社内広報の意味や役割と取り組むべき7つのポイントを徹底解説
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2020.01.20

社内広報の意味や役割と取り組むべき7つのポイントを徹底解説

社内広報のイメージ

社内広報と聞くと、何をしていいかわからないことも多いはず。
というのも、広報というと、どうしてもメディア関係者など外部に対する広報活動を連想すると思うからです。

ですが、いざ広報担当者になると意外と「社内広報」にもウエイトを置くべきだと分かるはずです(現に、四六時中外部と関わるわけでもありませんし)。
そこでまずは、社内広報で行うべきことを7つ紹介していきます。

*このコラム執筆者:「めざましテレビ」「王様のブランチ」元放送作家で累計55万部のベストセラー作家

 

社内広報の第一歩|まずは基本から

プレスリリースを作成シーン

「自社の社員に向けて、自社の情報などを伝える活動」のことを社内広報と言います。
「社内広報について全く考えたことがなかった!」という広報は、とりあえず社内広報の基本の部分から始めてみましょう。

そう、まずは広報が社内で認められる仕組みづくりです。これが、とても大切なんですね。

□社内広報を行う前にすべき事とは?

社内広報の一つに、「社長(やそれに準ずる役職の社員)の考えや理念を伝える」というものがあります。それができていないと社員が向いている方向がバラバラになるので、実は一番大事と言ってもいいくらいです。

ここで、「じゃあ自社サイトからインタビューなどを調べてそれっぽくまとめて……」と考えるようでは広報担当者失格です。
広報は必ず直接社長に会って話をしてください。

*関連リンク:社外広報はプレスリリース戦略から!リリース全知識はこちら

 

社内広報は社長との「1分会話」から始めましょう|会話ネタ4選

広報戦略の策定イメージ

社内広報ではまず「うちの広報担当は熱心でチャレンジングだ」と思ってもらえるように、毎日1分でもいいので、直に顔を合わせて会話してください。その際の「会話ネタ」をいくつか紹介していきます。

○1:メディア露出情報

テレビ・新聞・雑誌など、前日などに何らかのメディアに取り上げられたのであれば必ず報告しましょう。とはいえ、大手企業であっても毎日のようにメディア露出する事はまずありません。

ですから「同業他社のメディア露出情報」を交えても構いません。
ただし、「あの会社に比べてウチの会社は……」というニュアンスが出ないようにしましょう。

○2:新商品情報

自社、同業他社の新商品情報があればそれを報告するのも手です。
ただし、ただ単に「○○という商品が発売されました」とだけ言っても意味がないので、その商品に対する感想や、売上予測なども報告しましょう。
すでに商品・サービスに対するクチコミ、SNSマーケティングなどの実績が出ているのであれば、それを伝えるのも良いでしょう。

「毎日1分」と聞いてどのような印象を受けたでしょうか。
意外と長いということをお忘れなく。文字数にすると300~350文字くらいにはなります(実際には社長も反応するでしょうから、もっと短い文字数になるでしょうが)。

○3:他部署の活動模様

「マーケティング部署がこのような活動をしています」と、広報が個人的に興味を持った活動について報告するのも良いでしょう。もちろん、これに関しても広報自身の感想などを交えます。
「他部署のことも見ているのだな」と信頼されるかもしれません。

○4:次に掲載を狙っているメディアについて

「次回は新聞のこうしたコーナーへの掲載を狙っています」という報告です。
もちろん1分には足りませんしそれだけでは味気ないので、「過去にそのコーナーに取り上げられた他社」「そのコーナーを狙っている理由」なども交えましょう。

主に上記の4種類のネタがあると感じますが、基本的にどのような話でも構いません。
それでも「仕事と全く関係ない話」をするのは推奨しませんが、社長のほうからその類の話を振ってきた場合はタイミングを合わせて話題に乗ってください。

○「この話、社長は知っているんじゃないの?」について

ここまでの解説をご覧になって「その話を既に社長が知っていたらどうしよう……」と感じたかもしれません。
実際、「1分会話」を始めてすぐのうちは「それはもう知っているから、わざわざ報告しに来なくていいよ」くらいのことは言われるかもしれません。

ですが、そこで先ほども説明した「情報に対する広報担当自身の感想・見解」がものを言います。それで鋭い事を言うことができれば、むしろ社長にも一目置かれる事でしょう。
それが無理でも、とにかくあなた自身の言葉を付け足してください。

そうして1分会話の習慣が続けばむげに扱われることはなくなります。

*参考リンク:基本も大切!今さら聞けない広報部門の5つの役割を徹底解説

 

「1分会話」をしやすいタイミングは3つ

○1:社長が出社するタイミング

社長が出社してくるときに顔を合わせることができれば、自然に会話することができます。
イメージとしては「ビルなどの入り口から社長室まで話しながらついていく」という感じです。
これなら、社長にとって全く負担になりません。ただし、「話したい!」という気持ちが強すぎると、案外朝の挨拶を忘れがちなので気を付けてください。

○2:社長の食事中

社長の食事のタイミングが分かるのであれば、そこで会話をするのも良いです。
社長が許すのであれば一緒に食事をするのもアリです。

ただ、会食などについていくのはさすがにNGです。また、「食事は一人で摂りたい」という人もいるでしょうから無理強いは禁物です。

○3:社長の車での移動中

社長が社内用自動車などで移動する際に一緒に乗せてもらうというのも手です。
「密室感」があるので、普段よりも深い話ができる場合もあります。リラックスして会話できるかもしれません。
もちろん上記以外にも会話しやすいタイミングがあれば狙ってみましょう。広報担当にとって非常に大事な仕事ですから「1分会話」をするためだけにかなりの時間を割いても構いません。

経営者と社員

 

■社長・広報担当のリアルな心情|社長は寂しがり屋?

「1分会話」ができないほど忙しい企業はほぼないと思います。
しかし、それでも1分会話がこなせないケースが少なくありません。

なぜなら、社長が、

・他の社員に心を開かない
・広報の仕事の重要性を理解していない

もしくは、広報担当者が、

・社長に遠慮している
・社長にアプローチする勇気がない
・できればそんな偉い人と話さずに無難に過ごしたい

などと考えている場合が多いからです。
もちろん社長と広報が互いにこのように思っている可能性があります。

まさか、社長の気持ちがいきなり変わって、社長のほうから広報に歩み寄ってくるとは考えにくいです。
ですから、広報担当のほうから勇気を出してアプローチしましょう。その方法こそが1分会話なのです。

そして、実は「自分とコミュニケーションを取ろうとする骨のある社員はいないだろうか」と考えている社長は少なくないようです。
もっと言えば「社長」という立場ゆえに徐々に本音で接してくれる人がいなくなって、寂しい気持ちになっていく場合もあるようです。

そこで、広報が臆せず社長にぶつかっていけば効果バツグンです。「社長」も「広報」も同じ会社の社員です。変に顔色を伺うのはやめましょう。

○1分会話の習慣ができれば準備完了

完全に1分会話の習慣が構築されれば準備完了です。
社内広報をするときに限らず、必要に応じて「社長の方針・思想・考え」などをどんどん聞きましょう。

○補足:定期ミーティングがあれば1分会話は不要か?

1週間~1か月に1回程度、広報と社長を含めた定期ミーティングを行っている会社もあるかと思います。その場合、1分会話は不要なのでしょうか。

いいえ、そんな事はありません。
なぜなら都合によってミーティングが流れたり、社長が出席できなかったりする場合があるからです。
また、1分会話が持つ「俺とわざわざ話をしに来てくれた感」は、定期ミーティングでは出ません。

ですから、定期ミーティングがある場合も毎日必ず1分会話を続けましょう。

 

社内広報の活動ポイント7つ

社内広報の活動イメージ

ここからはいよいよ社内広報活動の実践編です。

○1:各種数値を社内に浸透させる

売上高や前年同月比など、各種数的データを社内に浸透させましょう。
そうすることで、「あの社員と、この社員で言っていることが違う」という事態を防ぐことが可能です。

また、「外部に公表していい数値」と「してはいけない数値」をハッキリさせるという意味合いもあります。「公表してはいけない数値」についてはあえて全体に伝える必要はありません。

人間は結局のところ数値が大好きです。数値によってモチベーションを上げる生き物です。
(学生時代、テスト自体は嫌いでも『テストの点数の話やうわさ』だけは好きだったはずです)

例えば「ウチの会社は毎月何らかの数値が更新される」と分かれば、更新間近のタイミングになると楽しみで内心ソワソワし始める社員も出てくるはずです。

○2:自社のビジョンや経営理念を浸透させる

「広報活動によって間接的に売り上げを伸ばすこと」も広報担当者の大事な仕事です。

それと同様に、間接的にそれに役立つこととして、重要な役目は「社長のビジョン・考え・理念などを広く伝えること」です。
もちろん、外部にもこれらを伝える必要がありますが、まず身内に浸透していないようでは困ります。

ただ、広報が社長から十分なヒアリングができていない場合、上記の事ができるはずがありません。と言いますか、広報活動自体がまともに行えなくなります。
ドキッとした方は、まずは社長と週に30分でも良いのでコミュニケーションを取ることから始めてください。

○3:メディア露出報告

「このメディア(新聞、雑誌、テレビなど)に取り上げられました」と伝えることを指します。こうする事でもやはり社員のモチベーションはアップします。

特に新人社員のうちは「そもそもなぜこのような仕事をするのだろうか」と思い悩む場合もあります。しかし、メディアに好意的に特集されたと知れば「世の中の役に立っている」などと自信を持つことができるかもしれません。

また、「外部の人に言われて、初めてメディア露出を知った」という事態を防ぐこともできます。実際、外部の人の中には「この間のテレビ観ましたよ!」などと話題のきっかけにしてくれる方も多いです。

*関連リンク:必須知識!プレスリリースの戦略を1分で理解する

○4:ライバル企業や業界の情報を伝える

こうすることで、自社の活動の参考にすることができますし、やはりモチベーションを高めることにも繋がります。

ただし、「社員がライバル企業に対して過剰な対抗心を持つことのないような記事」にしてください。
逆に「あの企業はあんなに先進的な取り組みをしているのに、我が社は時代遅れ……」などと卑下する方向にも持っていかないようにしましょう。

社員の精神状態が不安定になる恐れがあり、社内の空気がどことなく悪くなってしまう可能性があるからです。

○5:会社内のイベントの計画や告知

食事会や交流会等のイベントの計画を練ったり、その告知を行ったりしましょう。
後述する「社内報」では「社員の情報」を記すことが欠かせませんが、食事会などを通じて仲を深めていくと取材に協力してもらいやすくなります。

○6:社内報作成・掲示

社内報では「各事業部の仕事紹介」「社員の紹介」などを行っていきます。
規模の大きい会社だったり、一堂に集まる機会が極端に少ない会社だったりすると「そもそもどんな部署があるかさえ分からない」という事になりかねません。

一方、社内報を通じて「他部署の存在」を実感できれば、集団意識などが生まれてくることでしょう。

○7:パンフレットなど外部に見せるもののチェック

パンフレットや企業案内の作成や確認もします。
ちょっとした配布物などであれば、他部署が作ることもあるかもしれませんが、それに関しても最終確認だけは引き受けましょう。

また、「他部署が社内限定で配るプリント」なども、できる限りチェックしてください(そういう仕組みを作りましょう)。
「社内だからそこまで気にしなくて良いのでは?」と感じるかもしれません。
ですが、特に規模の大きい会社の場合は、たとえ社内であっても間違った情報を流してしまった際にカバーするのは案外大変です。
それに、間違った情報が流れてしまうこと自体、社員のモチベーションや「自社への信頼感」を下げることに繋がりかねません。

 

社内広報で特に大切「メディア露出報告」!工夫しないと誰も広報を評価しない

社内広報の露出報告

「広報」という仕事は他の部署からすると得体の知れないものです。
何か開発するわけでもなければ、直接仕事を取ってくるわけでもない。それなのにテレビに出たりメディア関係者を食事をしたりと、「楽をして良い思いをしている」と感じられてしまってもおかしくありません。

広報担当者としては理不尽に感じるでしょうが、一度でも他部署に対してネガティブな感情を抱いたことがあるならば、不満を抱く資格はありません。それよりも「メディア露出しました」と適切に告知することを考えましょう。

●まずは告知!だが注意点もある

新聞・雑誌などに掲載された場合は、掲載日の早い時間に告知すれば大丈夫です。
著作権のことを考慮する必要がありますが、社内全員が記事を見られる状態にするのも良いでしょう(実物の新聞・雑誌を社内に置く、一定期間掲示する、など)。

ただ、少し注意が必要なのがテレビです。番組側から「本当に放送されるかは分からないから、事前に周りに言いふらさないでくれ」と頼まれる可能性が高いからです。「ガイアの夜明け」など「そもそも企業を紹介する番組」であればほぼ大丈夫ですが、「ヒルナンデス!」など「ワイドショーの一部」で放送される予定の場合は、緊急ニュースなどで潰れてもおかしくありません。

だからこそ、テレビ番組の告知をする際は「放送されない可能性もあります」という文章を必ず添えましょう。
他の社員にとっては、それが予防線に見える場合もあります。そのため「緊急ニュースがあればそれが優先されるため」などと理由もハッキリ記載することを推奨します。

意外と「番組側に言われたのだから社内にも告知しない」という選択をしてしまう、社内広報の意欲の少ない広報担当も少なくありません。
無事、放送されたのであればミーティングや全社会議などで映像を公開する場を持てばいいわけです。しかし、緊急ニュース等で潰れてしまえば、「テレビ番組の枠を勝ち取っていた」という事を社員にアピールできなくなります。

●掲載・放送後は社内アンケートで感想をもらう

さらに記事掲載・テレビ放送などが終わったら、社内アンケートなどで感想を集めましょう。

  • 良かった点
  • 触れてほしかった点
  • 触れずにいてほしかった点
  • 別の伝え方をしてほしかった点

などなど、アンケートに色々な項目を作ってください。
「自由記入欄」もあったほうが本音の感想を聞き出しやすくなります。

また、正直な意見を聞くためにも匿名アンケートにすることを推奨しますが、「年齢・性別」だけは書かせたほうが良いでしょう。「女性はこう思っている」「男女で感想が違う」などの傾向を掴みやすくなります。それから、ご家族・友人・知人などにも感想を聞きましょう。あらゆる意見が参考になります。

社内広報の本格的な掲載アピールのための必要項目3つ

「新聞・雑誌に掲載されました」
「テレビ放送予定ですが、中止になる場合もあるのでご了承ください」
という文章だけで済ませるのはあまりにもったいないです。

メディアへのファクトブックを作成する時と同じくらいの熱量で、「メディア露出報告書」を作成しましょう。その際の必要項目を挙げていきます。

♡そのメディアでの露出を狙った理由、露出に至るまでの活動

・4月に放送されることで5月の売れ行きが伸びるはずだから
・「○○週刊誌」の読者層に認知される事で自社の印象がよくなるから
・社長の想いを広く知らせる事で自社のイメージがよくなるから

など「そのメディア露出の目的」をきちんと知らせてください。
それだけでも「広報も、ちゃんと意味のある仕事なんだ」と思ってもらえる可能性が高いです。

♡企画内容

具体的にどのようなファクトブックを送ったか、どのような撮影・取材協力をしたかなどを細かく掲載します。

例えば、

  1. :メディア掲載の半年前に着手
  2. :2020年頃から「伊達メガネブーム」の兆しが見えていたので、それを先取りする形での「自社の伊達メガネ」のメディア掲載を狙った
  3. :主に「超軽量」を売りにしてメディアにPRした
  4. :5回に渡り記者と相談して調整した

 

など、手順を明確にまとめてください。
これによりさらに広報の仕事内容が分かりやすくなりますし、何より詳しく書いたほうが、読む側としても面白いです。

♡メディア掲載結果・広告換算値を載せる

特に複数のメディアに掲載された場合は、ひとつも余さず記載しましょう。

そして、それぞれに対して「広告換算値」を載せます。広告換算値とは、「その枠をお金で買った場合の金額」のことです。
(『広告換算値』と言われても他部署の社員には分からないので、一言説明を添えましょう)

特にテレビ番組の場合は数千万~数億円になってもおかしくないため、強烈な社内アピールになります。

●社内広報の掲載アピール方法まとめ

広報担当者の悩みとして多いのは

・仕事内容を理解してもらえない
・仕事の価値を理解してもらえない
・ある事ない事言われてしまう
・時間がない
・予算がない
・社長など、他の社員に協力してもらえない

などです。
しかし、冒頭でお話ししたとおり「広報」というのは、とにかく得体の知れない仕事ですから仕方ありません。嘆いていても何も変わらないので、できる事から取り組みましょう。「社内アピール」も「できる事」のひとつです。

そして「本当に時間がなくて、何らかの事ができないせいで、何らかの方向の理解が得られない」のであれば受け入れるしかありません。
他部署に対して「よく分からない……」などのイメージを抱いた事が一度でもある場合は、「なんで分かってくれないんだ!」と不満を言う資格はありません。

 

正当に評価されたい広報担当者は「評価のされ方」を自分で決めよう

社内広報担当のイメージ

●そもそも「評価される」とはなにか

広報担当者の中には「正当に評価されない……」と悩んでいる人が少なくありません。
しかし、広報という仕事は他部署からすると、率直に言って「謎の仕事」でもあるので仕方がない事です。

また、そもそも「評価」とは何のことでしょうか。
社内で表彰される事でしょうか。「あなた、凄いね」と言ってもらう事でしょうか。給料が上がる事でしょうか。

そうです。実は「評価基準」がハッキリしていないがゆえに適切に評価されない、評価されている実感がないのです。この評価基準ですが、広報担当者主導で作ってしまって構いません。と言いますか、他の誰も作ってくれません。

●広報担当者の評価基準は主に3つある

以下のような評価基準を定めたら上司などに提案しましょう。
「社員の評価をする役割がある役職」がある場合は、もちろんそちらに相談します。

○1:メディア露出数と質

まずはメディア露出の「数」です。
しかし、極端な例ですが「息子さんの学校の学校新聞に載る」のと「全国ネットのテレビ番組で紹介される」のとでは価値が違うので「質」も考慮します。
そのためにもメディアの種類によって、自分や部門内で「点数」を決めましょう。それだけで活動の優先順位が変わってきます。

(例)
全国ネットのテレビ→10ポイント
地方局→8ポイント
BS→7ポイント
CS→5ポイント

中央紙→8ポイント
経済紙→6ポイント
地方紙→4ポイント
有名雑誌→10ポイント
(部数、自社業界との関連度などで点数をつけていく)
有名インターネットメディア→7ポイント
(雑誌と同様の発想で点数づけ)

ここまでは「掲載された」という事実に点数をつけますが、「記事内容」「自社が目立っているか(主語になっているか)」などの部分にも点数をつけていきましょう。また、「マイナスの内容の報道になった」という場合は、点数もマイナスします。

これらの評価は他部署にはしにくいため、広報担当者が一人しかいない企業の場合は難しいかもしれません。ですが、できる限り取り入れましょう。そうする事で、「メディア露出という事実だけで満足する」ことがなくなります。

○2:アクション数と質

「新規提案を出した」「メディア露出予定ができた」「いいアイデアを出した」
などの事実に対してもポイントをつけます。
こうする事で「目に見える成果に繋がらなかったアクション」も正当に評価されるようになります。特に「メディア露出予定があったのに、緊急ニュースなどで潰れた場合」などに意味を持つことになります。

「月間○10ポイント以上」などのノルマを設定するのも良いでしょう。
ただし、あからさまな点数稼ぎのためのアクション(実現性の低すぎるアイデアを出すなど)などがあれば減点する必要があります。

○3:社員からの感謝数

「社員」がいるからこその、あなたの会社です。
そして、広報の仕事に限らず、会社の全ての仕事は究極的には「そうした社員に貢献することを」が目的にあります。

だからこそ「社員からの感謝数」が客観的に分かるようにしている企業が最近増えてきました。

実例としては、
・社員は毎月5ポイントずつ持つ→サポートしてもらった社員に1~5ポイント渡す→月末に持っていたポイント数×1000円のボーナスが出る
・「アイデア」「やる気」などのコインを社員が持つ→該当する社員にコインを渡す→コインが多い社員は表彰
・5万円、1万円、5000円、-5000円などのコインを社員内で送り合い、半年に1回現金に換算できる

などの制度を設けている企業があります。
(ただ、3番目の「-5000円」のようなマイナス要素を設ける場合は、「社員の民度」が高くなければなりません)

「でも、自社にこんな仕組みはない……」というのであれば、広報担当者が主導になって作るのも良いでしょう。

●「正当な評価」に繋がりにくい2要素

反対に「これを基準にすると評価がぐらつきやすい要素」も主に2つあります。

○1:広告換算値

「このメディア露出(テレビ、新聞・雑誌掲載など)をお金で買うと100万円になる」という指標のことを「広告換算値」と言います。
「メディア露出を社内アピールする場合」はインパクトがあるので、広告換算値を使うのは悪くありません。

ですが、意外と計算が大変ですし、「テレビ放送〇秒につき○円」「新聞掲載面積○㎠につき○円」などで換算するのですが、その基準が公表されていなければ、正確に算出することができません(予測値になってしまいます)。

また、後述しますが「どんなメディアでも露出できればいい」というわけではありませんし、「ネガティブな露出をする」事もあるわけです。ですから、広告換算値を評価基準に据えるべきではありません。そもそも、「広告換算値って言われてもね……。それが広報の仕事なんだろうし、自慢されても……」と感じる人も少なくありません。

○2:メディア露出の「数」だけで考えてしまう

先ほどは「数と質」の話をしたわけです。
「数」だけにこだわってしまうと、「ネガティブな報道」「内容が間違っている掲載」などに繋がってしまう恐れがあります。

ですから、「どうしても数に走ってしまう!」というのであれば、「『メディア露出自体』にポイントをつけるのをやめて、『メディア露出の採点の幅』を変える」ことを考えてみましょう。

例えば、全国ネットのテレビなら採点の幅を「-100~100」にする、ラジオなら「-10~10」にするという感じです。これなら、数だけに拘泥する事はなくなるでしょう。

●まとめ~「話せば分かる」では無理

学校の通知表を作る先生は、生徒一人一人をじっくり見ていますので、生徒側から何もアピールしなくても正当に評価してくれます。

ですが、会社の場合は「じっくり見てくれる先生」にあたる人物がいないわけですから、「評価のされ方」を広報担当者自身が決める必要があります。「自分の頑張りは、話すだけで分かってくれる」などという事はありません。そもそも、その話を聞いてくれる人がいるかどうかさえ怪しいものですから。

 

広報担当者が効率よく社内情報をゲットする4つの手段

引用画像_メディア懇談会の風景

広報の仕事をする上では「社内情報」が必要になりますよね。
「この部署がこんな取り組みをしている」「こんな社員がいる」などなど……。

ですが、その社内情報がなかなかゲットできないと悩んでいる広報が少なくありません。
そこで最後に、社内情報を効率よく集める方法を紹介していきます。

○1:「社内報」の作成は必須です

社内報には「社員の団結力のアップ」など、色々なメリットがあります。

そして、社内報があると「社内報のために取材に協力してほしい」などと社員に頼みやすくなります。また、支社や営業所がある場合はそこにも行きやすくなります。

そうです。社内報はいわばコミュニケーションツール。
「社内報なんてなくても助けてほしい」というのが広報の本音かもしれませんが、他の社員からすれば「なんで話をする必要があるの?え?」と素直に困惑しかねないので、社内報という「理由」を作っておくことが大事です。

○2:他部署の会議にできるだけ出席する

他部署の会議に参加すると、「今のトレンド」「部署としてのこれからの動き」「部署が抱えている課題」などを効率よく知ることができます。

広報担当を参加させることに直接的なデメリットはありませんから、あっさり受け入れてくれる部署が多いでしょう。深く考えずに「まあ、それも広報の仕事なのかな」と思ってくれるかもしれません。

拒否された場合は、

・広報の仕事の一環なので協力してほしい
・頂いた情報を活かして、広報としてお役に立つことができます
・今広報として最も興味がある部署なのです

などと言って交渉してみましょう。
ちなみに、他の部署にも「あなたのところが一番」などと言うと信頼性がガタ落ちするので、複数の部署と交渉する場合は「強い興味があります」など、上手い表現をしましょう。

○3:メーリングリストに参加する

とりあえず社内メーリングリストには必ず参加してください。

そして、「○○に関する情報があれば教えてください」「○○をしている方は取材させていただけませんか?」などと一斉メールを送ってみましょう。
「誰かが返事をしてくれるだろう」とほとんどの人が考えるため打率は低くなりますが、労力は少ないため「やらないだけ損」です。

また、そうした発信をしていると、少なくとも現状に甘んじないあなたへの協力者が必ずあらわれます。
それから「各部署限定メーリングリスト」があれば、それにも参加させてもらいましょう。
メールのやり取りを見ているだけでも情報を集める事ができます。

また、「営業部署の皆さん、導入事例に関する情報を頂けないでしょうか」と言えば、普通の社内メーリングリストに比べて返信率が高くなります。社内メーリングリストとは違って、「部署として協力してあげよう」という気持ちになるからです。

ただし、注意点が2つ。

♡目立ちすぎない

一つ目ですが、必要な発言をするとき以外、基本的に「空気」に徹してください。
「いい、取り組みですね!」などの御機嫌取りは不要です。
妙に存在感を出すと鬱陶しがられます。最悪の場合、「広報に黙って別のメーリングリストを作る」なんて事になるかもしれません。

♡部門責任者から許可を得る

二つ目。どんな些細な情報であっても、外部(社内を含めて)に出す場合は責任者などから許可を取ってください。そうでないと「情報を掠め取る盗人」になるので、完全に拒絶される事でしょう。

○4:協力者を作る

できれば、各部署に「情報を教えてくれる協力者」を作りたいところです。
もちろん「密偵」ではなく、「公然の情報提供者」でなければなりません。

ただし、頼む場合は「断れない雰囲気」を作らないよう注意してください。また、社内のサークル等で一緒になる人がいれば、その人にも頼みやすいはずです。そして本当に困難なことだとは思いますが、社長などに直談判して各部署に「情報提供係」を明確に作ってもらうのも良いでしょう。

●まとめ

「1」の「社内報を作る」はまだしも、会議への参加、メーリングリストへの参加、協力者作りは、全部「相手があってこそ」であるとも理解しておきましょう。
その認識が甘く、「同じ社員なのだから協力するのが当たり前」という態度でいると誰もついてきません。

妙に下手に出る必要はありませんが、「どうすれば快く協力してもらえるか」を常に考えて行動してください。

 

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◎この記事を書いた人:上岡正明
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MBA(多摩大学院経営情報工学修了)
一般社団法人日本脳科学認知協会 理事、一般社団法人小児発達心理学学会 理事
株式会社フロンティアコンサルティング代表取締役

27歳でPR戦略、新事業開発のコンサルティング会社を設立。現在まで約20年間、実業家として3社のグループ会社を経営。
これまで、三井物産、SONY、三菱鉛筆など200社以上の広報支援、スウェーデン大使館やドバイ政府観光局などの国際観光誘致イベントなどを行う。また、大学院にてMBA(情報工学)修了。海外大学外部機関にて認知脳科学と神経心理学を研究、東京都公社や全国の大学で講演。それらは常に人気を博し、2ヶ月先まで予約が取れないこともある。

また、日本を代表するテレビ放送作家、脚本家としても活躍。「スーパーJチャンネル」「めざましテレビ」「ワールドビジネスサテライト」「タモリのスーパーボキャブラ天国」など人気番組、脚本家として日本テレビ系列のドラマ「ストーリーランド」を手掛ける。ビジネス作家としてはダイヤモンド社、朝日新聞出版社、総合法令出版、アスコムなどから8冊の著書を上梓。中国、台湾で翻訳本が出版され、シリーズ累計30万部(Amazonの著者紹介ページ)。所属学会として日本神経心理学会、日本行動心理学学会、行動経済学学会、一般社団法人日本行動分析学会、一般社団法人日本脳科学認知学会、一般社団法人小児発達心理学学会などがある。

【この記事を執筆した上岡正明の主なメディア露出実績(外部リンク)】
・上岡正明が特集された東洋経済オンラインの記事
・6000万人にクチコミを広げた事例を紹介する朝日新聞系メディアの記事
・戦略PRについて語る戦略経営者の特集記事
・上岡正明がインタビューを受けた週刊ダイヤモンドの連載記事
・多摩大学院公式サイトでベストセラー作家の卒業生として紹介されました