広報・PRご担当の方々は、経済番組の制作担当者向けに、
オンエアの企画を提案するケースもあると思います。
そこで今回は、経済番組の代表格とも言うべきテレビ東京「WBS」と、
他局の経済番組を比較しながら、
企画の採用確率を上げるためのヒントを探ってみたいと思います。
■主なポイントは下記の通りです。
●なぜテレ東は、同じ経済ニュースでも他局と取り上げ方が違うのか?
●制作サイドが何を重視してコメンテーターを選出しているか?
●視聴者目線、制作サイドの意図を、どう意識して企画プレゼンするか?
なぜテレ東は、同じ経済ニュースでも他局と取り上げ方が違うのか?
大きなニュースを速報で伝える場合、VTRだけでは違いが出にくい場合がほとんどです。
その理由は、約1分間のVTRを作る場合、文字数で言えば400文字くらいに限られ、「現時点で最低限伝えなければならない項目」を盛り込むので手一杯となるからです。
ではこのような場合、どのようにして他番組と差別化を図るのでしょうか?
それは、スタジオでコメンテーターが話す内容です。
何故でしょうか?
それは、番組サイドが”視聴者は誰か?”を意識し、それをコメンテーターに語らせることによって違いを出しているからです。
制作サイドが何を重視してコメンテーターを選出しているか?
コメントの中身に「番組が何を重視して伝えているか」がハッキリ現れることがあります。
一見、コメンテーターは思いつきで話しているように見えますが、
実際には、事前に番組制作者と、ニュースのどの側面にフォーカスしてコメントするか、を打ち合わせした上で、話す内容を決めています。
これにより、制作サイドが重視する価値観を反映しやすくなります。
◎例
・「news zero」と「WBS」のコメント違い
※2019年の代表的ニュース「ヤフー親会社ZホールディングスとLINEの経営統合」について
◎「news zero」 の場合:
「仮に経営統合するとなると、ユーザーにはどのようなメリットがあるのでしょうか?」
という問いに対し、
「ユーザーにとっては、LINEを入口にヤフオク!で買い物ができるようになるかもしれません」
と回答
(消費者目線を重視)
◎「WBS」
経営統合後のIT業界の勢力図やアライアンス戦略の考え方等についてコメント
(”視聴者が、中規模以上の企業、あるいは有望ベンチャーのビジネスパーソン”と想定し、サービス供給側目線を重視)
視聴者目線、制作サイドの意図を、どう意識して企画プレゼンするか?
WBSの場合、大半のディレクターが無意識に「中規模以上の企業」をイメージしながら制作しています。
これをヒントに、
・独自性
・社会への影響
・サービス供給側の動き
等を意識しながら提案すると良いでしょう。
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オンエア例)
「企業だけでなく行政も注目!」30歳女性社長の挑戦
◎店員の7割超が”障がい者” 幸せを生む注目の経営とは?という視点でオンエア
原宿で話題のフラワーカフェ:ローランズ
インスタ女子が夢中、季節のフルーツオープンサンド等、可愛いメニューが人気
(運営元:株式会社LORANS.、従業員数 60名{障がい枠スタッフ:45名})
花屋部門のリーダー女性:生まれつき体に障害持つ
「ここで働いていると障がいのことを忘れる」
福寿社長「障がい者雇用のイメージを変えたかった」
客の反応「店員が障害などを持っていることを知らなかった。
そんな感じもせず普通に接してくれて、うれしかった。」
評判は世界に広がり、海外からの視察が相次ぐ。
2019年12月13日、
小池知事が障害者雇用を促進するため、全国初で都が特例を活用、
障害者雇用のノウハウを持つローランズが出資し「ウィズダイバーシティ有限責任事業組合」というLLPを設立
都が国の戦略特区制度を活用、ローランズの新たな活動を後押した。
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ご自身が制作者側の人間だと想定し、「どうすれば視聴者の共感が得られるか?」
「どんな企画なら採用してみたいと思えるか?」を考えながら
事前準備した上で担当者にアプローチするのが良いでしょう。
ただ単に、分かりやすく、かみ砕いて説明するだけでは不十分です。
どのような切り口でオンエアすると、視聴者の共感を呼べるか?
という視点を忘れずに企画提案にチャレンジしてみると良いと思います。