ビール市場のマーケティング
コラム
経営戦略×PR
2017.05.22

ビール市場のマーケティング

夜も暖かくなりビールの美味しい季節ですね。
私も最近は家の冷蔵庫にビールを常に3本は常備しています。

そこで、今回はビール市場をマーケティングとPR視点で考えてみました。
今回ご紹介するのは、私の好きなブランド2つ「アサヒスーパードライ」と「よなよなエール」です。
アサヒスーパドライは(フレッシュローテーション革命)で消費者の心をつかみ
よなよなエールは(徹底したペルソナマーケティング)で他社が見落としていた市場のモレを囲い込む事で成功しました。

スーパードライは、業界がネーミングやパッケージ競争に陥る中
美味しいビールを消費者に届ける事を徹底しました。
それは、アサヒビールの強みであるドライな生を確かな味で消費者に提供する為です。
具体的には、出荷から8日以内で店頭に届け、3カ月以上たったものは店頭に置かないというシンプルな方法です。
小売店に対しインナーキャンペーンを実施し、古い商品を社員総出で買い上げるという徹底ぶりです。
この様な施策を徹底する事で、当時業績不振だったアサヒビールは大成功し、
ビール=保存飲料という業界の常識を、ビール=生鮮飲料という新たな常識に塗り替えたのです。

一方よなよなエールは、市場の99%が大手5社が獲得する中
ビールを飲まない層を獲得し市場を広げる事で成功を収めました。
俯瞰した視点で市場を見る事で、市場のモレを見つけ出したのです。
ビールを飲まない層を獲得する為の戦略は、とても細かなターゲット戦術です。
30代前後の女性という大まかなモノではなく、読んでいる雑誌・趣味・職業・休日の過ごし方
まで徹底したペルソナを作り上げ、ターゲットからアンケートを取りラベルやネーミング等を決めていきました。
そして、一人のターゲットに強く響く事により口コミが広がり、
大手5社が市場を獲得する中、よなよなエールはニッチャーとして成功を収めたのです。

上記の事例は『ビジネス書』や『ビジネス系の媒体記事』として良く取り上げられています。
2ブランドとも、戦略的なマーケティング戦略ですね。
しかし、それだけだと『PRマンとして面白くない!』と思いPR視点で
上記2ブランドがなぜ美味しいと思うのか考えてみました。

結論、それらの事例を記事で見る事で『飲む体験+ストーリー』を消費者に提供できるからだと思います。
広告ではなくPRを通じて商品やサービスに『ストーリー』を付与する事で、その価値は非常に高められるのです。
なおかつ、企業が発信する広告ではなく第三者であるメディアが発信する事で説得性は強くなります。

少し冷たい言い方をすると
ストーリーを知る事で良いモノと錯覚してしまう、一種のハロー効果が起こっているのではないでしょうか。

PRが提供できる価値は、とても奥が深そうです。。。


執筆者・監修者
上岡正明
経済記者・経済コメンテーター
戦略PRプランナー・著書26冊累計105万部のビジネス作家
登録者25万人のYoutuber
上岡正明

MBA(多摩大学院経営情報学修了)
テレビコメンテーター
多摩大学客員講師(18,19)
帝塚山大学客員講師(19)
登録者24万人のビジネス系YouTube

「スーパーJチャンネル」「めざましテレビ」「王様のブランチ」「クイズミリオネア」等の元放送作家。日本を代表するPR戦略の専門家で、企業広報のスペシャリスト。未上場から上場企業まで戦略PRを手掛けたクライアントは300社以上。

広報ブランディング、新規事業構築、外資系企業の国内イベント、海外プロモーション支援のコンサルティング会社代表。現在まで約20年間、実業家として会社を経営。これまでに三井物産、SONY、三菱鉛筆、日本瓦斯など200社以上の広報支援、スウェーデン大使館やドバイ政府観光局などの国際観光誘致イベントなどを行う。

代表的なコンサルティング案件としては、日本中の女性たちの心を動かした「表参道のパンケーキブーム」、1年で200万台以上を売り上げた「ふとん専用掃除機レイコップ」、世界が注目する食イベント「肉フェス」、1カ月で6000万人(日本の約半分)にバズらせた「ジャポニカ学習帳“昆虫の表紙が変わった?”」がある。

経営と並行してMBA(情報工学博士前期課程)取得。東京都中小企業振興公社講師。成蹊大学、多摩大学、帝塚山大学の客員講師。東洋経済新報社、ダイヤモンド社、朝日新聞出版社、PHP出版、総合法令出版社、アスコム社、大和出版、すばる舎、宝島社から累計21冊80万部の著書を上梓。

日本神経心理学会、日本行動心理学学会、行動経済学学会、一般社団法人日本行動分析学会、日本社会心理学会、一般社団法人日本小児心身医学会、認知神経科学会の各学会員。

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