懐かしの思い出をスポーツに
コラム
経営戦略×PR
2019.02.20

懐かしの思い出をスポーツに

本日のコラムは、新しい変わったスポーツについて紹介します。

2月2日(月) 日経MJ新聞 20面 『トレンド』より

修学旅行の夜、クラスメート達と自由時間に「枕投げ」をした思い出を持つ人は多いでしょう。そんな懐かしい思い出を競技として楽しむ人が増えているとのこと。静岡県伊東市が町おこしの為に始めたそうですが、戦略性の高さやストレス解消につながる点が評価され、各地でイベントも開かれているそうです。早速記事を見てみましょう。

まずは競技のルール紹介から。

競技としての枕投げは、1組8チーム戦で全員浴衣着用(パジャマは不可)。畳でできたドッジボールをするようなコートで枕を投げ合い、相手の枕が体に当たったら退場(キャッチしてもいけない)するというもの。1セットは2分間で先に2セット先取したチームが勝利。チームには大将が1人で枕が当たればその時点でチームが敗北します。他の枕を使って攻撃をする事が出来る選手が3人、掛け布団を使って選手や大将を守る事が出来るリベロが1人競技エリアの外に出た枕を自陣に戻すサポート役の3人で構成されるそうです。

ここまでは、浴衣着用で複数のボール(枕)があるドッジボールといったイメージですが、2分間という時間制、枕をキャッチしてもヒットとなる点、リベロ役がいるという点、大将が枕に当たった時点で負けになるという点が大きな違いでしょうか。

ここに修学旅行の枕投げを意識した特殊ルールが加わります。試合中、片方のチームの大将が1セットに1度だけ「先生が来たぞ~」とコールすると、宣誓をしたチームの大将以外の参加者は10秒間正座し(相手チームは布団で寝たフリをする)その間に唯一動ける大将は敵陣の枕を回収することが出来るというものです。

競技としての枕投げは2013年に静岡県伊東市で開かれた「全日本まくら投げ大会in伊東」が発祥で、大学対抗、社会人、子どもの3部門からなり、一般の部のみ1チーム2千円の参加費が必要。一般の部優勝チームには10万円の賞金と参加者全員に記念枕が送られるとのこと。2年目となった昨年は前年比5割増しにあたる約220人が参加するなど競技人口が増え始めているそうです。

参加人口の高まりを受けて、寝具のインターネット販売をする「まくら」が、まくら投げ大会を主催する「全日本まくら投げ協会」公認の商品として、まくら投げ専用枕を販売するなど関連グッズ商戦も盛り上がっているとのこと。

何とも読んでいて楽しくなる記事ですが、想像以上にルールがしっかりしており、「先生が来たぞ~」コールと、リベロの使い方で状況が変わる点が戦略的に面白く、コストも割安で、何より参加すれば確実に楽しそうと思えることから、今後、大規模に派生する可能性があるイベントといえるでしょう。

広報的に見ると、この大会を1月28日に静岡県伊東市以外で初めて開催した主催者は「全日本大学まくら投げ連盟」という大学生団体であることが目を引きます。

彼らが一生懸命告知し、参加者を募るだけでなく、メディアへのアプローチを行った結果が日経新聞に取り上げられたのでしょう。伊東市という自治体の広報担当者との交渉や、「まくら」という一般企業のスポンサードを得るなどの結果もさることながら、それまでの折衝や課程一つ一つがこの学生達が社会で羽ばたいていく上で、下手なインターンシップよりもずっと価値の高い生きた研修となった用に感じられます。

このような自由で楽しい発想は、日々仕事に追われる社会人には思いつきにくいもので、例え企画が浮かんでも形にしていく大変さは誰もが想像がつくのではないでしょうか。その両面を見事に乗り越えた「全日本大学まくら投げ連盟」の方々には拍手を送りたいと思います。

このようなマイナー、小規模でも思わずニヤッとしてしまう様な、目を惹きやすいイベントを少しでも世に広めるPRというものは、弊社としても是非とも経験したいところです。


執筆者・監修者
上岡正明
経済記者・経済コメンテーター
戦略PRプランナー・著書26冊累計105万部のビジネス作家
登録者25万人のYoutuber
上岡正明

MBA(多摩大学院経営情報学修了)
テレビコメンテーター
多摩大学客員講師(18,19)
帝塚山大学客員講師(19)
登録者24万人のビジネス系YouTube

「スーパーJチャンネル」「めざましテレビ」「王様のブランチ」「クイズミリオネア」等の元放送作家。日本を代表するPR戦略の専門家で、企業広報のスペシャリスト。未上場から上場企業まで戦略PRを手掛けたクライアントは300社以上。

広報ブランディング、新規事業構築、外資系企業の国内イベント、海外プロモーション支援のコンサルティング会社代表。現在まで約20年間、実業家として会社を経営。これまでに三井物産、SONY、三菱鉛筆、日本瓦斯など200社以上の広報支援、スウェーデン大使館やドバイ政府観光局などの国際観光誘致イベントなどを行う。

代表的なコンサルティング案件としては、日本中の女性たちの心を動かした「表参道のパンケーキブーム」、1年で200万台以上を売り上げた「ふとん専用掃除機レイコップ」、世界が注目する食イベント「肉フェス」、1カ月で6000万人(日本の約半分)にバズらせた「ジャポニカ学習帳“昆虫の表紙が変わった?”」がある。

経営と並行してMBA(情報工学博士前期課程)取得。東京都中小企業振興公社講師。成蹊大学、多摩大学、帝塚山大学の客員講師。東洋経済新報社、ダイヤモンド社、朝日新聞出版社、PHP出版、総合法令出版社、アスコム社、大和出版、すばる舎、宝島社から累計21冊80万部の著書を上梓。

日本神経心理学会、日本行動心理学学会、行動経済学学会、一般社団法人日本行動分析学会、日本社会心理学会、一般社団法人日本小児心身医学会、認知神経科学会の各学会員。

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