商品の開発スタート時のプレリリースの重要性と作成のポイント3選
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2024.12.30

商品の開発スタート時のプレリリースの重要性と作成のポイント3選

➡記事を書いた人:Youtube登録者30万人【MBA保有の現役記者】上岡正明プロフィール

この記事では広報・PR担当者の皆さんに向けて、新商品・新サービスの「開発スタート」についてのプレリリースを書くポイントなどに関して解説します。

「商品やサービスの開発に着手したこともネタになるのではないだろうか」とお考えの広報・PR担当者もいると思いますが、まさにその通りです。

そこで本記事では、「開発スタート」がプレリリースのネタになる理由、そしてそのプレリリースを作成するためのポイントなどについてお伝えします。

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「発売」だけでなく「開発スタート」もプレリリースのネタになる|広報・PR

新商品・新サービスについてプレリリースを書く場合、「発売」の直前の時期にメディア露出できるようにプレリリースを作成・発信する広報・PR担当者が多いと思います。ただ、実はそれ以外にもプレリリースを作成・発信できるタイミングがあります。具体的には主に以下の通り。

  • 開発スタート
  • 発売半年前~3か月前
  • 発売前後
  • 発売後の売上実績、反響、企業活動への好影響

そして開発スタート時期から、自社の関係部署に密着取材などをしてそれを発売時期まで続ければかなり濃いネタが集まりますし、プレリリースも時期によって何種類か書くことができます。そのため発売時期(の前後)以外では、スタートダッシュとなる開発開始の時期にもプレリリースを作成・発信することが特に重要といえます。

「開発スタート」のプレリリース作成の3つのポイント

それでは新商品・新サービスの「開発スタート」に関するプレリリースを作成するにあたってのポイントをいくつか紹介していきます。「まだ書けることが少ないのでは?」と感じるかもしれませんが、1本のプレリリースを仕上げるには十分な情報がそこにはあるはずです。

①:その新商品・新サービスを開発にする理由、背景、想いなどを書く

その新商品・新サービスを開発するに至った理由、背景、想いなどを書きましょう。こういった「ハート」「パッション」はメディア関係者も気にしてくれる傾向にあります。

✅「商品・サービスについて具体的に書けること」が増えたら理由・背景・想いの比率を減らす

メディア関係者は理由・背景・想いなどを好む傾向にありますが、それよりも商品・サービスの具体的な魅力や詳細情報を欲しがっていることも確かです。

そのため「開発スタート」よりも後の時期になって、商品・サービスそのものに関して書ける内容が増えてきたら、理由・背景・想いなどの比率は減らしていくことをおすすめします。プレリリースの文字数が多すぎるのも考えものだからです。

ただしプレリリースに対して良い反応をしてくれたメディア関係者にのみ、さらに深くストーリーを伝えるという手法もあります。そのため、「時期が進んでからプレリリースを作成する場合は、関係部署の社員にストーリーを聞かなくていい」わけではありません。

②:開発の進行状況

開発の進行状況についてもプレリリースに書けるはずです。例えば「まだ設計段階にある」「具体的に製造を始めている」「進行状況○%」など。

そして一例として「設計段階にある」ならどのような設計をしているか、「製造を始めている」ならそこに至るまでに苦労した点・工夫した点など、具体的に書くことができるとプレリリースがより魅力的なものになります。

③:大まかな発売時期

大まかな発売時期も書きましょう。この段階では発売日が変更になる可能性もあるため、たとえ具体的な日付が現時点で決定していたとしても、「○月頃」などにしておくのが無難です。

逆に発売時期が本当に大雑把にしかわからない場合でも、「今冬発売予定」などとしておけばかなり幅を持たせることができます。

そして「大まかな発売時期さえ全くわからない」というケースでは、さすがにプレリリースの作成・配信はやめておくことをおすすめします。発売の目途が立っていないということなので、この段階でプレリリースをメディア関係者などに送るのはリスクが高いです。

発売中止になった場合はすぐに「プレリリースを送った相手」に連絡を

プレリリースで扱っていた新商品・新サービスが、万が一発売中止になった場合は、すぐに「プレリリース」を送っていた相手に連絡を入れましょう。

伝えるべき内容は主に以下の通りです。

  • 発売中止になる商品やサービスの正式名称
  • 発売中止となった商品やサービスの基本情報(価格、発売予定日など)
  • 「おわび」と「これからもよろしくお願いします」のあいさつ

メールなどで確実にこれらの内容を伝えてください。それまでのプレリリースに対して全く反応がなかったメディアもなんらかの準備をしている可能性があるため余さず連絡を入れます。

また、例えば「近日中に商品やサービスについて紹介する小冊子が届いてしまう(ストップできない)」「そこに『発売予定』と記載されている」などの場合は、それについても「小冊子の内容は撤回いたします」などと知らせましょう。

非常に重要な開発スタート時のプレリリース(まとめ)

新商品・新サービスの「開発スタート」もプレリリースとしてまとめる価値のある優秀な広報・PRネタです。早めに広報・PRに着手して、発売するタイミングまで情報を集め続ければ「開発ドキュメンタリー」のようにもなるためおすすめです。

ただ注意点として、早い時期からプレリリースを書くからこそ、途中で発売中止になるリスクがないわけではありません。万が一中止になったケースでは、すぐに「プレリリースを送っていたメディア関係者全員」に連絡を入れましょう。

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執筆者・監修者
上岡正明
経済記者・経済コメンテーター
戦略PRプランナー・著書26冊累計105万部のビジネス作家
登録者25万人のYoutuber
上岡正明

MBA(多摩大学院経営情報学修了)
テレビコメンテーター
多摩大学客員講師(18,19)
帝塚山大学客員講師(19)
登録者24万人のビジネス系YouTube

「スーパーJチャンネル」「めざましテレビ」「王様のブランチ」「クイズミリオネア」等の元放送作家。日本を代表するPR戦略の専門家で、企業広報のスペシャリスト。未上場から上場企業まで戦略PRを手掛けたクライアントは300社以上。

広報ブランディング、新規事業構築、外資系企業の国内イベント、海外プロモーション支援のコンサルティング会社代表。現在まで約20年間、実業家として会社を経営。これまでに三井物産、SONY、三菱鉛筆、日本瓦斯など200社以上の広報支援、スウェーデン大使館やドバイ政府観光局などの国際観光誘致イベントなどを行う。

代表的なコンサルティング案件としては、日本中の女性たちの心を動かした「表参道のパンケーキブーム」、1年で200万台以上を売り上げた「ふとん専用掃除機レイコップ」、世界が注目する食イベント「肉フェス」、1カ月で6000万人(日本の約半分)にバズらせた「ジャポニカ学習帳“昆虫の表紙が変わった?”」がある。

経営と並行してMBA(情報工学博士前期課程)取得。東京都中小企業振興公社講師。成蹊大学、多摩大学、帝塚山大学の客員講師。東洋経済新報社、ダイヤモンド社、朝日新聞出版社、PHP出版、総合法令出版社、アスコム社、大和出版、すばる舎、宝島社から累計21冊80万部の著書を上梓。

日本神経心理学会、日本行動心理学学会、行動経済学学会、一般社団法人日本行動分析学会、日本社会心理学会、一般社団法人日本小児心身医学会、認知神経科学会の各学会員。

日経ヴェリタス・東洋経済オンライン・ダイヤモンドオンライン・プレジデントの4大経済メディアで専門家として記事連載もおこなっております。お読みになりたい方はこちらからご覧下さい。

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