広報・PRマーケティングなどで大切な「口コミ」を広める2つのポイント+NG行動6選
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2025.11.01

広報・PRマーケティングなどで大切な「口コミ」を広める2つのポイント+NG行動6選

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この記事では広報担当者やPRマーケティングに興味のある全ての方に向けて、マーケティングにおいて重要な「口コミ」を集める・広めるためのポイントなどについてお伝えしていきます。

特に「本当は売れているのに口コミが少ないせいで人気がないように見えてしまう」とお悩みの方や、「これから本格的に販売を始めるにあたって口コミを増えやすくしたい」という方におすすめの内容となっています。

本記事では広報・PRマーケティングにおいて良い口コミが集まることのメリット、口コミを集める・広めるためのポイント、そして口コミに関するNG行動などについて解説しますので、ぜひ参考にしてください。

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良い口コミが集まると広報・PRマーケティングの2つの負担が減る

良い口コミが集まったり広まると、広報・PRマーケティングにおける負担が主に2種類減ります。具体的に解説していきましょう。

「口コミ」という言葉にどことなく良い印象を覚えている人は多いと思いますが、実際にはどのようなメリットや意味があるのでしょうか。

①:集客の手間

「口コミそのもの」が商材(商品やサービス)や自身の存在を知らしめてくれるため集客の手間が減ります。

特に広報・PRマーケティングで「安定的な高利益」を狙う場合は、お客様の数はそれほど多くならないので(高額商品・少人数販売)のため、口コミもそれほど多くなりません。が、それでも口コミが全くない状態に比べれば大きな差となります。

②:信頼を得る手間

人は「信頼できる商品・サービス」「信頼できる人が売るもの」にお金を出したがります。口コミが全くない場合は「教育」などの形で、ほとんどゼロから信頼を構築しなければなりませんが、口コミがあればその手間を大きく省くことができます。

例えばオンライン通販でなんらかの商品を買うとして、「口コミゼロの商品」と「口コミ100件でどれも高評価の商品」があれば後者を選びたくなりますよね。ウェブマーケティングにおいてもこれと同じことが起きます。

広報・PRマーケティングでお客様に良い口コミを広めてもらうためのポイント2つ

それでは広報・PRマーケティングおいてユーザーに良い口コミを広めてもらうためのポイントを2つ紹介します。ぜひ参考にしてください。

ポイント①:原則としてお客様に成果を出してもらう以外の方法はない

大原則として、お客様に成果を出してもらう以外の方法はないことを心に留めてください。逆に「成果以上の口コミを残してもらう方法は……」、「結果に関係なく確実にプラスの口コミを広めてもらうには……」などと間違ったことを考えると、高確率でマーケティングそのものが失敗するので覚えておきましょう。

価格を下げればそれだけお客様の本気度が下がって成果が出にくくなり、結果的に悪い口コミも増えやすくなります。もちろん利益も出にくくなってモチベーションが下がり、商品やサービスの質も落ちることでしょう。

「良い口コミを残してください!」と無理強いをすれば反感を買ってむしろ口コミを出してくれなくなったり、マイナスの口コミをされたりする恐れがあるので気を付けてください。とにかく王道のやり方で口コミを広めてもらうしかないのです。

ポイント②:口コミを残しやすくする(口コミというもの自体の存在を明らかにする、やり方を明確にする)

お客様に成果を出してもらう以外の方法はありませんが、「口コミを残しやすい環境」を整えることは大事です。

具体的には、まず「私の商品・サービスにも口コミを付けることが可能」ということ自体を明確に伝えましょう。お客様の中にはそもそも口コミを残す発想そのものがない人もいるかもしれません。

さらに口コミを残す方法もできる限り簡単なものにしましょう。極端な例ですが、複数の「登録」をさせて、口コミを残すためだけに怪しいアカウントを作らせて……などは絶対に避けたいところです。

✅たったひと手間で口コミをしてくれなくなる可能性がある

たったひと手間でも「面倒」という気持ちが働いて、口コミを残してくれなくなる可能性があります(口コミは強制できるものではないため)。

マーケター側としては「口コミくらい残してくれても」と感じるかもしれませんが、口コミを残すこと自体には(ユーザー側にとって)一斉の利益がないので、ひと手間があるだけで「やらなくていいや」という気持ちになる恐れがあることを覚えておきましょう。

「教育」を通じてマーケターへの信頼を高めさせたとしても、注意が必要です。

広報・PRマーケティングで良い口コミを集めるためにしてはいけないNG行動6つ

続いては広報・PRマーケティングで良い口コミを集めるために、してはいけない行動を紹介していきます。すでに触れていることもありますが改めて整理しながらお伝えしましょう。

NG行動①:価格を下げる

先ほどもお伝えしましたが価格を下げるのはNGです。価格を下げることで本気度の低いユーザーが集まりやすくなるので、口コミ評価も下がりやすいです。

そもそも「不満もあるものの、価格相応だったからまあ良いか」と考えてくれる人は、広報・PRマーケティングというジャンルにはなかなかいません。それに「価格を下げる」とはいっても、数百円になるわけではないので、それほど口コミには影響しません。

NG行動②:過剰なサービスやサポートをする

良い口コミが欲しいからといって過剰なサービスやサポートをするのもNG。それでは採算が取れなくなる可能性がありますし、口コミで「○○という素晴らしいサービスをしてくれました!」などと言われたら、次からも同じレベルのサービスをしないと一転して低評価が付きやすくなる恐れがあります。

特に同じユーザーが別の商品・サービスを購入してくれた場合は、「この間はこの価格帯で○○までしてくれたのに、今度はやってくれないのですか?」となってやはり評価が大きく落ちる恐れがあります。

✅堂々とサービスに見合う価格に設定する

堂々とサービスに見合う価格に設定しましょう。上でお伝えしている通り「価格そのもの」は実はそれほど口コミには影響せず、「これだけのお金を出す価値があった」と思ってもらうことの方が高評価をしてもらうためには大事です。

NG行動③:口コミに対して過剰な特典を付ける

口コミに対して過剰な特典を付けるのも好ましくありません。「怪しい」「商品そのものには自信がないのだろうか」などと思われてしまう可能性があるためです。特典が豪華すぎるせいでかえって集客しにくくなることさえあるので気を付けてください。

特典を付けるにしても、例えば「口コミをしてくれた方に○ページの特別冊子をプレゼント」や「○分の特別動画講座にご案内」など軽いものにするのが無難です。

NG行動④:「良い口コミ限定」で特典を付ける|特典によって口コミの内容を操作する

口コミに対して特典を付けることは構いませんが、「良い口コミをした人にのみ特典を付ける」、言い換えると「特典によって口コミの内容を操作する」のはNGです。マーケティング的に好ましくないというだけでなく、ステルスマーケティングに該当して違法と判断される可能性さえあるので細心の注意を払いましょう。

✅プラットフォームによっては口コミに特典を付けること自体がNG

なお口コミをしてもらうプラットフォームによっては、口コミの内容に関係なく「口コミに特典を付けること」そのものをNGとしているところもあるので気を付けてください。そもそも口コミに対する特典を設定しない場合は当然気にする必要はありませんが、特典戦略を行いたいのであればプラットフォーム選びにも注意しましょう。

NG行動⑤:「口コミをお願いします!」などのゴリ押し

「口コミをお願いします!」くらいのテンションでゴリ押しをするのもNGです。人間には「言われるとやりたくなくなる」という心理がありますし、これまで頼もしく「教育」をしてくれたマーケターが突然人が変わったように口コミのゴリ押しをしてきたとなると、一気に信頼度が下がる恐れも。

✅「口コミシステムがあります」とやり方だけ教えるのが無難

ただし口コミについて全く触れないと残してくれなくなる可能性が上がるので、「口コミのシステムがあります」「この方法で口コミを残すことができます」とやり方だけ教えることをおすすめします。

ここまでの段階でマーケターがきちんとユーザーから信頼を集めていれば、これだけでも口コミを残してくれることでしょう。やり方を教えつつも、「口コミをお願いします」と直接的なことは言わないのがポイントです。

NG行動⑥:「忖度」や「暗黙の了解」で口コミを付けさせようとする

「忖度」や「暗黙の了解」で口コミを付けさせることのないようにしましょう。例えば「皆さん口コミをしてくれるんですよね……」と言ったり、「普通はね……」と意味深な言い方をしたりするなど。

もちろんどこからが「忖度」「暗黙の了解」なのかの明確な基準はありませんが、あなた自身の中で「クリーンでない方法で口コミを集めることはしない」と心に決めるだけで十分です。

PRマーケティングにおいて口コミはとても重要(まとめ)

広報・PRマーケティングで良い口コミを広めるための方法やNG行動を様々に解説してきましたが、結局のところお客様に成果を出してもらうしかないということを覚えておきましょう。それができないままではどのような工夫をしても「小手先のテクニック」でしかありません。

それを踏まえた上で口コミをしやすくする、戦略によっては適度な口コミを設定するなどの真っ当なテクニックを使えば口コミが集まりやすく・広まりやすくなることでしょう。マーケティングにおいて口コミはとても重要ですので頑張ってください。

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執筆者・監修者
上岡正明
経済記者・経済コメンテーター
戦略PRプランナー・著書26冊累計105万部のビジネス作家
登録者30万人のYoutuber
上岡正明

MBA(経営学博士前期課程修了)
多摩大学客員講師(18,19)
帝塚山大学客員講師(19)
登録者30万人のビジネス系YouTube

「スーパーJチャンネル」「めざましテレビ」「王様のブランチ」「クイズミリオネア」等の元放送作家。日本を代表するPR戦略の専門家で、企業広報のスペシャリスト。未上場から上場企業まで戦略PRを手掛けたクライアントは300社以上。

広報ブランディング、新規事業構築、外資系企業の国内イベント、海外プロモーション支援のコンサルティング会社代表。現在まで約20年間、実業家として会社を経営。これまでに三井物産、SONY、三菱鉛筆、日本瓦斯など200社以上の広報支援、スウェーデン大使館やドバイ政府観光局などの国際観光誘致イベントなどを行う。

代表的なコンサルティング案件としては、日本中の女性たちの心を動かした「表参道のパンケーキブーム」、1年で200万台以上を売り上げた「ふとん専用掃除機レイコップ」、世界が注目する食イベント「肉フェス」、1カ月で6000万人(日本の約半分)にバズらせた「ジャポニカ学習帳“昆虫の表紙が変わった?”」がある。

経営と並行してMBA(情報工学博士前期課程)取得。東京都中小企業振興公社講師。成蹊大学、多摩大学、帝塚山大学の客員講師。東洋経済新報社、ダイヤモンド社、朝日新聞出版社、PHP出版、総合法令出版社、アスコム社、大和出版、すばる舎、宝島社から累計21冊80万部の著書を上梓。

日本神経心理学会、日本行動心理学学会、行動経済学学会、一般社団法人日本行動分析学会、日本社会心理学会、一般社団法人日本小児心身医学会、認知神経科学会の各学会員。

日経ヴェリタス・東洋経済オンライン・ダイヤモンドオンライン・プレジデントの4大経済メディアで専門家として記事連載もおこなっております。お読みになりたい方はこちらからご覧下さい。

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