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この記事では広報・PR担当者の皆さんに向けて、バイラルマーケティングをするにあたって広報・PR担当者が行うべき手順などについてお伝えしていきます。
「そもそもバイラルマーケティングとは?」という方から、「バイラルマーケティングの具体的なやり方を知りたい」という広報・PR担当者にまでおすすめの内容となっています。
本記事ではバイラルマーケティングの概要、バイラルマーケティングの種類、そしてバイラルマーケティングの手順などに関して解説しますので、ぜひ参考にしてください。
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そもそもバイラルマーケティングとは?
バイラルマーケティングとはインターネット上の口コミやSNS投稿などによって、情報を拡散させるマーケティング、広報・PR施策のことです。一例としてあるSNS投稿が爆発的にバズって、商品やサービスの売上が伸びたのであれば、それはバイラルマーケティングに成功していると言えます。
広報・PR担当者の中には「これはバイラルマーケティングである」と意識しないままに取り組んでいる人も多いと思いますが、きちんと狙って行ってみることで成功の確率が上がるはずです。
広報・PR担当者が考えるべきバイラルマーケティングは2種類ある
主に考えるべき2種類のバイラルマーケティングについて解説しますので、広報・PR担当者の皆さんはそれぞれを理解しましょう。ただ、両者は切り離されているものではありません。
①:企業が主体のバイラルマーケティング
企業が主体のバイラルマーケティング。具体的には企業公式SNSアカウントなどでキャンペーンを行ったり、SNSへの動画投稿をしたりすることで、拡散を狙うことなどが該当します。
企業が主体のバイラルマーケティングの主な特徴を挙げます。
- 主に企業やブランドが仕掛ける
- 企業がコントロールしやすい
- 企業が拡散を計画的に狙いやすい
- 主に短期的な拡散を狙う
- 強い話題性のあるキャンペーンや広告などを利用すれば成功しやすい
企業が主体なのでコントロールしやすく比較的再現性も高いです。ただ、当然必ず成功するわけではないため、早々に次に施策に移行したり、下で解説する2種類目のバイラルマーケティングにつなげたりする(事前につなげられるようにしておく)ことも大事です。
②:一般消費者やメディアが主体のバイラルマーケティング
一般消費者やメディアによる自然発生的な口コミや掲載・報道によって情報が拡散されるタイプのバイラルマーケティングもあります。主な特徴は以下の通りです。
- 主に一般消費者やメディアが自然に「発信してくれる
- 企業がコントロールしにくい
- 企業が拡散を計画的に狙うのは難しい
- 主に長期的・継続的な拡散を狙う
- 人々の共感、話題性、口コミが自然に発生するコンテンツなどが成功のカギ
究極的に言えば「一般消費者やメディアが勝手に話題にし続けてくれる状態」にまで持っていくことができれば、このタイプのバイラルマーケティングは大成功と言えます。ただ、もちろんそうなるためには「口コミの自然発生」につながる広報・PR、マーケティング設計が不可欠です。
バイラルマーケティングを行うために広報・PR担当者がするべき6つの手順
続いてはバイラルマーケティングを行うための手順を解説していきますので、広報・PR担当者の皆さんはぜひ参考にしてください。一見「ただ情報を発信すればいいだけ」と感じるかもしれませんが、実際にはきちんと戦略を練らなければまず成功しません。
手順①:目標とターゲットをハッキリさせる
まずはバイラルマーケティングの目標とターゲットを明確にしましょう。つまり「なんのために行うのか」と「誰に向けて情報発信するのか」です。
一例として「商品・サービスの認知度を上げる」「ブランドイメージを高める」などが「目標」に該当します。そしてターゲットは、例えば「20代女性」など大雑把に決めるのではなく、さらに「職業」「関心事」「悩み」「価値観」などでも絞り込むといいでしょう。
目標とターゲットが大まかに決まったら、目標をさらに厳密なものにします。例えば以下の通り。
- 関東圏で年収300万円台の20代女性からの認知度を10%上げる
- 6カ月後に行うアンケートで「好感を持っている」以上のプラスの回答の比率を60%以上にする
- 8か月後に行うアンケートで「知っている」の比率を20%以上にする
もちろんアンケートの対象も「30代で乾燥肌で悩む女性」「50代で65歳までに定年退職するつもりの人」などとケースバイケースで絞り込みます。
手順②:どうすれば目標を達成できるかを明確に考える・決定する
手順1で設定した目標を達成するにはどうすればいいのかを明確に考えます。例えば以下の通りです。なお知名度とは「名前を知っている度」で、認知度とは「名前だけでなく内容をある程度知っている度」です。
- 知名度を上げる:X(Twitter)の投稿の閲覧数が平均○万回を突破するようにする
- 認知度を上げる:SNS投稿→企業公式ウェブサイトというルートでの閲覧数を○回以上にする
- 好感度を上げる:Instagramの投稿のいいね数が平均○回を突破するようにする
このように明確に目標を決めることで広報・PR部署内での意識が統一されるため活動がしやすくなるはずです。
✅目標は「具体的かつ測定可能」である必要がある
ここでの目標は「具体的かつ測定可能」なものである必要があります。例えば「閲覧数○回」などは明らかに測定できますが、「20代女性の間で話題にさせる」などは測定できないのでNGです。
「20代女性の間で話題にさせる」という方向性は悪くないので、例えば「20代女性の間の認知度○%(アンケートで調べる)」などとハッキリと測定できる目標を定めましょう。そうでないと「効果測定」もしにくくなり、次回以降のバイラルマーケティングに経験を反映させにくくなります。
手順③:情報発信方法とルートの設計をする
ターゲットによって情報発信方法やそのルートを変えることが大事です。
一例として30代以上に届けたい場合はInstagram、Facebook、YouTubeなどがおすすめですが、10~20代の場合はX(Twitter)やTikTokの方が広まりやすいなど(発信内容やターゲットの属性によって変わるのでここまで簡単ではありません)。
また、複数の情報発信源・発信方法を組み合わせる「クロスチャネル」を導入したり、「インフルエンサーによる発信」を取り入れたりすることも大事なのでそれぞれ解説します。
✅クロスチャネルについて
例えば、Instagramではシンプルな画像の投稿をして、TikTokでは実際に商品を使っている動画を投稿、さらにX(Twitter)ではキャンペーン情報の発信をして拡散を狙うなど。
このように複数の情報発信源・発信方法を組み合わせることをクロスチャネルと言い、より広いターゲットにアプローチしやすくなります。この例で言うと、Instagram、TikTok、X(Twitter)のどれかに接触してくれた人は、そのまま他の情報にも触れる可能性がありますよね。
✅インフルエンサーによる発信
インフルエンサーなど親近感、信頼性、発信力・拡散力を持った人が情報発信をすれば、通常よりもリーチ数を増やすことができるかもしれません(インフルエンサーマーケティング)。
「有名インフルエンサーを起用する予算はない」としても、特に専門性の高い企業の場合は、「同じ分野の専門性の高いインフルエンサー」であれば、それほど有名な人でなくても、効果的に「専門知識のある一般層」にアプローチしてくれることでしょう。
広報・PR担当者としては、同じ情報を発信するとしても「誰が(どこか、何が)発信するか」によって広がり方や受け取られ方(信頼のされ方)が変わってくることを意識するべきです。
手順④:シェアしたくなるフックを作る
人々が、自然に「シェアしたい」と思うようなフックを意識して作っておかないと拡散は期待できません。
例えば社会性、人の役に立つ、意外性がある、驚きがある、共感を得やすいなど。このようなフックになりやすい要素をリストアップして、発信するコンテンツに取り込むのがポイントといえます。
まずは「発信したい情報」を改めて見つめ直して、どのようなフックを入れることができるか整理してみましょう。
手順⑤:実際にコンテンツを作る
手順④を踏まえて、実際に拡散を狙うコンテンツを作りましょう。例えば、反応を得やすい画像や動画を用意する、ハッシュタグを設定する、キャッチフレーズを作るなどが成功しやすくするためのカギです。
一例としてハッシュタグを作るなら主なポイントは以下の通りです。
- 「#私の○○テクニック」や「私の○○のこだわり」など見た人が共感しやすい、参加しやすいものにする
- 画像ならパッと見でインパクトが伝わるように、動画なら数秒で要点がわかるようにして、拡散を後押しさせる
- 投稿のハードルをできるだけ下げる(例:画像投稿を必須にしない)
手順⑥:モニタリングをする、PDCAサイクルを回す
コンテンツを公開したら、拡散の勢いや人々の反応をリアルタイムでモニタリングして(調べて)、ケースバイケースで対応・ブラッシュアップしていきましょう。例えばSNSの投稿数、シェア数、いいね数、拡散経路、多く使われているキーワードなどを分析して、「特に誰に、どこで、どのように刺さったのか」を把握します。
さらに良い反応があった投稿はリポストする、反応が悪い投稿については調整して再投稿する、などのコントロールも欠かせません。また、炎上時にスムーズに対応するための事前戦略も決めるべきですし、逆に爆発的にバズった場合にどうするかも大まかに考えておくと大チャンスを逃さずに済みます。
いずれにしても「事前にスケジューリングをしておいた投稿をするのみ」などにならないようにしてください。むしろ実際に施策(投稿など)が始まってからの方が気を遣う場面が増えると考えるべきです。
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