テレビ広告費の市場規模と若者のネット利用推移について調査してみた
コラム
経営戦略×PR
2023.02.27

テレビ広告費の市場規模と若者のネット利用推移について調査してみた

メディアコラムニストの村山です。
今回は、ネット広告費がテレビ広告費の市場規模に迫っている背景について考えてみたいと思います。

ちなみに、このコラムはこんな人に役に立ちますよ!

1 より良い効果の出るPR施策を知りたい
2 従来のPR施策を見直したい
3 PR手法の最新トレンドをリサーチしたい

「ネット広告費」1兆7,589億円
「地上波テレビ広告費」の1兆7,848億円に迫る

「2018年:日本の広告費
(電通発表、日本国内の総広告費、媒体別・業種別広告費推定)」
によると、以下の通りです。

・日本の総広告費:
戦後最長と言われる景気の拡大にともない、6兆5,300億円(前年比102.2%)、7年連続でプラス成長。
(2018年の名目GDPに対する総広告費の比率:1.19%)

・(媒体別)
運用型広告、動画広告(SNS上での活用も増加)
の成長がさらに加速した
「インターネット広告費」:1兆7,589億円(前年比116.5%、5年連続2桁成長)
構成比:総広告費全体の26.9%。
「地上波テレビ広告費」:1兆7,848億円に迫る。

 

マスメディアが必要なくなる?!

マスメディアや広告に携わる方々にとっては
耳が痛い話ですが、一部の専門家、ITジャーナリストからは、
あと5年~8年後には、従来のマスメディアよりもインターネットの情報を第1優先とする若年層が社会に台頭し、

なかには、”10年~20年後には、マスメディアが不要になる時代が来るかもしれない”
という見解すら出ています。

■世代別で異なる、媒体の利用時間

若者をターゲットにするなら、インターネットに着目すべし、です。

青少年のインターネットの利用状況(平日1日あたり平均、内閣府発表)によると、

・小学生:1時間58分(前年度比21分↑)
・中学生:2時間44分(前年度比15分↑)
・高校生:3時間37分(前年度比3分↑)

という分析結果が出ており、
さらに着目すべき点は下記です。

■「主なメディアの平均利用時間(総務省2017年時点発表)」

♥テレビのリアルタイム視聴
10代(73.3分:1時間13.3分)
20代(91.8分:1時間31.8分)
50代(202分:3時間22分)
(若者の『テレビ離れ』が顕著)

♥インターネット
・10代(128.8分:2時間8.8分)
・20代(161.4分:2時間41.4分)
・50代(77.1分:1時間17.1分)
(若者の『テレビの視聴時間がインターネットへ完全にシフト)

 

まとめ ターゲットの年齢層をイメージして、

適材適所で広告を有効活用する”ネット全盛時代”などと騒がれている風潮もある一方、
従来のマスメディアもまだまだ健在です。

重要なのは良し悪しの話ではなく、誰に対して、
どのように最適な施策を有効活用してPRするか?という視点を踏まえた戦略です。

商品、サービスのPRターゲットに想定している人達の年齢層に着目し、広報戦略や広告戦略を見直すタイミングです。

ネット広告が KPIが取りやすい利点を有効活用する等、世の中、時代の変化に着目しながら、
次の一手を打つことが重要だと思います。


執筆者・監修者
上岡正明
経済記者・経済コメンテーター
戦略PRプランナー・著書26冊累計105万部のビジネス作家
登録者25万人のYoutuber
上岡正明

MBA(多摩大学院経営情報学修了)
テレビコメンテーター
多摩大学客員講師(18,19)
帝塚山大学客員講師(19)
登録者24万人のビジネス系YouTube

「スーパーJチャンネル」「めざましテレビ」「王様のブランチ」「クイズミリオネア」等の元放送作家。日本を代表するPR戦略の専門家で、企業広報のスペシャリスト。未上場から上場企業まで戦略PRを手掛けたクライアントは300社以上。

広報ブランディング、新規事業構築、外資系企業の国内イベント、海外プロモーション支援のコンサルティング会社代表。現在まで約20年間、実業家として会社を経営。これまでに三井物産、SONY、三菱鉛筆、日本瓦斯など200社以上の広報支援、スウェーデン大使館やドバイ政府観光局などの国際観光誘致イベントなどを行う。

代表的なコンサルティング案件としては、日本中の女性たちの心を動かした「表参道のパンケーキブーム」、1年で200万台以上を売り上げた「ふとん専用掃除機レイコップ」、世界が注目する食イベント「肉フェス」、1カ月で6000万人(日本の約半分)にバズらせた「ジャポニカ学習帳“昆虫の表紙が変わった?”」がある。

経営と並行してMBA(情報工学博士前期課程)取得。東京都中小企業振興公社講師。成蹊大学、多摩大学、帝塚山大学の客員講師。東洋経済新報社、ダイヤモンド社、朝日新聞出版社、PHP出版、総合法令出版社、アスコム社、大和出版、すばる舎、宝島社から累計21冊80万部の著書を上梓。

日本神経心理学会、日本行動心理学学会、行動経済学学会、一般社団法人日本行動分析学会、日本社会心理学会、一般社団法人日本小児心身医学会、認知神経科学会の各学会員。

日経ヴェリタス・東洋経済オンライン・ダイヤモンドオンライン・プレジデントの4大経済メディアで専門家として記事連載もおこなっております。お読みになりたい方はこちらからご覧下さい。

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