キャズム理論とは?意味や使い方とイノベーター理論との関係まで高校生でもわかるよう解説
戦略一覧
コンサルティングスキル
2023.02.27

キャズム理論とは?意味や使い方とイノベーター理論との関係まで高校生でもわかるよう解説

キャズム理論とは、ハイテク業界が新技術を世の中に浸透させる際に、市場は2つの層に分けられ、2つの層には簡単には超えられない深い溝(Chasm:キャズム)が生じることを提唱した理論です。

ちょっと難しいですよね。なので、キャズムのすべてを高校生でもわかりやすく3分で説明していきます。

キャズムを一言でいうとなに?

引用画像_キャズム

※引用画像_キャズム理論「スタンフォー大学 エベレット・M・ロジャース教授が提唱した理論」

2つの層とは、イノベーター理論にも出てくる「普及率16%」を境に分けられます。要は流行に敏感な層と、そうでない層との境目です。

簡単に言うと、説明は以上です。最新テクノロジーを使うような商品は、いち早く手に入れたがる層と、流行が浸透してから手に入れたがる層とでは、商品を欲しがる理由が全く違うというマーケティング理論です。このキャズム理論は、アメリカのマーケティング・コンサルタントであるジェフリー・A・ムーア氏が1991年に刊行した著書「Crossing the Chasm」によって提唱されました。

 

キャズムを深く知ろう!イノベーター理論の5つのグループ

引用画像_キャズムのイノベーター理論

キャズム理論を理解するためには、イノベーター理論を知っておく必要があります。ここでは、軽くイノベーター理論について解説をしたいと思います。

■5つの消費者グループとは

社会学者のエベレット・M・ロジャーズ氏が提唱したイノベーター理論では、新しい商品(ライフスタイル)を採用していく順に、消費者を5つのグループに分類しました。

  1. イノベーター(革新者)
  2.  アーリーアダプター(初期採用者)
  3. アーリーマジョリティ(前期追随者)
  4.  レイトマジョリティ(後期追随者)
  5.  ラガード(遅滞者)

 

イノベーター理論では、新商品や新サービスが市場全体に浸透するには、アーリーアダプターにまで浸透すれば急激に市場に普及していくとされています。マーケティングを考える際には、アーリーアダプターの存在が一番重要視され、これを「普及率16%の論理」の基礎となっていると言えます。

■キャズムの深い溝

キャズム理論での深い溝(キャズム)で分かれる2つの層とは、次の通りです。

  • 初期市場(少数の革新者層):イノベーターとアーリーアダプター層で構成される
  • メインストリーム市場(一般層):アーリーマジョリティとレイトマジョリティ層で構成される

 

キャズム理論における5つの市場の特徴

■イノベーター(別名:テクノロジーマニア)

テクノロジーマニアは、新しいテクノロジーを習得することに強い関心を持っていて、技術に対する造詣も深い人たちです。新製品を真っ先に購入しようと行動を起こします。新しいテクノロジーの普及における最初の鍵となるカテゴリーの人・企業です。

■アーリーアダプター(別名:ビジョナリー)

ビジョナリーは、新たなテクノロジーをいち早く採用する人で、新しいテクノロジーが自社の企業戦略に合っているかを洞察し、自らのリスクでプロジェクト化・現実化してテクノロジーを使用します。技術に対する造詣も深く、イノベーターよりも現実的ですが、新しいテクノロジーを使ったブレークするーを求める傾向があります。

ビジョナリーの特徴としては、「先進事例として紹介されることを好むこと」「価格に対して他の顧客グループに対して寛容であること」が挙げられます。

■アーリーマジョリティ(別名:実利主義者)

ビジョナリーが、新しいテクノロジーを使って飛躍的な進歩を期待するのに対して、実利主義者は着実な、成果測定のできる進歩を求めます。また、他の人たちが新しいテクノロジーをどのように利用しているのかを知りたがります。同種の集団の中で情報交換をすることが多く、先行事例と信頼関係が重要です。マーケットリーダーの製品・サービスを購入し、提供者同士を競争させたがる傾向があります。

■レイトマジョリティ(別名:保守派)

保守派は、本質的に非連続なイノベーションを受け入れない人たちです。進歩によりこれまでの慣習を重んじ、自分たちに役立つものがあれば、ずっとそれを使い続ける傾向があります。

■ラガード(別名:懐疑派)

懐疑派は、通常ハイテクマーケティング市場には参加してこない人たちです。懐疑派の人たちは「不連続なイノベーションが自分たちの期待に応えてくれることは少なく、往々にして予期せぬ結果になる」と考えており、これを論破するのはほぼ不可能と考えられています。

 

まとめ キャズムの谷を越えていこう

キャズム理論とは、イノベーティブ産業やハイテク業界において、流行を積極的に取り入れる初期市場では「新しさ」を求め、流行を消極的に取り入れるメインストリーム市場では「安心感」を求めます。なので、2つの層は全く価値観が違うことを提唱した理論だということがわかりました。

キャズムの谷間を乗り越えて、商品を市場に浸透させるためには、それぞれの層の価値観に合わせたマーケティング戦略が必要ということです。


執筆者・監修者
上岡正明
経済記者・経済コメンテーター
戦略PRプランナー・著書26冊累計105万部のビジネス作家
登録者25万人のYoutuber
上岡正明

MBA(多摩大学院経営情報学修了)
テレビコメンテーター
多摩大学客員講師(18,19)
帝塚山大学客員講師(19)
登録者24万人のビジネス系YouTube

「スーパーJチャンネル」「めざましテレビ」「王様のブランチ」「クイズミリオネア」等の元放送作家。日本を代表するPR戦略の専門家で、企業広報のスペシャリスト。未上場から上場企業まで戦略PRを手掛けたクライアントは300社以上。

広報ブランディング、新規事業構築、外資系企業の国内イベント、海外プロモーション支援のコンサルティング会社代表。現在まで約20年間、実業家として会社を経営。これまでに三井物産、SONY、三菱鉛筆、日本瓦斯など200社以上の広報支援、スウェーデン大使館やドバイ政府観光局などの国際観光誘致イベントなどを行う。

代表的なコンサルティング案件としては、日本中の女性たちの心を動かした「表参道のパンケーキブーム」、1年で200万台以上を売り上げた「ふとん専用掃除機レイコップ」、世界が注目する食イベント「肉フェス」、1カ月で6000万人(日本の約半分)にバズらせた「ジャポニカ学習帳“昆虫の表紙が変わった?”」がある。

経営と並行してMBA(情報工学博士前期課程)取得。東京都中小企業振興公社講師。成蹊大学、多摩大学、帝塚山大学の客員講師。東洋経済新報社、ダイヤモンド社、朝日新聞出版社、PHP出版、総合法令出版社、アスコム社、大和出版、すばる舎、宝島社から累計21冊80万部の著書を上梓。

日本神経心理学会、日本行動心理学学会、行動経済学学会、一般社団法人日本行動分析学会、日本社会心理学会、一般社団法人日本小児心身医学会、認知神経科学会の各学会員。

日経ヴェリタス・東洋経済オンライン・ダイヤモンドオンライン・プレジデントの4大経済メディアで専門家として記事連載もおこなっております。お読みになりたい方はこちらからご覧下さい。

①:東洋経済オンラインでの連載記事
②:ダイヤモンドオンラインでの連載記事
③:プレジデントでの連載記事
④:日本経済新聞での連載記事