ワールドビジネスサテライトに露出する方法とは?「WBS」は消費者よりも企業オーナー目線で番組を制作
コラム
経営戦略×PR
2020.10.15

ワールドビジネスサテライトに露出する方法とは?「WBS」は消費者よりも企業オーナー目線で番組を制作

広報・PRご担当の方々は、経済番組の制作担当者向けに、
オンエアの企画を提案するケースもあると思います。

そこで今回は、経済番組の代表格とも言うべきテレビ東京「WBS」と、
他局の経済番組を比較しながら、
企画の採用確率を上げるためのヒントを探ってみたいと思います。

■主なポイントは下記の通りです。

●なぜテレ東は、同じ経済ニュースでも他局と取り上げ方が違うのか?
●制作サイドが何を重視してコメンテーターを選出しているか?
●視聴者目線、制作サイドの意図を、どう意識して企画プレゼンするか?

 

なぜテレ東は、同じ経済ニュースでも他局と取り上げ方が違うのか?

大きなニュースを速報で伝える場合、VTRだけでは違いが出にくい場合がほとんどです。

その理由は、約1分間のVTRを作る場合、文字数で言えば400文字くらいに限られ、「現時点で最低限伝えなければならない項目」を盛り込むので手一杯となるからです。

ではこのような場合、どのようにして他番組と差別化を図るのでしょうか?
それは、スタジオでコメンテーターが話す内容です。

何故でしょうか?

それは、番組サイドが”視聴者は誰か?”を意識し、それをコメンテーターに語らせることによって違いを出しているからです。

 

制作サイドが何を重視してコメンテーターを選出しているか?

コメントの中身に「番組が何を重視して伝えているか」がハッキリ現れることがあります。

一見、コメンテーターは思いつきで話しているように見えますが、
実際には、事前に番組制作者と、ニュースのどの側面にフォーカスしてコメントするか、を打ち合わせした上で、話す内容を決めています。

これにより、制作サイドが重視する価値観を反映しやすくなります。

◎例
・「news zero」と「WBS」のコメント違い
※2019年の代表的ニュース「ヤフー親会社ZホールディングスとLINEの経営統合」について

◎「news zero」 の場合:
「仮に経営統合するとなると、ユーザーにはどのようなメリットがあるのでしょうか?」
という問いに対し、

「ユーザーにとっては、LINEを入口にヤフオク!で買い物ができるようになるかもしれません」
と回答
(消費者目線を重視)

◎「WBS」
経営統合後のIT業界の勢力図やアライアンス戦略の考え方等についてコメント
(”視聴者が、中規模以上の企業、あるいは有望ベンチャーのビジネスパーソン”と想定し、サービス供給側目線を重視)

 

視聴者目線、制作サイドの意図を、どう意識して企画プレゼンするか?

WBSの場合、大半のディレクターが無意識に「中規模以上の企業」をイメージしながら制作しています。

これをヒントに、

・独自性
・社会への影響
・サービス供給側の動き

等を意識しながら提案すると良いでしょう。

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オンエア例)
「企業だけでなく行政も注目!」30歳女性社長の挑戦

◎店員の7割超が”障がい者” 幸せを生む注目の経営とは?という視点でオンエア

原宿で話題のフラワーカフェ:ローランズ
インスタ女子が夢中、季節のフルーツオープンサンド等、可愛いメニューが人気
(運営元:株式会社LORANS.、従業員数 60名{障がい枠スタッフ:45名})

花屋部門のリーダー女性:生まれつき体に障害持つ
「ここで働いていると障がいのことを忘れる」

福寿社長「障がい者雇用のイメージを変えたかった」

客の反応「店員が障害などを持っていることを知らなかった。
そんな感じもせず普通に接してくれて、うれしかった。」

評判は世界に広がり、海外からの視察が相次ぐ。

2019年12月13日、
小池知事が障害者雇用を促進するため、全国初で都が特例を活用、
障害者雇用のノウハウを持つローランズが出資し「ウィズダイバーシティ有限責任事業組合」というLLPを設立
都が国の戦略特区制度を活用、ローランズの新たな活動を後押した。
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ご自身が制作者側の人間だと想定し、「どうすれば視聴者の共感が得られるか?」

「どんな企画なら採用してみたいと思えるか?」を考えながら
事前準備した上で担当者にアプローチするのが良いでしょう。

ただ単に、分かりやすく、かみ砕いて説明するだけでは不十分です。
どのような切り口でオンエアすると、視聴者の共感を呼べるか?
という視点を忘れずに企画提案にチャレンジしてみると良いと思います。


執筆者・監修者
上岡正明
テレビコメンテーター・経済記者
戦略PRプランナー・著書26冊累計105万部のビジネス作家
登録者25万人のYoutuber
上岡正明

MBA(多摩大学院経営情報学修了)
テレビコメンテーター
多摩大学客員講師(18,19)
帝塚山大学客員講師(19)
登録者24万人のビジネス系YouTube

「スーパーJチャンネル」「めざましテレビ」「王様のブランチ」「クイズミリオネア」等の元放送作家。日本を代表するPR戦略の専門家で、企業広報のスペシャリスト。未上場から上場企業まで戦略PRを手掛けたクライアントは300社以上。

広報ブランディング、新規事業構築、外資系企業の国内イベント、海外プロモーション支援のコンサルティング会社代表。現在まで約20年間、実業家として会社を経営。これまでに三井物産、SONY、三菱鉛筆、日本瓦斯など200社以上の広報支援、スウェーデン大使館やドバイ政府観光局などの国際観光誘致イベントなどを行う。

代表的なコンサルティング案件としては、日本中の女性たちの心を動かした「表参道のパンケーキブーム」、1年で200万台以上を売り上げた「ふとん専用掃除機レイコップ」、世界が注目する食イベント「肉フェス」、1カ月で6000万人(日本の約半分)にバズらせた「ジャポニカ学習帳“昆虫の表紙が変わった?”」がある。

経営と並行してMBA(情報工学博士前期課程)取得。東京都中小企業振興公社講師。成蹊大学、多摩大学、帝塚山大学の客員講師。東洋経済新報社、ダイヤモンド社、朝日新聞出版社、PHP出版、総合法令出版社、アスコム社、大和出版、すばる舎、宝島社から累計21冊80万部の著書を上梓。

日本神経心理学会、日本行動心理学学会、行動経済学学会、一般社団法人日本行動分析学会、日本社会心理学会、一般社団法人日本小児心身医学会、認知神経科学会の各学会員。

日経ヴェリタス・東洋経済オンライン・ダイヤモンドオンライン・プレジデントの4大経済メディアで専門家として記事連載もおこなっております。お読みになりたい方はこちらからご覧下さい。

①:東洋経済オンラインでの連載記事
②:ダイヤモンドオンラインでの連載記事
③:プレジデントでの連載記事
④:日本経済新聞での連載記事