プレリリースに最上級表現を入れる際は気をつけよう!表現方法のコツと注意点3選
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2025.02.26

プレリリースに最上級表現を入れる際は気をつけよう!表現方法のコツと注意点3選

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この記事では広報・PR担当者の皆さんに向けて、プレリリースに最上級表現を入れるべきではない理由などについてお伝えしていきます。

最上級表現とは「日本初」「最高」「絶対に」などのことですが、これらの言葉をもし利用するのであればかなり気を付けなくてはなりません。

本記事では広報・PR担当者の皆さんのために、最上級表現の種類、プレリリースで使うべきでない理由、使う場合のポイント、そして最上級表現以外でインパクトを出す方法などに関して解説します。

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プレスリリースで使う際に気をつけたい3種類の最上級表現とは?

最上級表現には主に以下の3種類があります。

  • 比較系:ナンバーワン、第1位、日本初、世界初、唯一、など
  • 最上系:最大、最高、最も○○な、など
  • 保証系:絶対、必ず、完全、完璧、100%、など

これらのいずれもが最上級表現に分類されますが、この中でも特に「保証系」の最上級表現は使うリスクが高いです(詳しくは後述)。

プレリリースでは最上級表現を避けることが無難である3つの理由

それでは広報・PR担当者の皆さんに向けて、プレリリースにおいて最上級表現を避けるべきである理由をいくつか紹介します。きちんと理屈を理解しておいた方が勉強になるはずですのでぜひ参考にしてください。

理由①:最上級である客観的証拠を示すための手間がかかる|証拠があっても説得力が出ない場合も

例えば「ナンバーワンであること」、「最大であること」などの客観的証拠を示すことができる場合は、基本的に最上級表現を使っても構いません。ただ、十分なデータがあったり、専門家・専門機関レベルの見解・文献でないと一般的に認められないので、証拠を示すための手間は大きいです。

また、労力をかけて証拠を出したところで「本当だろうか」と疑われる可能性がありますし、「最上級であることにそれほどインパクトがない」というケースも少なくありません。

理由②:最上級表現を使うことでメディア関係者に「広報・PR担当者の実力がない」と思われかねない

問題のない使い方で最上級を使用していても、プレリリースにおいて好まれにくい表現であることに変わりはありません。

そのためプレリリースに最上級表現が入っているだけでも、メディア関係者などに「広報・PR担当者の実力がない」「あまり関わりたくない」と思われてしまう恐れがあります。

理由③:景品表示法違反になる可能性がある

本題ではないので法律の内容について詳しくは解説しませんが、むやみに最上級表現を使うことで景品表示法違反になる可能性があるので気を付けてください。簡単な説明は以下の通りです。

  • 優良誤認表示:「実際よりも優れているように見せる」「類似商品よりも著しく優れているように見せる」など
  • 有利誤認表示:「実際よりも有利に取得(購入など)できるように見せる」「類似商品よりも著しく有利であるように見せる」など。「お得感」に関わるもの

安易に最上級表現を入れることで、これらに引っかかりやすくなることは理解しやすいのではないでしょうか。

プレリリースに最上級表現を入れる際のポイント4つ

プレリリースに絶対に最上級表現を入れてはいけないわけではありません。そこでここからはプレリリースで最上級表現を使う際の(使うかどうか判断する際の)注意点をいくつか紹介していきます。

ポイント①:証拠(データ)を出す

先ほどもお伝えしましたが、最上級表現を使うにあたっては基本的に専門家レベルの証拠(データ)が必要です。また、なんらかのアンケートや調査結果を出す場合も、関係する業界で広く認められた方法で行われなければなりません。

ポイント②:「証拠を出す労力」と「最上級表現を入れる効果」のバランスを考える

これも先ほど少し触れましたが、「証拠を出す労力」と「最上級表現を入れる効果」のバランスも考えましょう。

例えば「本当に世界初である」、「業界関係者なら誰もが驚く」、「そのプレリリースを専門新聞や雑誌に送る」などであれば、ある程度労力をかけてでもエビデンスを出す意味があるかもしれません。

逆に「最上級表現そのもののインパクトが薄い」、もしくは「他の要素によってインパクトを出せる」のであれば、わざわざ最上級表現を使う意味もないはずです(使うことにより出てしまうチープさに関しても考慮したいところです)。

ポイント③:「今後塗り替えられてしまわないか」を考慮する

一見して最上級表現を使う意味がある程度ありそうでも、例えば「今後塗り替えられる可能性が高く、そのことを業界に詳しくない人でも簡単に察してしまうレベル」である場合は、やはり最上級表現を使うことは避けるべきかもしれません。

プレリリースなどを読む人が、「他にアピールポイントがないから最上級表現を使っている」という印象を抱く恐れがあるので、もったいないです。

ポイント④:保証系の最上級表現は避ける

最上級表現の中でも保証系については、何があっても使用を避けることをおすすめします。

例えば、「テスト使用などで一切失敗したことがない」場合は、「絶対に成功する」などは感覚として使いたくなるかもしれませんが、やはり「世の中に絶対はない」ため、かえって怪しい印象になる可能性が高いです。

ただし例外として「使用金額の100%の額を返金します」など、「何かが起きる確率」ではなく、「コントロールできる比率」として「100%」などの表現を使うことは構いません(ただこれも全額返金など別の表現を使う方が無難ではあります)。

最上級表現以外でプレリリースに説得力・インパクトを出す2つの方法

続いては最上級表現以外でプレリリースに説得力・インパクトを出す方法やポイントを2つ紹介していきます。広報・PR担当者の皆さんは、できればこれらの方法を使いましょう。

方法①:具体的な数値を入れる

例えば「大人気」ではなく「リピート率○%」、「エキチカ」ではなく「駅から徒歩○分」など具体的な数値を入れるだけでも興味が出やすくなるものです。

さらに2月9日18時リリース、○㎝×○㎝など、「データ」というよりも、「単なる事実」のようなものであっても数値が入っていると、不思議とインパクトが出やすいです。

✅ただし数値関連の記述ミスは厳禁

プレリリースの記述ミスはどのようなものでも避けたいところですが、特に数値関連の記述ミスがあると信頼性が下がるため注意しなければなりません。常に最新のデータなどをチェックして、必要に応じて関係部署の社員などにもチェックしてもらいましょう。

また、特に変化する可能性のある数値については「※○○年○月○日時点」などと付けておくと安心です。

方法②:タイトルはできるだけ30字以内にする

小手先で最上級表現を入れるよりも、プレリリースのタイトルにこだわることの方がよほど大事です。プレリリースのタイトルに関するポイントは主に以下の通りです。

  • できるだけ30字以内にまとめる
  • 可能ならキーワードを最初の10字までに入れる
  • タイトルだけで「何についてのプレリリースなのか」を伝え切る

タイトルですが例えば「新商品発売!こだわった成分とは……?」など、「引き」を作るような表現は基本的にNG。タイトルを目にしたメディア関係者の神経を逆撫でするだけです。

慣れれば「理解しやすく、興味を引き付けるタイトル」を付けるのは比較的簡単です。それでいて特にこれまでタイトルにこだわっていなかった場合は大きな効果が出やすいので(パフォーマンスが高いので)、ぜび配慮してみてください。

プレリリースに最上級表現を入れる際のコツと注意点まとめ

プレリリースに限らずつい使いたくなる最上級表現ですが、使うリスクが高いので基本的におすすめしません。場合によっては景品表示法違反になる可能性さえあるため、「使用するメリット」の方が大きくなりそうなケースでも細心の注意を払ってください。

また、そもそも最上級表現を使うことによる効果は意外と小さくなりやすいですし、他の方法によってもインパクトを出すことはできるということも覚えておきましょう。

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執筆者・監修者
上岡正明
経済記者・経済コメンテーター
戦略PRプランナー・著書26冊累計105万部のビジネス作家
登録者25万人のYoutuber
上岡正明

MBA(多摩大学院経営情報学修了)
テレビコメンテーター
多摩大学客員講師(18,19)
帝塚山大学客員講師(19)
登録者24万人のビジネス系YouTube

「スーパーJチャンネル」「めざましテレビ」「王様のブランチ」「クイズミリオネア」等の元放送作家。日本を代表するPR戦略の専門家で、企業広報のスペシャリスト。未上場から上場企業まで戦略PRを手掛けたクライアントは300社以上。

広報ブランディング、新規事業構築、外資系企業の国内イベント、海外プロモーション支援のコンサルティング会社代表。現在まで約20年間、実業家として会社を経営。これまでに三井物産、SONY、三菱鉛筆、日本瓦斯など200社以上の広報支援、スウェーデン大使館やドバイ政府観光局などの国際観光誘致イベントなどを行う。

代表的なコンサルティング案件としては、日本中の女性たちの心を動かした「表参道のパンケーキブーム」、1年で200万台以上を売り上げた「ふとん専用掃除機レイコップ」、世界が注目する食イベント「肉フェス」、1カ月で6000万人(日本の約半分)にバズらせた「ジャポニカ学習帳“昆虫の表紙が変わった?”」がある。

経営と並行してMBA(情報工学博士前期課程)取得。東京都中小企業振興公社講師。成蹊大学、多摩大学、帝塚山大学の客員講師。東洋経済新報社、ダイヤモンド社、朝日新聞出版社、PHP出版、総合法令出版社、アスコム社、大和出版、すばる舎、宝島社から累計21冊80万部の著書を上梓。

日本神経心理学会、日本行動心理学学会、行動経済学学会、一般社団法人日本行動分析学会、日本社会心理学会、一般社団法人日本小児心身医学会、認知神経科学会の各学会員。

日経ヴェリタス・東洋経済オンライン・ダイヤモンドオンライン・プレジデントの4大経済メディアで専門家として記事連載もおこなっております。お読みになりたい方はこちらからご覧下さい。

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