バリューチェーンとは?意味とメリットや4つの活用ステップを徹底解説
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2023.02.27

バリューチェーンとは?意味とメリットや4つの活用ステップを徹底解説

バリューチェーンとは、自社や競合他社の事業を機能別に分類して、どの工程でどのくらいの量の付加価値が生まれているのかを分析することで、早急に解決しなくてはならない課題の洗い出しや競争優位性を高める差別化戦略の構築を簡単にしてくれる優れたフレームワークです。

継続的に利益を生み出せる事業環境を構築するために必要となる情報やノウハウを、言葉の持つ意味、バリューチェーン分析による効果やメリットなどを分かりやすく解説致します。

 

バリューチェーンの意味とは?

バリューチェーン(Value Chain)とは、日本語でいうと「価値連鎖」と呼びます。原材料や部品の調達活動、商品製造や商品加工、出荷配送、マーケティング、顧客への販売、アフターサービスまでの一連の事業活動を個々の工程の集合体ではなく、価値(Value)の連鎖(Chain)として捉える考え方です。

このバリューチェーン分析を一言で示すと、事業を主活動と支援活動に分類し、どの工程で付加価値(バリュー)を出しているかという分析をするためのフレームワークとなります。
そして、このバリューチェーン分析の名付け親は、経済学者の大家とも言えるマイケル・E・ポーター氏です。ポーター氏が1985年に発行した著書「競争優位の戦略」の中で初めてバリューチェーンという言葉が使われました。

 

バリューチェーン分析による効果や3つのメリット

バリューチェーン分析を行うメリットについて考えていきたいと思います。

まず、バリューチェーン分析をするメリットは、1)お店にある強み・弱みを理解できたり、1)競合店の戦略を予測できたり、3)リソースを効果的に配分し、コスト削減できるという3点にあります。

競合店をバリューチェーン分析の対象にすることで、今後どのような戦略や施策を展開するかを予測することが可能となります。

 

バリューチェーンの戦略策定の4つのステップ

ステップ1.自社バリューチェーンの把握

最初の分析は、自社のバリューチェーン、つまりどのような主活動と支援活動が自社であるのかを把握します。
例えば通信業の場合、はじめに商材となるインフラ構築を行います。Webサービスやツールなどのプロダクトがこれに相当するでしょう。次に、そのプロダクトを販売するための営業活動を行い、契約をすることで、サービス提供が行われます。そこで、顧客から料金徴収を行い、その後アフターサービスを行うという流れとなります。
この部分は後の強み、弱みの把握をより容易にするために、できる限り細かくセグメントするのがポイントです。

ステップ2.レイヤーごとのコストを把握する

次に行うのは、各レイヤーに対してかかっているコストを正確に洗い出すことです。この時、「レイヤー名(活動内容)」「担当部署名」「年間コスト(もしくは月間コスト)」を1つの表にまとめることで、全体把握や情報共有が簡単になります。このコストを把握することで、収益性などをよりはっきりと認識することができて、無駄な部分が浮き彫りになってきます。

ステップ3.バリューチェーンのレイヤーごとの強みと弱みを分析する

レイヤー別のコスト一覧表の作成が終わったら、各レイヤーが持っている強みと弱みを分析していきます。おすすめなのは、自社の競合の強みと弱みを書く表を作り、できるだけ社内で多くの人に配布して書いてもらう方法です。

ステップ4.バリューチェーンをVRIOで分析

VRIO分析とは、アメリカの経営学教授であるジェイ・B・バーニー氏が提唱したVRIO理論をフレームワーク化したものです。

評価対象となる経営資源の持つ強みを「価値(Value)」「希少性(Rarity)」「模倣可能性(Imitabilitiy)」「組織(Organization)」の4項目で評価することで、早急に解決しなければならない課題の洗い出しや注力すべき優先順位を設定し、コスト・リーダーシップの獲得や差別化に向けた戦略の検討や経営資源の再分配を適切に行えるよう、サポートしてくれます。

 

バリューチェーンのまとめ

バリューチェーンを最大限活用することで、コスト・リーダーシップ戦略や差別化戦略、集中戦略など様々な戦略を展開することが可能となることがわかりました。

ぜひ活用していきましょう。


執筆者・監修者
上岡正明
経済記者・経済コメンテーター
戦略PRプランナー・著書26冊累計105万部のビジネス作家
登録者25万人のYoutuber
上岡正明

MBA(多摩大学院経営情報学修了)
テレビコメンテーター
多摩大学客員講師(18,19)
帝塚山大学客員講師(19)
登録者24万人のビジネス系YouTube

「スーパーJチャンネル」「めざましテレビ」「王様のブランチ」「クイズミリオネア」等の元放送作家。日本を代表するPR戦略の専門家で、企業広報のスペシャリスト。未上場から上場企業まで戦略PRを手掛けたクライアントは300社以上。

広報ブランディング、新規事業構築、外資系企業の国内イベント、海外プロモーション支援のコンサルティング会社代表。現在まで約20年間、実業家として会社を経営。これまでに三井物産、SONY、三菱鉛筆、日本瓦斯など200社以上の広報支援、スウェーデン大使館やドバイ政府観光局などの国際観光誘致イベントなどを行う。

代表的なコンサルティング案件としては、日本中の女性たちの心を動かした「表参道のパンケーキブーム」、1年で200万台以上を売り上げた「ふとん専用掃除機レイコップ」、世界が注目する食イベント「肉フェス」、1カ月で6000万人(日本の約半分)にバズらせた「ジャポニカ学習帳“昆虫の表紙が変わった?”」がある。

経営と並行してMBA(情報工学博士前期課程)取得。東京都中小企業振興公社講師。成蹊大学、多摩大学、帝塚山大学の客員講師。東洋経済新報社、ダイヤモンド社、朝日新聞出版社、PHP出版、総合法令出版社、アスコム社、大和出版、すばる舎、宝島社から累計21冊80万部の著書を上梓。

日本神経心理学会、日本行動心理学学会、行動経済学学会、一般社団法人日本行動分析学会、日本社会心理学会、一般社団法人日本小児心身医学会、認知神経科学会の各学会員。

日経ヴェリタス・東洋経済オンライン・ダイヤモンドオンライン・プレジデントの4大経済メディアで専門家として記事連載もおこなっております。お読みになりたい方はこちらからご覧下さい。

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