「CM、広告は効果検証できるのか?」をPR広報目線で考えてみた
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2023.02.27

「CM、広告は効果検証できるのか?」をPR広報目線で考えてみた

今回は、CMや広告の
効果検証について考えてみたいと思います。

■ちなみに、このコラムはこんな人に役に立ちます!

1 PRの手段としてCM、広告を検討しているが、コストが不安
2 きちんとしたPR効果を得るため、最適な施策を選択したい
3 実施した施策を、検証し改善につなげたい

CMや広告の効果はいかほど?

メディアとは

PR施策を導入する際、多くの経営層の方々が持つ疑問、悩みとして多いのが、”CMはブラックボックス””高額な上に、費用対効果が分かりにくいのでは?”
等のネガティブなイメージではないでしょうか。

◎CMプロモーションはやり方次第

果たして、CMや広告は、全く効果がないと言い切れるのでしょうか?
ここで、BtoBでの成功事例をご紹介したいと思います。

企業の人事部門や経営層をターゲットとした、クラウド型人事評価サービスを展開するHRBrainは、2018年秋に初のテレビCM(石川県、新潟県)を実施。
その狙いは、タクシー広告のクリエイティブ制作にあたり、どのクリエイティブの反応が良いかを検証するためでした。

その後、ローカルCMを実施し、そこで得た知見をタクシー広告施策に応用、成果を上げました。

主ないきさつは以下の通りです。

(1)都内の経営者へPRしたいというニーズがあり、
タクシー広告の展開を想定していたが、その前に、
同じオフライン広告の地方テレビCMを実施することを決定。

(2)お笑い芸人:バイきんぐの小峠さん起用、
2バージョンでローカルCM展開
①石川県バージョン:小峠さんが上司の無茶ぶりに対応
②新潟県バージョン:社名を連呼

・利点は?
①メインターゲットである中小企業多い
②クリエイティブの検証可能

・結果について
→PV、コンバージョンが最大で4~5倍にUP
営業現場で「CMを見た」という反響多数、会話のきっかけに

 

◎その後の社内評価は?
「都内タクシー広告の方が効果あり」

(理由)
①ビジネスパーソンの利用者多い
②決裁者に訴求しやすい
③間接効果が非常に高い(「詳しくはこちら」という案内文+QRコード表示、webサイトへ誘導、
「詳しくはこちら」がタップされる割合と広告効果が関係していることが判明)
④残存効果が高い(1か月間展開した翌月にも、”タクシー広告でサービスを知った”、という問い合わせ続いた)

・CMが無駄だった、というわけではない
(CMがどこまでワークするか確認ができ、地方の反応が見れたため)

 

まとめ CM・広告は打ち方次第

行列のできる店舗

施策を成功に近づけるための重要ポイントは主に下記の通りです。

・いきなり大きく派手なクリエイティブを作らない
・先にクリエイティブの軸を決め、どれが当たるのかを検証しながら進める
・小さく始めて改善を重ね、成果を出していく
・データを確実に取れる体制を作る
(例:営業担当者が、クライアントへ訪問する際に、「何を見て問い合わせたのか」を必ずヒアリングする、等)

実際に上記のような施策を検討する場合、どのような指標を使って検証すれば効果が出るのかを、
実地で会得している企業や代理店に相談する、というのも一つの手だと思います。

*この記事も参考になる?小さな会社の7つのPRマーケティング戦略


執筆者・監修者
上岡正明
経済記者・経済コメンテーター
戦略PRプランナー・著書26冊累計105万部のビジネス作家
登録者25万人のYoutuber
上岡正明

MBA(多摩大学院経営情報学修了)
テレビコメンテーター
多摩大学客員講師(18,19)
帝塚山大学客員講師(19)
登録者24万人のビジネス系YouTube

「スーパーJチャンネル」「めざましテレビ」「王様のブランチ」「クイズミリオネア」等の元放送作家。日本を代表するPR戦略の専門家で、企業広報のスペシャリスト。未上場から上場企業まで戦略PRを手掛けたクライアントは300社以上。

広報ブランディング、新規事業構築、外資系企業の国内イベント、海外プロモーション支援のコンサルティング会社代表。現在まで約20年間、実業家として会社を経営。これまでに三井物産、SONY、三菱鉛筆、日本瓦斯など200社以上の広報支援、スウェーデン大使館やドバイ政府観光局などの国際観光誘致イベントなどを行う。

代表的なコンサルティング案件としては、日本中の女性たちの心を動かした「表参道のパンケーキブーム」、1年で200万台以上を売り上げた「ふとん専用掃除機レイコップ」、世界が注目する食イベント「肉フェス」、1カ月で6000万人(日本の約半分)にバズらせた「ジャポニカ学習帳“昆虫の表紙が変わった?”」がある。

経営と並行してMBA(情報工学博士前期課程)取得。東京都中小企業振興公社講師。成蹊大学、多摩大学、帝塚山大学の客員講師。東洋経済新報社、ダイヤモンド社、朝日新聞出版社、PHP出版、総合法令出版社、アスコム社、大和出版、すばる舎、宝島社から累計21冊80万部の著書を上梓。

日本神経心理学会、日本行動心理学学会、行動経済学学会、一般社団法人日本行動分析学会、日本社会心理学会、一般社団法人日本小児心身医学会、認知神経科学会の各学会員。

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