる悪質な印象操作」「価格や発売日などの重大なミス」などがあった場合は、連絡を入れて訂正を求めましょう。
実際に訂正報道がされるかはわかりませんし、されてもごく小規模しかしれません。ですが「おかしな報道は認めません」という態度を示すことが非常に大事です。
注意点③:活動の目標が立てにくい
ペイドパブリシティの場合は基本的に情報発信できるため、「数値目標を設定」→「それを達成できるように広告出稿」→「必要に応じて調整」としやすいです(それでも何も考えずに広告を出すだけでは失敗してお金を無駄にする可能性が高いですが)。
一方、ノンペイドパブリシティについては情報発信できない可能性があるため、例えば「メディア掲載○件」などの目標しかないとなると、「頑張ってもメディア掲載に結びつかず自己評価も周囲からの評価も低い」などのことになりかねません。
そういった事態を防ぐためにも例えば、「プレリリース配信○件」など挑戦自体を評価したり、「オウンドメディア更新○回」など自身でコントロールできる要素も目標に掲げたりすることをおすすめします。
注意点④:メディア側の目的を理解する必要がある
メディア側の目的は基本的に「読んだ人の役に立つこと」であり、「企業の広報・PR担当者のスピーカーになること」ではありません。露骨に言うと「部数・視聴者数などを増やすこと」が目的ですが、それも「広報・PRをすること」とイコールではありません。
よって「広報・PR担当者が伝えたいこと」だけで突き進むのではなく、「その中でメディア側が伝えたいこと」と重なる部分がどこかを見極めることが大事です。また、そのためにはメディア関係者との関係性を作り上げることも重要。メディアは、決して「ただ情報発信してもらうだけの相手」ではありません。
一方、ペイドパブリシティの場合は乱暴に言えば、お金さえ払えばなんでもできます。だからこそ自由度は高いのですが、情報を受け取る側も「お金の匂い」を感じ取るため、ノンペイドパブリシティに比べると信頼されにくい傾向にあるのです。
パブリシティの意味や4つの注意点まとめ
パブリシティについては「広報・PR活動のうち、メディア露出を狙うための活動(もしくはメディア露出されること自体)」という認識で基本的に構いません。ただ、言葉の定義自体はそこまで重要ではないのでこだわりすぎないようにしましょう。
そして広報・PR活動において重視するべきなのは、パブリシティのうちの「ノンペイドパブリシティ」です。お金を使わない分難易度は高いですが、メディア露出できれば大きな効果が望めるため積極的に取り組むことをおすすめします。
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