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この記事では広報・PR担当者の皆さんに向けて、プレスリリースの誤字脱字をゼロにするためのチェック方法などについてお伝えしていきます。
特に「毎回誤字脱字チェックに多大な時間を使っているので基本的なやり方を知りたい」という方や、「そもそも誤字脱字があるとどう思われるのか知りたい」という広報・PR担当者におすすめの内容となっています。
本記事では、プレスリリースの誤字脱字に関する基本の考え方、誤字脱字が読み手に与える印象、そして誤字脱字をゼロにするためのチェック方法のポイントなどに関して解説しますので、ぜひ参考にしてください。
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プレスリリースの誤字脱字はゼロにする。誤字脱字が与える印象は?
特にプレスリリースは「企業の公式文書」という立ち位置なので、誤字脱字などのミスは基本的にゼロにしましょう。
ただ、誤字脱字のチェックに極端な労力を使うわけにはいきませんし、致命的なイメージダウンにつながるわけでもないので、プレスリリース1本につき1個までは誤字脱字を許容することをおすすめします。
とはいえ誤字脱字が発生した場合に、「なぜ発生したのか」「どうすれば防ぐことができるか」を突き止めることは大事です。「ケアレスミスとしか言いようがない」としても、なぜケアレスミスが起きたのかをできるだけ考えましょう。ケアレスミスの原因や防止策がわかれば、誤字脱字やプレスリリース以外のところでも役立つかもしれません。
誤字脱字が与える印象は?
誤字脱字が1個でもあると、「情けない」「大丈夫なのだろうか」、さらに「真面目なことを言っているのに気が抜ける」など、やはり少なからず悪い印象を与えてしまいます。もちろん1個誤字脱字があるくらいで「絶対に信用できない」とまで考える人は少ないものの、「印象」の話をするならばやはり好ましいことではありません。
そして誤字脱字やミスが2~3個以上になってくると、特にメディア関係者などには「細部に力を入れない広報・PR担当者は信用できない」として、どれほどプレスリリースの内容が良くてもスルーされる可能性が否定できません。また、「単なる誤字脱字ならまだしも、文章の重要な部分でミスをして意味が変わってしまう恐れがある」という判断も下るかもしれません。
プレスリリースの誤字脱字をゼロにするためのチェック方法のポイント8選
それではプレスリリースの誤字脱字をゼロにするためのチェック方法をいくつか紹介していきますので、広報・PR担当者の皆さんはぜひ参考にしてください。もちろんプレスリリース以外のチェックにも役立つはずです。
ポイント①:ダブルチェック(以上)を行う
これから様々な誤字脱字チェック方法を紹介していきますが、それらを一通り複数人で行いましょう。つまりダブルチェック(以上)です。ダブルチェックをすれば当然ミスが見つかりやすくなりますし、チェックする人が違えば誤字脱字以外の「この部分はこう変えるべきではないか」というアイデアやアドバイスが出てくるかもしれません。
ポイント②:校正ツールを使用する(あくまで補助として)
Wordの「スペルチェックと文章校正」など、誤字脱字などのミスをチェックできるツールが様々にあるのでまずは使ってみるのもいいでしょう。ただしこういったツールでも誤字脱字をスルーする場合がありますし、逆に誤字脱字でない部分も指摘してくるケースがあります。そのため「最初の軽い洗い出しに使う」くらいに考えて、後は人力で確認することをおすすめします。
ポイント③:音読(脳内でもOK)と「文字列を目で追うだけのチェック」を両方行う
音読(脳内でもOK)をすると誤字脱字などのミスや文章の違和感に気付きやすいですが、「声に出す」という動作の影響により、ミスがあっても勢いで読めてしまうことがあります。そのため音読だけでなく、「文字列を目で追うだけのチェック(音読をしない)」を両方行うことをおすすめします。
よく「ミスを見つけるためには音読がいい」と言いますしその通りではあるのですが、「音読したらミスはない」と過信すると誤字脱字を連発してしまってもおかしくありません。
ポイント④:漢字の順番ミスに注意
例えば「投稿」が正しいとしても「稿投」と漢字の順番が違うだけでは、勢いでチェックしていると気付かない可能性があります。なぜなら「稿」も「投」も漢字そのものは間違っておらず、順番が異なるだけだからです。
こういったタイプの誤字脱字を見つけるためには、きちんと音読をすることが大事です。音読をしていれば「こう……とう」となって、ほぼ間違いなくミスに気付くことができるはず。
ポイント⑤:文節で区切ってチェックするとミスを見つけやすい
例えば「今日は昨日と違って天気がとていいです」などは勢いで読んでしまうとミスを見落とすかもしれません。しかし「今日は」「昨日と」「違って」「天気が」「とて(も)」「いいです」などと文節に区切ってチェックするとミスを見つけやすくなります。
なぜなら「文節に区切る」という動作をする際に自然とゆっくり丁寧に読む動作が入るため。また、文字列を短く捉えるので、いつの間にか勢いで雑に読み進めてしまうことがなくなります。
ポイント⑥:数字はゆっくり1つずつ読み上げる
数字のチェックには少し異なる方法を取ることをおすすめします。なぜなら「数字である」と脳内で認識するだけで後はスルーしてしまい、例えば「1」と「7」や、「25」と「52」などのミスを見逃す可能性があるからです。
例えば、「12,3006」の場合は、「いち」「に」「かんま」「さん」「ぜろ」「ぜろ」「ろく」などと読むといいでしょう。これなら「,」の位置のズレや抜けにも気づきやすいはずです。
✅数字のミスはトラブルに直結する
誤字脱字の中にはトラブルに直結しないものが多いですが、数字のミスについては問題の原因になる可能性が非常に高いので気を付けてください。
単なるミスで読んだ人に多少の迷惑をかける(西暦の表記がおかしくて困惑させるなど)くらいならまだしも、例えば「売上○%アップ」「○円引き」などの表記で間違えると致命的な状態になりかねません。特にメディア関係者が「間違えて書かれた数字」に魅力を感じて取材依頼や面談申し込みをしてきた場合は大変なことになります。
ポイント⑦:同音異義語に注意|自信がなければ調べる
例えば「補償」「保証」「保障」、「聞く」「聴く」などの同音異義語にも気を付けましょう。
こちらは単なる誤字脱字チェックだけでなく純粋な知識も求められるので、明らかなミスの場合はもちろん、「同音異義語が多い言葉だが大丈夫だろうか」と少しでも心配になった際にも辞書などで確認するのがおすすめです。
✅「訊く」など難しい言葉は基本的に使わない
例えば「質問する」という意味で「きく」という言葉を使いたい場合、正確には「訊く」と表記する考え方もありますが、これについては意味がわかりにくいので「聞く」にすることをおすすめします。一般的に「聞く=質問する」というニュアンスでも使われているので問題はありません。
文脈的に可能であれば、「質問する」「インタビューする」などにするのもいいでしょう。このように「どのように表記しても完全には違和感が消えにくい同音異義語」がある場合は、そもそも別の表現を使ってしまうのも一つの手です。
ポイント⑧:表記揺れに注意
厳密には誤字脱字とは少し違いますが「表記揺れ」にも気を付けましょう。例えば「つながる」「繋がる」や、「iPad」「アイパッド」や、「10000」「10,000」が特に理由なく、同じ文書の中に混在することを表記揺れと言います。
これについてはWordの表記揺れチェック機能などを使うといいでしょう。また、間違いやすい、もしくは頻出する「表記揺れしやすい表現」はリストアップしておくのもおすすめです。
これも通常の誤字脱字と同じで、少しくらい表記揺れがあっても直ちに信頼性が下がることはありません。ただ、あまりに表記揺れが多いと「そもそも表記揺れの概念を知らないのでは」→「広報・PR担当者としての常識もないのでは」と思われかねないので注意してください。
最も重要なのは人間によるダブルチェックです(まとめ)
プレスリリースの誤字脱字は原則ゼロにし、多くても1本につき1個までにおさめましょう。それ以上誤字脱字があると、プレスリリースの内容そのものには問題がなくても信頼性が下がる恐れがあります。
誤字脱字をなくすために最も重要なのはダブルチェック(以上)をすることです。同じ人間が複数回チェックしても「確認の癖」が同じなのでそれほど意味がないので、広報・PR担当者が一人しかいなくても他部署の人にも頼むなどしましょう。
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