セグメンテーションとターゲティングをちゃんと説明できる?6つのポイントをおさらい!
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2023.02.27

セグメンテーションとターゲティングをちゃんと説明できる?6つのポイントをおさらい!

現代の市場は、需要をはるかに超える供給で溢れる一方で、顧客のニーズは多様化しています。

万人向けの製品やサービスを作ろうとすると、コンセプトが曖昧になって結局は誰も買わないものとなってしまいます。
つまり、現代のマーケティングでは、顧客のニーズを絞ってピンポイントで突くような製品やサービスを作らなくてはなりません。
こうしたターゲット選定には「セグメンテーション」と「ターゲティング」の2つを考えます。

セグメンテーションとは、ざっくりとした顧客の属性を掴むことを指します。ターゲティングとは、顧客層の標的を絞り込むことを指します。詳しく見ていきましょう。

 

セグメンテーションの意味とは?

セグメンテーションとは、STPと呼ばれるマーケティング手法で用いられる「市場の細分化」のことです。

顧客の全般に漠然と商品・サービスを提供していくのではなく、顧客層を同じニーズを持つ塊に細分化することで、マーケティングの効率を高めて、他社に対する優位性を築くことを目指します。
セグメンテーションの切り口は、一般的に「地理的変数(ジオグラフィック)」「人口動態変数(デモグラフィック)」「心理的変数(サイコグラフィック)」「行動変数(ビヘイビア)」などがあると言われています。
しかし、ライフスタイルの多様化や、インターネットやモバイルデバイスの普及などによって、地理的変数や人口動態変数のような客観的な判別可能な変数だけではなく、「顧客の意識」「顧客の願望」などの客観的に判別が難しい変数によってセグメンテーションを行って、付加価値を提供しようという試みが多く見られます。

 

セグメンテーション・ファーストという考え方

切れ味の鋭いセグメンテーションが出来れば、マーケティングの成功がぐっと近づきます。セグメンテーションの肝は共通する顧客のニーズの特定にあります。
共通する顧客のニーズを特定するためには、業界視点、提供者視点から抜け出して、顧客視点に立つことが最も重要なことと言えます。
セグメンテーションの考え方を次のターゲティングに活かすことで、はじめて自社のマーケティングを最大化できます。是非大きな成果を手に入れてください。

 

ターゲティングの評価基準(6R)

セグメンテーションとターゲティングを正しく進めるための、「6R」とは、次の6つの指標です。
・Realistic Scale:市場規模
・Rival:競合
・Rate of Growth:成長性
・Rank/Ripple Effect:顧客の優位順/波及効果
・Reach:到達可能性
・Response:測定可能性
の6つです。

■1. 市場規模は小さすぎないか?

市場規模は大きいほど魅力的です。その反面、市場規模が大きくなるほど競合は多くなり、新規参入が増えやすいというデメリットがあります。ビジネスを成功させるためには、ターゲットを小さく絞ることが有効といえます。しかし、そのビジネスが成立するという最低限の顧客を獲得できるセグメントである必要があります。

■2. 競合は強くないか?

選択する市場は、ブルーオーシャンであることが理想的です。ブルーオーシャンとは、競争相手のいない未開拓の市場のことを指します。
何故なら、既に競合がその市場で大きな地位を占めている場合など、参入へのコストが膨らむことが多く、勝てる要素も少ないからです。強力なライバルがいるのなら、同じ内容で勝負をかけるのは避けたほうが賢明かも知れません。

■3. 市場に成長性はあるか?

それが小さな市場であったとしても、誕生したばかりでこれから成長していく市場であれば、利益を獲得できるチャンスとなりえます。反対に、衰退している市場や、今後の成長があまり期待できないような市場であれば、避けたほうが賢明かも知れません。

■4. 優先度は高いか?

ターゲティングの際には、周囲への影響力が強いセグメントや、メディアが注目しそうな市場の優先度を高くします。それは、口コミ効果や波及効果といったものが期待できるからです。

■5. 到達可能性に問題はないか?

地理的に遠くて、ターゲット層に商品・サービスが届けられなかったり、宣伝が届かないといった場合には、ターゲットにしないようにします。何故なら、例えセグメントした市場が大きくて、ライバルも少なく、成長性があって魅力があったとしても、マーケティングが不可能だからです。

■6. 反応を測定することは可能か?

実行したアクションに対して、どのような効果があったかを測定できることが望ましいです。測定することができなければ、管理や改善が不可能だからです。
広告の宣伝効果や、商品・サービスの満足度の調査ができれば、マーケティングのフィードバックに活かすことが可能となります。

 

ターゲティングとセグメンテーションのまとめ

以上、セグメンテーションとターゲティングを正しく進めていくフレームワークについて触れていきました。
ここで挙げた6つの指標を元に、あなたにとって有利に進められるセグメンテーションとターゲティングを考えてみましょう。


執筆者・監修者
上岡正明
経済記者・経済コメンテーター
戦略PRプランナー・著書26冊累計105万部のビジネス作家
登録者25万人のYoutuber
上岡正明

MBA(多摩大学院経営情報学修了)
テレビコメンテーター
多摩大学客員講師(18,19)
帝塚山大学客員講師(19)
登録者24万人のビジネス系YouTube

「スーパーJチャンネル」「めざましテレビ」「王様のブランチ」「クイズミリオネア」等の元放送作家。日本を代表するPR戦略の専門家で、企業広報のスペシャリスト。未上場から上場企業まで戦略PRを手掛けたクライアントは300社以上。

広報ブランディング、新規事業構築、外資系企業の国内イベント、海外プロモーション支援のコンサルティング会社代表。現在まで約20年間、実業家として会社を経営。これまでに三井物産、SONY、三菱鉛筆、日本瓦斯など200社以上の広報支援、スウェーデン大使館やドバイ政府観光局などの国際観光誘致イベントなどを行う。

代表的なコンサルティング案件としては、日本中の女性たちの心を動かした「表参道のパンケーキブーム」、1年で200万台以上を売り上げた「ふとん専用掃除機レイコップ」、世界が注目する食イベント「肉フェス」、1カ月で6000万人(日本の約半分)にバズらせた「ジャポニカ学習帳“昆虫の表紙が変わった?”」がある。

経営と並行してMBA(情報工学博士前期課程)取得。東京都中小企業振興公社講師。成蹊大学、多摩大学、帝塚山大学の客員講師。東洋経済新報社、ダイヤモンド社、朝日新聞出版社、PHP出版、総合法令出版社、アスコム社、大和出版、すばる舎、宝島社から累計21冊80万部の著書を上梓。

日本神経心理学会、日本行動心理学学会、行動経済学学会、一般社団法人日本行動分析学会、日本社会心理学会、一般社団法人日本小児心身医学会、認知神経科学会の各学会員。

日経ヴェリタス・東洋経済オンライン・ダイヤモンドオンライン・プレジデントの4大経済メディアで専門家として記事連載もおこなっております。お読みになりたい方はこちらからご覧下さい。

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