広報が女性向きと言われやすい4つの理由とPR活動時の注意点
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2024.12.05

広報が女性向きと言われやすい4つの理由とPR活動時の注意点

この記事では、広報・PR活動が女性に向いていると言われやすい理由や、活動時の注意点などについてお伝えしていきます。

ただ「女性向けの記事」というよりは、男性・女性ともにお読みになって、業務に活かしていただきたい記事となっています。

本記事では、広報・PR活動が女性向けと言われやすい理由、そして活動における注意点などに関して解説します。

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広報・PRが女性向きと言われやすい4つの理由

それでは広報・PRの仕事が女性向きと言われやすい理由をいくつか紹介していきます。

注意点ですがあくまで「言われやすい」だけであり、絶対に女性向けである、男性にはできないなどとお伝えしたいわけではありません。あくまで傾向の話とお考えください。

①:世の中の購買決定権の80%は女性が握っているため

世の中の購買活動の決定権の80%程度は女性が握っているとされています。言い換えると女性の方が「お金を使う機会」が多く、「お金を使うことの決定権」を持ちやすいということです。

就業率は男性の方が高いものの、例えば子どものためのものは母親が買い揃える場合が多いですし、日本の男性の中には配偶者から「お小遣い」をもらって生活してい人が多いです。

つまり、(商品やサービスにもよりますが)広報・PR活動は「発信した情報が最終的に女性に届くこと」を想定して行う方が、効果が高くなりやすいということです。となると女性が広報・PR担当者になることで、発信の精度が上がりそうですよね。

②:細かな気配りが求められる業務だから

他の職種に比べると広報・PR活動には細かな気配りが求められる傾向にあります。

まず、メディア関係者はもちろん、社内の他部署の社員とも積極的に関わる必要があります(情報の聞き取りなどが必要)。また、商品・サービスや自社そのものについて深く分析して、丁寧に広報・PR戦略を練らなければならないなど、「気を遣う機会」「細部まで目を通す機会」はとても多いです。

そして一概には言いにくいですが、大まかにはこういった「細かな気配り」は女性の方が得意であるとされています。

③:「共感力(共感する力、共感を得る力)」が必要だから

広報・PR活動における様々な戦略は、基本的に確かな根拠をもってロジカルに練られるべきです。他の職種と同じく、「なんとなく良さそう」などの曖昧な感覚やセンスだけで進められるべきではありません。

ただ、いざその戦略を実行する段階になると、人々の「感情」を動かして「共感」を得ることが欠かせません。「ロジカルに立てた戦略を淡々と実行するだけでいい」と思っていると失敗する可能性が高いです。そして「共感力」は女性の方が高い傾向にあるとされています。

④:メディア関係者からの反応が良くなる可能性があるため

テレビや新聞社などで決定権を持っている人には男性が多いため、広報・PR担当者は女性である方が反応が良くなる可能性があります。前時代的な考え方ではありますが、現実として完全に否定できることではありません。

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女性の広報・PR担当者が注意するべき3つのこと

続いては女性の広報・PR担当者が注意するべきことを3つ紹介していきます。これも「女性だから」というよりは男女共に気を付けるべきことですが、現実として女性の方が目を向けておくべきことかもしれません。

①:基本的に「女性であること」をアピールしない

広報・PR活動をする上で「女性であること」はほぼ武器になりません。

メディア関係者はほとんど「面白いネタかどうか」で判断しますから性別は基本的に無関係です。むしろ性別をアピールしてしまうと「ズレた広報・PR担当者」と判断されて不利になる可能性さえあります。

また、そもそも「広報・PR担当者」には女性が少なくないどころか、むしろ女性の方が多いとさえ言われているので希少性もありません。

「男性であること」についても同様

もちろん「男性であること」についても同じです。アピールしても逆効果ですね。

仮に「自分に○○の能力・知識・気質があるのは男性に生まれたからかもしれない」と思っていても、それを表に出す意味はありません。本当にその能力・知識・気質などがあるなら、性別をアピールしなくても相手に伝わります。

②:ただし「女性であること」が信頼性アップにつながる場面もある

ただし女性であることが信頼性のアップにつながる場面もないわけではないので柔軟に考えましょう。

例えば、女性向け商品を扱う企業のサイトの商品紹介ブログを「女性が書いている」とさり気なくアピールするなど。企業の公式サイトは主に一般消費者が読むため親近感を持ってもらうことは大事ですし、「対メディア関係者」のように「性別をアピールされても困る……」と思われてしまうことも少ないです。

また、プレリリースの中の文章やメディア関係者との直接の会話などの中で、「商品・サービスが生まれるに至ったストーリー」を語る場面は多いですが、その際に「女性である自分(広報・PR担当者)の目線でもこのような商品が欲しかった」などと、自然に盛り込むことで共感を得やすくなる可能性があります。

ただし鼻につかないようにする

ただ「さり気なく」の範囲を超えてしまうと、言いにくいですが「鼻につく」レベルになる可能性があるため注意が必要です。心配な場合は、他の広報・PR担当者や他部者の社員にも読んでもらって、意見を求めましょう。

③:ナチュラルメイクをする

「女性であることをアピールするなと言いつつ化粧の話……」と感じるかもしれませんが、ビジネスシーンになじむナチュラルメイクはやはり必要です。先ほどもお伝えした通り、広報・PR担当者は共感を得ることが大事であり、そのためには「見た目」にも気を配らなければなりません。

ただ、これはヒゲを剃る、髪型を整える、アイロンをかけた服を着るなどと同じステージの話でしかないので、あまり重く捉えないでいただければと思います。

女性が広報向きと一般的に言われる理由(まとめ)

広報・PRは女性に向いていると言われやすいですが、もちろん男性にもできる仕事ですので、今回紹介したような「女性向けとみなされやすい理由=広報・PR担当者にとって大事なこと」を意識しつつ業務に励んでいただければ幸いです。

また、全体の比率で言えば広報・PRにおいて「男性だから・男性ならでは」「女性だから・女性ならでは」の部分はほんのわずかです。妙に気負わず・武器とも思わず、通常通りに取り組みましょう。

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執筆者・監修者
上岡正明
経済記者・経済コメンテーター
戦略PRプランナー・著書26冊累計105万部のビジネス作家
登録者25万人のYoutuber
上岡正明

MBA(多摩大学院経営情報学修了)
テレビコメンテーター
多摩大学客員講師(18,19)
帝塚山大学客員講師(19)
登録者24万人のビジネス系YouTube

「スーパーJチャンネル」「めざましテレビ」「王様のブランチ」「クイズミリオネア」等の元放送作家。日本を代表するPR戦略の専門家で、企業広報のスペシャリスト。未上場から上場企業まで戦略PRを手掛けたクライアントは300社以上。

広報ブランディング、新規事業構築、外資系企業の国内イベント、海外プロモーション支援のコンサルティング会社代表。現在まで約20年間、実業家として会社を経営。これまでに三井物産、SONY、三菱鉛筆、日本瓦斯など200社以上の広報支援、スウェーデン大使館やドバイ政府観光局などの国際観光誘致イベントなどを行う。

代表的なコンサルティング案件としては、日本中の女性たちの心を動かした「表参道のパンケーキブーム」、1年で200万台以上を売り上げた「ふとん専用掃除機レイコップ」、世界が注目する食イベント「肉フェス」、1カ月で6000万人(日本の約半分)にバズらせた「ジャポニカ学習帳“昆虫の表紙が変わった?”」がある。

経営と並行してMBA(情報工学博士前期課程)取得。東京都中小企業振興公社講師。成蹊大学、多摩大学、帝塚山大学の客員講師。東洋経済新報社、ダイヤモンド社、朝日新聞出版社、PHP出版、総合法令出版社、アスコム社、大和出版、すばる舎、宝島社から累計21冊80万部の著書を上梓。

日本神経心理学会、日本行動心理学学会、行動経済学学会、一般社団法人日本行動分析学会、日本社会心理学会、一般社団法人日本小児心身医学会、認知神経科学会の各学会員。

日経ヴェリタス・東洋経済オンライン・ダイヤモンドオンライン・プレジデントの4大経済メディアで専門家として記事連載もおこなっております。お読みになりたい方はこちらからご覧下さい。

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