メディアキャラバンを成功させる4+3ステップとは?事前準備から訪問・アフターフォローまでの流れを解説
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2025.02.05

メディアキャラバンを成功させる4+3ステップとは?事前準備から訪問・アフターフォローまでの流れを解説

➡記事を書いた人:Youtube登録者30万人【MBA保有の現役記者】上岡正明プロフィール

この記事では広報・PR担当者の皆さんに向けて、メディアキャラバンを成功させるための方法やポイントなどについてステップ分けして解説していきます。

メディアキャラバンとはメディアを直接訪問して、商品・サービスや自社などを売り込む手法ですが、「やり方がわからない」という広報・PR担当者も多いのではないでしょうか。

そこで本記事では準備編と本番・本番後編に分けて、メディアキャラバンを成功させるためのステップを紹介していきます。

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【準備編】メディアキャラバンを成功させるための4ステップ

それではメディアキャラバンを成功させるための方法やポイントについてステップ分けして解説していきます(まずは前準備編です)。メディア関係者に直接会うためタスクがたくさんありますが、それぞれ冷静に進めていけば問題はありません。

また、状況によってはステップが前後したり、いくつか並行したりする方が進めやすい場合もあるので柔軟に考えましょう。

ステップ①:メディアキャラバンの目的を決める

メディアキャラバンで紹介したい商品やサービスなどを絞りつつ、メディアキャラバンの目的も決めましょう。

目的としては例えば「この商品をメディアで取り上げてもらう」「企業そのものの知名度を上げる」「メディア関係者とのコネクションを作る」など様々であり、どれも併行したいところ。しかしその中で特にどこに重点を置くか決めておくと、動きに迷いやブレがなくなります。

逆に目的をほとんど決めないまま「とにかくメディア関係者に商品・サービスを見せたい」くらいの意識で足を運んでしまうと、「商品やサービスは見せてもらいましたが……だからなんでしょう?」で終わる可能性が高いので気を付けてください。

ステップ②:足を運ぶメディアを決める

メディアキャラバンで実際に足を運びたいメディアを選んでリストアップしましょう。そのためには「訪問先候補のメディア」について特に以下の研究をすることが大事です。

  • どのような読者層、視聴者層なのか
  • どのような業界の情報を取り上げることが多いか
  • ヒットした記事や番組はあるか
  • 記事や番組のトーン&マナーは?(軽い雰囲気、重い、男性的、女性的など)

まずは「自社の業界に関係のありそうなメディア」をリストアップして、その中から上記のような研究を重ねて、「自社の情報を好んでくれそうなメディア」に絞り込み、そのメディアに訪問することを仮決定しましょう。

ステップ③:メディア別にプレリリースや資料などを作り「アピールポイント」を固める

メディアごとにプレリリースや資料などを作り、「各メディアに対するアピールポイント」を固めましょう。せっかく直接顔を合わせるので、商品などの実物(試供品や試作品でも可)を持ち込むとさらに面白いです。

メディアによって特徴が違うので、例えば5件のメディアがあるならアピールポイントも5種類用意するようなイメージです(もちろん内容が被る部分もあるでしょうが)。

逆に最も良くないのは数種類のメディアを回るにもかかわらず、アピールポイントを一つしか用意しない(一つのプレリリースや資料などを使い回す)というやり方ですので、ここで手を抜かないようにしましょう。

①でメディアキャラバンの目的を決めているはずなので、そこから離れないことが大事です。「メディアキャラバンをすることそのもの」が目的になってはいけません。

✅「メディアキャラバンそのものが目的」には簡単になり得る

特に「メディアとアポイントを取って直接足を運ぶ」というステップに充実感を覚えやすいです。そのため想像以上に「メディアキャラバンそのものが目的」、そして「メディアキャラバンの数をこなすだけで満足」になってもおかしくないので気を付けてください。

あえて乱暴な言い方をしますが「やっている感」に惑わされてはいけないのです。

ステップ④:アポイント

メディア選びができたらアポイントを取りますが、基本的に競争率は高く、その上メディア関係者はかなり忙しい傾向にあるため、気を引き締めて臨む必要があります。アポイントを取るステップは以下が主流です。

  1. できればSNSなどでわずかでもメディア関係者に認識されておく(いいねをつける、フォローするなど)
  2. メールかSNSのDMなどで「メディアキャラバンで伺いたい」と連絡する
  3. 都合のいい傾向にある時間帯を聞いて電話をする

メディア側に連絡先フォーム・メールアドレスなどがあれば話は簡単です。まずはそちらに連絡をしましょう。その上で電話をすると前向きに対応してもらいやすくなります。

✅当日現地飛び込みをする手もある

事前にメディアのアポイント取りができなかった場合は、当日現地飛び込みをするのも一つの手です。特に都心部についてはメディアの拠点が集中しているケースもあるため、「ダメで元々飛び込んでみる」という意識で臨むのもいいでしょう(ただし事前の電話連絡による許可取りなどは必須です)。

✅アポイントが取れなくても準備は無駄になりません

「アポイントを取ることができた」→「準備が間に合わなかった」は厳禁ですので、基本的に「資料などの準備をする」→「アポイントを取る」の順番にするべきです。

となると「アポイントが取れないと準備が無駄になるのでは?」と感じるかもしれませんが、そのようなことはありません。

準備したプレリリースや資料などを多少調整すれば別メディアへの訪問に使える可能性がありますし、ほとんどそのままメールなどで別のメディアに送ることもできます。ぜひ恐れずに各種準備に積極的に取り組んでください。

【本番・本番後編】メディアキャラバンを成功させるための3ステップ

続いてはメディアキャラバンを成功させるための本番・本番後の進め方やポイントをステップ分けして紹介していきます。とはいえここまで解説した事前準備がきちんとできていれば、大きく失敗することはありませんのでリラックスして臨むことが大事です。

ステップ①:メディア側のニーズを聞き出しつつプレゼンを進める

メディアキャラバンの本番では、メディア側のニーズを聞き出しつつプレゼンを進める意識を持つことが大事です。いくらプレリリース・資料・商品などを準備しても、「自分が言いたいことだけを言う」のでは実りのあるキャラバンになりません。

「伝えたいことA」を伝えるのは当然ですが、それだけでなく「メディア関係者などから質問されてから渡す情報B」も提供したり、「メディア関係者に直接質問して、欲しがられた情報C」なども積極的に伝えたりするイメージです。

そのためにも「他にも必要な情報はございますか?」「さらに深掘りしたご説明が必要な部分はございましたでしょうか?」などのレベルのダイレクトな質問をして構いません。ここで遠回りに言うなど遠慮しても意味がなく、貴重な時間を使ってくれているメディア関係者への迷惑にしかなりません。

ステップ②:終了直後から継続的にフォローを入れていく

メディアキャラバンが終了したら、まずは各メディアにお礼の連絡を入れます(印象に残ったエピソードも一つ交えつつお礼をすると好印象です)。また、それだけでなく長期的に以下のようなフォローを入れていきましょう。

  • 「必要な情報はありませんか?」と定期的に連絡を入れる
  • そのメディア・メディア関係者に合いそうな情報があればメールやプレリリースで伝える
  • 特に新しい情報などがなくても定期的にあいさつの連絡を入れる

「提供できるような情報がないメディア関係者」との関係性が徐々に希薄になり、そのうち消滅するケースも少なくありません。ですがそれではあまりにももったいないので、定期的にあいさつの連絡を入れましょう。知人同士あいさつをするのは普通のことですから失礼ではありません。

また、これらのアクションはメディア関係者側から「もう結構です」と言われるまで、反応がなくても継続して構いません。

ステップ③:結果を整理して活かす。今後さらに良いメディアキャラバンへとつなげる

メディアキャラバンが完了したら、ステップ②と並行しつつ社内で確認・検証できるように情報を整理することも大事です。特にチェックするべきポイントは以下の通りです。

  • 訪問先との相性:情報が合うかどうかだけでなく、「なんとなく」レベルの相性も
  • 担当者の反応:顔は覚えてもらえた、好反応だった、すぐにでもメディア採用されそうだったなど
  • 掲載・採用状況:掲載・採用されそうか、実際にどのように掲載・採用されたか、掲載・採用までの期間など

さらにメディアごとに「アポイントを取りやすい時間帯」「各メディアへの正確なアクセス」などもまとめておくと、総合的に結果を整理でき、次回以降に活かしやすくなります。

また、これらの情報は広報・PR部署の社員だけでなく、全社員が理解できるレベルでまとめることが大事です。そうすることでメディアキャラバンへの協力・同行などをしてもらいやすくなりますし、そこまでいかずとも「広報・PRの重要性への理解」が進むことでしょう。

メディアキャラバンを成功させるコツと手順まとめ

特にメディアキャラバン初挑戦の場合、途方もない準備が必要で当日の労力・プレッシャーも凄まじいものに感じるかもしれません。しかしステップ分けしてタスクを整理すれば冷静に進めていくことができますので、広報・PRの手法の一つとして選択肢に入れてみてはいかがでしょうか。

ただ、メディアキャラバン自体にかなりの達成感があるため、「やっている感」だけで満足しないように気を付けてください。メディアキャラバンそのものは目的ではないはずです。

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執筆者・監修者
上岡正明
経済記者・経済コメンテーター
戦略PRプランナー・著書26冊累計105万部のビジネス作家
登録者25万人のYoutuber
上岡正明

MBA(多摩大学院経営情報学修了)
テレビコメンテーター
多摩大学客員講師(18,19)
帝塚山大学客員講師(19)
登録者24万人のビジネス系YouTube

「スーパーJチャンネル」「めざましテレビ」「王様のブランチ」「クイズミリオネア」等の元放送作家。日本を代表するPR戦略の専門家で、企業広報のスペシャリスト。未上場から上場企業まで戦略PRを手掛けたクライアントは300社以上。

広報ブランディング、新規事業構築、外資系企業の国内イベント、海外プロモーション支援のコンサルティング会社代表。現在まで約20年間、実業家として会社を経営。これまでに三井物産、SONY、三菱鉛筆、日本瓦斯など200社以上の広報支援、スウェーデン大使館やドバイ政府観光局などの国際観光誘致イベントなどを行う。

代表的なコンサルティング案件としては、日本中の女性たちの心を動かした「表参道のパンケーキブーム」、1年で200万台以上を売り上げた「ふとん専用掃除機レイコップ」、世界が注目する食イベント「肉フェス」、1カ月で6000万人(日本の約半分)にバズらせた「ジャポニカ学習帳“昆虫の表紙が変わった?”」がある。

経営と並行してMBA(情報工学博士前期課程)取得。東京都中小企業振興公社講師。成蹊大学、多摩大学、帝塚山大学の客員講師。東洋経済新報社、ダイヤモンド社、朝日新聞出版社、PHP出版、総合法令出版社、アスコム社、大和出版、すばる舎、宝島社から累計21冊80万部の著書を上梓。

日本神経心理学会、日本行動心理学学会、行動経済学学会、一般社団法人日本行動分析学会、日本社会心理学会、一般社団法人日本小児心身医学会、認知神経科学会の各学会員。

日経ヴェリタス・東洋経済オンライン・ダイヤモンドオンライン・プレジデントの4大経済メディアで専門家として記事連載もおこなっております。お読みになりたい方はこちらからご覧下さい。

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②:ダイヤモンドオンラインでの連載記事
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④:日本経済新聞での連載記事