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この記事では広報・PR担当者の皆さんに向けて、プレスリリースの内容別におすすめの配信タイミングなどについてお伝えしていきます。
特に「今まで特に考えずに配信・送付していた」という広報・PR担当者は、配信・送付タイミングにも目を向けると結果が変わってくるかもしれません。
本記事では、内容別のプレスリリース配信のおすすめタイミング、緊急で配信するべきプレスリリースの内容について、さらに「曜日」や「時間帯」の話もしていきますので、ぜひ参考にしてください。
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プレスリリースの配信タイミングのおすすめは?内容ごとに5タイプで解説
それではプレスリリースの配信タイミングのおすすめの時期を紹介していきますので、広報・PR担当者の皆さんはぜひ参考にしてください。プレスリリースの内容によって配信するべきタイミングは違うので「とにかく早く」というのも違います。
①:業績報告|即日
業績報告とは、年度末などに作成・発表する、財務活動の結果や財政状態をまとめたものです。必ずしもプレスリリースとして公開しなくても構いませんが、特に目立った成長がある、力を入れてきた部分が狙い通りに・狙いを超えて伸びてきた場合などは配信するのもいいでしょう。
そして業績報告のプレスリリースは即日配信するのがおすすめです。基本的に単純情報なのでタイミングを遅らせる意味がありませんし、他の情報と違って「時期が遅くなってから付加価値を与えて発表する」のも難しい傾向にあります。
②:取材を受けたい、メディア露出につなげたい場合|1カ月以上前
ジャンルを問わず、取材を受けたい、メディア露出につなげたいプレスリリースの場合は、目安として1カ月以上前、メディアや業界、そしてネタの内容によっては2カ月以上前に送ることをおすすめします。
取材やメディア露出を狙うプレスリリースは基本的にメディア関係者に対して直接送ることなりますし、そのメディア関係者・メディア自体のスケジュールもあるので、これくらいのスピード感で動きたいものです。
そしてメディア関係者から反応をもらうことができたら、後は相手方の都合を優先しながら柔軟に動きます。さらに詳しい情報を資料形式で求められることもあれば、早々に取材依頼が入ることもあるなど様々な流れが考えられます。
③:新商品・新サービス情報|1週間前~前日
新商品・新サービス情報の場合は、1週間前~前日くらいにプレスリリースを配信することをおすすめします。
あまり早く配信しても埋もれる可能性が高いですし、プレスリリースを読んだ時点では「買おう」「登録しよう」と思った人も、いざ発売する時期には忘れているかもしれません。
広報・PR目線では「心惹かれたならさすがに忘れないはず」と感じても、特に類似商品が多い場合などはその限りではありません。
✅高額商品・サービスの場合は早めに配信することも検討する
ただし高額商品・サービスの際は、早めにプレスリリースを配信することも検討しましょう。間際になって配信した場合、金銭の用意が間に合わない人もいる可能性があるためです。
ただ、やはり直前にもプレスリリースを配信したいところ。しかし同じような内容のプレスリリースを配信するわけにはいかないので、初報では商品・サービス概要や価格、さらに軽いメッセージなどを含める程度にする。そして直前には必要な情報をすべて入れた通常通りのプレスリリースを出すなどするといいでしょう。
④:グルメ、レジャー系|金曜日の夕方頃
グルメやレジャー系のプレスリリースの場合、金曜日の夕方頃に配信するのがおすすめです。なぜならこれくらいのタイミングでネットサーフィンをして、「土日は何をしようか」と考える人が多いため。
それに企業側としてもグルメ、レジャーなどエンターテインメント系の企画は土曜日・日曜日に力を入れるのではないでしょうか。
さて、このように「いつプレスリリースを配信するか」に限らず、なんらかの広報・PR施策について決める際には「一般消費者から見るとどうか」「一般消費者はいつ何を求めるか」を考えると適切な選択をしやすくなるためおすすめです。
⑤:イベントやキャンペーン|開催日の2週間ほど前から複数回
イベントやキャンペーン、さらに新規店舗オープンなどに関するプレスリリースは、開催日の2週間ほど前に出すといいでしょう。ただし単発で終わらせず、2週間前にプレスリリースを出したら、情報を小出しにしながら複数回配信することをおすすめします。
なぜなら直前だけに配信しても「気付かない」「気付いたら終了していた」となりかねませんし、かといって2週間前に1回配信するだけでは、開催する頃には忘れられている可能性が高いからです。
そのため例えば、初回の配信では日程と概要と簡単なコメントのみ。2回目で詳細情報や追加発表、3回目で完全な内容な配信、などとしてみてはいかがでしょうか。また、開催時期にテレビや新聞などで露出できる場合は、そこに合わせて完全なプレスリリースを配信するのもいいでしょう。
例外的に即配信するべきプレスリリースの内容3種類
続いては例外的に即配信するべきプレスリリースの内容を紹介していきますので、広報・PR担当者のぜひ参考にしてください。臨機応変に動かないと企業としての信頼を失ったり、結局大事な情報を必要な時期に発信できなくなったりする可能性があります。
①:掲載内容の訂正や誤情報に関するプレスリリース
プレスリリースの内容に間違いがあった場合は、気付いたら即訂正のためのプレスリリースを出すことが大事です。誤情報が拡散される前に、「○○という間違いがありました。」「正しくは□□です」と一般消費者とメディア関係者に対して明確に示しましょう。
謝罪などでよくあるパターンですが、「先ほどの情報は誤りでした」と表明するだけでは、どこが間違っていたかわからないのでNG。「間違いはここ」→「正しくはこれ」と簡潔かつ、これ以上の誤解がないように示してください。
遅くなればなるほど間違った情報が広まりますし、訂正した際に「対応が遅い企業」というマイナスイメージが強くなる恐れがあるので気を付けてください。他のタスクがあるタイミングでも、こちらを優先するべきです。
②:事故、不祥事、サービスの不具合などの大きなトラブル
事故、不祥事、サービスの不具合などの大きなトラブルが発生した場合も、すぐにプレスリリースを出すことが大事です。そうでないと不誠実というイメージが広まりますし、SNSなどで憶測が拡散されていく可能性が高いです。
ただ、最初に事実確認をしなければなりません。そのため、まずは判明している情報と共に「現在事実関係の確認中です」と明確に発信しましょう。それでも「何かを隠しているのか」「このままうやむやにするつもりか」などと言う人は出るかもしれませんが仕方がありません。
そして各種の確認が済んだら改めてプレスリリースを出し、必要に応じて謝罪も行います(誤解など自社に落ち度がないケースでは安易に謝るべきではありません)。
③:情報のリークがあった場合|本来は防ぎたい事態です
特に大企業や有名企業、そして人気商品・サービスの場合は、どこからか情報が漏れてそのまま拡散されてしまうケースがあります。
リーク自体がほとんど発生しないことではありますが、「情報の大部分が広まった」「これ以上伏せておくと公式発表しても、白けられてしまう」などと判断したのであれば、早めにプレスリリース配信をするべきでしょう。
ただし「リークされたので情報を出します」という素振りは一切見せずに、「元々このタイミングで情報を出す予定でした」という態度でいることが大事です。
✅リークの原因と大元を突き止めましょう
また、リークの原因と大元を突き止めてしかるべき対処をすることも当然必要です。広報・部署だけで対応できることではないはずなので、他部署や上層部などとも協力して進めましょう。
そして広報・PR部署そのものも、他企業の広報・PR部署とのつながりがある、かなり親しい関係性のメディア関係者がいるなどの場合は、リークの原因になってしまう可能性があるので気を付けてください。
配信する「曜日」や「1日の中の時間帯」はどのタイミングにするべきか
プレスリリースを配信する「曜日」や「1日の中の時間帯」については基本的に以下をおすすめします。
- 基本は火曜日~木曜日:土日祝日は休みで、月曜日・金曜日は忙しいメディア関係者が多い
- 金曜日がおすすめのメディアもある:ウェブメディアなど「金土日にアクセスが伸びるメディア」なら金曜日も検討する
- 時間帯は9時~15時あたり:仕事始めに資料やメールのチェックをし、夕方以降取材などで忙しくなるメディア関係者が多い
中でもおすすめなのは9~11時くらいの仕事始めのタイミングです。
ただ、プレスリリースは多くの場合メールで送りますし、メディア側も常に情報を求めているのでタイミングが悪いからといって全く読まれずにスルーされることはほとんどありません。ただし若干の有利・不利は出るので可能であれば時間帯・曜日も気にしましょう。
プレスリリースの目的は何かを深堀りして配信時間を決めよう(まとめ)
プレスリリースを配信するべきタイミングについて解説しましたが、「誰に(一般消費者に、メディア関係者になど)見られたいか」、「何が目的(取材を増やす、一般客を増やすなど)か」を考えれば、いつ送るべきかは自然と見えてきます。
ただ、時間帯や曜日が悪いというだけでプレスリリースが完全に埋もれてしまうことはほぼありません。そのため「できればタイミングを合わせる」くらいに考え、「早さ」を優先したいのであればすぐにでも配信することも検討しましょう。
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