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この記事では広報・PR担当者の皆さんに向けて、テクノロジー関連のプレスリリースを高品質にするためのポイントなどについてお伝えしていきます。
特に「ジャンル的にどうしても多くの人が近寄りがたい内容になってしまう」とお悩みの広報・PR担当者や、「内容をわかりやすくするのが難しい」とお考えの方におすすめの内容となっています。
本記事ではテクノロジー関連のプレスリリースを作るにあたってのポイントや注意点などに関して解説しますので、ぜひ参考にしてください。
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テクノロジー関連のプレスリリース作成のポイント6選
それではテクノロジー関連のプレスリリースを作成するにあたってのポイントをいくつか紹介していきますので、広報・PR担当者の皆さんはぜひ参考にしてください。
ポイント①:企業や商品・サービスを端的に示す「タグライン」を使う|特にタイトルに
「タグライン」とは、企業や商品・サービスの個性や特徴を短い言葉で表現したキャッチコピーのようなものです。例えば、コスモ石油の「ココロも満タンに」や、ニトリの「お、ねだん以上。」などの精神性を示したものもあれば、架空の例ですが「○○食品を届ける」、「□□配達の株式会社○○」などシンプルに実態を示したものもあります。
さて、特に新しいテクノロジーは、一般消費者はもちろん、ほとんどのメディア・メディア関係者にとって「得体の知れないもの」であるはずです。そのためタグラインを使って、誰にでもおおよその内容を理解してもらうことが重要といえます。
例えば「○○○テクノロジーを開発|ABCD株式会社」というプレスリリースのタイトルだったとして、ほとんどの人は「○○○テクノロジー」の内容がわからないはず。しかし、一例として「○○○テクノロジーを開発|□□配達のABCD株式会社」となっていれば、最低限「何かの配達に関わるテクノロジーである」と理解してもらえるので、後はサブタイトルやリード文で解説すればOKです。
✅わかりやすいネタを扱うプレスリリースなら、タイトルのタグラインは不要である場合が多い
一方、わかりやすいネタを扱うプレスリリースなら、タイトルのタグラインは不要である場合が多いです(文字数が多くならない、不自然でないなら使っても構いませんが)。例えば、一般消費者であっても、製品名やサービス名を見るだけで「どのような製品・サービスなのか」がおおよそ予想できる場合など。
つまりは「タグラインがなくても理解できるかどうか」がポイントなのです。「テクノロジー関連かどうか」が基準というわけではないので、常に「読んだ人が理解できるかどうか」を考えた上でタグラインを使うかを決めましょう。
ポイント②:図、写真、グラフを使ってわかりやすく説明する
特にテクノロジー関連のプレスリリースの場合、説明が難しく・長くなる傾向にあるため、図、写真、グラフなどを使って理解しやすくしつつ、文字数もできる限り減らすことが大事です。人が1分間で伝えることのできる情報量はテキストなら300字分くらいとされていますが、図や写真であればテキスト2000字分ほどの情報量を伝えることが可能と言われています。
プレスリリースを作成する広報・PR担当者にとっても楽なので、しっかりと図、写真、グラフなどを準備することをおすすめします。
ポイント③:ニュースバリューのあるキーワードをタイトルに含める
どのようなプレスリリースにも言えることですが、特にテクノロジー関連の場合、そのジャンルに詳しくない人・興味がない人にはスルーされやすいです。そのため、プレスリリースのタイトルにニュースバリューのあるキーワードを入れて関心を引きやすくすることが大事です。
例えば「配達を便利にする○○テクノロジー」が元だとすると、「【最新鋭AI活用】配達を便利にする○○テクノロジー」や、「【再配達を減らす】配達を便利にする○○テクノロジー」など。
プレスリリースで扱う商品やサービスを改めて見つめ直し、「ニュースバリューのあるキーワードを使って、興味を引く要素を強調できないか」を考えてみましょう。
ポイント④:「テクノロジー以外の要素」を強調しても構わないなら、それを検討する
根本的な話ですが「テクノロジー以外の要素」を強調しても構わないのであれば、そうすることも検討しましょう。
一例として「自社の最新テクノロジーを使って、クリスマスイベントを実施する」というケース。この場合、主目的が「クリスマスイベントを盛り上げること」なのであれば、むしろ最新テクノロジーのことはプレスリリースの本文で触れる程度にして、クリスマスイベントについてアピールするべきかもしれません。
また、主目的が「自社の最新テクノロジーを広めること」であったとしても、そのテクノロジーの認知度によってはやはりクリスマスイベントを強調した方が、結果的に「イベントに興味を持つ」→「最新テクノロジーについて知ってくれる」という人が増えて成果が大きくなる可能性があります。
ポイント⑤:開発ストーリーを通じて、解決したい課題や目指している状態について伝える
最新テクノロジーの開発ストーリーを通じて、「どのような課題を解決したいのか」や「どのような状態を目指しているのか」を伝えることも大事です。
これをストーリー、つまり「なぜ開発するに至ったのか」、「このテクノロジーに込めた想い」などの「ハート面」に絡めて伝えることで、プレスリリースの読者の共感を呼び、「テクノロジーについてはそれほど理解できないものの応援したい」という人を増やすこともできます。
これらを書かず、テクノロジーの概要やメリットを淡々とテキストで説明するだけでは、「結局どのように役立つのか」「自分たちの生活にどのように関わってくるのかわからない」などと思われて魅力や意義が伝わり切らなくなる可能性が高いので気を付けてください。
ポイント⑥:導入事例を入れて「実際に役立っている」と実感させやすくする
導入事例を紹介すれば、提供しているテクノロジーについて「実際に役立っている」と実感させやすくなります。一般的な商品やサービスに関するプレスリリースでも、口コミやレビューを載せて信頼感を高める手法がありますが、テクノロジー関連でも同じ効果が期待できます。
この導入事例ですが、「どのような課題を解決しているか」「何ができるようになったか」をヒアリングするだけでなく、「課題を解決できてどのように思ったか」「できなかったことができるようになってどう感じたか」などの「ハート面」についても聞き出すことが大事です(これも商品やサービスの口コミやレビューと同じ)。
テクノロジー関連のプレスリリース作成における3つの注意点
続いてはテクノロジー関連のプレスリリース作成において気を付けるべきことをいくつか紹介していきますので、広報・PR担当者の皆さんはぜひ参考にしてください。この分野だからこそ注意するべきことがあります。
注意点①:専門性の高いメディアにプレスリリースを送る場合は内容を調整する
ここまでの解説では、一般的なメディアや一般の人にプレスリリースを見せるものとしてお話ししてきました。しかし専門性の高いメディア(専門新聞・専門雑誌など)にプレスリリースを送る場合は内容を調整しましょう。
専門性の高いメディアの場合、そのメディアの関係者にも専門知識があるため、「一般向けのプレスリリース」よりも専門性を高めても問題がないかもしれません。また、「テクノロジー以外の要素の強調」によって関心を引く必要性が低いケースもあります。
誰に見せる前提のプレスリリースであっても共通して重要なのは「見る層にとってわかりやすい内容にすること」と「見る層が求めている情報を提供すること」です。なので安易に「とにかく万人にわかりやすい内容にしなくては」などとは考えないようにしましょう。
注意点②:広報・PR担当者もテクノロジーについて深く正確に理解する
広報・PR担当者の立場でも、自社のテクノロジーについて深く正確に理解しなくてはなりません。そうでないとプレスリリースの内容が薄くなりますし、「わかっている部分の内容しか書けない」となる恐れもあります。最悪の場合、間違った内容を書いてしまう可能性も。
企業によっては広報・PR担当者が、他部署の諸々の取り組みに関してあまり理解していないかもしれませんが、「それが当然」と考えてはいけません。「理解した上で情報を取捨選択してプレスリリースを書くこと」と、「理解している部分しか書けない」のとでは大きな差になるので、きちんとヒアリングする、資料を読む、現場を見学するなどして理解を深めましょう。
注意点③:関連性の薄い「ニュースバリューのあるキーワード」は使わない
上で解説した「ニュースバリューのあるキーワード」ですが、関連性の薄いものは使わないようにしましょう。無理のあるキーワードを入れてしまうと「騙して読まそうとしている」「知識がほとんどない人が書いたプレスリリースなのだろうか」と思われる可能性があります。
テクノロジーの内容によっては関連性の強いキーワードを探し出すことが難しいかもしれませんが、そのテクノロジーを見つめ直して、キーワードを見つけ出すしかありません。そして自分のセンスだけで探すのではなく、キーワード系のツールを使うなどして論理的に気を付けて探しをすることも大事です。
それでもどうしてもキーワードが見つからないのであれば、ニュースバリューのあるキーワードを使うことは諦めて、先ほどお伝えしたタグラインだけを使うという方法もあります。
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