問題解決の基本的なスキルと考え方とは?最初の第一歩は『その存在』を認めること
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2020.11.12

問題解決の基本的なスキルと考え方とは?最初の第一歩は『その存在』を認めること

「問題解決の第一歩は、問題の存在を認めること」。

この言葉はアメリカの化粧品会社の創業者、メアリー・ケイ・アッシュによるものです。

ビジネスコンサルタントの基本的なスキルとしてはもちろん、マーケッターや広報担当者にもぜひ知っておいてほしい知識です。さっそくご紹介しましょう♡

 

問題解決の第一歩は『問題の存在』を素直に認めること

問題というものは、実在すること以上に「認識」するといったことが重要な意味を持つことになります。

それは、なぜか。多くの問題は認識されることがなければ、効果的な問題解決のアクションを取ることができないからです。

たとえば、中学生の子どもを持つ親の立場になってみるとします。子どもがよく宿題を忘れてしまう、朝起きるのが遅い、というような状況にあるとします。それをただ、「中学生くらいの年代では、こういうことはよくあることだから」と何のアクションも取らなければ、勝手に改善されていく可能性は低いことでしょう。

しかし、そこで、「これは何か問題が隠れているのではないか」と考え、主体的に問題解決を図ることで、物事が解決する可能性が大きく増します。

実際に調べてみた結果、軽度の発達障害などの病気であったというケースもありえることです。だとすれば、投薬など適切な治療を受けることによって、状況が改善する可能性も生じることでしょう。

 

常に成長を信じて、課題を明確にし続ける

これはビジネスでも同様のことが言えます。
問題の認識がしっかりなされていないと、組織の生産性は上がらないのです。

現実に多いケースとしては、たとえば対前年比の売上目標を110%としていたのに、105%で未達成に終わったときなど、「明確にネガティブではない」ときなどです。

目標が未達成であったとはいえ、5%売り上げが伸びているのですから、「まあいいか」と考える人は、若手でもシニアマネージャーでも多いでしょう。しかし、10%の成長を予測したのにはそれなりの理由があったはずです。

経済環境が急速にマイナスの方向へと変わったわけではない状況なのに、目標未達成の状況であることを良しとするのはあまり良いとは言えません。

妥当性の高い目標設定をしたにも関わらず、目標10%成長に対して5%未達成ということは、達成意欲の欠如や、PDCA(Plan-Do-Check-Actionのサイクル)、特に中でもCheckとActionの実行の甘さ、あるいはコンティンジェンシープラン(緊急時対応計画)の不適切さを示したりすることが多いものです。

そういったことを正しく問題と認識して、解決を図るべきものであると捉える姿勢が何よりも大切なのです。

 

人は順調なときに真理から遠ざかる

人間には確証バイアスという、「見たいものだけを見たがる」という習性があります。

この傾向は多かれ少なかれほとんどの人が持っていますが、それが強くなるというシーンがいくつか存在します。

その1つが、物事が順調に行っているときです。

物事が順調に進んでいる理由は、それまでの分析や意思決定、実行したことやその方法が正しかったということが多いことでしょう。こういったシーンにおいては、人間は往々にして自信過剰になってしまいます。そのことを指摘するのが、ユニ・チャーム創業者の高原慶一朗氏による見出しの言葉です。

■「問題解決の第一歩は、問題の存在を認めること」。

また、成功しているが故に、それが止まってしまうといったことを恐れて、ネガティブな情報に注目が行かなくなるという傾向も生じます。これらのことが結びついて起こるのが「成功の復習」です。

成功の復習は個人ベースでも生じますが、組織としても生じます。そういったときは、同調圧力とあいまって、より強固なものとなりがちです。たとえば若手が「こういう顧客の声が最近気になるのですが」と言ったとしても、シニアの社員が「その程度のことはよくあることだから」と応じてしまうなどです。

特に強い本業で長年勝ってきた会社など(1980年代までのキリンビール、90年代までの米国コダックなど)は、組織に強力な慣性が存在していることから、それを振りほどいて真理に目を向けるということは大変なことと言えます。

■キリンビールの失敗例

たとえば80年代のキリンビールの例で言うならば、同社はすでに「人々は苦くないシャープな味の生ビールを好む」という情報は得ていました。

しかしながら、それまでの苦い味のラガービールの成功があまりに強烈(一時期はシェア60%超)であったがために、その真理と向き合うことができずに、業界地位を落とすこととなったのです。

この罠を避けるためには、「成功はあくまでも仮の姿である」というマインドセットを持つ、あるいは、組織に外部の視点を積極的に取り入れ、社内の常識にチャレンジさせてみるなどの方法論が最適です。また、リーダーが常に健全な危機意識を持って、過去のトラブル例を示したり、他社の失敗例などを示して皆を戒めるといったことも効果的です。

 

成功はあくまでも仮の姿である

問題というものは認識することで、解決方法を見つけることができるものであることを学びました。

また、人間の持つ確証バイアスというものと向き合い、「成功はあくまでも仮の姿である」というマインドセットを持つことが大切であることを学びました。


執筆者・監修者
上岡正明
経済記者・経済コメンテーター
戦略PRプランナー・著書26冊累計105万部のビジネス作家
登録者25万人のYoutuber
上岡正明

MBA(多摩大学院経営情報学修了)
テレビコメンテーター
多摩大学客員講師(18,19)
帝塚山大学客員講師(19)
登録者24万人のビジネス系YouTube

「スーパーJチャンネル」「めざましテレビ」「王様のブランチ」「クイズミリオネア」等の元放送作家。日本を代表するPR戦略の専門家で、企業広報のスペシャリスト。未上場から上場企業まで戦略PRを手掛けたクライアントは300社以上。

広報ブランディング、新規事業構築、外資系企業の国内イベント、海外プロモーション支援のコンサルティング会社代表。現在まで約20年間、実業家として会社を経営。これまでに三井物産、SONY、三菱鉛筆、日本瓦斯など200社以上の広報支援、スウェーデン大使館やドバイ政府観光局などの国際観光誘致イベントなどを行う。

代表的なコンサルティング案件としては、日本中の女性たちの心を動かした「表参道のパンケーキブーム」、1年で200万台以上を売り上げた「ふとん専用掃除機レイコップ」、世界が注目する食イベント「肉フェス」、1カ月で6000万人(日本の約半分)にバズらせた「ジャポニカ学習帳“昆虫の表紙が変わった?”」がある。

経営と並行してMBA(情報工学博士前期課程)取得。東京都中小企業振興公社講師。成蹊大学、多摩大学、帝塚山大学の客員講師。東洋経済新報社、ダイヤモンド社、朝日新聞出版社、PHP出版、総合法令出版社、アスコム社、大和出版、すばる舎、宝島社から累計21冊80万部の著書を上梓。

日本神経心理学会、日本行動心理学学会、行動経済学学会、一般社団法人日本行動分析学会、日本社会心理学会、一般社団法人日本小児心身医学会、認知神経科学会の各学会員。

日経ヴェリタス・東洋経済オンライン・ダイヤモンドオンライン・プレジデントの4大経済メディアで専門家として記事連載もおこなっております。お読みになりたい方はこちらからご覧下さい。

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