店舗や食材の魅力を伝えるグルメ系プレスリリースの作成・配信のポイント3選
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2025.10.06

店舗や食材の魅力を伝えるグルメ系プレスリリースの作成・配信のポイント3選

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この記事では広報・PR担当者の皆さんに向けて、グルメ系プレスリリースの作成・配信のポイントなどについてお伝えしていきます。

特に「グルメ系特有の部分はあるのだろうか」と疑問に感じている広報・PR担当者や、「バタバタしてしまって結局効果的なプレスリリースを作成できていない気がする」とお悩みの方におすすめの内容となっています。

本記事ではグルメ系のプレスリリースを作成・配信するメリット、作成時のポイント、そして注意点などに関して解説しますので、ぜひ参考にしてください。

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グルメ系のプレスリリースを作成・配信するメリット3選

それではグルメ系のプレスリリースを作成・配信することの主なメリット紹介していきますので、広報・PR担当者の皆さんはぜひ参考にしてください。

メリット①:ブランド価値を高めることができる

単にグルメ系の商品や店舗をSNSや公式ウェブサイトなどで簡単に紹介するのも良いですが、それだけでは「美味しそうか・そうでないか」、「お得か・そうでないか」などのシンプルな評価軸しか生まれなくなる可能性が高いです。

しかしプレスリリースを配信することで、「こだわりがある食事」、「想いの詰まったメニュー」、「追求した食材」などの付加価値も生み出すことができます。つまりブランド価値を高めることができるのですね。

メリット②:他との差別化になる

日本は「それほどお金を出さなくても、どこでもある程度美味しいものが食べられる国」です。そのため特にパン、スイーツ、ご飯系などありふれたジャンルの場合、「そもそもどこで食べても大差はない」→「ならばいつものところで食べよう・近所で食べよう」などの判断をされてしまいがちといえます。

しかしプレスリリースには様々な情報を盛り込みますので、他と差別化することができます。つまり「メジャーなジャンルの中でもあえて選んでくれる人」、「わざわざ普段よりも労力をかけて食べてくれる人」を増やすことが期待できるのです。

メリット③:プレスリリースに載せていない商品・メニューの認知度や売上アップも望める

特にグルメ系商品の場合、「美味しかったから他のものも」「合いそうだからこちらも(例:パン系メニューを食べる人がドリンクも求める)」などとなりやすいです。そのため、プレスリリースに載せていない(もしくは大きく扱っていない)商品・メニューの認知度・売上アップも望めます。

この効果を最大限に引き出すためにも、企業公式ウェブサイトやSNSなどの発信情報を整えて、「プレスリリースを見る」→「プレスリリースをきっかけに公式ウェブサイトやSNSなどもチェックする」という人にとっても魅力的な情報を見せましょう。

グルメ系のプレスリリース作成・配信の広報・PR上のポイント3選

続いてはグルメ系のプレスリリース作成・配信をするにあたってのポイントをいくつか紹介していきます。基本的なポイントは一般的なプレスリリースとそれほど変わりませんが、グルメ系ならではの部分もあるので広報・PR担当者の皆さんはぜひ参考にしてください。

ポイント①:普通のプレスリリースよりも商品自体の詳細情報をより入れる

普通のプレスリリースよりも商品そのもの詳細情報をさらに入れることをおすすめします。特にグルメ系については「情報を詳しく知ってからがいい」と考えてる人が多いためです。また、人によってはアレルギー情報を知りたいかもしれません。

そのため主に以下の情報を載せましょう。

  • 期間限定商品・メニューなら販売期間を
  • 商品の価格(イートインなどで変わるならそれも書く)
  • 使用している食材(アレルギー品目以外も)
  • 店舗などで利用条件があれば書く
  • 営業時間、アクセス情報、予約方法など

これらを記載することで一般消費者のためになりますし、メディア関係者からの反応も良くなり掲載や報道のチャンスも広がります。

ポイント②:画像を効果的に使う

特にグルメ系の場合は文章でいくら説明しても伝わりにくいので、普通のプレスリリースよりもさらに画像を効果的に使うことが大事です。主に用意した画像は以下の通りです。

  • 各メニューの写真、コースなら全体像
  • 期間限定メニューがある場合、関連するメニューも掲載する
  • スイーツ、魚系、肉系などで美味しさを伝えやすい「断面」がある場合はそれも載せる
  • 店舗がある場合は店内の全体写真(レイアウトがわかるように)
  • 個室、テーブル席、カウンター席などもあれば全部
  • 店舗の外観写真
  • 担当スタッフ(調理担当者、レジ販売員など。お客様が見る可能性がある人物はできるだけ載せる)
  • 地図の写真
  • 地元食材などであれば収穫風景

他にも思いついた画像があれば掲載を検討しましょう。効果的な画像が多いほど一般消費者を惹きつけることはもちろん、メディア関係者からの取材・記事作成依頼なども入りやすくなります。感覚としてはむしろ「テキスト部分」よりも力を入れたいところです。

ポイント③:ストーリーを入れる|開発者などからのコメントも

すでに少し触れていますが「美味しそう」「安そう」「お得そう」など以外の付加価値を与えるためには、プレスリリースにもストーリーを盛り込んで、人々からの共感を得ることが大事です。

具体的には、メニューを開発したきっかけ、特にどのような人に食べてほしいか、(特に地元食材などの場合は)材料を決めるまでのエピソード、収穫エピソード、生産者との関わりなどのエピソードなど。

さらにメニュー開発担当者など、深く関わっているスタッフからのコメント・メッセージも載せるといいでしょう。あくまで「伝える情報」ではあるものの、できる限り飾らない言葉で語ってもらう方が、むしろ心に響くものです。

グルメ系のプレスリリースを作成・配信する際の注意点3選

続いてはグルメ系のプレスリリースを作成・配信するにあたっての広報・PR上の注意点をいくつか紹介していきます。こちらもグルメ系特有の部分があるのでぜひ参考にしてください。

注意点①:曖昧な表現は控えめに|誇張表現・根拠のない表現はしない

まず、「絶対にリピートしたくなります」「100%の満足感を」などの根拠のない表現、誇張表現は避けましょう(絶対、100%、必ずなど)。この場合は「リピート率○%の人気メニュー」「お客様満足率○%」など事実をベースにする表現を選びましょう。そうでないと説得力が出ませんし、そもそも「虚偽記載」と判断されてなんらかのトラブルが起こる恐れもあります。

ただし「美味しい」「まろやか」「上品」などの「何かを断言するわけではない主観的な表現」は使っても構いません(ところどころ使いたくなると思います)。ただ、これも多すぎると説得力を失いますし、読み手も例えば「美味しいかどうかは私が決めるのに……」となる可能性があるのでやはり控えめにすることをおすすめします。

注意点②:一般消費者から見たメリットを記載する

一般消費者が「食べたい」「足を運びたい」と感じるメリットを書くことが大事です。例えば以下の通りです。

  • 地元食材の○○を使用→地元の味覚○○を楽しめる特別メニュー
  • ○月中限定メニュー→旬の味覚を味わえる○月限定メニュー
  • 10%オフ→「○円引き」の表記、もしくは両方の方がわかりやすくならないか検討する

例えば「あなたも楽しめる」「味わえる」という表現を入れることで伝わり方が鮮明になります。また、「10%オフ」も「○円引き」も意味は同じですが伝わりやすさは変わるので、あなたや他の広報・PR担当者などのセンスと相談して決めましょう。

✅基本的に専門用語は避ける

つい「このような食材も!」「このような技術で!」と専門用語を交えて説明したくなるかもしれませんが、一般消費者が理解しにくい表現は基本的に避けましょう。

「食材そのもの」ならまだいいですが、特に「技術」についてはよほど珍しいもの、もしくは「世界初」や、地元の職人に協力してもらったなどの「人」にフォーカスしたものでないと記載する意味はあまりありません。

ただしグルメ系の専門メディアにプレスリリースを送る場合は、そのメディアが求めていそうな情報によっては専門的な解説を入れるのもいいでしょう。つまりは「誰が読んで、その人は何を知りたがっているか」です。

注意点③:購入条件・利用条件などについて誤解・不明点のないように明記する

プレスリリースを読んでそのまま店舗に行ったりオンライン注文したりする人も多いので、購入条件・利用条件などについて誤解・不明点のないように明記しましょう。

例えば期間限定メニューなら、提供期間や予約開始日以外にも、他の利用条件(単品注文不可など)も記載するべきです。また、今後も似たようなメニューを出す予定があるか、複数個購入可能か、持ち帰りで箱などがもらえるか、など記載するべきことはたくさんあります。

ただ、もちろんプレスリリースのスペースも限られていますので優先順位の高い情報を厳選して載せましょう。その上で書き切れない部分については、URLを載せつつ「その他の情報はこちら」「詳しくはこちら」などとフォローするといいでしょう。

✅他社員にも確認してもらうのがおすすめ

特に購入条件・利用条件の部分については他社員にも確認してもらうのがおすすめです。特に広報・PR部署以外の社員であれば、わからない・わかりにくい部分も率直に指摘してくれることでしょう(これに限らずプレスリリースをチェックしてもらうのは効果的)。

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執筆者・監修者
上岡正明
経済記者・経済コメンテーター
戦略PRプランナー・著書26冊累計105万部のビジネス作家
登録者30万人のYoutuber
上岡正明

MBA(経営学博士前期課程修了)
多摩大学客員講師(18,19)
帝塚山大学客員講師(19)
登録者30万人のビジネス系YouTube

「スーパーJチャンネル」「めざましテレビ」「王様のブランチ」「クイズミリオネア」等の元放送作家。日本を代表するPR戦略の専門家で、企業広報のスペシャリスト。未上場から上場企業まで戦略PRを手掛けたクライアントは300社以上。

広報ブランディング、新規事業構築、外資系企業の国内イベント、海外プロモーション支援のコンサルティング会社代表。現在まで約20年間、実業家として会社を経営。これまでに三井物産、SONY、三菱鉛筆、日本瓦斯など200社以上の広報支援、スウェーデン大使館やドバイ政府観光局などの国際観光誘致イベントなどを行う。

代表的なコンサルティング案件としては、日本中の女性たちの心を動かした「表参道のパンケーキブーム」、1年で200万台以上を売り上げた「ふとん専用掃除機レイコップ」、世界が注目する食イベント「肉フェス」、1カ月で6000万人(日本の約半分)にバズらせた「ジャポニカ学習帳“昆虫の表紙が変わった?”」がある。

経営と並行してMBA(情報工学博士前期課程)取得。東京都中小企業振興公社講師。成蹊大学、多摩大学、帝塚山大学の客員講師。東洋経済新報社、ダイヤモンド社、朝日新聞出版社、PHP出版、総合法令出版社、アスコム社、大和出版、すばる舎、宝島社から累計21冊80万部の著書を上梓。

日本神経心理学会、日本行動心理学学会、行動経済学学会、一般社団法人日本行動分析学会、日本社会心理学会、一般社団法人日本小児心身医学会、認知神経科学会の各学会員。

日経ヴェリタス・東洋経済オンライン・ダイヤモンドオンライン・プレジデントの4大経済メディアで専門家として記事連載もおこなっております。お読みになりたい方はこちらからご覧下さい。

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