新聞記者・デスク・キャップの違いは何?広報担当が知るべきメディアの裏側
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2022.06.29

新聞記者・デスク・キャップの違いは何?広報担当が知るべきメディアの裏側

新聞掲載を狙っている広報担当は多いはずです。

「新聞の時代は終わった」などと言われることが多いですが、それは間違いであり、現在も日本国内の数千万人が新聞を読んでいます。

そんな新聞ですが、広報担当者がPRをするのであれば、「記者」「デスク」「キャップ」の違いを知っておく必要があります。

率直に言って、「新聞関係者であれば、誰であってもアプローチし続ければ取材につながる」というものではないので覚えておきましょう。それではそれぞれの役職に関して解説します。

 

新聞の記者・デスク・キャップの違いとは?

ここからは、それぞれの違いについて詳しく解説していきます。

●1:記者

・記者の仕事:一人で取材をする。記事を書く
・記者の一日:昼間に取材、夕方~夜にかけて新聞社内で記事を書く

意外かもしれませんが、「どこでどのような取材をするか」は基本的に記者が独断で決めることができます。
記者の上司や、デスク・キャップに相談する必要はありません(そもそも相談する時間がないという事もあるでしょう)。

ですから、広報担当者が最もアプローチすべき新聞関係者は「記者」です。極端に言えば、「その記者にさえウケれば道が開ける」という事になります。

しかし、「記者」には「書いた記事を掲載するかどうかを決める権限」はありません。それは、デスクである編集責任者の判断です。ですから、記者との繋がりができたからと言って「記事になりそうですか?」「まだ記事になりませんか?」などと質問しても意味がありません。煙たがられるだけです。

記事によっては、記者がある程度「これは記事にすべきですよ!」などと「上」に情熱的にアプローチしてくれるかもしれません。しかし、それもあくまでもアプローチまでです。

そういった働きかけをするか否かは記者に委ねるべきですから、「ぜひよろしくお願いしますね!」などという露骨なお願いをすべきではありません。

●2:デスク

・デスクの仕事:記事をチェックして、掲載するか否か、どのように掲載するかなどを決める
・デスクの1日:1日中社内で記事の確認などをする

記者が持ってきた原稿を確認する立場ですから「記者の上司」と言っていいでしょう。しかし、記者とは異なり「取材するかどうかを決める権限」はありません。

デスクは社内にいる時間が長いですから、広報担当者がTELをすれば繋がりを持てる可能性が高いです。そこで取材をお願いしてみてもいいですが、「では記者に取材をするかどうか判断させますね」などと返答される場合がほとんどです。

そのあと実際に取材があるかどうかは主に、

・ネタ次第
・記者とデスクの関係性次第

です。

「ネタが強ければ取材される」というのは当然ですから、まあいいでしょう。

「記者とデスクの関係性次第」という部分ですが、「デスクに指示されれば、記者は基本的に取材する」というパターンもあります。しかし、「デスクに指示されればチェックはするが、取材するかどうかは記者自身で決める」という事もあるようです。

余裕があれば「記者とデスクの関係性」を探ってみてもいいでしょう。しかし、それが無理そうなのであれば、やはりデスクではなく記者に働きかけるほうが良さそうですね。

●3:キャップ

「記者のリーダー(リーダー格)」のことをキャップと言います。
当然普通の記者よりも人数は少なく、社内においても明確に「上の立場の人」として扱われることになります。

通常の記者の仕事に加えて、

・重要なスクープ取材
・チーム取材の責任者
・記者の教育

などの業務もする場合が多いです。

また、キャップともなれば、デスクに対して「この原稿は高品質ですから、掲載してください」と言えば、そのまま要求が呑まれることが少なくありません(これも関係性次第ではありますが)。

一般の記者がデスクに対するときの「情熱だけを武器に意見する」というものとは価値が異なります。

可能であれば、当然「記者」だけでなく「キャップ」にもアプローチしたいところです。
キャップに対してたびたび「いいネタ」を提供すれば、「この広報担当者かなり使えるし、部下(記者たち)にも教えておくか……」となる可能性があります。また、「ここの広報担当のネタを使え」と部下に指示してくれることもあるでしょう。

 

メディアの内部事情を知っておくと一目置かれる

今回紹介したのは「内部事情」というほど深いものではありませんが、最低限これくらいのことは知っておくべきです。すると、関連するメディア関係者に「あ、ここの広報担当は他とは違うな」と思ってもらえるかもしれません。

逆に広報担当であるあなたが、「あ、この記者は広報担当の事情をよく知っているな」と思えるような行動を、メディア関係者が取ったとすれば印象が良くなるはずです。

それと一緒ですね。


執筆者・監修者
上岡正明
経済記者・経済コメンテーター
戦略PRプランナー・著書26冊累計105万部のビジネス作家
登録者25万人のYoutuber
上岡正明

MBA(多摩大学院経営情報学修了)
テレビコメンテーター
多摩大学客員講師(18,19)
帝塚山大学客員講師(19)
登録者24万人のビジネス系YouTube

「スーパーJチャンネル」「めざましテレビ」「王様のブランチ」「クイズミリオネア」等の元放送作家。日本を代表するPR戦略の専門家で、企業広報のスペシャリスト。未上場から上場企業まで戦略PRを手掛けたクライアントは300社以上。

広報ブランディング、新規事業構築、外資系企業の国内イベント、海外プロモーション支援のコンサルティング会社代表。現在まで約20年間、実業家として会社を経営。これまでに三井物産、SONY、三菱鉛筆、日本瓦斯など200社以上の広報支援、スウェーデン大使館やドバイ政府観光局などの国際観光誘致イベントなどを行う。

代表的なコンサルティング案件としては、日本中の女性たちの心を動かした「表参道のパンケーキブーム」、1年で200万台以上を売り上げた「ふとん専用掃除機レイコップ」、世界が注目する食イベント「肉フェス」、1カ月で6000万人(日本の約半分)にバズらせた「ジャポニカ学習帳“昆虫の表紙が変わった?”」がある。

経営と並行してMBA(情報工学博士前期課程)取得。東京都中小企業振興公社講師。成蹊大学、多摩大学、帝塚山大学の客員講師。東洋経済新報社、ダイヤモンド社、朝日新聞出版社、PHP出版、総合法令出版社、アスコム社、大和出版、すばる舎、宝島社から累計21冊80万部の著書を上梓。

日本神経心理学会、日本行動心理学学会、行動経済学学会、一般社団法人日本行動分析学会、日本社会心理学会、一般社団法人日本小児心身医学会、認知神経科学会の各学会員。

日経ヴェリタス・東洋経済オンライン・ダイヤモンドオンライン・プレジデントの4大経済メディアで専門家として記事連載もおこなっております。お読みになりたい方はこちらからご覧下さい。

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