成功と失敗のパターンとは?ビジネスの成果を左右する2種類のパターン分析方法
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2020.11.11

成功と失敗のパターンとは?ビジネスの成果を左右する2種類のパターン分析方法

ビジネスの成功と失敗を左右sるうのが、パターン。つまり「傾向」です。これには大きく分けて2種類のものがあります。

1つは「トレンド」、もう1つは「2つ以上の物事の相関関係」です。
これらを知ることで、マーケッターなら思考力強化や広報担当者の問題解決力の向上につながります。ぜひ知っておきましょう♡

 

ビジネスやマーケティングの2種類のパターンを見出せ

パターンすなわち「傾向」には大きく分けて2つの種類があると述べました。

1つめの「トレンド」は、時間とともに何かが変化するというものです。「スマートフォンの浸透率が増える」「初婚年齢が上がる」などはトレンドの一種といえます。

特に一国の人口動態などは慣性の法則が強くて、なかなかに変化しないトレンドです。こういった長期的なトレンドを正しく押さえておくことは、未来に向けて生じるだろう問題を予測したり、それを解決する策を前倒しで検討する上での基本となります。

もう1つの「2つ以上の物事の相関関係」は、近年ではAIやビッグデータの進化などもあり、人間ではすぐには気づかないような相関を含む、複雑な重回帰分析(複数の相関関係を元に予測を行う分析手法)なども行えるようになりました。

アマゾンなど、eコマースのリコメンデーションメールなどはその典型といえます。

タイトルの言葉は、アメリカのライドシェア大手である、ウーバーで用いられているものですが、彼らも、ビッグデータからさまざまな傾向を見出して、ビジネスに活用しようとしているのです。

ただし、この方法は、予測に関しては強いのですが、経営的な論点が絡む場面において、人を納得させて動かしていくといった場面では、やや説得力が弱くなるという傾向があります。

 

仮説検証にはパターンの発見が必要

現実の中の問題解決では、やはり今でも納得感、説得力といった観点から重要視されているのは、シンプルな2変数間の相関関係です。

たとえば学習支援事業を例に考えてみることにします。いくつかの項目と習得レベルの相関をとってみたところ、復習時間と習得レベルに最も大きな相関があるのであれば、習得レベルを上げるために「しっかりたくさん復習するように」と言うことはかんたんですし、聞いている方の納得感も高いことでしょう。

もし2番目に大きな相関関係が見られたのが、学生の自己肯定感を高めるような講師からの発言だとしたら、学生を肯定するような発言をするよう促すことも有効でしょう(いずれも実際の効果は検証する必要がありますが)。

また、製造業で、気温と不良品率の間にある一定の相関関係があるのであれば、気温を○度に保つというのもわかりやすい対応方法であるといえます。

こうしたパターンを仮説を立てながら検証、確認していくというのは、やはり効果的です。

 

パターンの発見と利用の最後は人間の知恵と努力

昨今では、前述した通り、テクノロジーの進化によって、人間が気がつきにくい(仮説思考をしにくい)パターンの発見などにITを使うといったシーンも増えてきました。
「スーパーマーケットでは、ビールと使い捨ておむつが同時に売れやすい」というのは、POSデータから発見された古典的な事例です。

今後は、「店内でこのパターンの動線を歩いた人は、他のものよりもAという商品を買いやすい」といった、より複雑な関係性が見出される可能性も考えられます。

ただ、コンピュータが勝手にセンサーを設置するなどということはありませんよね。結局のところ、データ収集、データ入力の段階で、人間の持つセンスやスキルは必ず必要となってくるのです。

日頃より、さまざまな事柄の相関について仮説を持つこと、そして多くの事例をレファレンス(参考事例)として持つことが大切です。
その上で、IoTなども費用対効果を考えながら導入するなどして、人間の先入観にとらわれない発見の方法も同時に持つ必要があります。

まとめ

パターンを見出せとあるように、「トレンド」から未来に向けて生じるだろう問題を見つけ出したり、「2つ以上の物事の相関関係」を、時にはIoTを駆使して、問題を発見していくことができるということを学びました。


執筆者・監修者
上岡正明
経済記者・経済コメンテーター
戦略PRプランナー・著書26冊累計105万部のビジネス作家
登録者25万人のYoutuber
上岡正明

MBA(多摩大学院経営情報学修了)
テレビコメンテーター
多摩大学客員講師(18,19)
帝塚山大学客員講師(19)
登録者24万人のビジネス系YouTube

「スーパーJチャンネル」「めざましテレビ」「王様のブランチ」「クイズミリオネア」等の元放送作家。日本を代表するPR戦略の専門家で、企業広報のスペシャリスト。未上場から上場企業まで戦略PRを手掛けたクライアントは300社以上。

広報ブランディング、新規事業構築、外資系企業の国内イベント、海外プロモーション支援のコンサルティング会社代表。現在まで約20年間、実業家として会社を経営。これまでに三井物産、SONY、三菱鉛筆、日本瓦斯など200社以上の広報支援、スウェーデン大使館やドバイ政府観光局などの国際観光誘致イベントなどを行う。

代表的なコンサルティング案件としては、日本中の女性たちの心を動かした「表参道のパンケーキブーム」、1年で200万台以上を売り上げた「ふとん専用掃除機レイコップ」、世界が注目する食イベント「肉フェス」、1カ月で6000万人(日本の約半分)にバズらせた「ジャポニカ学習帳“昆虫の表紙が変わった?”」がある。

経営と並行してMBA(情報工学博士前期課程)取得。東京都中小企業振興公社講師。成蹊大学、多摩大学、帝塚山大学の客員講師。東洋経済新報社、ダイヤモンド社、朝日新聞出版社、PHP出版、総合法令出版社、アスコム社、大和出版、すばる舎、宝島社から累計21冊80万部の著書を上梓。

日本神経心理学会、日本行動心理学学会、行動経済学学会、一般社団法人日本行動分析学会、日本社会心理学会、一般社団法人日本小児心身医学会、認知神経科学会の各学会員。

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