
PRコンサルタントとしては普段、広告枠とは対極とも言えるパブリシティ枠を狙い、クライアントのメディア戦略を考案しています。
しかし、PRを行う目的といえる『顧客獲得』『企業イメージ構築』などを効率的に行うには、広告とパブは切っても切れない関係です。
どちらか1つではなく、両輪でプロモーションを展開することで、初めて成果が出ます。
そこで、今回は広告枠の代名詞『TVCM』への効果的な出稿方法を考えてみましょう。
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*記事を書いた人:「めざましテレビ」「王様のブランチ」元放送作家
テレビCMの効果とは?リーチを取りたいからCMに出稿は危険です
昨今、皆さんもご存じの通り、テレビ視聴への高齢化が凄まじい勢いで進んでいます。
それは、視聴データ分析サービスを駆使すると、ここまで進んでいるのか? と驚くほど、明確に数値として現れます。
私自身も、メディア戦略構築の為に、分析サービスを活用しますが、結果を確認する度に、テレビ視聴の高齢化を感じます。
一方、PR会社等のプロでなくても、戦略性の高い広告主はそれらのデータを駆使して、適切なターゲットに情報がリーチできるよう、適切なCM枠を購入しています。
TVCMは一番リーチを稼げる広告枠である!という過去のイメージを基に、安易にCM枠を購入するのはオススメしません。
テレビCMの費用対効果と進むデジタルトランスフォーメーション(DX)化
民放各局はテレビの放送枠ではなくネット広告にシフトしています。
今、各局が本腰を入れて広告営業をかけているのはTVerです。実際に2015年にサービスを開始したTVerは、昨年8月時点で月間アクティブユーザー数が906万人に到達しました。
これはフェイスブックの1/3にも上ります。
906万人と聞くとイメージが掴みにくいと思いますが、フェイスブックの1/3と聞くと、その数の多さをイメージできませんか? つまり、アクティブユーザー数の多さから、『リーチができる媒体』として、各局がTVerの広告営業に本腰を入れているという訳です。
CM効果を高めるためテレビ局も体制変化している
テレビ放送からネット広告に主要広告枠がシフトされるにつれ、各局が欲する人材像も変化しています。
かつては有名放送作家や敏腕プロデューサーの様な、”クリエイティビティな人材” を欲していました。
しかし、テレビの在り方の変化に伴い、とにかく”ネット広告が分かる人材”を欲するようになりました。結論、局内の人材の入れ替わるにつれ、テレビのデジタルトランスフォーメーションは加速するでしょう。
2019年頃からは、製造業を中心にDX化(デジタル・トラスフォーメーション)が話題になりましたが、今後、テレビ局でも大きなDX化が進み、その在り方が180度変わることは間違いないでしょう。
テレビCMの効果的な出稿の仕方
テクノロジーの変化に伴い、『テレビCMはリーチを稼げる』という神話は、今まさに崩れ去ろうとしています。
パブリシティと比較して、莫大な予算を要する広告枠です。出稿先は先見性を持り、しっかりと吟味したうえで検討しましょう。
今後、テレビ局の取り組みにより予想もつかない大きな変化があるかもしれません。
しかし、現在の変化から考えると、今後2~3年の広告出稿先は、
①若年層向けの商材=TVerへ!
②高齢者向けの商材=放送枠へ!
が鉄則になるでしょう。
この内容を参考にして、ぜひ効果的なPRプロモーションに取り組んでくださいね。