➡記事を書いた人:Youtube登録者30万人【MBA保有の現役記者】上岡正明プロフィール
この記事では広報・PR担当者の皆さんに向けて、プレスリリースにおける強力なメディアフックである「ネタの新規性の種類」を7種紹介していきます。
「そもそも新規性を持たせることにどのような意味があるのか」という方から、「プレスリリースネタに新規性を持たせる方法を知りたい」という広報・PR担当者にまでおすすめの内容となっています。
本記事では、新規性があるプレスリリースが採用されやすい理由、新規性についての3つのポイント、そして新規性の主な種類などについてお伝えしますので、ぜひ参考にしてください。
➡人気記事:PR会社一覧を紹介!厳選20社ランキングとカオスマップ
「新規性」があるネタのプレスリリースがメディアに採用されやすい理由は?
多くのメディアは「新しいネタをいち早く発信したい」と考えているものです。そのため例えば「数か月~数年前のネタのリマインドのようなプレスリリース」は採用されにくく、反対に「ネタの新規性が強いプレスリリース」は採用されやすいのです。
またメディア関係者だけでなく、一般消費者も、PR TIMESなどのプラットフォームで「新規性がありそうなタイトルのプレスリリース」が目に入れば、「面白そう」「知りたい」などと考えて、新規性の薄いプレスリリースよりも閲覧してくれる傾向にあります。
プレスリリースの新規性に関する3つのポイント
それではプレスリリースの新規性についてのポイントを3つ紹介しますので、広報・PR担当者の皆さんはぜひ参考にしてください。単に「斬新さをアピールすればいい」とだけ考えているとプレスリリースの質が下がる可能性が高いため注意が必要です。
ポイント①:「一切掲載・報道の前例がない」必要はない
「一切掲載・報道の前例のないネタ」が魅力的になりやすいことは確かですが、前例のあるネタだからといってメディア採用されないわけではありません。つまりはメディア関係者などが「掲載・報道する価値がある」と判断すればいいのです。
むしろ「多少掲載・報道されたことのあるネタ」の方が、「掲載・報道する価値はある」と判断されてメディア露出しやすい場合さえあります。もちろん「掲載・報道歴ゼロかつ強力なメディアフックがあるネタ」があるのが理想ですが、それだけに固執しないようにしましょう。
ポイント②:「世界初」や「日本初」だけが新規性のキーワードではない
詳しくは後述していきますが、「世界初」や「日本初」だけが新規性のキーワードではありません。メディアフックが十分にあるのであれば「業界初」や「○○成分を作った□□としては初」など限定的なものでも構いませんし、「○○初」とは違うタイプの新規性もあります。
ポイント③:新規性は「見つけ出す」、「作る」ものでもある
「新規性のあるネタがあったらそれをプレスリリースにしよう」と考えるだけでなく、ネタの中から新規性を見つけ出したり、作ったりする発想を持つことも大事です。
新規性以外にも「ネタにメディアフックを持たせる要素」はたくさんありますが、それでも「メディアフックのあるネタが勝手に発生する」というケースは意外と少ないものです(頻繁に新商品・新サービスをリリースするような企業でない場合は特に)。
プレスリリースにおける「新規性」を7種類紹介
それではプレスリリースにおける「新規性」をいくつか紹介しますので、広報・PR担当者の皆さんはぜひチェックしてください。上でお伝えした通り、これらの新規性の中から「どれかを作る・見つけ出すことはできないか」という視点を持つことが大事です。
①:世界初、日本初、業界初など
すでに触れた通り、世界初、日本初、業界初などの要素があれば、それは強力な新規性になりやすいです。さらに「○○成分を使用したサプリメントとしては初」、「□□技術を搭載した○○としては初」などと絞り込むのもいいでしょう。
ただ、絞り込むほどメディアフックとしては弱くなるので気を付けてください。「こじつけている」、「他に魅力がないから無理なアピールをしている」と思われない範囲にすることが大事です(新規性が見つからないなら他のタイプのメディアフックを持たせれば問題はありません)。
また、「○○初」に限りませんが、本当に○○初であるという根拠になるデータや資料が必要です。大々的に「○○初」をアピールしたにもかかわらずそれが間違いだった場合、大きなトラブルにつながりかねないので注意してください。
②:新商品・新サービス
企業が世に送り出す新商品・新サービスには、それだけでも新規性があるはずです。「どこに新しい要素があるのか」「解決できる新しい問題はあるのか」などを整理して、プレスリリースに載せましょう。
✅そもそも新商品・新サービスのプレスリリースを出すのは広報・PR部署の重要業務
また、そもそも新商品・新サービスのプレスリリースを出すのは広報・PR部署の重要な業務ですので、スタンスとしては「当然作る」くらいのものでいましょう。その中で新規性に限らず、複数のメディアフックを「作る」「見つけ出す」ことをして、魅力的なプレスリリースに仕上げることが大事です。
③:新しい技術や、技術の新しい使い方
商品やサービスに新しい技術が使われているのであれば、それは「新規性」があるといえます。また、珍しい技術ではないとしても、「珍しい使い方」をしている場合は、それもメディアフックになり得ます。「何が新しいのか」「技術をそのように使うメリットはあるのか」などを整理してプレスリリースに載せましょう。
④:新しい取り組み
社会全体で見ればありふれた取り組みであっても、「我が社としては初めて行う取り組みです」と堂々とアピールできるのであればそれはメディアフックを持ち得ます。
ただ、特に企業そのものの認知度が低い場合は、「よく知らない企業にそんなことを言われても……」としかならない可能性が高いので、さらに以下のことを整理してメディアフックを強めることをおすすめします(企業自体の認知度が高い場合でも重要なことではあります)。
- その取り組みによってどのような社会問題が解決に向かうのか
- その取り組みにおける「自社だからこそできる部分」は何か
- なぜその取り組みを始めようと思ったのか
一番下はもはや新規性とは直接関係がないものの、こういった「想い」の部分を見せることはとても大事です(共感を呼ぶ)。また、不自然ではいけませんが、この「想い」がユニークなものである場合は、その「ユニークさ」も軽いメディアフックになり得ます。
⑤:新しいイベント
上の取り組みと似ていますが、こちらも「我が社として初めて行うイベント」ならそれだけでもメディアフックになり得ます。
なお、長年行っている取り組み・イベントであっても、改めて「それを行う理由」「それに込めた想い」を語ることで、プレスリリースネタとしての価値を持たせることができるかもしれません。
さらに取り組みやイベント自体は毎年大きく変わることはなくても、社会情勢や人々の意識が変わって「取り組みやイベントの存在意義」が変化することはあり得ます。そういった部分に触れることも、プレスリリースネタを作るポイントの一つと言えます。
⑥:独自のデータや分析、見解など
商品やサービス、イベントや取り組みに絡ませず、単体であったとしても「独自のデータや分析、見解」などは「新規性のある強いプレスリリースネタ」になりやすいです。人々は「面白いデータ」を想像以上に好みますし、メディア関係者もそれをわかっているのでメディア採用される可能性が低くはありません。
調査や分析をするためのポイントは主に以下の通りです。
- 「今」この調査をした理由を語る(社会情勢やトレンドに合わせてフックを強める)
- 十分な回答にするなど「統計学的に信頼できる調査」にする
- 図表やグラフなどのビジュアル素材を活かして見やすくする
そして例えば「多くの人が○○を求めていることがわかりました」→「そこで役立つのが弊社の○○(商品やサービス)です」などと展開するのも良いでしょう。
⑦:コラボレーション|ネタ同士のコラボや他企業とのコラボ
自社のネタ同士を組み合わせて(コラボレーションさせて)、「新規性のあるプレスリリースネタ」を作る手法もあります。
例えば自社で扱っている、異なるジャンルの商品AとサービスBについて、「商品Aを使ってサービスBをさらに楽しむ方法」を紹介するなど。また、「商品A」と「自社が今まで実施してこなかった販売方法」と組み合わせる方法もあります。
さらに言うと自社を飛び出して、他企業とコラボレーションするのもいいでしょう。特に他企業の広報・PR担当者とのコネクションを多く作っている方は、検討してみてはいかがでしょうか。意外と他企業も「他と協力して何かを生み出したい」と思っているものです。
プレスリリースのセンターピン「新規性」を高めるコツや手法まとめ
「世界初」「日本初」などのわかりやすい新規性がある場合はもちろん、そうでなくてもネタを見る方向性を変えたり工夫を加えたりすることで、新規性やそれに近いものを持たせることができる場合があります。
ただ、重要なのは「新規性を作ること」自体よりも「メディアフックを作ること」です。新規性にこだわりすぎずに、視野を広く持ってメディアウケしやすい要素を見出してみましょう。
➡人気記事:プレスリリース書き方12のコツ【テンプレート公開】