メールでプレスリリースを送付する際の手順と注意ポイント4選
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2025.10.01

メールでプレスリリースを送付する際の手順と注意ポイント4選

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この記事では広報・PR担当者の皆さんに向けて、メールでプレスリリースを送付する際のポイントなどについてお伝えしていきます。

特に「今ままであまり深く考えずにメールで送っていた」という方や、「毎回メールを整えるのに苦労している」とお悩みの広報・PR担当者におすすめの内容となっています。

本記事では、大前提となるプレスリリースを送信する方法について、そしてメールを送付するにあたってのポイントや注意点などに関して解説しますので、ぜひ参考にしてください。

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広報・PRのプレスリリースはメールで送付するのが主流

メディア関係者などに直接プレスリリースを送る場合は、メールで送付するのが主流です。他にも郵送、ファックス、持ち込みなど、相手にとって都合が良くてきちんと届くのであれば方法はなんでも構いませんが、やはりメールが最も無難なのでしょう。

ただ、「プレスリリースはメールで送るべき」と言うのは簡単ですが、意識するべき作法は意外と多いです。単に「相手にとって少し不便」というだけならまだしも、場合によってはプレスリリースを読んでもらえない可能性もあるので気を付けなければなりません。

広報・PRでプレスリリースをメールで送付するにあたってのポイント4選

それでは広報・PRでプレスリリースメールで送る場合のポイントをいくつか紹介していきますのでぜひ参考にしてください。一つ一つは難しいことではありませんが、一つでも欠けるのは好ましくありません。

ポイント①:送信者と件名を明記する

メールには送信者と件名を明記しましょう。メディア関係者のもとには日々大量のメールが届くので、送信者と件名だけでおおよその内容を理解できるようにしないとメールを開いてもらえない可能性があります。

✅送信者について

例えば「○○株式会社|広報・PR担当・高橋」や、「○○株式会社|広報・PR担当 高橋太郎」など。会社名が長すぎる場合は「広報・PR担当」の部分を先にすれば要件がわかりやすくなります。

よくあるミスが「アドレス表示」だけになってしまうというもの。例えばある程度関係性を構築できている広報・PR担当者が相手でも判別しにくいのでやめましょう。

✅件名について

こちらは例えば「【プレスリリース】○月□日に新商品 □□を改善する30代男性向けの○○を発売」や、「【○月○日□時解禁】元○○の□□氏が代表取締役に就任」など。

件名を見ただけでも最低限の内容が伝わるようにしてください。「詳しく書くのは図々しいのでは」などと感じるかもしれませんが、そのようなことはありません。

NG例としては「プレスリリース配信です」や「プレスリリース掲載のお願い」など、プレスリリースであるということしかわからないものなど。上でお伝えした通り、プレスリリースは毎日山ほど届くので「プレスリリースである」というだけはメールを開く理由になりません。

ポイント②:メール本文には5つの項目を記載する

メール本文には5つの項目を記載して、プレスリリース本文の内容を簡単にまとめましょう。具体的に一つずつ挙げていきます。

✅項目①:時期(必ず)

例えば「○月○日に発売します」など(実際にはさらに説明を入れます。詳しくは後述)。

もし発売日などが確定しない場合は(それほど早い段階でプレスリリースを出すことはあまりありませんが)、「今冬に発売する」「12月中に発売予定」などと記載し、その上で「発売日が決定しましたら再度お知らせします」などと書くといいでしょう。

✅項目②:誰が(企業名、組織名、人物など)

こちらは「株式会社○○は」や、「○○法人□□が」など。明確に一人の人間が主導する場合は、説明の中で例えば「主催者である佐藤への取材も可能です」などと記載するといいでしょう。

✅項目③:何をするか(商品、サービス、イベント、取り組みなど)

こちらは「ダイエットサプリメントの○○を発売します」や、「○月□日に△△のイベントを開催します」や、「□月○日から△△キャンペーンを始めます」など。単に「○○(商品名)を発売します」だけではわかりにくいので簡単な説明を入れましょう。

✅項目④:どこにニュースバリューがあるか

メディア関係者はニュースバリューがないプレスリリースは読みたくないと考えています。

そのためメールの文章には、例えば「夏の暑さ対策の~(社会課題の解決)」、「世界初の(○○初のインパクト)」、「新成分○○を使用した~」、「○○県□□市の地元食材にこだわった(地域性)」など、どこにニュースバリューがあるのかを明確に記載しましょう。

✅項目⑤:取材可能日

メディア関係者にとって「取材可能です」と言われることはありがたいことなので必ず明記しましょう。

合わせて「取材可能日」として候補日を複数挙げます。一見「取材日の候補を挙げてください」と相手方に聞いた方が良いように思えるかもしれませんが、スケジュール調整が大変なので、こちらから複数提示する方が話がスムーズに進みます。

なお、あくまで「取材ができる」という事実を伝えることが大事なので、「ぜひ取材してください」などとは言わないようにしましょう。言われなくてもプレスリリースの内容に価値があれば取材依頼をするので、広報・PR担当者側から頼むのは失礼です。

ポイント③:プレスリリース自体はPDFで添付する

プレスリリース自体はPDF形式で添付するのがおすすめです。PDFは環境にあまり左右されずに開封できますし、多くのメールサービスはPDF内のテキストも検索できるためです(多忙な記者でも後から情報を検索しやすい)。

ポイント④:問い合わせ先を明記する

プレスリリースの内容に興味を持ったメディア関係者から取材依頼や連絡が入る可能性があるので、問い合わせ先を明記しましょう。メディア関係者は多忙ですし、他にもネタはたくさん届くので、最初の「取材しよう!」「連絡しよう!」という熱意が削がれると、そのままプレスリリースがボツになりかねないので気を付けてください。

記載するべき内容は主に以下の通り。

  • 社名(株式会社○○)
  • 広報・PR担当者の名前
  • 会社の電話番号、メールアドレス
  • 広報・PR担当者の電話番号、メールアドレス

さらに企業公式ウェブサイトや各種SNSアカウントもあれば掲載しておくといいかもしれません。ただし公式サイトやSNSアカウントをあまり積極的に更新していない、そこから連絡を取る手段がないなどの場合はあえて記載しなくても構いません。

広報・PRでプレスリリースをメールで送付するにあたっての3つの注意点

続いては広報・PRでプレスリリースをメールで送付するにあたっての注意点を紹介していきます。プレスリリースの内容が良くても問題点があれば取材やメディア露出につながらない可能性があるので注意が必要です。

注意点①:添付ファイルの容量に注意

添付ファイルの容量が大きすぎると、相手がメールを開くことができなかったり、時間がかかったりする可能性があります。そのためメール1通につき2MBくらいを上限としましょう。

それを超える容量のデータを見てもらいたい場合は工夫してサイズを落としたり、メール本文やプレスリリース内にURLを貼って「よろしければこちらをご覧ください」とメッセージを添えるといいでしょう。

サイズを落とすのに手間がかかりますし、画像などが見にくくなる恐れもあるので、基本的にはURLを添付するといいでしょう。ただし、アクセス先で必ず画像や動画を問題なく閲覧できるようにしておく必要があります。

注意点②:一斉送信時の注意点|そもそも一斉送信をしない選択肢も

プレスリリースをメールで複数人に送る(一斉送信をする)場合は、「BCC」を使いましょう。逆に「CC」で送ってしまうと、他の送信先も表示されてしまうので大きなトラブルにつながってしまいかねません。

また、BCCで送信するとしても、「一斉送信につきBCCでお送りしております」などと一言添えないと、「効率重視でマナーを欠いている」と判断される可能性があるので気を付けてください。

そのため、そもそもプレスリリースの一斉送信をしないという選択肢もあります。一度に複数のメディア・メディア関係者にプレスリリースを送るとしても多くて10件ほどでしょうし、CCにしてしまうリスクを考えれば悪いことではないはずです。

注意点③:ファクトチェックは必須|メール送信だからといって軽くはない

プレスリリースをメールで送る場合、「郵送に比べると気楽なので油断してしまう」「詳しい話は相手から連絡が来てから詰める」などと考えてファクトチェックをおろそかにしてしまう広報・PR担当者もいるようです。

しかしメールでプレスリリースが届いてからすぐにメディア側が原稿作成などを始める可能性もありますし、実際に後からやり取りをして話を詰めるとしても「誤情報を送ってきた企業」なのでイメージは非常に悪くなることでしょう。

そのためメールに限らずどのような方法でプレスリリースを送るとしても、ファクトチェックは怠らないでください。万全を期すためにも例えば、「広報・PR担当者で確認」→「商品やサービスの関係部署で確認」→「法務部で確認(リーガルチェック)」→「広報・PR担当者で再確認」とするといいでしょう。

メール送信はメディア関係者側の立場になって考える(まとめ)

プレスリリースの内容を魅力的にするのは当然ですが、メール送信時の作法にも気を配る必要があります。「プレスリリース作成で苦労したのに、さらに労力を使いたくない」と感じるかもしれませんが、取材やメディア露出につなげるためには欠かせないことです。

総じて言えるのは「メディア関係者側の立場になって考えること」ですね。相手がメールを受け取った際の状況を考えて、「開こう」「読もう」と思ってもらえるような立ち振る舞いが欠かせません。

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執筆者・監修者
上岡正明
経済記者・経済コメンテーター
戦略PRプランナー・著書26冊累計105万部のビジネス作家
登録者30万人のYoutuber
上岡正明

MBA(経営学博士前期課程修了)
多摩大学客員講師(18,19)
帝塚山大学客員講師(19)
登録者30万人のビジネス系YouTube

「スーパーJチャンネル」「めざましテレビ」「王様のブランチ」「クイズミリオネア」等の元放送作家。日本を代表するPR戦略の専門家で、企業広報のスペシャリスト。未上場から上場企業まで戦略PRを手掛けたクライアントは300社以上。

広報ブランディング、新規事業構築、外資系企業の国内イベント、海外プロモーション支援のコンサルティング会社代表。現在まで約20年間、実業家として会社を経営。これまでに三井物産、SONY、三菱鉛筆、日本瓦斯など200社以上の広報支援、スウェーデン大使館やドバイ政府観光局などの国際観光誘致イベントなどを行う。

代表的なコンサルティング案件としては、日本中の女性たちの心を動かした「表参道のパンケーキブーム」、1年で200万台以上を売り上げた「ふとん専用掃除機レイコップ」、世界が注目する食イベント「肉フェス」、1カ月で6000万人(日本の約半分)にバズらせた「ジャポニカ学習帳“昆虫の表紙が変わった?”」がある。

経営と並行してMBA(情報工学博士前期課程)取得。東京都中小企業振興公社講師。成蹊大学、多摩大学、帝塚山大学の客員講師。東洋経済新報社、ダイヤモンド社、朝日新聞出版社、PHP出版、総合法令出版社、アスコム社、大和出版、すばる舎、宝島社から累計21冊80万部の著書を上梓。

日本神経心理学会、日本行動心理学学会、行動経済学学会、一般社団法人日本行動分析学会、日本社会心理学会、一般社団法人日本小児心身医学会、認知神経科学会の各学会員。

日経ヴェリタス・東洋経済オンライン・ダイヤモンドオンライン・プレジデントの4大経済メディアで専門家として記事連載もおこなっております。お読みになりたい方はこちらからご覧下さい。

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③:プレジデントでの連載記事
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