せっかくのメディア露出を自社の売上アップにつなげる方法と手順6選
PR戦略とは
3分で分かる「PRの基本」
2025.06.27

せっかくのメディア露出を自社の売上アップにつなげる方法と手順6選

➡記事を書いた人:Youtube登録者30万人【MBA保有の現役記者】上岡正明プロフィール

この記事では広報・PR担当者の皆さんに向けて、メディア露出を売上アップにつなげる方法などに関して解説していきます。

広報・PR担当者の中には、「テレビや新聞に出ればさすがに売上が伸びる」とお考えの方もいるかもしれませんがそうとも限りません。メディア露出を具体的な成果(売上など)につなげることができない企業は少なくないのです。

そこで本記事では、メディア露出を売上などにつなげることの重要性、そしてメディア露出を売上アップにつなげる方法などについてお伝えしますので、ぜひ参考にしてください。

➡人気記事:PR会社一覧を紹介!厳選20社ランキングとカオスマップ

メディア露出しても売上がアップするとは限りません

広報・PR活動の結果。テレビや新聞などに進出できるのは基本的に素晴らしいですし、ひとまず満足しても構いません。ただ、広報・PR部署の仕事は「認知度」や「売上」を上げることでありメディア露出そのものではないことも忘れないでください。

そしてメディア露出できたからといって必ず売上につながるわけではなく、ほとんど売上が変化しない場合もあります。それどころか「メディア露出を目指す活動に注いだリソースを、他の広報・PR活動に使った方が結果的に良かった」という状態になる可能性もないわけではありません。だからこそ本記事ではせっかく勝ち取ったメディア露出を、売上につなげるための方法を紹介していきます。

上層部などがメディア露出を過剰評価する可能性も。場合によっては説得が必要

そして会社の上層部などがメディア露出を過剰評価する可能性もあります。例えば根拠をもって「メディア露出は重要ではない」と広報・PR部署が判断したにもかかわらず、メディア露出を目指すことを強要してくるなど。

また、認知度や売上が明確にアップしているものの、そこに目を向けずに「せっかく広報・PR活動をしているのだからテレビや新聞に出てもらわないと困るよ」と言ってくるなど。

こういったケースでは論理的に「メディア露出=売上アップではない」、「メディア露出以外にも売上を上げる方法はある」などと説明するしかありません。必要に応じて数的データなども持ち出しつつ、冷静に説得しましょう。

メディア露出を売上アップにつなげるための広報・PR方法6選

それではメディア露出を売上アップにつなげるための広報・PR術をいくつか紹介していきますので、ぜひ参考にしてください。せっかくメディア露出できたのですから、最大限活かしましょう。

方法①:メディア公式ウェブサイトを適切な方法で充実させる

メディア露出に合わせてメディア公式ウェブサイトを適切な方法で充実させましょう。「テレビや新聞を見た人は公式サイトに何を求めるか」を考えると具体的に何をすればいいのかがわかります。ではポイントをいくつか挙げます。

✅トップページにメディアで紹介された商品やサービスの情報をわかりやすく載せる

サイトのトップページにメディアで紹介された商品やサービスの情報をわかりやすく載せましょう。テレビや新聞を見て興味を持ちサイトにアクセスする人がまず考えるのが、「紹介された情報は本当なのだろうか」「紹介された情報についてもっと知りたい」なので、とにかくトップページで目立たせることが重要です。

また、文字情報だけではわかりにくいので、商品画像やサービスのイメージ画像もトップページに大きめに載せるのがおすすめです。アクセスしてきた人を、一目で「テレビで見たアレだ!」と思わせるつもりで。細かな説明よりも、まずはその気持ちになってもらうのが優先です。

✅トップページから1クリック、多くても2クリックで購入ページにアクセスできるようにする

トップページから1クリック、多くても2クリックで、トップページから購入ページにアクセスできるようにしましょう。

テレビや新聞を見た人の中にはそこまで強烈に「欲しい!」とは思っていない人も多いので、「買うのが面倒じゃないなら欲しい」「賑やかしで1回くらい買っていいかも」という人を逃さないことも大事です。

✅メディア掲載・報道情報をわかりやすく載せる

意外と忘れがちですが、メディア掲載・報道情報そのものもわかりやすく載せましょう。特に直近の露出については「○○(番組名)で紹介されました!」などとトップページに書いておけば、サイトにアクセスした人が「テレビで見たアレで間違いないんだ!」と思ってくれます。

その他、過去の掲載・報道歴もワンクリックで見ることができるようにしましょう。そこまで露出歴が多くない場合はトップページに簡単にまとめても構いません。

✅トップページがすぐに完全表示されるようにする。必要に応じてサーバーの増強もする

例えばテレビで紹介された直後にアクセスが殺到して、ページが表示されにくくなる恐れがあります。そのまま離れる人が増えてはあまりにも損失が大きいので、必要に応じてサーバーの増強も考えましょう。

また、サーバー増強まではせずとも、トップページにアニメーション素材などを貼りすぎないようにして表示が遅延されることを防ぎましょう。気合いを入れてトップページを作り込むほど、起きやすいトラブルなので気を付けてください。

ただ、特にサーバー関連は広報・PR部署の業務の領域を超えているので、IT関連に強い部署がある場合はそちらにも相談するのがおすすめです。

方法②:「購入」「登録」「申し込み」などのアクションを直接的に促す

シンプルでありつつ重要なのが、「購入」「登録」「申し込み」などのアクションを直接的に促すことです。具体的には例えば以下の通り。

  • 「購入はこちら」「登録はこちらから」などと書いたバナーを出す
  • 「ここをクリックで購入できます」というメッセージと矢印マークを出す
  • 「申し込みはこちら」というメッセージと簡単なイメージ図を出す

目安として「自分が購入・登録などをしている様子が自然と頭に浮かぶ」ほどのレベルでアクションを促すことが大事です。ここまでしないと意外と「次のアクション」を連想できず、買う・登録するまでには至らない人が少なくありません。

方法③:SNSなどで報道・掲載の事前告知、放送中宣伝、放送後宣伝をする

露出する番組や記事を見てもらわないことには始まらないので、SNSなどで報道・掲載の事前告知をしましょう。事前告知投稿のポイントは主に以下の通り。

  • 番組名、新聞名などをハッキリと
  • 番組公式サイトへのURLなどがあれば載せる
  • 商品・サービスの情報よりも、「社長の○○のインタビューがあります」「開発秘話をたっぷりと」など「人」にフォーカス
  • 「○○の秘密とは?」「なぜ□□になったのか!?」などの「見たくなるヒキ」を作る

商品・サービスそのものには興味がなくても「人」に関心のある人は多いです。そして見てさえもらえれば商品・サービスに興味を持つ人も増えることでしょう。さらに放送中も「現在○○の放送中です!」と宣伝投稿をする。放送後も「TVerで見逃し配信中です!」などと宣伝をしましょう。

方法④:番組や記事を見た人限定で特典を作る(必須ではない)

番組や記事を見た人限定で特典を作るのもいいでしょう。例えば、「○○を見ましたと言った人限定で割引」や、「番組を見た人ならわかるパスワードを入れた人限定の割引」など。いずれにしても広報・PR部署の独断でできることではないので、関係部署と相談した上で実施しましょう(これに限らずあらゆる施策に言えることですが)。

ただ、こういった特典は必須ではありません。割引をすれば基本的にその分の売上が下がりますし、「また価格が上がったならもう買わない」などの理由でリピーターができにくくなる可能性もあるためです。

方法⑤:報道・掲載歴をまとめて「実績」のように扱う

せっかく報道・掲載されたのですから、それを「報道・掲載歴」としてまとめて「実績」のように扱うことも大事です。「メディア露出したのだから価値がある」と感じてくれる人もいるためです。

企業公式ウェブサイトに「メディア出演歴」などと記載してまとめる、公式SNSのプロフィール欄に主な出演歴を書くなど、第三者が見てもわかりやすくしておくことが大事です。

方法⑥:メディア関係者向けのプレスリリースにも報道・掲載歴を記載する

メディア関係者向けのプレスリリースにも報道・掲載歴を記載するといいでしょう。「どのような切り口で報道・掲載されたか」をわかりやすく書くのがポイントです。

「掲載・報道されたネタをあえてもう一度採用するメディアは存在しないのでは?」と感じるかもしれません。しかし「他のメディアで採用されたネタ=再び取り上げる価値があるネタ」と捉えるメディア関係者は意外と多いので、同じネタでプレスリリースを書くことは有意義です。

ただし全く同じ内容のプレスリリースにするのではなく、その媒体が求めていそうな切り口に調整してプレスリリースを作り直すことを忘れないでください。例えば5ヶ所にプレスリリースを送付するなら、プレスリリースも5通りになるはずです。

メディア露出を自社の売上アップにつなげるには(まとめ)

広報・PR活動の結果としてメディア露出につながるのは素晴らしいことですが、それだけで必ず売上アップにつながるわけではないことを覚えておきましょう。売上アップにつなげるための積極的な工夫と取り組みが必要です。

総じて重要と言えるのが「記事や番組を見た人の気持ち」を想像し、ニーズを満たすことです。例えば「番組を見て商品に興味を持った人」の欲求を満たすことができるように公式サイトなどの準備をして、「買いたい!」という思いを冷めさせないままに、購入までたどり着いてもらいましょう。

➡人気記事:プレスリリース書き方12のコツ【テンプレート公開】


執筆者・監修者
上岡正明
経済記者・経済コメンテーター
戦略PRプランナー・著書26冊累計105万部のビジネス作家
登録者30万人のYoutuber
上岡正明

MBA(経営学博士前期課程修了)
多摩大学客員講師(18,19)
帝塚山大学客員講師(19)
登録者30万人のビジネス系YouTube

「スーパーJチャンネル」「めざましテレビ」「王様のブランチ」「クイズミリオネア」等の元放送作家。日本を代表するPR戦略の専門家で、企業広報のスペシャリスト。未上場から上場企業まで戦略PRを手掛けたクライアントは300社以上。

広報ブランディング、新規事業構築、外資系企業の国内イベント、海外プロモーション支援のコンサルティング会社代表。現在まで約20年間、実業家として会社を経営。これまでに三井物産、SONY、三菱鉛筆、日本瓦斯など200社以上の広報支援、スウェーデン大使館やドバイ政府観光局などの国際観光誘致イベントなどを行う。

代表的なコンサルティング案件としては、日本中の女性たちの心を動かした「表参道のパンケーキブーム」、1年で200万台以上を売り上げた「ふとん専用掃除機レイコップ」、世界が注目する食イベント「肉フェス」、1カ月で6000万人(日本の約半分)にバズらせた「ジャポニカ学習帳“昆虫の表紙が変わった?”」がある。

経営と並行してMBA(情報工学博士前期課程)取得。東京都中小企業振興公社講師。成蹊大学、多摩大学、帝塚山大学の客員講師。東洋経済新報社、ダイヤモンド社、朝日新聞出版社、PHP出版、総合法令出版社、アスコム社、大和出版、すばる舎、宝島社から累計21冊80万部の著書を上梓。

日本神経心理学会、日本行動心理学学会、行動経済学学会、一般社団法人日本行動分析学会、日本社会心理学会、一般社団法人日本小児心身医学会、認知神経科学会の各学会員。

日経ヴェリタス・東洋経済オンライン・ダイヤモンドオンライン・プレジデントの4大経済メディアで専門家として記事連載もおこなっております。お読みになりたい方はこちらからご覧下さい。

①:東洋経済オンラインでの連載記事
②:ダイヤモンドオンラインでの連載記事
③:プレジデントでの連載記事
④:日本経済新聞での連載記事