広報担当者が知るべきプレリリースのNG表現!見直すチェックポイント4選
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2024.12.19

広報担当者が知るべきプレリリースのNG表現!見直すチェックポイント4選

この記事では広報・PR担当者の皆さんに向けて、プレリリースにおけるNG表現やそれを直すポイントなどについてお伝えします。

「ビジネス文書で使ってはいけない表現は理解している」と自信のある広報・PR担当者にこそ、今一度確認していただきたい内容となっています。

本記事では、メディアが重視していること、プレリリースというものの立ち位置、メディアが「広告的表現」を嫌う理由、そしてNG表現やそれを直すためのポイントなどに関して解説していきます。

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メディアが重視していることとは?プレリリースの立ち位置は?|広報・PR

NG表現やその直し方について考える前に、まずはメディアが重視していることや、プレリリースの本来の立ち位置・役目について確認しておきましょう。

メディアが特に求めている3つのこと

メディアが特に重んじているのは以下の3つのことです。

  • より多くの人のためになる情報であること
  • 社会に大きな影響(基本的には好影響)を与える情報であること
  • 受け手が求めている情報であること

「たくさんの人の役に立つ情報」「社会を少しでも変えるような情報」が好まれるのはイメージしやすいと思いますが、単純に「読者・視聴者が求めている情報」もメディアは欲しがっています。

だからこそ「商品・サービスを宣伝しているだけの情報」は好まれにくい

そのため単に「商品・サービスを宣伝しているだけの情報」「セールス色の強い情報」は好まれにくいです。特に新聞などの権威性の高いメディアは、「そのような誰のためにもならない偏った情報は載せられない」と考える可能性が高いです。

「その商品・サービスを欲しがる人のためになるのでは?」と感じるかもしれませんし、その通りではあります。

ですがこれに関しても、「どう役立つ商品なのか」「どのような新しさがある商品なのか」「どう社会課題の解決につながる商品なのか」などを客観的な視点で伝えた上で、自然に「それならば欲しい」と考える人を増やすイメージを持つことが大事です。

そうではなく、極端に言えば「すごい商品!」「斬新な商品!」「売上を伸ばしたい!」「そろそろ発売ですので買ってください!」のような情報は、プライドがあるメディアは求めていないのです。

プレリリース=メディアに記事・番組にしてもらうための公的資料

そしてプレリリースの立ち位置は「メディアに記事・番組にしてもらうための公的資料」です。決して「メディア関係者に商品の良さを伝えるためのもの」ではありません。

その公的資料を読んで、結果的にメディア関係者が「これは良い商品です」とわかるような露出をさせてくれる可能性はありますが、最初からゴリ押しのような意識でプレリリースを作成してはいけません。

繰り返しになりますが、あくまで「メディア関係者が記事・番組を作るための客観的な資料」を渡すものと考えてプレリリースを作成・発信しましょう。

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メディア関係者がプレリリースなどの中の「広告的表現」を嫌う3つの理由|広報・PR

商品・サービスなどに関するプレリリースを作成する際につい「すごい」「斬新」「好評」などの表現を使ってしまう広報・PR担当者は少なくありません。

ですがこういった表現は基本的に「広告的表現」と捉えられ、メディア関係者には嫌われる傾向にあります。では嫌われる理由を3つお伝えします。

①:客観的でない表現(主観的な表現)だから

「すごい」も「斬新」も「好評」も人によって基準が違うため客観的でない表現といえます。言い換えると「主観的な表現」であり、「プレリリース=公的資料」に使うための表現としてはふさわしくありません。

あなたとしてもほとんど知らないジャンルの資料を読まされて、「この技術がすごいのです」「斬新な発想で」「だから多くの人に好評で」などと書かれていたら反応に困るのではないでしょうか。

②:そもそも表現として幼稚だから

そもそも「すごい」「斬新」「好評」などはプレリリースで使う表現としては幼稚です。広報・PR担当者としても例えば同じ部署の後輩が、「すごい」「斬新」「好評」などの抽象的な言葉が多用された資料を見せてきたらどのように感じるでしょうか。

「斬新」「好評」はまだしも「すごい」は、それだけでもプレリリースの格式を下げてしまいます。

③:「怪しさ」が生まれるから

例えばインターネット広告で「多くの人から大好評の斬新なすごいサプリメント」などの表現が出てくればほとんどの人が怪しむはずです。なぜなら「抽象的で何を言いたいのかわからない」そして、「好評、斬新、すごいの根拠がわからない」からです。

プレリリースのNG表現周りを直す方法やポイント4つ|広報・PR

それではプレリリースのNG表現周りを直す方法やそのためのポイントについて解説していきます。

「周り」と表現しているように、実は上で解説したような「単体で使うとNGな表現」も、その前後を工夫することで無理なく使えるようになる場合が少なくありません。

①:そのNG表現を外せそうなら外す

シンプルな方法ですが、まずそのNG表現を外せそうなら外しましょう。例えば「すごい」を使わなくてならないような場所はプレリリースにはないはずです。

一例として「日本で初めて○○成分を配合したすごいサプリメントです」なら、「日本で初めて○○成分を配合したサプリメントです」だけで「すごさ」は伝わりますよね。

同じ理由で「斬新であること」なども言わなくても伝わるのであれば言葉を外すのが無難です。

②:具体的に書く

例えば「斬新なサプリメントです」なら、「日本で初めて○○成分を配合した斬新なサプリメントです」と言い換えるなど。「日本で初めて○○成分を配合したという事実」は客観的に見て斬新なので、プレリリースの表現としてもおかしくありません。

ただ、あくまで「おかしくない」だけなので、使わなくても「斬新さ」が伝わるなら外してもいいでしょう。

外す場合は「日本で初めて○○成分を配合したサプリメントです」「これにより○○効果が期待でき~」などと書くことで具体性が生まれ、「斬新」という表現を使わなくてもメディア関係者にとって魅力的な情報になりやすくなります。

③:具体的な数字を出す

例えば「ご好評いただいています」では抽象的すぎますが、「発売後のリピーター率が80%以上になるなどご好評いただいています」とすれば説得力が生まれます。なぜなら「客観的に見て好評」だからです。

これに限らず具体的な数字を出して説得力を持たせることはプレリリースにおいて重要ですので覚えておきましょう。

④:たとえ②や③を満たしていてもNG表現を何度も使わないようにする

また、たとえ②や③をクリアしていてもNG表現が何回も出てくると、プレリリース全体が幼稚・説得力がないように見えてくるので気を付けてください。プレリリースの作成は大変ですが文字数がそれほど多いわけではないため、何度も同じような「浅い言葉」が出てくると、書いている本人が思っている以上に質が下がります。

広報担当者が知るべきプレリリースのNG表現(まとめ)

広報・PR担当者としてプレリリースを作成する上で重要なのは、「メディア関係者が記事・番組を作る際の客観的な資料になる」という意識を持つことです。結果的に売上向上につながることはあっても、最初から「これで売上をアップさせてください!」という意識で作成するのはNGです。

ただ、本記事で紹介したようなNG表現を絶対に使ってはいけないわけではなく、プレリリース全体のバランスや「読み手が受ける印象」を意識しながら言葉を選べば問題はありません。

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執筆者・監修者
上岡正明
経済記者・経済コメンテーター
戦略PRプランナー・著書26冊累計105万部のビジネス作家
登録者25万人のYoutuber
上岡正明

MBA(多摩大学院経営情報学修了)
テレビコメンテーター
多摩大学客員講師(18,19)
帝塚山大学客員講師(19)
登録者24万人のビジネス系YouTube

「スーパーJチャンネル」「めざましテレビ」「王様のブランチ」「クイズミリオネア」等の元放送作家。日本を代表するPR戦略の専門家で、企業広報のスペシャリスト。未上場から上場企業まで戦略PRを手掛けたクライアントは300社以上。

広報ブランディング、新規事業構築、外資系企業の国内イベント、海外プロモーション支援のコンサルティング会社代表。現在まで約20年間、実業家として会社を経営。これまでに三井物産、SONY、三菱鉛筆、日本瓦斯など200社以上の広報支援、スウェーデン大使館やドバイ政府観光局などの国際観光誘致イベントなどを行う。

代表的なコンサルティング案件としては、日本中の女性たちの心を動かした「表参道のパンケーキブーム」、1年で200万台以上を売り上げた「ふとん専用掃除機レイコップ」、世界が注目する食イベント「肉フェス」、1カ月で6000万人(日本の約半分)にバズらせた「ジャポニカ学習帳“昆虫の表紙が変わった?”」がある。

経営と並行してMBA(情報工学博士前期課程)取得。東京都中小企業振興公社講師。成蹊大学、多摩大学、帝塚山大学の客員講師。東洋経済新報社、ダイヤモンド社、朝日新聞出版社、PHP出版、総合法令出版社、アスコム社、大和出版、すばる舎、宝島社から累計21冊80万部の著書を上梓。

日本神経心理学会、日本行動心理学学会、行動経済学学会、一般社団法人日本行動分析学会、日本社会心理学会、一般社団法人日本小児心身医学会、認知神経科学会の各学会員。

日経ヴェリタス・東洋経済オンライン・ダイヤモンドオンライン・プレジデントの4大経済メディアで専門家として記事連載もおこなっております。お読みになりたい方はこちらからご覧下さい。

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