戦略キャンバスって何?4つの戦略策定の手順を覚えよう
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2023.02.27

戦略キャンバスって何?4つの戦略策定の手順を覚えよう

戦略キャンパスとは、競争要因を抽出して、競合他社や自社がそれぞれの要因に対してどの程度注力しているかを可視化する手法です。

競合他社が注力している要因との差別化を考えることで、競争のない市場「ブルーオーシャン」を開拓することを目的として活用される思考ツールのひとつとなります。

戦略キャンバスの4つのアクションとは

戦略キャンパスの抽出としては、例えば写真館事業について考える場合を考えてみましょう。
抽出されるものは「価格」「スタジオのデザイン」「スタッフの対応」「プロモーション」「関連商品」「納品の早さ」「フォロー」という7つの要因となります。

これらそれぞれの要因について、低から高の間で、それぞれにおける競合他社の注力状況を整理して可視化します。
それぞれの値を直線で結んでいくことで、視覚的に捉えやすくします。なお、このようにそれぞれの要因の値を結んだ線を「価値曲線」と呼びます。
この戦略キャンパスを作成することで、2つのメリットが得られます。

  1. 既存の市場空間について現状を把握すること
  2. 競合他社が何に投資しているか、各社が製品、サービス、配送などの何を売りにしているのか、さらには顧客はどのようなメリットを享受しているのか

 

「価格」「スタジオのデザイン」「スタッフの対応」などなど、競争要因を並べて、既存の写真館事業について評価を行うと、どの点に投資をして、どのような点で顧客メリットを打ち出しているのかが一目瞭然なのがメリットです。

 

戦略キャンパス策定の手順を知ろう

戦略キャンパスを描くことで、既存の市場空間や競合他社がどこに投資しているかがわかります。ただし、ただキャンパスを描いただけでは、次のアクションをどうすればいいかの答えは導き出せません。
そこで、ブルーオーシャンでは、戦略キャンパスを描いた後に、「自社事業をこれからどう展開していくのか?」という問いに答えるための発想を膨らませるツールとして「4つのアクション」というものが存在しています。

さて、4つのアクションとは、ブルーオーシャンを切り開く、つまり、差別化と低コストを同時に追及するために、次の4つの問いを通して、業界のこれまでの戦略ロジックやビジネスモデルを刷新するためのものとなります。
具体的には、次の4つの問いからなります。

Q1:業界の常識として、製品やサービスに備わっている要素のうち、取り除くべきものは何か?
Q2:業界の標準と比較して、思い切り減らすべき要素は何か?
Q3:業界の標準と比較して、大胆に増やすべき要素は何か?
Q4:業界でこれまで提供されていない、今後付加するべき要素は何か?

これらのアクションを写真館事業の例で改めて考えてみましょう。

写真館事業は、「価格」「スタジオのデザイン」「関連商品」「納品の早さ」を減らし、「コミュニティ」を追加して「スタッフの対応」「プロモーション」「フォロー」を高くすることで競合他社との差別化を実現しています。

このように、戦略キャンパスで描いた自社と競合他社の価値曲線を眺め、4つのアクションを元に顧客価値を変革することで、ブルーオーシャンを切り開くことができます。

上の例では、写真好きのコミュニティ形成を付加価値として生み出すことで、競合他社との差別化を図る戦略を練っています。自社の属する市場の競争要因を書き出して、競合他社と差別化する戦略を考えるようにしましょう。
もしも、競合他社の価値曲線と自社の価値曲線が近似していた場合、競争の激しいレッドオーシャンで戦っているということを意味します。レッドオーシャンで戦おうと思うと、価格競争になったり、大量の認知獲得コストを投下することになるなど、摩耗が激しくなり、資源を持っている企業が優位となります。

 

戦略キャンバス まとめ

戦略設計に使えるフレームワーク「戦略キャンパス」について述べました。ビジネスを運営する以上、競争は避けては通れないものですが、競争することは目的ではなく、付加価値を創造することが目的であることを忘れないようにしましょう。


執筆者・監修者
上岡正明
経済記者・経済コメンテーター
戦略PRプランナー・著書26冊累計105万部のビジネス作家
登録者25万人のYoutuber
上岡正明

MBA(多摩大学院経営情報学修了)
テレビコメンテーター
多摩大学客員講師(18,19)
帝塚山大学客員講師(19)
登録者24万人のビジネス系YouTube

「スーパーJチャンネル」「めざましテレビ」「王様のブランチ」「クイズミリオネア」等の元放送作家。日本を代表するPR戦略の専門家で、企業広報のスペシャリスト。未上場から上場企業まで戦略PRを手掛けたクライアントは300社以上。

広報ブランディング、新規事業構築、外資系企業の国内イベント、海外プロモーション支援のコンサルティング会社代表。現在まで約20年間、実業家として会社を経営。これまでに三井物産、SONY、三菱鉛筆、日本瓦斯など200社以上の広報支援、スウェーデン大使館やドバイ政府観光局などの国際観光誘致イベントなどを行う。

代表的なコンサルティング案件としては、日本中の女性たちの心を動かした「表参道のパンケーキブーム」、1年で200万台以上を売り上げた「ふとん専用掃除機レイコップ」、世界が注目する食イベント「肉フェス」、1カ月で6000万人(日本の約半分)にバズらせた「ジャポニカ学習帳“昆虫の表紙が変わった?”」がある。

経営と並行してMBA(情報工学博士前期課程)取得。東京都中小企業振興公社講師。成蹊大学、多摩大学、帝塚山大学の客員講師。東洋経済新報社、ダイヤモンド社、朝日新聞出版社、PHP出版、総合法令出版社、アスコム社、大和出版、すばる舎、宝島社から累計21冊80万部の著書を上梓。

日本神経心理学会、日本行動心理学学会、行動経済学学会、一般社団法人日本行動分析学会、日本社会心理学会、一般社団法人日本小児心身医学会、認知神経科学会の各学会員。

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