【最新版】テレビ用と新聞向けでプレリリースは違うものでなければならない理由とは
PRトレンド
最新メディア情報
2021.01.27

【最新版】テレビ用と新聞向けでプレリリースは違うものでなければならない理由とは

テレビ向けに送るプレリリースを、雑誌、新聞、ウェブメディアなど、色々な媒体向けのものと使い回している広報担当者が少なくありません。

しかし、そんなことをずっと続けていては、他の媒体で取り上げられることはあっても、テレビで特集されることはまずありません。

このコラムでは、広報担当者必見のテレビ露出の確率を高めるためのとっておきの方法をご紹介します。

 

なぜテレビ用のプレリリースは特別なものであるべきなのか?

理由は簡単です。
雑誌、新聞、メディアなどは「文字」の媒体であって、テレビは「映像」の媒体だからです。
ちなみに、ラジオであれば「音」の媒体ですね。

●テレビ用のプレリリースを作るときの3つのコツ

それではテレビ用のプレリリースを作成するためのポイントをいくつか紹介します。
とは言っても、「高度な画像編集」や「動画編集」などのノウハウは必要ないのでご安心ください。

1:ストレートニュースは求められていない

自社サービスや商品を直接的に紹介する(ストレートニュース)ようなプレリリースは、テレビ関係者には嫌われます。

イメージしてみてください。
テレビで「単純にある会社の商品やサービスを紹介するコーナー」が流れたらどう感じるでしょうか。
どう感じるも何も「つまらない……」と思えてしまって、数秒でチャンネルを変えることでしょう。また、「ステルスマーケティングっぽい」と思われて番組のイメージが悪くなる可能性があります。

「文字媒体」であればストレートニュースでも「押しつけがましさ」が出ないので、読者は良くも悪くも「ふーん」で終わらせてくれるかもしれません。しかし、「映像」でそれをされると生々しくて嫌な気持ちになるのです。

テレビに送るのであればストレートニュースではなく、「切り口」「ストーリー」「企画テーマ」などにしましょう。こういったものであればテレビ番組として成り立ちます。

本来、ストーリーなどはテレビディレクターなどが考えます。
しかし、それを「ある企業の広報」が作ってくれるのであれば労力が減るのでかなり助かります(テレビ関係者は基本的に非常に忙しい)。

ストーリーや切り口をプレリリースに書く際は、数行でおさめる事を意識してください。
長文だと「ざっと目を通して終わり」になってしまいますが、短文であれば「面白い。ここからどう広げようか……」などと考えてくれる可能性が上がります。

2.タイトルにひと工夫を加える努力を

また、ストーリーや切り口の「タイトル」も非常に重要です。
タイトルを作る上で最も大事なのは「タイトルを読むだけで内容が分かること」です。「思わせぶりなタイトルにして、本文を読ませる手法」は通用しません。

タイトルを作る上で意外と参考になるのが、近年ブームになっている「なろう系小説」のタイトルです。
調べてみると分かりますが、人気上位の作品に関しては、ほぼ、タイトルだけで「メインの登場人物がどんな属性で、どんなシチュエーションの小説なのか」が分かるようになっています。

なぜこのようなタイトルにするのかと言うと、「大量に存在するなろう系小説のなかで目立つため」「『○○な小説を読みたい』と考えている人が、ニーズを満たしやすくするため」です。
どうでしょうか。どことなく、テレビ向けの「プレリリースのタイトル」に似通ったものがあると感じないでしょうか。

プレリリースのタイトルを作成するときに限っては、一般文芸に多い「購入者の想像をくすぐるタイプのタイトル(タイトルだけでは内容が分かることはない)」は参考になりません。

3:ビジュアルメインのプレリリースを送りましょう

デキる広報担当者であれば、新聞や雑誌などに対してプレリリースを送る場合でも、「文字ばかりだと興味が引かれにくいし、グラフ・表・写真を多めに入れよう」と考えると思います。

そして、テレビ用のプレリリースを作るにあたっては、さらに「ビジュアルメイン」の内容にする必要があります。
なぜなら、テレビ関係者はプレリリースを見ながら常に「どんな映像(画)にしようかな」と考えるからです。ナレーション(文章)を先に考えるような事は基本的にしません。

「写真やグラフをたくさん並べて、ナレーションのような文章を近くに書く」
「絵コンテを作成して持ち込む」

といったことをしている広報担当者さえいます。
ここまで来ると才能もいるので難しいかもしれませんが、「ちゃんとテレビ用に作ったプレリリースを何度も送っているのに取材に繋がらない!」という事で悩んでいるのであれば、挑戦してみても良いのではないでしょうか。

 

周辺情報をしっかりまとめる

単独の企業の情報だけでは、それがよほど強いネタでない限り取材には繋がりません。
一つの「社会現象」としてPRするためにも、周辺情報をきちんとまとめる必要があります。

・世間の傾向が分かるデータ

→「○年頃を境に急激に増えている」「△△と思われがちだが【実は】そうではない」「20代男性に人気だが、【実は】50代女性にも人気がある」など、客観的で、意外性のあるデータだとウケやすいです。もちろん、「急激に人気になっている」「急激に下火になっている(から○○である、というポジティブな内容につなげる必要があります)」なども反応がいいです。

・ロケ地情報

→業界関係者だからこそ分かる穴場のロケ地があれば。もちろん定番のロケ地もまとめましょう。

・競合、類似商品の情報

→メディア関係者は「誰も見たことがないネタ」を扱いたいとは考えています。しかし、本当に誰も見たことがないネタでは、ウケなかったときのリスクが大きいです。そのため、「こんな競合・類似商品も既に話題になっているんですよ~」と示すことで、「ネタの『強さ』」をアピールすることも大事です。

・トレンドに詳しい専門家の情報

→やはり専門家からのコメントがあると説得力が増します。「この人に聞くといいですよ(できれば、この人に聞けますよ、とセッティングする」」とテレビ関係者に教えてあげましょう。

本来これらの情報をテレビの制作スタッフも集めなければなりませんが、それを代行すれば重宝がられます。

 

完成したプレリリースを渡す方法は2つに限られる

では、完成したテレビ向けのプレリリースを渡すにはどうすればいいのでしょうか。

まず、すぐに思いつくであろう「ファックス」ではダメです。プレリリースに写真・画像・表などが多用されているはずであり枚数が多く、しかもカラーだからです。

ですから、プレリリースは「手渡し」もしくは「郵送」をすることになります。

1:手渡し

なんらかの人脈からテレビ関係者に直接会えるのであれば、手渡しが良いでしょう。
テレビ関係者は多忙ですが、1~2分くらいなら口頭で情報を付け加えるのもありです。

2:郵送

手渡しができないのであれば郵送をしましょう。
また、郵送には「商品サンプルを送りやすい」という手渡しにはないメリットがあります。

郵送のあて先は「担当ディレクター宛て(個人)」「番組内の特定のコーナー宛て」にしましょう。熱意が伝わるのでできれば前者にしたいところですが、後者であれば「局内・番組内の人員構成」を知らなくても送れます。

ざっくりと「○○(番組名)宛て」としても採用される可能性は非常に低いです。
テレビ局側からすれば、「履いて捨てるほど送られてくるプレリリース」の一つでしかないからです。


執筆者・監修者
上岡正明
経済記者・経済コメンテーター
戦略PRプランナー・著書26冊累計105万部のビジネス作家
登録者25万人のYoutuber
上岡正明

MBA(多摩大学院経営情報学修了)
テレビコメンテーター
多摩大学客員講師(18,19)
帝塚山大学客員講師(19)
登録者24万人のビジネス系YouTube

「スーパーJチャンネル」「めざましテレビ」「王様のブランチ」「クイズミリオネア」等の元放送作家。日本を代表するPR戦略の専門家で、企業広報のスペシャリスト。未上場から上場企業まで戦略PRを手掛けたクライアントは300社以上。

広報ブランディング、新規事業構築、外資系企業の国内イベント、海外プロモーション支援のコンサルティング会社代表。現在まで約20年間、実業家として会社を経営。これまでに三井物産、SONY、三菱鉛筆、日本瓦斯など200社以上の広報支援、スウェーデン大使館やドバイ政府観光局などの国際観光誘致イベントなどを行う。

代表的なコンサルティング案件としては、日本中の女性たちの心を動かした「表参道のパンケーキブーム」、1年で200万台以上を売り上げた「ふとん専用掃除機レイコップ」、世界が注目する食イベント「肉フェス」、1カ月で6000万人(日本の約半分)にバズらせた「ジャポニカ学習帳“昆虫の表紙が変わった?”」がある。

経営と並行してMBA(情報工学博士前期課程)取得。東京都中小企業振興公社講師。成蹊大学、多摩大学、帝塚山大学の客員講師。東洋経済新報社、ダイヤモンド社、朝日新聞出版社、PHP出版、総合法令出版社、アスコム社、大和出版、すばる舎、宝島社から累計21冊80万部の著書を上梓。

日本神経心理学会、日本行動心理学学会、行動経済学学会、一般社団法人日本行動分析学会、日本社会心理学会、一般社団法人日本小児心身医学会、認知神経科学会の各学会員。

日経ヴェリタス・東洋経済オンライン・ダイヤモンドオンライン・プレジデントの4大経済メディアで専門家として記事連載もおこなっております。お読みになりたい方はこちらからご覧下さい。

①:東洋経済オンラインでの連載記事
②:ダイヤモンドオンラインでの連載記事
③:プレジデントでの連載記事
④:日本経済新聞での連載記事