広報の仕事とは?業界裏話や11個の代表的な業務内容と流れを徹底解説
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2020.10.28

広報の仕事とは?業界裏話や11個の代表的な業務内容と流れを徹底解説

広報の仕事って、正直、わかりづらいですよね。わかります。強く、激しく同意します!

表舞台に立つ場面も多ければ、裏舞台でコツコツと準備することも多い。そんな憧れる就活生や転職希望者が多い広報の仕事。テレビなどで見るイメージでは、企業や製品のPRをしたり、笑顔で受け答えをしたりというイメージですが、実際の仕事は多岐にわたります。

そんな広報の仕事や気になる業界裏話・失敗談までを5分でまとめました。
広報職へ就職・転職を考えている人はもちろん、配置換えなどで広報をしなければならなくなった方まで、詳しい業務内容を知っておきましょう。

広報の仕事内容ってどんなの?

広報の仕事と一口でいっても、業務の内容は各会社によってずいぶん変わるのが実情です。

例えば大企業であれば「広報」という部署がちゃんとあり、複数の社員が在籍してることも不自然ではありません。一方、小さい中小企業などでの広報ですと広報の専任担当者がいることですらそれほど多くはありません。

また、上場企業ですと広報の部署が IR 業務を兼任していることもよくあります。会社の方針によっても広報の重要度はかなり異なりますので、あくまでも参考程度に考えていただければと思います。

①社外広報
②社内広報
③IR広報

それでも、代表的にはこの3をおさえておけばいいでしょう。ひとつず、わかりやすく説明していきますね。

 

社外広報の代表的な仕事内容を解説

私たちが普段目にすることが多いのが、「社外広報」として働いている広報職社員です。
会社で提供している商品やサービスの魅力を知り、売り上げにつなげたり、企業イメージをアップしたりするために活動します。

新商品販売や新店舗オープン、サービスの開始などのタイミングで、マスコミや記者を集め、イベントや発表会などの企画運営や取材対応を行うのがメインの仕事です。企画運営では、たくさんの人に興味を持ってもらえるように入念な準備を。取材対応では間違いのない言葉や確かな知識で、好感度の高い受け答えができるスマートさが必要となります。

また、イベントや発表会、展示会などへより多くの人に足を運んでもらうため、プレスリリースの作成するのも、社外広報の重要な任務です。報道各社では日々数えきれないほどのプレスリリースを受け取っているため、その中でも特に目を引くアイデアが求められるでしょう。

最近は、SNSを活用して、企業イメージをアップしたり、注目を集めたりする手法が人気ですが、このいわゆる“中の人”も広報が担っているケースがほとんどです。経験を求められる仕事が多い中、SNSを使いこなしている若い世代や、時代に合ったユニークな発想で、即戦力を目指せる機会もあるでしょう。

①プレスリリース・戦略PR

自社・団体が生活者に対して新商品発売、新店舗オープン、社内体制、調査レポート、危機対応などの情報を発信する際にプレスリリースでメディアに配信をします。そしてメディアに取り上げてもらい、ニュースとして配信してもらうことでより多くの生活者に情報を届けることができるようになります。

②メディアとのリレーション構築を行う

作成したプレスリリースを発信するとしても、受け取る側のメディアがニュースとして取り上げてくれなければ、現実的に日の目を見ることはないでしょう。

そのためにも、日頃から各メディアの情報を収集します。そして、自社が情報を発信したいメディアに対してメディア担当者との関係を作っておくことが重要です。メディアなどが集まるパーティなどで関係性を作ってみたり、以前にプレスリリースで取り上げてもらったことがある担当者には定期的に連絡を取ったりしておきます。彼らとの関係性を密にして、現在どのような情報が必要とされているかなどを聞きだしたりするなど、適切なコミュニケーションを取り続けていくことで今後の情報発信の精度を上げることに繋がっていきます。

③取材を受ける

メディア側から「取材させてください」と言われた時、対応するのも広報の仕事です。特に現在注目されているベンチャー企業や、大企業など規模が大きい会社では中心的な業務の一つです。

突然、外部のメディアから取り上げたいという連絡を受けたり、自社が発信したプレスリリースなどに触発されて取材したいという依頼が来たりすることがあります。
このように、メディアから取材を受けた時は迅速な対応が重要です。自社のブランドを毀損することなく 確実な対応が必須になります。

・メディアへ話す内容は決まっているのか(あらかじめ理解しておく必要があるため)
・生活者を意識した内容かどうか
・伝えるメッセージを事前に決めているかどうか
・簡潔に伝えることができるのか
・不適切な言葉を使っていないかどうか
メディアへ対応した後、生活者へのメッセージが的確に伝わるように上記のようなことをあらかじめ意識しておくと良いです。

そして、実際質問を受けた時には以下のような対応が必要となります。

・質問に対しては慎重に聞く
・否定的な質問に対して肯定的に返答する
・状況によっては質問を聞き返す・資料などを読み上げるのではなく、自分の言葉でしゃべる

取材者側が話題から大きく外れるような場合は、それた内容と本題にかかわる内容をかるく触れるブリッジングを行うのも広報の隠れたスキルの一つです。

④イベント開催

広報が行う仕事としてイベント開催があります。

・新規顧客獲得
・製品サービスの認知度向上
・ファンの獲得
・採用

イベントを開催する目的としては、このようなものがあります。どのイベントでも共通の悩みは集客です。そのため、広報担当者は集客を主に考えることとなります。対策としては以下のようなものがあります。

⑤著名人のゲスト講演

専門家や知識人だけでなく、インフルエンサーなどの旬の著名人をゲストに迎えることで来客を促します。イベントに参加する人は、その時に旬な人やプロの話が聞けるという大きなメリットが発生するので、通常よりも多くの人を集客できる可能性があります。

ここで考えておかなければいけないのか、どのような内容を喋ってもらうかです。基本的に、自社の内容に沿った内容でテーマを語ってもらうようにします。また、講演者との契約などは明確にしておく必要があります。忘れがちなのは、交通費や宿泊費など講演料以外にかかる金額です。プロの方であればあるほど、そのあたりを気にしますのでスムーズに行えるようにしておきます。

講演をするにあたって機材を使うこともあります。プロジェクターやマイクなどの準備も怠らないようにします。著名人を招待する方法として、講師を斡旋する会社を使うこともありますし、交流があるのでしたら直接連絡して契約するという方法も考えられます

⑥ユーザー同士での交流会を実施

参加者を集める方法として、ユーザー同士の交流会なども広報が企画します。企業側はそれほどメリットがないように見えますか、実際はユーザーにも企業側にもたくさんのメリットをもたらします。

ユーザー側から見ると、同じような感覚を持った人たちが集まることによって悩みや関心事を共有できたり、商品やサービスを提供している企業と直接対話ができるので要望を伝えられたりできる、といった期待を持たせることができます。また、他のユーザーはどのようにそのサービスを考えているのかなどを知ることができますし、同じような考え方の人が集まるということが分かることで安心し、参加者の再参加のハードルが低くなる傾向があります。

企業側としても、ユーザーを集めることによってユーザーの心理を理解することができます。また印象を良く思ってもらうことによって、ユーザーのロイヤリティを高めることができ、ヘビーユーザーが増える傾向にあります。
このようにイベントにはメリットがたくさんあるため、広報としては参加者の数を増やすためには以下のような施策を行うことがあります。

・参加者にはお土産をつける
・参加費を無料にする
・SNSでオリジナルのハッシュタグをつける
・ターゲットを絞る
・同伴をOKにする
・アクセスが良い場所で開催する
・参加者に合わせた開催時間にする

⑦SNSを活用しての企業イメージアップ

生活者のSNSの利用率が上がっている昨今では、企業の発信にもSNSを使うところが増えており、その仕事も広報の担当になります。SNSは無料でアカウントを作成し、投稿することができます。

つまり、金銭的なコストをかけることなく継続的に企業・団体の情報を生活者に発信することができます。そのため、生活者とのコミュニケーションを作り上げることができ、PRやブランディングを行っている広報からしてみると、SNS活用は非常にメリットがある施策だと考えられています。

生活者との間で双方向のコミュニケーションを行っている中で、非常にやりとりが拡散されることがあります。いわゆる「バズった」という状況になり、そのことがメディアにも取り上げられることがあります。
それと同時に人材募集としても使うところもでてきています。一般的なエージェントを通して募集をすると多額の費用が発生します。しかし、SNSであればその費用がかからず、しかも応募相手の様子も見ることができ、適正かどうか判別しやすくなるというメリットもあるようです。

⑧危機管理対応

企業・団体に災難が降りかかったり、不祥事を起こしたりした場合、社会的ダメージを最小限に食い止めるために行うのが危機管理対応です。インターネットが普及し、スマートフォンを誰もが持つ時代になった現代は、ネガティブな情報ほど瞬時に拡散されるようになっています。生活者から信頼を得るには長い時間がかかりますが、信頼を失うのは一瞬です。そのために、広報の仕事として危機管理対応の重要性が増しています。

・平常時での準備
・危機発生時での対応業務

このように、広報の危機管理対応は大きく分けて2つあります。
まずは平常時では準備です。危機はいつ発生するのかわかりません。ですので、事前の準備が必要となります。会社の業態、業界、所在地など、ある程度予想できる事態もあります。

・個人情報流出
・事故
・犯罪
・為替
・国際関係

自分たちではコントロールできないことが多く滅入りがちですが、だからこそ事前に予想できるものは対応できるようにするために準備を行います。その上で、実際どのように発信するのかということを手順にしてマニュアルにまとめておくと、実際発生した時に混乱せずにすみます。

次に危機発生時に対応業務です。危機が発生した際は、発生した直後の初動の動きが重要になります。素早く情報を収集し、外部へ発信する必要があるからです。初動の対応を誤ると、企業・団体への傷口が大きくなることも多いのです。危機が発生した場合はすぐに上司に報告します。そのあと、関係者がすべての情報を上にあげていきます。対策本部を設置後、ホワイトボードなどに情報が入るたびに書き込んでいき、関係者が状況をすぐに把握できるようにしておきます。ある程度情報が集まった段階で、立場表明書(ポジションペーパー)を作成し、対応の方針を決定します。方針決定後、すみやかに記者会見を行い、誠実に対応した情報発信を行います。

 

社内広報の代表的な仕事内容を解説

広報の仕事は、マスコミや企業、見込客へ、製品やサービスをアピールする仕事だと思っていませんか?

もちろん、先ほどご紹介した通り、社外への広報活動はとても大切です。
ですが、それだけでなく、社外広報が一生懸命にアピールしている企業の考え方や方向性を、社内の人間へ伝えることも、広報の欠かせない仕事なんです。

この仕事を「社内広報」と呼びます。
「社外広報に憧れて就職したのに、社内広報の担当だった……」
そんなトラブルが起きるケースもあるため、広報の面接を受ける場合は、希望を聞いてもらえるのかどうか、事前に確認しておきたいですね。

*参考リンク:社内広報はどんなことするの?7つの仕事内容を詳しく解説

⑨社内向けの社員同士のコミュニケーション整備

社内広報の仕事は、社内報を作成したり、社内でイベントを行ったりがメインになります。社内報やイベントを通じて、自分たちが働いている会社はどこへ向かおうとしているのか、その中で自分が行うべきことは何か、を考えるきっかけになるでしょう。

質の高い社内報を作成できれば、社員のモチベーションアップや将来のビジョン形成にも役立ちます。紙媒体の社内報だけでなく、最近ではメールやSNSを利用する企業も増えてきました。

社内報は、
「楽しみに待ち望んでもらえる」
「しっかり目を通してもらえる」
という点が重要です。
文章を書いたり、デザインしたりするのが得意、アイデアの引き出しが豊富、というタイプなら、能力を思いきり発揮できるでしょう。

文章の作成やデザインを、外部に任せている企業も少なくありません。
「アイデアや戦略はあるけれど形にするのが苦手……」という方でも、十分戦力として活躍できます。

⑩社内報の制作・配布・宣伝

自社の発信を外部だけではなく、内部にも向けることも重要です。

・企業としての一体感を醸し出す
・外部環境を情報共有する
・社員に対して広報の役割を理解してもらう
・社内からの情報を受け取れるように敷居を低くする

このような目的で行われることが多いようです。現在はSNSを利用するのが一般的になっています。「社員一人一人のコンプライアンスへの意識を上げ、会社のブランドを棄損するような発言を行わない」といった守りとしての対応だけでなく、社員を一体化するような施策を行うことで「まとまる」という攻めの対応のために行う活動があります。

 

IR広報の代表的な仕事内容の解説

投資家向けの情報を発信する「IR広報」
財務職や経理職が担当を担う場合もありますが、広報職が制作している企業も少なくありません。

⑪投資家やステークホルダーと良好な関係を保つ

投資家たちは、このIR広報の内容をみて企業へ投資するかどうか、まずは検討します。そのため、IR活動がうまくいけば、たくさんの投資が会社へと集まり、新しい事業を行ったり、将来へ向けての準備を整えたりする機会になるでしょう。

IR広報の仕事は、企業の今を包み隠さず伝える正当性や、今後の展望を分かりやすく説明するプレゼン力などが重要になります。株主総会の準備や運営もIR広報の担当のため、会社にマイナスが出ている時であっても、動じることなく説明できる、落ち着きや余裕も必要です。

IR広報の仕事は企業イメージにも直結するため、
「社内広報や社外広報の経験が十分にある」
「財務や投資についての知識や経験が深い」
「日本語以外の言語でもアピールできる」
といった力も求められるでしょう。新卒から働ける仕事ではありませんが、将来の選択肢の一つとして、覚えておきたい職種です。

 

広報の仕事内容は「人の役に立つことすべて」です

広報職には3種類の働き方があると分かりました。社内にいる仕事でも、社外に出る仕事でも、一つ一つの行動が、企業イメージや売り上げにつながる大切な業務です。

会社のトップも、実際に営業を行う人間も、広報がうまくいっていれば、大きな自信となり、存分に自社の製品やサービスを提案できます。会社を支える大きな力になりたい人。仕事に大きなやりがいを求めている人には、特に向いている職種と言えるでしょう。

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◎この記事を書いた人:上岡正明
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MBA(多摩大学院経営情報工学修了)
一般社団法人日本脳科学認知協会 理事、一般社団法人小児発達心理学学会 理事
株式会社フロンティアコンサルティング代表取締役

27歳でPR戦略、新事業開発のコンサルティング会社を設立。現在まで約20年間、実業家として3社のグループ会社を経営。
これまで、三井物産、SONY、三菱鉛筆など200社以上の広報支援、スウェーデン大使館やドバイ政府観光局などの国際観光誘致イベントなどを行う。また、大学院にてMBA(情報工学)修了。海外大学外部機関にて認知脳科学と神経心理学を研究、東京都公社や全国の大学で講演。それらは常に人気を博し、2ヶ月先まで予約が取れないこともある。

また、日本を代表するテレビ放送作家、脚本家としても活躍。「スーパーJチャンネル」「めざましテレビ」「ワールドビジネスサテライト」「タモリのスーパーボキャブラ天国」など人気番組、脚本家として日本テレビ系列のドラマ「ストーリーランド」を手掛ける。ビジネス作家としてはダイヤモンド社、朝日新聞出版社、総合法令出版、アスコムなどから8冊の著書を上梓。中国、台湾で翻訳本が出版され、シリーズ累計55万部。所属学会として日本神経心理学会、日本行動心理学学会、行動経済学学会、一般社団法人日本行動分析学会、一般社団法人日本脳科学認知学会、一般社団法人小児発達心理学学会などがある。

【この記事を執筆した上岡正明の主なメディア露出実績(外部リンク)】
・上岡正明が特集された東洋経済オンラインの記事
・6000万人にクチコミを広げた事例を紹介する朝日新聞メディアの記事
・戦略PRについて語る戦略経営者の特集記事
・上岡正明の週刊ダイヤモンドの記事一覧
・多摩大学院公式サイトでベストセラー作家のMBA卒業生として紹介されました


執筆者・監修者
上岡正明
経済記者・経済コメンテーター
戦略PRプランナー・著書26冊累計105万部のビジネス作家
登録者25万人のYoutuber
上岡正明

MBA(多摩大学院経営情報学修了)
テレビコメンテーター
多摩大学客員講師(18,19)
帝塚山大学客員講師(19)
登録者24万人のビジネス系YouTube

「スーパーJチャンネル」「めざましテレビ」「王様のブランチ」「クイズミリオネア」等の元放送作家。日本を代表するPR戦略の専門家で、企業広報のスペシャリスト。未上場から上場企業まで戦略PRを手掛けたクライアントは300社以上。

広報ブランディング、新規事業構築、外資系企業の国内イベント、海外プロモーション支援のコンサルティング会社代表。現在まで約20年間、実業家として会社を経営。これまでに三井物産、SONY、三菱鉛筆、日本瓦斯など200社以上の広報支援、スウェーデン大使館やドバイ政府観光局などの国際観光誘致イベントなどを行う。

代表的なコンサルティング案件としては、日本中の女性たちの心を動かした「表参道のパンケーキブーム」、1年で200万台以上を売り上げた「ふとん専用掃除機レイコップ」、世界が注目する食イベント「肉フェス」、1カ月で6000万人(日本の約半分)にバズらせた「ジャポニカ学習帳“昆虫の表紙が変わった?”」がある。

経営と並行してMBA(情報工学博士前期課程)取得。東京都中小企業振興公社講師。成蹊大学、多摩大学、帝塚山大学の客員講師。東洋経済新報社、ダイヤモンド社、朝日新聞出版社、PHP出版、総合法令出版社、アスコム社、大和出版、すばる舎、宝島社から累計21冊80万部の著書を上梓。

日本神経心理学会、日本行動心理学学会、行動経済学学会、一般社団法人日本行動分析学会、日本社会心理学会、一般社団法人日本小児心身医学会、認知神経科学会の各学会員。

日経ヴェリタス・東洋経済オンライン・ダイヤモンドオンライン・プレジデントの4大経済メディアで専門家として記事連載もおこなっております。お読みになりたい方はこちらからご覧下さい。

①:東洋経済オンラインでの連載記事
②:ダイヤモンドオンラインでの連載記事
③:プレジデントでの連載記事
④:日本経済新聞での連載記事