アンゾフの事業拡大マトリックスとは?4つの活用方法を知ろう
戦略一覧
コンサルティングスキル
2019.07.25

アンゾフの事業拡大マトリックスとは?4つの活用方法を知ろう

データの浮き沈みの図

アンゾフの事業拡大マトリックスとは、製品・市場の軸で事業を4つの象限に分類して、成長戦略を分析するフレームワークです。

戦略としては、市場への浸透・新製品開発・新市場開拓・多角化戦略があり、多角化には水平・垂直・集中・集約型の4つの種類があります。それぞれ、新規か既存のいずれかを狙うことによって、4つの象限に戦略を分類します。縦軸を既存市場と新規市場と取り、横軸を既存製品と新規製品と取ります。

大企業の成長戦略や多角化の理論的な支えになってきたフレームワークとして有名です。アンゾフの事業拡大マトリックスの考え方、理論が提唱された時代背景などを、活用方法を交えてご紹介したいと思います。

 

アンゾフの事業拡大マトリックスの考え方~第一象限

アンゾフのマトリックスの第一象限は、既存市場において、既存製品の売り上げを成長させる、市場への浸透を狙う戦略となります。

アンゾフのマトリックスのこの象限に該当する市場への浸透は、高い難易度であることで知られています。同じ市場(既存顧客)に対して、既存の同価格の商品を販売するのであれば、戦略として検討する余地は、購買数と購買頻度を改善することに尽きるからです。
他の製品とのバンドルやパック販売で、一時的に購買数や購買頻度を上げることができたとしても、それを長期に渡って成長戦略の効果として出し続けるのは極めて困難なのです。

 

アンゾフの事業拡大マトリックスの考え方~第二象限

アンゾフのマトリックスの第二象限は、新規市場に進出し、且つ新しい顧客を開拓しながら、既存製品の売り上げを成長させるという、市場の開拓を目指す戦略となります。

新規市場や新規顧客の開拓は、これまで未参入だったエリアや顧客を開拓することが一般的と考えられています。それ以外にも、新たな顧客の属性を開拓するといったアプローチの仕方もあります。リッチ層をターゲットとしていたスマートフォンは、ビジネス向けからあらゆる世代までをターゲットとして拡大しました。

 

アンゾフの事業拡大マトリックスの考え方~第三象限

アンゾフのマトリックスの第三象限は、既存市場において、既存顧客に新規製品を提供しながら、その売り上げを成長させるという製品開発戦略となります。

アンゾフのマトリックスの製品開発戦略は、文字通り、新規製品を次々に既存市場へと投入していきます。清涼飲料水やお菓子、食品などを提供する企業では、アンゾフのマトリックスの製品開発戦略がよく見られます。ほぼ毎月、新しい製品を市場に投入し続けて、売り上げの成長を狙っています。

 

アンゾフの事業拡大マトリックスの考え方~第四象限

アンゾフのマトリックスの第四象限は、新規市場で新規製品の売り上げを成長させる、多角化戦略となります。

未知の新規市場へ、未知の新規製品を提供するアンゾフのマトリックスの多角化戦略を成功させるためには、新しい知識や経営資源が必要となります。その為、難しいアプローチであるとして知られています。多角化を狙うには、自社による成長戦略よりも、他社との提携や買収によるアプローチのほうが簡単だと考えられています。

 

生まれた時代背景も知っておこう

事業拡大マトリックスは、1965年にアンゾフが著書「企業戦略論」の中で提言したのが始まりです。

1960年代、アメリカの大手企業は積極的なM&A(合併買収)によって、新製品や海外への拡大戦略を展開しました。潤沢な経営資源を背景として、事業領域を大胆に多角化していきました。企業の事業規模や領域の拡大は、多様な収益源を確保することで、事業リスクを減らしたり、シナジー効果で規模の経済性を追求できるという利点はあるのですが、経済管理の複雑化という負の側面もありました。

そこで、アンゾフは、事業の多角化による成長には戦略性が必要だと考え、製品・市場という点から事業成長の分析を行う方法論として事業拡大マトリックスを考案しました。積極的なM&Aで多角化経営を行っていた大企業にも導入されることとなりました。

近年も大手企業による異業種M&Aは盛んで、事業領域を分析する必要性が高まっていることから、事業拡大マトリックスの理論は現在でも重要なフレームワークのひとつと捉えられています。

 

アンゾフの事業拡大マトリックスのまとめ

アンゾフの事業拡大マトリックスを活用することで、意外な成長戦略を発見できたり、経営資源を効率的に活用しながら現実的な事業運営ができるといったメリットがあります。事業拡大マトリックスのフレームワークでは、製品・市場面から客観的に自社・競合他社の状況を分析することができます。

社内事業戦略や多角化に困った際は、使ってみるとよいかもしれません。

move to top