この記事では、広報・PR担当者が語彙力を高めるための方法などについてお伝えしていきます。
「語彙力が低くてプレリリースなどを作ることに苦労している」「語彙力が低いせいで説得力が出ない」などとお悩みの方は少なくないと思います。
そこで本記事では、広報・PR担当者に求められるタイプの語彙力の種類、そして語彙力を高めるための方法やポイントなどに関して解説します。
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広報・PR担当者に必要な4種類の語彙力
それでは広報・PR担当者に必要な語彙力を4種類に分けて紹介します。辞書的な意味の「語彙力」とは少し違うので気を付けてください。
①:常識レベルの言葉を使いこなせる能力
語彙力と聞いて「小説家レベルで言葉を使いこなさなくては」とイメージする人も多いと思いますが、広報・PR担当者の場合は常識レベルの言葉や表現を使うことができれば十分です。
なぜなら特殊な単語・言い回し、専門的な単語・言い回し、ポエミーな単語・言い回しを使ったところで理解されにくく、場合によっては「わかりやすく伝えるつもりがない」と思われて、読み手に嫌われる可能性があります。
ただ、「常識レベルの語彙力」も人によっては身に付いていないため、広報・PR担当者になってからも語彙力に関するトレーニングはするべきです。
②:相手に伝わる言葉を選ぶ能力
例えば自社と同じ業界の専門誌などにプレリリースを送る場合は、専門用語なども遠慮せずに使う方がむしろ伝わりやすくなるはずです。逆に一般誌などへの掲載を狙うのであれば、専門用語はできるだけ避けて誰にでも伝わるような言葉をチョイスするべきでしょう。
このような言葉の適切な取捨選択をする能力も、広報・PR担当者にとって必要な能力といえます。
③:相手が求めていることを把握して整理する能力
これを「語彙力」に含めるかどうかは難しいところですが、相手が求めていることを把握して整理する能力も必要です。
例えば、誰でも「このメディア関係者はネタになる情報を探している」ということはわかるはずですが、広報・PR担当者の場合は、一例として「今、○○成分を使ったサプリの情報を求めている」くらいのことは把握する必要があります。
その上で、さらに「サプリの情報の中でも特に安全性に関する情報を求めている」などのことを深堀りしていくことが大事ですが、これも語彙力がないとやりにくいことです。
語彙力以外の能力ももちろん必要<
上で「これを語彙力に含めるかどうかは難しいところ~」とお伝えしたのは、他にも相手から話を聞き出すヒアリング力、相手について調べるリサーチ力、情報から何かを見出す分析力などが必要だからです。
そして「ヒアリング力、リサーチ、分析力などがあれば大丈夫では?」と感じるかもしれませんが、その土台になる語彙力がなければ成り立ちません。
④:情報を整理して一つの資料などにまとめて相手に伝える能力
こちらも語彙力に含めるかどうかは微妙なところですが、各種の情報を一つの資料などにまとめて相手に伝える能力も必要です。
極端にいえば、例えばプレリリースなどを「一つの大きな言葉」として捉えると、そのプレリリースを作るために語彙力が欠かせないことが理解しやすくなるのではないでしょうか。
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広報・PR担当者が語彙力を鍛えるための8つの方法・ポイント
それでは広報・PR担当者がビジネスで必要な語彙力を鍛えるための方法やポイントをいくつか紹介していきます。
①:新聞などのメディアに積極的に触れる
やはり文章を積極的に読むことで語彙力がアップしやすくなります。
そして広報・PR担当者としては新聞などのメディアで文章に触れたいところです。新聞を読むことで世の中に対してアンテナを張ることができますし、「伝え方」の勉強にもなるため効率がいいです。
良さそうな単語や言い回しがあればメモをしたり、記事を切り抜いて保管したりするのもいいでしょう。
②:本を読む(できれば広報・PR・メディア関連の書籍)
本を読むことでも語彙力アップが望めます。新聞と同じく、良さそうな単語や言い回しがあればメモをするといいでしょう。
ただ、できれば広報・PR・メディア関連の新書やノウハウ本を読むことをおすすめします。その理由は主に2つあります。
理由①:勉強になる
広報・PR・メディア業界は幅が広く掴みどころもないため、かえって初心者向けの本であっても新たな発見がある場合が多いです。勉強のためにも読んでみてはいかがでしょうか。
理由②:論理的思考力が上がる
その本のレベルにもよりますが、新書やノウハウ本の多くは筆者が「どうすれば伝わるか」「1冊をどのように構成するとわかりやすくなるか」を考え抜いて作っています。そのため、1冊を通して読むことで、読み手の「伝える能力」や「論理的思考力」もアップします。
趣味で小説などを読むのもいいですが、小説を読む場合は「独創的すぎる」「必ずしも論理的ではない」などの理由から、語彙力のアップはそれほど期待しないようにしましょう。もちろん新しい単語や言い回しは覚えられるはずですが、最初にお伝えした「広報・PR担当者に必要な語彙力」には結びつかないかもしれません。
③:自社に関する資料やサイトなどを読み込む
自社に関する資料やサイトも読み込む必要があります。これは当然「自社研究」でもありますが、それだけでなく自社にまつわる言葉、例えば商品・サービス名、自社ならではの単語・言い回しなどを覚えるという意味合いももちろんあります。
ぜひメモを取るなどしながら自社に触れていきましょう。
④:必要に応じてアウトプットをする
新聞、書籍、自社資料・サイトなどを読んでインプットしても、それを使わないことには記憶や知識として定着しにくいです。そのため書く・話すなどの行為を通じてアウトプットをすることをおすすめします。
ただし広報・PR担当者の場合は、日々プレリリース、アプローチメール、各種資料などを作成することで自然とアウトプットをしているかもしれません。その中で新聞や書籍などから得た語彙を使うこともあるでしょう。
そのため「自分にはアウトプットが足りていない」と感じる人のみ、「業務と直接関わらないアウトプット」をすれば十分です。
⑤:日記でのアウトプットをする
こちらも必要に応じてで構いませんが、日記でのアウトプットもおすすめです。普段はプレリリースなどで「まとまりのある、他人に読ませる文章」を書くでしょうから、日記は自由に書きましょう。
難しい言葉を使っても構いませんし、詩や俳句でもOKです。とにかく自分の「魂」の赴くままに書くことをおすすめします。
さて、プレリリースやアプローチメールは「必要な情報がわかりやすく書かれていること」が大前提ですが、その上でメディア関係者を最後に動かすのが「魂」であるというケースは珍しくありません。そのため日記でハートのこもった文章を書く練習をすることは意外と大事なのです。
⑥:言い換えの練習をする
例えば「面白い」を感じたら、「ユーモアがある」「ユニーク」「興味を惹かれる」など意図的に言い換える練習をするのもおすすめです。
人に何か新しい情報を伝える場合、同じ情報を3回以上伝えるのがいいとされています(1回だけでは伝わりにくい)。
ですがその3回を全く同じ言い回しで行うと、「手抜きをしている」「なんで同じことを繰り返すのだろう」などと思われやすくなるため、「同じ内容でも言い回しを変える能力」は広報・PR活動をする上で以外と大事です。
⑦:形容詞をできるだけ使わない
「嬉しい」「楽しい」「素晴らしい」などの言葉を形容詞と言い、一般的な文章作成や会話をする上ではとても便利です。ただ、プレリリースなどで形容詞を使いすぎると、それだけでボンヤリした印象になるため注意が必要です。
例えばプレリリースに「女性にとって嬉しい商品」などと書くのは好ましくありません。この場合、一例として「○%の女性が重視する□□効果がある商品」など具体的に書きたいところです。
⑧:文章や会話で「賢く見られたい」という意識は捨てる
最後のポイントは文章や会話などにおいて「賢く見られたい」という意識を捨てることです。
難しい言葉や専門用語をむやみに使わない方がいいということはわかりやすいですが、その逆の「簡単な言葉、短い文章でバッと伝えること」が必ずしも正解とは限らないので気を付けましょう。
広報・PRで重要なのは、とにかく「相手にとってわかりやすい伝え方をすること」です。その方が結果的に賢いと思ってもらいやすくなります。
広報担当者が語彙力を高めるには(まとめ)
広報・PR担当者にとっては高い語彙力が欠かせませんが、ここでいう語彙力とは、つまり「その相手にとって伝わりやすい伝え方をする能力」のことです。小説家や詩人のように言葉を使いこなしたり、お笑い芸人のように楽しい話し方ができたりする必要はないのでご安心を。
そして語彙力を高める上で重要かつ軽視しやすいこととして「アウトプット」があります。広報・PR担当者の場合はプレリリースなどを書くことで自然とアウトプットをするものですが、それでも不足すると感じるなら業務とは別にアウトプットの機会を設けることをおすすめします。
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