広報対策とは?「弱いネタ」が採用されない理由と5つの解決策
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2019.12.12

広報対策とは?「弱いネタ」が採用されない理由と5つの解決策

効果的な広報対策について、あなたはいつも頭を悩ましていませんか?

「記者などに褒められたりするものの、実際に記事にしたり、テレビで取り上げたりはされない」という悩みを持つケースは少なくありません。というか、じっさいに広報担当として仕事をしていると、そのような場面ばかり目にするようになります。

では、「褒められるだけ」でなく、「記事にしてもらう」ためにはどうすれば良いのでしょうか。
そんな広報対策について、今から具体的に解説していきしょう。

 

広報対策の前に、そもそもなぜ記事にしてもらえないの?

広報対策を思案する女性のイメージ

広報対策以前に、あなたネタが記事にしてもらえない理由はかなりシンプルです。
それは、他にも面白いネタがたくさんあるから。

大手メディアであればあるほど、日々、大量のネタが飛び込んできます。そのため、その中で競争に勝たないと取り上げてはもらえません。そのため、「面白い」という言葉は狙って作ることに価値があります。

出版社やテレビ局などは、つまらないネタにお世辞を言うほどヒマではないからです。
だからこそメディアに興味を持ってもらえたのであれば、そのネタを「採用されるネタ」に進化あるいは深化させないのは勿体ないと言えます。

*一番人気の記事⇒元報道ディレクターが教えるプレスリリースの書き方

 

記事にしてもらうための5つの手順

対策のヒントを見つけ出す男性

では、自社の企画やネタを記事にしてもらうプロセスをご紹介しましょう。

■1:自社のネタと世の中のトレンドを摺り合わせてみる

メディアは「特定のネタ」を発信するだけでなく、「今、世の中ではこのようなものが流行っています」「世の中はこう変化してきています」などの情報を広めたいと考えているものです。

例えばあなたの企業が外食関係の会社であり、「飲食代定額サービス」を実施しているとします。

この場合、単に「ウチの会社はこういうサービスをしています!」というだけでは弱いです。
(実際、飲食店代定額サービスを導入するお店がある程度増えてしまっていますしね)
そうではなく、「ウチの会社だけでなく、他にもこういったサービスをしている企業が複数あります」「海外のサブスクリプションの最新事例はこちらです」といった伝え方をするのがベストです。

■2:具体例を出してみる

「飲食代定額サービス」を例にとって考えてみます。
プレリリースに説得力を持たせるべく、具体例を出してみましょう。

◆例1:ラーメン店A
月額サービス(月額10000円で1日1杯まで)を導入することで、売上が20%アップした。
また、売上の予測がしやすくなったとのこと。
定額メニューのラーメンには特定のトッピングしか乗せることができないが、客からの不満はほぼないようである。
そのため、通常、飲食時限定のトッピングの仕入れを抑えて、より利益を伸ばすことも検討しているそう。

◆例2:居酒屋B
月額3000円で特定のアルコールメニューを毎日1杯飲めるようにした。
「定額の部分」だけで見ると赤字だが、

・他のメニューも頼む客が大半なので「平均客単価」はむしろ伸びた
・客足が伸びた(1000円なら……ということで興味を持つ人が多いのであろう)
・「居酒屋」の検索サジェストの上位に名前が出るようになった

などの成果があった。

◆例3:漫画喫茶C
月額5000円で月間30回までの食事メニューを注文できるコースと、月額15000円で無制限に注文できるコースを準備したところ、売上が30%アップした。
食事だけを目的に来店する客も増えたが、それでも座席料を回収することができるのでマイナスにはならない。また、食事後すぐに退店する客が増えて回転率が上がった。

※上記の3つは架空のお話です

以上のように、できるだけ具体的なデータも交えつつ、3つ以上の事例をまとめておきましょう。

■3:自社のサービスの特別な部分をまとめる

A~Cの店と同じような紹介をしていると埋もれてしまいますので、自社独自の定額サービス特有のメリットをまとめてみましょう。

例えば

  • 月額ではなく「週額」でありユーザーが損をしにくい環境になっている
  • メニュー数が多い
  • 月額料金は比較的高いが、選択できる料理メニューに制限がない
  • 一流シェフが料理をふるまう
  • 会員同士の動画コミュニティがある

などですね。

■4:「飲食代定額サービス」が抱えている問題点を紹介する

良いところばかり紹介していても説得力は出ないものです。
ですから、つぎに飲食代定額サービスが抱える問題点も挙げておきましょう。

・予想外に人気が出てしまえば利益が落ちる

飲食代定額サービスは、基本的には「薄利多売」の意味合いが強い戦略ですよね。
そのため、客足が予想を超えて伸びたり、「一人一人の月間の平均食事回数」が想定より多かったりすればむしろ赤字になってしまうかもしれません。

・客の健康状態が問題視される可能性がある

特にラーメン店など、メニューが高カロリーになりがちな店で飲食代定額サービスを実施したとしましょう。
すると「客の栄養状態」が悪くなり、健康面に影響が及ぶ可能性があります。
そうなってしまえば、店の評価が低くなるかもしれません。
また、そもそも飲食代定額サービスを始める時点で、「健康面に問題がありそう」などと評判が悪くなる恐れがあることを覚悟しておくべきでしょう。

・美味しくなければ成立しにくい

「定額でも食べたい」と感じるのは、なにも「食費を抑えたいから」だけではありませんよね。「ハイペースで食べても良いと思えるほどに美味しい」からこそ、月額契約をしてくれるわけです。

「味に自信がある」か、もしくは「コンスタントに食べれば劇的に食費が安くなる」のでなければ、サービスを始めても顧客が増えない可能性が高いです。
また、「飲食代定額サービスをします!」と宣言した時点で、どうしてもチープな印象を抱かれてしまうことでしょう。

■5:一つ一つの問題点に対する解決策を示す

そして、少し面倒に感じるかもしれませんが、それぞれの問題点に関する解決策を挙げていきます。

・予想外に人気が出てしまえば利益が落ちる
例えば「先着5名にして利益をコントロールする」ですとか、「期間限定にする」などの方法があるでしょう。

・客の健康状態が問題視される可能性がある
「サラダを必ずセットにして、食べ残し厳禁という決まりを作る」という方法があります。
また、「問題視されたとしても、その声を無視する」という手段も当然あるでしょう。とくにラーメン店などの場合は、野菜をあまり出せませんしね。
ただし、その場合は「悪評を無視しても大丈夫な根拠」を示したほうが良いと思います。

・美味しくなければ成立しにくい
食べログの評価や、日々の客足の多さなどを根拠にすると良いでしょう。
また、「先着5名」など人数を少なめに設定しておけば、それほど味が高く評価されている店でなくても、定額サービスが成立するかもしれません。

■ここまでのまとめ

トレンドと自社のネタを摺り合わせる→具体例を出す→自社特有のメリットを示す→商品やサービスの問題点を示す→問題の解決策を示す!
という手順で進めていくと良いでしょう。もちろんケースや市場環境によって、色々と調整してください。

そして、目指すべきなのは、「記者が見て、そのまま記事にできるような状態のプレリリース」です。
記者からすれば自分たちで動いて、ネタを探す必要がないので、これほど助かることはありません。

*参考リンク:1分でわかる!戦略PRで対策をつくろう

 

5つの手順を実践するために必要な2つのこと

広報対策を構築する男性

もちろん、何の備えもなしにいきなり上記のようなプレリリースを作ることはできません。
では、どうすれば実践することができるのでしょうか。必要な作業をいくつか紹介していきます。

■1:日頃から幅広く物事に興味を持ち、柔軟に捉える

本記事では「飲食店」という比較的身近な業界を例に出しましたから、具体例も見つけやすかったはずです。

しかし、場合によっては「そもそも独自性が強く、他とひとくくりにしにくい」ということもあるでしょう。「独自性があるならば、記事にしてもらえるのでは?」と感じるかもしれませんが、ベンチャー・中小会社に関しては、それほど甘くないと言えます。

ですから、一見関係性の薄そうなネタでも、自社のネタと結び付けられるような発想力が必要です。

■2:他会社の広報と繋がっておく

他企業の広報担当と繋がっておけば、「ウチの会社と、あなたの会社で何かテーマ性が共通したネタはないだろうか」などと相談して、お互いに広報し合うことができます。
都合がつけば、共同で出版社・新聞社・テレビ局などに売り込んでみても良いでしょう。

また、あなただけが「他の企業のネタのメディア紹介をした」場合でも、後々、そのお返しとしてあなたの会社のネタを紹介してくれるかもしれません(もちろんお互いに許可を取り合っておきましょう)。

■「そこまで頑張らない」のもアリです

言うまでもなく、上記のことを全てこなすのは非常に大変です。ですから、きちんと集中と選択をして、「そこまで労力を注がない」というのも選択肢の一つとしてください。

例えば、

  • トレンドとの摺り合わせまでは行っても他社の活動はまとめない
  • 自社と他社の活動をまとめることまではしても問題提起などはしない

などといったことですね。
「ネタの重要性」に応じて、力の入れ方を変えていきましょう。
広報担当者には色々な仕事がありますから、全ての作業にフルパワーで取り組むわけにもいきませんからね。

弊社の事例でも、同じプレリリースを何度も送り続けることで採用される(記事になる、テレビ番組で特集されるなど)可能性もありますので。色々と取り入れて、試してみるぐらいの脱力感も大事になるかもしれません。


執筆者・監修者
上岡正明
経済記者・経済コメンテーター
戦略PRプランナー・著書26冊累計105万部のビジネス作家
登録者25万人のYoutuber
上岡正明

MBA(多摩大学院経営情報学修了)
テレビコメンテーター
多摩大学客員講師(18,19)
帝塚山大学客員講師(19)
登録者24万人のビジネス系YouTube

「スーパーJチャンネル」「めざましテレビ」「王様のブランチ」「クイズミリオネア」等の元放送作家。日本を代表するPR戦略の専門家で、企業広報のスペシャリスト。未上場から上場企業まで戦略PRを手掛けたクライアントは300社以上。

広報ブランディング、新規事業構築、外資系企業の国内イベント、海外プロモーション支援のコンサルティング会社代表。現在まで約20年間、実業家として会社を経営。これまでに三井物産、SONY、三菱鉛筆、日本瓦斯など200社以上の広報支援、スウェーデン大使館やドバイ政府観光局などの国際観光誘致イベントなどを行う。

代表的なコンサルティング案件としては、日本中の女性たちの心を動かした「表参道のパンケーキブーム」、1年で200万台以上を売り上げた「ふとん専用掃除機レイコップ」、世界が注目する食イベント「肉フェス」、1カ月で6000万人(日本の約半分)にバズらせた「ジャポニカ学習帳“昆虫の表紙が変わった?”」がある。

経営と並行してMBA(情報工学博士前期課程)取得。東京都中小企業振興公社講師。成蹊大学、多摩大学、帝塚山大学の客員講師。東洋経済新報社、ダイヤモンド社、朝日新聞出版社、PHP出版、総合法令出版社、アスコム社、大和出版、すばる舎、宝島社から累計21冊80万部の著書を上梓。

日本神経心理学会、日本行動心理学学会、行動経済学学会、一般社団法人日本行動分析学会、日本社会心理学会、一般社団法人日本小児心身医学会、認知神経科学会の各学会員。

日経ヴェリタス・東洋経済オンライン・ダイヤモンドオンライン・プレジデントの4大経済メディアで専門家として記事連載もおこなっております。お読みになりたい方はこちらからご覧下さい。

①:東洋経済オンラインでの連載記事
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