テレビPRの手順、攻め方、方法【広報担当者なら全部知っておきたい】
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2023.02.27

テレビPRの手順、攻め方、方法【広報担当者なら全部知っておきたい】

広報担当者が必ず押さえておきたいテレビPRについて解説していきます。

日本の2大メディアと言えば新聞とテレビです。

ただ「一度、話題に挙げてもらえただけで爆発的に知名度が上がる場合がある」という点で言えば、やはりテレビが新聞に勝っているといえるでしょう。

近年はテレビを観ない人も多くなってきています。しかし、それでも「テレビでこんなユニークな話題があった」と後から話題になって、SNSやクチコミを介してテレビを見ていない層にも情報が伝わることがあります。

そんなテレビの恩恵を受けるためにはどうすれば良いのでしょうか。

*こちらも人気:PRと広告の最大の違い知ってる?現役記者が解説

*記事を書いた人:「めざましテレビ」「王様のブランチ」元放送作家

 

テレビPRはテレビと友達になるところから

テレビ取材のイメージ

そのためには、まず、テレビ番組に詳しくなってください。
その理由は主に2つあります。

1:チャンスを逃すことがなくなる

「テレビの価値の高さ」は、あえて言わずとも、広報担当者であれば理解できるはずです。

とはいえ「でも、うちの会社(の商品・サービス)が取り上げられることなんてないだろうし……」と考えてしまう人も、少なくないと思います。たしかに競争率は非常に高く、とくに小規模な会社の場合は、全く取り上げられることなく、広報担当者が頭を悩ますことが多いと思います。

ですが、広報担当としてプレスリリースを打つ限りは、いざどこかのテレビ局からの取材があったときに、
「ちょっと調べますのでお待ちください」「どんな番組なのですか?」「あ、今から社長の許可を取ります」と応えてしまうようでは、印象が悪くなる恐れがあります。

ですので、番組名を耳にしただけで少なくとも、

・時間帯
・番組の内容
・どのような層が観るか

が頭に思い浮かぶようにしておき、
「では、こういう感じで、特集していただけますでしょうか?」
「取材先としてこのような導入企業があります」
などを返せるようにしておけば、そのまま念願のテレビ露出の可能性も高まります。

また、「テレビ番組」と聞くと、誰しも全国ネットの有名なものばかりをイメージするかもしれません。
しかし、「地元のローカル番組」もありますよね。ローカル強に関しては、むしろ「ネタに飢えている」場合もありますので、いつ声がかかってもおかしくありません。
また、地域によっては同じ番組が、何度も再放送されるケースもありますので見逃せません。

2:意に沿わない取り上げ方をされることを避けられる

テレビ番組に特集してもらえても、それがマイナスイメージの内容である可能性もあります。
例えば、日本テレビの「ヒルナンデス!」でIKEAの「壊れないイス」がお笑い芸人のオードリーの春日さんによって壊されてしまったことがあります。

これについて、IKEAと密接な関わりのある広告代理店スタッフは「むしろ大きな宣伝になったのではないか」と語っています。

しかし、「壊れては困るイスが、テレビという目立つ舞台で壊れた」というのも事実ですし、そもそも「番組内の悪ふざけに、自社の商品を使ってほしくなかった」と感じるIKEA社員もいたのではないでしょうか

ヒルナンデスの件に限らず、「テレビに目がくらんで、広報担当者が暴走した」と社員に思われてしまっては、会社全体の士気が下がるという意味で大きな痛手になります。また、広報の仕事も、今後、社内コミュニケーションがしにくくなる可能性があるので気を付けましょう。

そのために、事前に「どのような取り上げ方をされたいか」のストーリーをハッキリさせた上で、テレビというメディアと付き合っていくべきです。

3:世の中の動向が分かる

言い方は悪いですが、新聞に比べてテレビが視聴者に伝える情報は、より「安易」で「子供から大人まで」に「わかりやすい」傾向にあります。

「難しい話は抜きにして、誰でも分かるように書き替えて情報を伝える」ことが使命でもありますし、「視聴者を一定の方向に誘導すべく情報を噛み砕く」場合もあります。また、「テレビで言っていた情報について、詳しく調べたら全く別の事実が明らかになった」というケースもあります。新聞ほど、エビデンスや裏付けに力を注がないためです。

しかし、テレビの影響力やその母数となる視聴者が少なくないのもまた事実。
実際に広報担当者がそれに迎合するどうかは別として、

・テレビは視聴者をどうコントロールしたいのか
・テレビ業界が求めている情報は何か
・テレビ業界は世の中にどうあってほしいのか

くらいは知っておくことをおすすめします。

また、テレビを毛嫌いしている広報担当もいるかもしれませんが、「テレビってもうそういうものだから」と割り切ることを推奨します。

*参考リンク:広報担当の最強の武器も知ろう!プレスリリースの書き方と技術のすべて

 

テレビPRする際の3つの注意点

テレビストーリーのイメージと新聞記事

広報担当者だからこそ意識しておくべき「テレビとの付き合い方」が2つあります。

1:メインはあくまで新聞とテレビ

まず広報担当者たるもの、新聞は1日1時間は読むべきです。
もちろん記者の取材に備えて……という側面はありますが、それよりも「勉強になるから」という部分のほうが大きいです。
一方、テレビについては表面的な情報が多いので、広報やPRコンサルタントの知識を深めるのにはそれほど勉強にはなりません。

2:リアルタイムで観ずに倍速で

もちろん全チャンネルの全番組をチェックする必要はありません。
しかし、それでもテレビを正直にリアルタイムで観ていたらいくら時間があっても足りません。

ですから、録画して倍速で観ましょう。もちろんCMはスキップしても大丈夫です。一つのコーナーが始まって「観る価値はないと判断した」「だいたい何をするか分かった」のであればそこも飛ばします。

以上、広報担当者やPR会社のコンサルタントが押さえておくべき、テレビPRのコツと方法でした。
ぜひ参考にしてみてくださいね。


執筆者・監修者
上岡正明
経済記者・経済コメンテーター
戦略PRプランナー・著書26冊累計105万部のビジネス作家
登録者25万人のYoutuber
上岡正明

MBA(多摩大学院経営情報学修了)
テレビコメンテーター
多摩大学客員講師(18,19)
帝塚山大学客員講師(19)
登録者24万人のビジネス系YouTube

「スーパーJチャンネル」「めざましテレビ」「王様のブランチ」「クイズミリオネア」等の元放送作家。日本を代表するPR戦略の専門家で、企業広報のスペシャリスト。未上場から上場企業まで戦略PRを手掛けたクライアントは300社以上。

広報ブランディング、新規事業構築、外資系企業の国内イベント、海外プロモーション支援のコンサルティング会社代表。現在まで約20年間、実業家として会社を経営。これまでに三井物産、SONY、三菱鉛筆、日本瓦斯など200社以上の広報支援、スウェーデン大使館やドバイ政府観光局などの国際観光誘致イベントなどを行う。

代表的なコンサルティング案件としては、日本中の女性たちの心を動かした「表参道のパンケーキブーム」、1年で200万台以上を売り上げた「ふとん専用掃除機レイコップ」、世界が注目する食イベント「肉フェス」、1カ月で6000万人(日本の約半分)にバズらせた「ジャポニカ学習帳“昆虫の表紙が変わった?”」がある。

経営と並行してMBA(情報工学博士前期課程)取得。東京都中小企業振興公社講師。成蹊大学、多摩大学、帝塚山大学の客員講師。東洋経済新報社、ダイヤモンド社、朝日新聞出版社、PHP出版、総合法令出版社、アスコム社、大和出版、すばる舎、宝島社から累計21冊80万部の著書を上梓。

日本神経心理学会、日本行動心理学学会、行動経済学学会、一般社団法人日本行動分析学会、日本社会心理学会、一般社団法人日本小児心身医学会、認知神経科学会の各学会員。

日経ヴェリタス・東洋経済オンライン・ダイヤモンドオンライン・プレジデントの4大経済メディアで専門家として記事連載もおこなっております。お読みになりたい方はこちらからご覧下さい。

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