メディアリスト作成のポイント3選とPRのプロが必ずチェックするメディア露出までの注意点3選
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2025.08.01

メディアリスト作成のポイント3選とPRのプロが必ずチェックするメディア露出までの注意点3選

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この記事では広報・PR担当者の皆さんに向けて、メディアリスト作成のポイントや注意点などに関して解説していきます。

「そもそもメディアリストとは?」という方から、「メディアリストを作るコツや気を付けるべきことを知りたい」という広報・PR担当者にまでおすすめできる内容となっています。

本記事では、メディアリストの概要、作成のポイントや注意点などについてお伝えしますので、ぜひ参考にしてください。

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広報・PR活動におけるメディアリストとは?

広報・PR活動におけるメディアリストとは「メディア・メディア関係者の連絡先リスト」のこと。これがあるとプレスリリース送付などの情報提供が楽になり、毎回メディア・メディア関係者の連絡先を調べる手間を省くことができます。

また、過去のプレスリリース送付歴、掲載・報道してもらった履歴、相手が主に扱っている記事ジャンルなども記入しておくと、「このメディア関係者に送って喜ばれる情報なのか」なども判断しやすくなります。

広報・PR担当者がメディアリストを作るにあたってのポイント3つ

それではメディアリストを作るにあたってのポイントをいくつか紹介していきますので、広報・PR担当者の皆さんはぜひ参考にしてください。「良いメディアリスト」もあれば、「良くないメディアリスト」もあるので気を付けて作りましょう。

ポイント①:誰でも使いやすいメディアリストにする

「主な作成者だけが使いやすいメディアリスト」では、本人が不在のときや引き継ぎなどの際に困ってしまいます。そうでなくても使いにくいと、徐々にストレスが蓄積していくことになります。

そのため誰でも使いやすいメディアリストにすることを心掛けてください。環境、知識、経験、スキルなどに関係なく、少なくとも広報・PR部署の社員であれば誰でも問題なく使えるようにするのです。ただでさえ広報・PR活動は「属人化」しやすいので気を付けてください。

これは非常に重要なことですのでメディアリストのテンプレートやシステム作りに関しては、その道のプロにアウトソーシングしてもいいくらいです。

ポイント②:メディア関係者に直接連絡できる方法を少しでも増やすつもりで作る

メディアリストはメディア関係者に直接連絡できる方法を少しでも増やす意識で作りましょう。機械的にメディア・メディア関係者の連絡先を記入するだけでは、「連絡しようと思ったらつながらなかった」ということになりかねないので気を付けてください。

メディア関係者への連絡方法としては一般的に、編集部などの電話番号・ファックス番号などがありますが、できるだけメディア関係者個人の携帯電話番号、メールアドレス、SNSアカウントなども調べて書きましょう。

特にSNSアカウントを持っているメディア関係者は最近多く、DMでのやり取りをきっかけにメディア露出まで進むケースさえあります。そのため、X(Twitter)、Instagram、Facebookなど、そのメディア関係者のSNSアカウントはすべておさえるつもりで調べましょう。

ポイント③:そのメディア関係者への情報提供歴なども書く

最初にも触れましたが、メディアリストには「そのメディア関係者への情報提供歴」も書きましょう。具体的にはプレスリリース送付歴、メールでの簡単な情報提供歴、面談した際に伝えた情報の履歴などです。

さらに情報を伝えたことの結果、例えば「掲載・報道につながった」、「取材まではあった」、「面談はできた」、「反応は良かった」、「ほとんどスルーされた」なども記録しておくと、「そのメディア関係者からのウケが良い傾向にある情報の種類」もわかりますよね。

広報・PR担当者がメディアリストを作るにあたっての注意点3つ

続いては広報・PR担当者がメディアリストを作るにあたっての注意点をいくつか紹介していきますので、ぜひ参考にしてください。「ただ連絡先リストを作ればいいだけ」と考えていると、結局は使いにくいメディアリストになってしまう可能性が高いです。

注意点①:メディアリストの取り扱いルールを決める

メディアリストは複数の社員が閲覧・編集するはずです(メディアリストの役割上そうあるべきです)。ただ、だからこそ取り扱いルールを決めて、トラブルが起きないようにしなくてはなりません。

具体的なポイントは主に以下の通り。

  • 別名保存(複数のファイルを作ってしまう)を禁止する
  • 更新履歴(更新内容と更新日時)を必ず残す
  • バックアップを確実に残す(メディアリスト以外にも言えることですが)

取り扱いルールについて定期的に確認し合い、「申し訳程度のもの」にならないようにしましょう。そうでないと、例えば「数か月間なんとなく運用し続けて、ようやく気付いた頃には取り返しのつかない状況に」などとなりかねません。

注意点②:メディアリストのファイル自体や内容を絶対に外部に漏らさない

メディアリストのファイル自体や内容について、どれほど細かいものでも絶対に外部に漏らさないようにしましょう。個人情報保護法を守らなければなりませんし、それを抜きにしても他社の情報が悪用されるきっかけを作ってしまってはビジネスマンとしても失格と言えます。漏洩を防ぐためにもパスワード制にするなど万全のセキュリティ対策をしましょう。

また、意外と多いのが「オフィス外にてノートパソコンなどで閲覧していて、周りの人に見られてしまう」というもの。これを防ぐためにもオフィス内以外では閲覧禁止などのルールも作るといいでしょう。

✅ルール表を作って配布する

メディアリストに関するルール表を作って関係者に配布することをおすすめします。また、「配って終わり」ではなく定期的に読み合わせなどを行うといいでしょう。

注意点③:メディア・メディア関係者に「掲載・報道してほしい」と伝えないようにする

あらゆる場面において、メディア・メディア関係者に対して「掲載・報道してほしい」などと伝えないようにしましょう。掲載・報道するかどうかはメディア・メディア関係者が決めることであり、部外者が何か伝えたところで変わるものではありません。

それにも関わらずリクエストしても意味がないですし、そもそも他人がプライドを持って行っている仕事に対して「○○をしてみませんか?」と軽々しく言うのは非常識です。プレスリリースなどの質が高ければ、言うまでもなく掲載・報道してくれるので余計なことは言わないようにしましょう。

「さすがにそのようなことはしない」と感じるかもしれません。しかしメディアリストを作るとメディア関係者への連絡が簡単になるため、プレスリリース送付などがルーティン化してくる可能性があります。すると、つい勢いや習慣で「ぜひ掲載・報道をご検討ください」などと言ってしまいがちなので気を付けてください。

PRのプロが必ずチェックするプレスリリースの注意点(まとめ)

メディアリストがあると広報・PR業務がかなり楽になるので、時間をかけてでも質の高いものを作りましょう。特に最初のうちはそれだけで膨大なリソースを消費するかもしれませんが、その後積極的にプレスリリース送付などを行うのであればリターンは大きいです。

ただしメディアリストは誰でも理解できるものでないと意味がないので閲覧環境のことも考慮して作りましょう。また、メディアリストはいわば「個人情報の塊」なので決して漏洩することのないように気を付けてください。

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執筆者・監修者
上岡正明
経済記者・経済コメンテーター
戦略PRプランナー・著書26冊累計105万部のビジネス作家
登録者30万人のYoutuber
上岡正明

MBA(経営学博士前期課程修了)
多摩大学客員講師(18,19)
帝塚山大学客員講師(19)
登録者30万人のビジネス系YouTube

「スーパーJチャンネル」「めざましテレビ」「王様のブランチ」「クイズミリオネア」等の元放送作家。日本を代表するPR戦略の専門家で、企業広報のスペシャリスト。未上場から上場企業まで戦略PRを手掛けたクライアントは300社以上。

広報ブランディング、新規事業構築、外資系企業の国内イベント、海外プロモーション支援のコンサルティング会社代表。現在まで約20年間、実業家として会社を経営。これまでに三井物産、SONY、三菱鉛筆、日本瓦斯など200社以上の広報支援、スウェーデン大使館やドバイ政府観光局などの国際観光誘致イベントなどを行う。

代表的なコンサルティング案件としては、日本中の女性たちの心を動かした「表参道のパンケーキブーム」、1年で200万台以上を売り上げた「ふとん専用掃除機レイコップ」、世界が注目する食イベント「肉フェス」、1カ月で6000万人(日本の約半分)にバズらせた「ジャポニカ学習帳“昆虫の表紙が変わった?”」がある。

経営と並行してMBA(情報工学博士前期課程)取得。東京都中小企業振興公社講師。成蹊大学、多摩大学、帝塚山大学の客員講師。東洋経済新報社、ダイヤモンド社、朝日新聞出版社、PHP出版、総合法令出版社、アスコム社、大和出版、すばる舎、宝島社から累計21冊80万部の著書を上梓。

日本神経心理学会、日本行動心理学学会、行動経済学学会、一般社団法人日本行動分析学会、日本社会心理学会、一般社団法人日本小児心身医学会、認知神経科学会の各学会員。

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