今日は衝撃的なお話をします。それは、『広報担当者はまずプレリリース配信の常識を疑いましょう!』ということ。その名も、逆算式広報。きっと驚くと思いますよ。
多くの広報担当者が、
1:プレリリースを作る
2:プレリリース一斉配信サービスを使う
3:反応があればやり取りをして、なんとか取材などに繋げる
という手順を取っていると思います。
しかし、実際には3までたどり着かない場合がほとんどなのではないでしょうか。理由は、メディアヒヤリングからはじめていないから。
そのようなある意味での「負けグセ」がつくと、いつの間にか「プレリリースを送ったら終わり。あとは奇跡を待つだけ」という習慣ができてしまいます。それを防ぐためにおこなうのが『メディアヒアリング』となります。
メディアヒヤリングとは?メディアとネタを考える逆算プレスリリース
メディアヒアリングとは、情報を発信する前や直後に、メディアからネタへの意見を聞くことです。
広報担当にとってはとても大切な仕事です。情報発信だけでは、どうしてもメディアの興味を喚起することはできないからです。そのための「情報収集」がとても大切になるのです。
具体的に説明しましょう。これからPRするサービスや企業ブランディングに対して、その方向や切り口を考えても、それは所詮、企業側や広報側のスタンスでしあ借りません。このような一方的なコミュニケーションではメディア側の欲しい情報と乖離してしまうことがあります。
そこで、ここからはメディアヒヤリングから考えるネタ作りを紹介します。この機会にプレリリース配信までの手順を見直してみましょう。
正しいプレリリース配信までの4つの手順
大まかに説明していくので、ご自身で微調整してくださいね。
■1:ネタ出し
まずはプレリリースのネタ「出し」をしましょう。
この時点では、時間を掛けてネタ「作り」はしません。とりあえず他人に「こんなネタがあるんだけど」と大まかに伝えられるレベルになれば十分です。
■2:メディアヒヤリング:関係者の意見を聞く
手順2にして、いきなりメディア関係者に連絡をする事になります。
具体的に言うと、連絡が取れるメディア関係者に「今度こんなネタを発表するつもりですが、記事になる可能性はありますか?興味はございますか?」などと聞いてしまいます。
何人のメディア関係者と繋がりがあるかは広報担当者によって違いますが、誰か一人でも「ああ、もしかしたらイケるかもしれませんね」くらいの反応をしてくれたのであれば、少しは勝算があると考えることができます。
逆に反応が悪いのであれば、ネタをボツにするか、ネタの切り口を変えて再度チャレンジしてみましょう。
■3:ネタ作り/プレリリース作成
ネタに対する反応が良ければ、ネタ「作り」をしてまとめていきます。
そして、プレリリース作成まで進めていってしまいます。
■4:プレリリースキャラバンやリリース配布
完成したらプレリリースを配信します。一括配信サービスを使っても構いませんが、その場合も各媒体を調べて「掲載される可能性のあるもの」「掲載してほしいもの」に絞って送付しましょう。
例えば「化粧品関連の雑誌編集者」に対して、「釣り関係の新商品に関するプレリリース」を送っても意味がないわけです。「そんなことはさすがにしない!」と感じるかもしれませんが、「何も考えず大量配信するプレリリース一斉配信」のせいで、それくらいのシチュエーションになるのは日常茶飯事のようです。
ボツネタはどう扱う?ポイントは4つ
■1:ネタは必ず保管しておく
いつまたそのネタが必要になるか分かりません。
記憶的・物理的に捨ててしまわないように、何らかの形で保存しておきましょう。「ボツネタファイル」を作っておくと、それを見返すことで新たなネタが生まれる可能性があります。
このようにして「今は使えないから、一旦保管」と決めたのであれば、それ以上そのネタをこねくり回さず、別のネタを考えましょう。そうしないと時間がいくらあっても足りませんし、新鮮な発想が生まれなくなる恐れもあります。
■2:同じネタでも切り口が違えば価値も違う
すでに少し触れましたが、同じネタでも切り口を変えれば採用されるかもしれません。
例えば、
「社長の成功エピソードを売り出す(成功までの苦労も多少紹介する)」といったネタを、「社長のどん底エピソードを売り出す(今の成功にもちょっと触れる)」などと変えてみます。
また、
「我が社の新商品!」というざっくりしたネタの場合は、「リモートワークが当たり前の今だからこそ売り出したい!我が社の30~40代女性向け新商品!」などと、ネタを「詰める」という手法もあります。
■3:他人に見せる
ネタの分野によっては、他の部署の社員に見せることで良いアドバイスがもらえる可能性もあります。
■4:とりあえず自社サイトに掲載する
近年では、企業のサイトを見てネタを探そうとするメディア関係者も多くなりました。
ですから、「プレリリースにするまでもないネタ」があれば、自社サイトに載せてしまうのも良いでしょう。