広報・PRでエイプリルフールネタのプレスリリース配信をするポイントと3つの注意点
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2025.10.08

広報・PRでエイプリルフールネタのプレスリリース配信をするポイントと3つの注意点

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この記事では広報・PR担当者の皆さんに向けて、エイプリルフールネタのプレスリリース配信をするにあたっての注意点などについて解説していきます。

広報・PR担当者の中には「せっかくのエイプリルフールなのだから何か仕掛けたい」とワクワクしている方もいるかもしれませんが、実は気を付けなければならないことが多い日でもあります。

そこで本記事ではエイプリルフールネタのプレスリリース配信をする際の注意点、エイプリルフールネタのプレスリリース配信についてどう考えるべきか、さらにプレスリリース以外でエイプリルフールネタを扱う方法などについてお伝えしますので、ぜひ参考にしてください。

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エイプリルフールネタのプレスリリースについての注意点3つ

それではエイプリルフールネタのプレスリリースについての注意点をいくつか紹介していきますので、広報・PR担当者の皆さんはぜひ参考にしてください。エイプリルフールにはどことなく楽しいイメージを抱いている人が多いと思いますが、気を付けるべきことも多いです。

注意点①:誤解を招かないようにする|そもそもすぐに嘘だと理解されるようにする

エイプリルフールだからといって本当に嘘だとわからないようなプレスリリースを出すのはNGです。一般人のプライベートの発信ならまだしも、プレスリリースは「企業の公式文書」なので嘘だとバレないようではむしろ困ります。

そのためタイトルに【エイプリルフール】と含めたり、そうでなくてもリード文の最初の方にエイプリルフールという文言を必ず入れましょう。

注意点②:プレスリリース配信後の行動も決めておく

単にバズり狙いで企業の認知度を少しでも上げたいだけであれば、プレスリリースの配信後に特別な行動をする必要はないかもしれません。ただ、例えば最初の「エイプリルフール関連のプレスリリース」の配信後に、今度は「4月1日や入学式・入社式にちなんだ商品・サービスのプレスリリース」を出すというやり方もあります。

また、プレスリリースでなくても、SNSや公式ウェブサイトなどでなんらかの情報発信をするのもいいでしょう。

注意点③:遊びではなく業務であることを意識し、法令やコンプライアンスなどを守る

エイプリルフールということで、つい「遊び」の感覚になるかもしれませんが、そうではなくあくまで「業務」であることを意識し、法令やコンプライアンスを守りましょう。主に以下のことを意識してください。

  • 嘘の段階で他者や他社を傷付けることのないようにする
  • 他者や他社を巻き込まない嘘にする
  • ブランディングを守る

極端な例ですが「自社の商品を持っている人は今後成功しません」などの嘘をつけば、実際に商品を持っている人が傷付くでしょうし、取引先なども困るはずです。また、「こんな嘘をつく企業の商品は買いたくない」と、未来のユーザーも逃す可能性があります。

また、ブランディングに関してですが、そもそもエイプリルフールに嘘をつく行為が自社のイメージに合うか考えることも大事です。例えば、硬い普段硬い雰囲気で情報発信をしている企業が突然フランクな嘘をつけば、それだけでマイナスイメージになるかもしれません。

エイプリルフールネタのプレスリリース配信はおすすめしない|メリットが上回るなら要検討

結論としてエイプリルフールネタのプレスリリース配信は基本的におすすめしません。なぜならほぼ問題のない配信ができたとしても、ブランディングに影響が出かねない、「嘘をついた」という理由で悪い印象を抱くユーザーがいるなどのことがあるためです。

また、そもそもエイプリルフールネタのプレスリリース配信で得られるメリットと、配信によるリスクが釣り合っていないという考え方もできます。

メリットが上回るなら要検討

ただしエイプリルフールネタのプレスリリース配信をするメリットが上回りそうなのであれば検討する価値はあります。例えば以下の条件を満たすなら、配信する意味があるかもしれません。

  • そもそも嘘ではない(ユニークな商品を発売するなど)
  • 「悪印象を抱くユーザー」がいたとしても大勢に影響を与えない
  • プレスリリース配信の労力がそれほどかからない
  • プレスリリース配信後のビジョンもきちんと見える

そもそもエイプリルフールネタのプレスリリースでなくてもなんらかの情報発信をする以上は、それに対する悪印象を抱くユーザーを完全にゼロにすることはできません。そのため主に上の条件を満たすのであれば、配信にチャレンジするのもいいでしょう。

企業公式SNSなどで軽いプレスリリースネタの投稿をする方法もある

また、大々的にプレスリリース配信をせずとも、企業公式SNSなどで軽いプレスリリースネタを投稿する方法もあります(むしろこちらを連想した広報・PR担当者が多いかもしれません)。

ただ、やはりここまで解説してきたようなリスクがあることは確かですし、SNSの場合は「投稿自体に問題はなくても、単にスベった感」がブランディングに影響することもあります(冗談ではなく本当です)。

そのためSNS投稿などでエイプリルフールネタを扱う場合も、きちんと業務の一環として捉え、投稿内容は明確な戦略を持って決めましょう。そして「投稿するメリットがない」「リスクの方が大きい」、また「他のことにリソースを割くべき」と判断したなら素直にやめておくべきです。

戦略と勝算があればエイプリルフールはネタになる(まとめ)

特にSNSの普及もあって、「エイプリルフールネタでわざわざ騒ぐことは格好悪い」という価値観が浸透してきていることも否定できません。また、「嘘が受け入れられにくい時代になった」「マイナスイメージも拡散されやすい」など、エイプリルフール事情から現代の広報・PRのあるべき姿も見えてくるかもしれません。

ただ、バズりやすい、その後の展開も決めていれば勝負しやすいなどのメリットもあるので、戦略と勝算がある場合はエイプリルフールネタのプレスリリース配信に挑戦してみるのもいいでしょう。

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執筆者・監修者
上岡正明
経済記者・経済コメンテーター
戦略PRプランナー・著書26冊累計105万部のビジネス作家
登録者30万人のYoutuber
上岡正明

MBA(経営学博士前期課程修了)
多摩大学客員講師(18,19)
帝塚山大学客員講師(19)
登録者30万人のビジネス系YouTube

「スーパーJチャンネル」「めざましテレビ」「王様のブランチ」「クイズミリオネア」等の元放送作家。日本を代表するPR戦略の専門家で、企業広報のスペシャリスト。未上場から上場企業まで戦略PRを手掛けたクライアントは300社以上。

広報ブランディング、新規事業構築、外資系企業の国内イベント、海外プロモーション支援のコンサルティング会社代表。現在まで約20年間、実業家として会社を経営。これまでに三井物産、SONY、三菱鉛筆、日本瓦斯など200社以上の広報支援、スウェーデン大使館やドバイ政府観光局などの国際観光誘致イベントなどを行う。

代表的なコンサルティング案件としては、日本中の女性たちの心を動かした「表参道のパンケーキブーム」、1年で200万台以上を売り上げた「ふとん専用掃除機レイコップ」、世界が注目する食イベント「肉フェス」、1カ月で6000万人(日本の約半分)にバズらせた「ジャポニカ学習帳“昆虫の表紙が変わった?”」がある。

経営と並行してMBA(情報工学博士前期課程)取得。東京都中小企業振興公社講師。成蹊大学、多摩大学、帝塚山大学の客員講師。東洋経済新報社、ダイヤモンド社、朝日新聞出版社、PHP出版、総合法令出版社、アスコム社、大和出版、すばる舎、宝島社から累計21冊80万部の著書を上梓。

日本神経心理学会、日本行動心理学学会、行動経済学学会、一般社団法人日本行動分析学会、日本社会心理学会、一般社団法人日本小児心身医学会、認知神経科学会の各学会員。

日経ヴェリタス・東洋経済オンライン・ダイヤモンドオンライン・プレジデントの4大経済メディアで専門家として記事連載もおこなっております。お読みになりたい方はこちらからご覧下さい。

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