PR会社や広報担当者が気をつけるべき社内の情報収集方法や手順・ポイント5選
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2025.02.06

PR会社や広報担当者が気をつけるべき社内の情報収集方法や手順・ポイント5選

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この記事では広報・PR担当者の皆さんに向けて、社内における情報収集の方法やポイントなどについてお伝えしていきます。

「なかなか広報・PRネタが増えない」とお悩みの方に特におすすめの内容となっています。

本記事では、社内情報収集の重要性、そして社内情報収集の方法やポイントと注意点などに関して解説しますので、ぜひ参考にしてください。

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広報の仕事は社内の情報収集なしでは成立しない

「広報・PR」と聞くと「メディア関係者に情報を送る」「自社サイトやSNSで情報を広く発信する」という連想をするのではないでしょうか。つまり意識が「外」に向いているということです。

ただ、これらのことは重要ではあるのですが、その「外」に送る情報は基本的に社内から拾い上げるはず。そして広報・PR担当者が社内の情報収集は、「なんとなく」「そのときの勢いで」などではなく、きちんとした戦略を練って行われるべきです。

そこで今回は広報・PR担当者が効率良く・トラブルなく社内情報収集をする方法やポイントをいくつか紹介していきます。

広報やPR会社の担当者が社内情報収集をするためのポイント5選

それでは広報・PR担当者が社内情報収集をするための方法やポイントをいくつか紹介していきます。何も考えずに「良さそうな情報があれば聞かせてください」「○○について教えてください」と頼むだけでは成立しません。

ポイント①:社内の様々な会議に出る

社内で様々な会議が行われているはずですので、それに出席しましょう。質問はするかもしれませんが具体的に口を挟むことはほぼないでしょうから、「情報を知りたい」と事情を説明すればすぐに受け入れてもらえる可能性が高いです。

特に出席したい会議が2種類あります。

✅その①:経営会議

経営会議は企業の代表や役員などが経営判断をするための会議であるため、広報・PR担当者にとっても重要性が高いです。また、社内情報とは少し離れた業界のトレンドなどの話題も出るかもしれません。

✅その②:それぞれの部署の定例会議

それぞれの部署の定例会議に出席することも大事です。そうすることで新商品・新サービスの開発状況、開発における現在の課題、各社員の活躍情報などが手に入ることでしょう。

定例会議に出なくても「新商品が出る」「新サービスが出る」という決定事項は知らされるでしょうし、場合によっては「こういうプレリリースを書いてください」とお願いされることもあるかもしれません。ですが会議に顔を見せないとエピソードや背景が見えてこないため、一般消費者やメディア関係者の心を動かすような発信はできない可能性が高いです。

ポイント②:社内の各種LINEグループなどに参加する

社内の各種LINEグループやチャット系ツールのグループがあると思いますので、それぞれ参加登録させてもらうことをおすすめします。こちらは会議よりもライトな雰囲気ですが、最新情報や雑談などの社内情報を拾うために便利です。社員としては「会議に出すほどではない」という認識の話題でも、広報・PR担当者にとっては役立つかもしれません。

メッセージなどを毎日確認して、気になることがあれば邪魔にならないレベルで広報・PR活動に関係するような質問をするといいでしょう。

また、ムードによっては軽い雑談をしたり、食事などに誘ったりするために使うこともできるはずです。社員と日頃からコミュニケーションを取り、「広報・PRの○○さんは楽しい人」「○○さんには協力してもいい」くらいに思ってもらうことがとても大事です。

ポイント③:たびたび現場に行く|可能なら業務の補助もする

広報・PR担当者がたびたび直接現場に足を運ぶことも大事です。現場に行ってこそ見える、顧客のこと、取引相手のこと、全体の雰囲気などがあります。そして例えば「ここのところ客層が○○の方向性に変化している」などのこともわかるかもしれません。

さらに可能であれば業務の補助もするといいでしょう。「実際にやってみないとわからない」というのはどの業界にもあることです。

また、現場に出向いたことで見えた情報を、(必要な許可を得た上で)他の社員に伝えることで、社内のコミュニケーションが円滑になるかもしれません。

ポイント④:各部署で1人以上は広報・PR担当者の理解者・協力者になってもらう

各部署で1人以上は広報・PR担当者の理解者になってもらうことで、情報収集だけでなく、情報が必要なときの各部署へのヒアリングなどがスムーズに進みやすくなります。

できれば「各部署のリーダーに」「正式な約束として」理解者・協力者になってもらいたいところですが、「各部署の誰かに」「精神的なつながりとして」理解者・協力者になってもらうだけでも十分です。

ポイント⑤:広報・PR部署に情報が集まってくるシステムを構築する

究極的には「何もしなくても広報・PR部署に必要な情報が集まってくるシステム」を構築したいところです(実際には広報・PR担当者側から積極的に情報を求める必要がありますが)。

そのためにも④で説明したような理解者・協力者を1人でも増やすべきですし、チャットツールやアンケートフォームなどで情報を組み上げるようにすることも大事です。

✅アンケートフォームの項目例

アンケートフォームの項目例は以下の通りです。

  • 担当部署と担当者名
  • 発信(SNS投稿、公式サイトへの掲載、プレリリースの配信など)してほしい時期
  • 誰(一般消費者、取引相手、メディア関係者など)に届けたい情報か
  • 情報(情報の概要、なぜその情報を発信したいのかなど)

必要に応じてアンケートフォームの項目を増やすべきですが、増やしすぎて、もしくは細かくしすぎて「入力が面倒」「入力するのが恐れ多い」と思われないようにしましょう。

✅気軽になんでも報告・相談・提案できる目安箱的なものを作るのもおすすめ

広報・PR部署に対して、気軽になんでも報告・相談・提案できる目安箱的なものを作るのもおすすめです。

例えば「新しい社食メニューが美味しい、などなんでも構いません!」などのスタンスを取っておくと、意外なほど良い情報が集まってくるかもしれません。

広報担当者が社内情報収集をするにあたっての注意点4選

続いては広報・PR担当者が社内情報収集をするにあたっての注意点をいくつか紹介していきます。

注意点①:情報収集の目的・意義、広報・PR部署の存在意義を理解してもらう

まず情報収集の目的・意義、そして広報・PR部署の存在意義を理解してもらわないことには、乱暴な言い方ですが「やたらと情報を求めてくる、馴れ馴れしい調子に乗っている部署」としか認識してもらえないかもしれません。

そのため主に以下のことを冷静に・論理的に伝えましょう(情熱だけでは説得できません)。

  • 情報収集が必要な理由
  • 得た情報をどのように使うか
  • 広報・PRによるメリット(特に広報・PR以外にとってのメリット)

「他部署社員は広報・PRのことを全く理解していない」と仮定してスタートすることをおすすめします。

注意点②:開示OKな情報・NGな情報をきちんと分ける

特に「メディア採用されそうなインパクトのある情報」を掴んだらすぐに発信に向けて動き出したくなるかもしれませんが、それはやめましょう。なぜなら開示OKな情報・NGな情報があるためです。これは情報の衝撃度や大きさとは関係なく存在している概念なので注意してください。

公開してはいけない情報、社員や顧客の個人情報などを、むやみにSNSや公式サイトで発信すると自社のイメージが大きくダウンする可能性があるので気を付けましょう。また、そこまでダメージを受けない場合でも、広報・PR部署の社内での評価が大きく落ちるはずです。

そのため「社外への開示OKな情報なのか」「社内のみ開示OKな情報なのか」「開示解禁の時期(正確な日付)があるのか」などを関係者と丁寧に確認することが大事です。

✅開示解禁の時期についてあいまいに指示された場合は?

関係部署社員に例えば「夏頃には情報解禁をしていいですよ」などとあいまいなことを言われることもあります。

そういったケースではトラブルを避けるために「では8月1日午前10時解禁でよろしいでしょうか?」などと具体的に聞くことをおすすめします。恐らく簡単に許可が出るでしょうが、「時期を厳密に決めたという事実」に価値があります。

注意点③:情報をもらった結果どうなったかをきちんと伝える

意外と「情報をもらった結果どうなったか」を共有しない広報・PR担当者が少なくないので気を付けてください。「情報をもらうだけもらって後は何もなし」では他部署からの印象が悪くなるので、例えば以下のように報告しましょう。

  • いただいた情報を新聞社に送りました
  • 新聞に掲載されました
  • まだメディア採用には至っていませんがメディア関係者からの反応はいいです
  • いただいた情報をベースに○○という企画を作り、□□という効果が出ました

これらを情報提供者本人だけでなく、社内全体で共有することをおすすめします。また、「成果」についてですが、可能限り数値や記事数などで具体的に伝えましょう。

注意点④:意識して「情報収集の経験値」を蓄積させていく

毎回行き当たりばったりで情報収集をするのではなく、「情報収集の経験値」を意識して蓄積させていきましょう。例えば以下の通りです。

  • この分野について聞きたいなら○○部署の□□さんが詳しい
  • ○○部署は一見□□に詳しそうだが、実際には△△部署の方が精通している
  • ・の他、過去に取材を受けた実績、メディア掲載につながった実績などをまとめておく

これらを広報・PR部署内でまとめておけば、新人広報・PR担当者が入ったり、人員の入れ替わりがあったりした際にも、情報収集が滞りにくくなります。

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執筆者・監修者
上岡正明
経済記者・経済コメンテーター
戦略PRプランナー・著書26冊累計105万部のビジネス作家
登録者25万人のYoutuber
上岡正明

MBA(多摩大学院経営情報学修了)
テレビコメンテーター
多摩大学客員講師(18,19)
帝塚山大学客員講師(19)
登録者24万人のビジネス系YouTube

「スーパーJチャンネル」「めざましテレビ」「王様のブランチ」「クイズミリオネア」等の元放送作家。日本を代表するPR戦略の専門家で、企業広報のスペシャリスト。未上場から上場企業まで戦略PRを手掛けたクライアントは300社以上。

広報ブランディング、新規事業構築、外資系企業の国内イベント、海外プロモーション支援のコンサルティング会社代表。現在まで約20年間、実業家として会社を経営。これまでに三井物産、SONY、三菱鉛筆、日本瓦斯など200社以上の広報支援、スウェーデン大使館やドバイ政府観光局などの国際観光誘致イベントなどを行う。

代表的なコンサルティング案件としては、日本中の女性たちの心を動かした「表参道のパンケーキブーム」、1年で200万台以上を売り上げた「ふとん専用掃除機レイコップ」、世界が注目する食イベント「肉フェス」、1カ月で6000万人(日本の約半分)にバズらせた「ジャポニカ学習帳“昆虫の表紙が変わった?”」がある。

経営と並行してMBA(情報工学博士前期課程)取得。東京都中小企業振興公社講師。成蹊大学、多摩大学、帝塚山大学の客員講師。東洋経済新報社、ダイヤモンド社、朝日新聞出版社、PHP出版、総合法令出版社、アスコム社、大和出版、すばる舎、宝島社から累計21冊80万部の著書を上梓。

日本神経心理学会、日本行動心理学学会、行動経済学学会、一般社団法人日本行動分析学会、日本社会心理学会、一般社団法人日本小児心身医学会、認知神経科学会の各学会員。

日経ヴェリタス・東洋経済オンライン・ダイヤモンドオンライン・プレジデントの4大経済メディアで専門家として記事連載もおこなっております。お読みになりたい方はこちらからご覧下さい。

①:東洋経済オンラインでの連載記事
②:ダイヤモンドオンラインでの連載記事
③:プレジデントでの連載記事
④:日本経済新聞での連載記事