広報が一番大事にすべき非言語的コミュニケーションとは?活用ポイント4選
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2026.02.25

広報が一番大事にすべき非言語的コミュニケーションとは?活用ポイント4選

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この記事では広報・PR担当者の皆さんに向けて、「非言語的コミュニケーション」に関するポイントなどについてお伝えしていきます。

広報・PRの仕事をしていると「どれほど言葉を尽くしてもユーザーに伝わらない部分がある」と感じることがあると思いますが、その理由の一つに非言語的コミュニケーションへの意識の甘さがあるかもしれません。

そこで本記事では非言語的コミュニケーションの概要、非言語的コミュニケーションが大切である理由、そして広報・PR活動で非言語的コミュニケーションを意識するにあたってのポイントなどに関してお話ししますので、ぜひ参考にしてください。

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非言語的コミュニケーションとは?

まず、言語的コミュニケーションとは、「言葉や文字によって論理的に行われるコミュニケーション」のことです。広報・PR活動でいうと例えば、「テキストのみのSNS投稿」や「メールマガジンの文章」などが当てはまります。

一方、非言語的コミュニケーションとは、「言葉や文字情報を超えて、感覚的・感情的に行われるコミュニケーション」のこと。広報・PR活動に関していえば、「テレビCMで明るい印象をもたらすこと」や、「企業公式ウェブサイトのカラーリングを青基調にして落ち着いたイメージを構築すること」などが該当します。

✅非言語的コミュニケーションと言語的コミュニケーションが完全に分かれているわけではない

ただし非言語的コミュニケーションと言語的コミュニケーションが完全に分かれているわけではないので気を付けてください。

例えば「テキストのみのメールマガジン」は言語的コミュニケーションの比重が圧倒的に大きいですが、「何か柔らかい文章で落ち着くな」と思えるなら、非言語的コミュニケーションの要素も含まれていると言えます。

むしろ無理に分けて考えるのではなく、「言語的コミュニケーションの奥に潜んでいる非言語的コミュニケーション」にも目を向けないと、広報・PR発信やマーケティングがうまくいかない可能性が高いので注意が必要です。

非言語的コミュニケーションが広報・PR活動で大切である3つの理由

続いては非言語的コミュニケーションが広報・PR活動において重要である主な理由をいくつか挙げていきますので参考にしてください。特に「言語的ではないコミュニケーションも大切であるということがピンとこない」という方は要チェックです。

理由①:人は「言語情報以外」から受け取る情報の方が多い傾向にある

そもそも人間は「言語情報以外から受け取る情報」、そして「言語情報以外によって抱く印象」の方が多い傾向にあると言われています(詳しくはメラビアンの法則などで検索してみてください)。

例えば企業からのメッセージなど、それほど真剣に聞く必要のない言葉の場合、「実際に言ったこと」よりも、「言い方(声色、雰囲気、テンション)」などの方が印象に残りやすいということ。

もちろん言語的コミュニケーションを軽視していいわけではありませんが、「良いことさえ言えば関心を持ってもらえる」、「商品・サービスに一定の関心を持っている人は、その説明を丁寧に読む・聞く」などと思いすぎるのは危険ということになります。

理由②:最終的には「心を動かして、行動させる」という意識を持つべきだから

近年の広報・PR発信では、例えば新商品に関して「優れたスペックです」と伝えるよりも、「この商品にはこのような想いを込めています」とストーリーを強調したり、「商品を使って大きな笑顔を浮かべている人のCM」を見せたりする方が、人を動かしやすいと言われています。

昔からこの傾向はあったとされていますが、特に現代の「何を買っても最低限の品質はある」、あえて乱暴な言い方をすると「何を買っても大差がない」という環境においては、「スペック」よりも「心が動くか」を意識的・無意識的に重視して選ぶ人が多いとされているのです。

そのため理由1とも似ていますが、「言葉だけでなんとかする」とは考えず、「非言語的コミュニケーションで心を動かして、行動させる」という意識を持った方が、購入や登録などにつながる可能性が高いといえます。

理由③:非言語的コミュニケーションを重視する方が広報・PR活動をしていて楽しいから

「言葉だけで……」と思い込まず、非言語的コミュニケーションを重視して「どうすれば心が動くのか」、「○○という印象を与えるにはどうすれば」などと考えながら取り組む方が広報・PR活動を楽しみやすくなるはずです。

冗談のように聞こえるかもしれませんが、特に広報・PR部署のように「目に見える成果が出にくい」「現在取り組んでいるやり方が正解なのか自信を持ちにくい」という場合、この「楽しむ」というのが重要なモチベーションになるものです。

広報・PR部署が知るべき非言語的コミュニケーションのポイント4選

それでは広報・PR担当者向け非言語的コミュニケーションのポイントをいくつか挙げていきます。本来は無数のポイントがありますが、特に重要なものに絞りました。

ポイント①:カラーリング

カラーリング(色)は意外と重要です。企業公式ウェブサイトの色調、SNSアカウントのアイコンやバナー、企業ロゴ、商品パッケージなど、「色」が存在する場面では、そのすべてに気を配ることをおすすめします。

主な「色が与える印象」としては、赤が情熱、オレンジが明るさ、黄色は元気、緑が安らぎ、青が知的、紫が上品、白が純潔、黒が力強さなどがあります。しかし同じ系統の色でも「濃さ」によって変わるので、万全を期すならその道のプロフェッショナルに相談するのがおすすめです。

✅「企業のイメージ」を統一する意味合いもある

また「○○な印象を与える」以外にも、カラーリングによって企業のイメージを統一する意味合いもあります(例:マクドナルドは黄色やオレンジ、ローソンは青や白など)。

そのため場面よって演出したい印象が異なるとしても、それほど多くの種類の色は使わないのがおすすめ。「同じ系統の色の中で、濃淡を変える」などの手法も駆使して対応しましょう。

ポイント②:全社員に話し方の指導をするのが理想|最低でも接客が多い部署の社員は指導を

例えば電話対応や実店舗対応、さらに取引相手とのマンツーマンに近い対応など、コミュニケーションにおける「話し方」に関する指導を全社員に対して行うのが理想。すでに少し触れている通り、話している「内容」が同じでも、「話し方」によって与える印象が大きく変わるためです。

親身になって対応しても「態度が悪かった」などとSNSで広まったとしましょう。この場合、「態度が悪い」のは企業や商品・サービスに興味がなくても理解できる話題なので、爆発的に炎上する恐れもあります。

逆に丁寧な態度で接しても劇的な評判が良くなることはまずありませんが、「良いところ」よりも「悪いところ」が気になるのが人間の傾向です。「良くする」よりも「悪くしない」ための戦略もあることを覚えておきましょう(企業として大事な発想です)。

✅少なくとも接客が多い部署の社員には指導を

現実的に考えて全社員を指導するのは難しいかもしれませんが、最低でも接客が多い部署の社員には指導することをおすすめします。すでに触れていますが顧客対応だけでなく、取引先との対応などが多い社員も巻き込みたいところです。

ポイント③:写真、イラスト、画像、動画などは基本的に高画質で|例外もある

見落としがちですが、公式ウェブサイト、SNS、プレスリリースなどに掲載する写真、イラスト、画像、さらに動画などは基本的に高画質にしましょう。極端に低画質でない限り情報は伝わりますが(言語的コミュニケーションの側面が強い)、画質が低いだけでも元気のない印象になる恐れがあります(非言語的コミュニケーションの側面が強い)。

✅「リアルさ」が重要な場合は例外

ただし各種ビジュアル素材の「リアルさ」が重要な場合は例外です。例えば「作業現場」、「ボランティア活動の様子」、「社長のメッセージ動画」など。これらのような「実際に人が関わっている何か」のビジュアル素材については無理に高画質にすると違和感が出やすいのでおすすめしません。

逆に「商品画像」や「SNSアカウントのバナー」など、「良く見せるための演出を加えるのが当然のもの」に関しては高画質にしたいところです。

ポイント④:「音」や「音楽」にも注意

YouTube動画、SNSに投稿するショート動画、テレビCM、YouTubeで流すCM、来客もあるオフィス内で流すBGMなど、自社が関与している範囲のありとあらゆる「音(効果音)」や「音楽」にも気を配りましょう。

場面や雰囲気に合う効果音や音楽でないと違和感が強くなり、無意識で「変な企業」「関わりたくない」「なんとなく嫌だ」などと思われてしまう恐れがあります。

そうならないためにも例えば10分以上などのYouTube動画を投稿するなら主に以下のことを注意しましょう。

  • シーンに合わせた音楽を用意
  • 3種類以上用意して場面に合わせて切り替える(種類が少ないと集中力が下がる)
  • 音楽や効果音の音量に注意
  • 「声」などを音楽・効果音のバランスに注意(例えば声が聞こえにくくなるバランスはNG)

✅「企業公式ウェブサイトにアクセスした瞬間に音・音楽が流れる設定」はおすすめしません

動画の添付方法などの設定によっては「アクセスした瞬間に音・音楽が流れる企業公式ウェブサイト」になってしまいますが、基本的におすすめしません。たとえ音量調整に問題がなくても驚きますし、あえて乱暴な言い方をすると「二度とアクセスするか!」と思われても仕方がありません。

これに限らずユーザーの心理がわかっていないと、良かれと考えて以下のことをしがちなので気を付けてください。どれも基本的にNGです。

  • アクセスすると「ローディング」などのアニメーションが入ってなかなか開かない
  • ページを開くたびに妙な演出が入る
  • 何かとテキストの改行が多すぎてスクロールが大変(ポエミーにしたい場合などにありがち)

「アクセスした人を楽しませたい」という気持ちなのかもしれませんが率直に言ってズレています。大半のユーザーが最も強く求めているのでは、「無駄な演出がなくサクサク動いて、とにかく見やすいサイト」です。

常に「与える印象は?」の部分に気を配ろう(まとめ)

特に広報・PR担当者として日々文章作成をしていると、「文章で全部伝わる・伝えるべき」と考えてしまいがちですが、実際には今回解説した非言語的コミュニケーションもとても重要であることを意識しましょう。

そのため例えばメールマガジンのテキスト作成をしている際も、「文章の内容は抜きにして、言葉遣いや改行、デザインなどから読者はどのような印象を受けるか」なども考慮するのがおすすめです。常に「与える印象は?」の部分に気を配るといいですね。

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執筆者・監修者
上岡正明
経済記者・経済コメンテーター
戦略PRプランナー・著書26冊累計105万部のビジネス作家
登録者30万人のYoutuber
上岡正明

MBA(経営学博士前期課程修了)
多摩大学客員講師(18,19)
帝塚山大学客員講師(19)
登録者30万人のビジネス系YouTube

「スーパーJチャンネル」「めざましテレビ」「王様のブランチ」「クイズミリオネア」等の元放送作家。日本を代表するPR戦略の専門家で、企業広報のスペシャリスト。未上場から上場企業まで戦略PRを手掛けたクライアントは300社以上。

広報ブランディング、新規事業構築、外資系企業の国内イベント、海外プロモーション支援のコンサルティング会社代表。現在まで約20年間、実業家として会社を経営。これまでに三井物産、SONY、三菱鉛筆、日本瓦斯など200社以上の広報支援、スウェーデン大使館やドバイ政府観光局などの国際観光誘致イベントなどを行う。

代表的なコンサルティング案件としては、日本中の女性たちの心を動かした「表参道のパンケーキブーム」、1年で200万台以上を売り上げた「ふとん専用掃除機レイコップ」、世界が注目する食イベント「肉フェス」、1カ月で6000万人(日本の約半分)にバズらせた「ジャポニカ学習帳“昆虫の表紙が変わった?”」がある。

経営と並行してMBA(情報工学博士前期課程)取得。東京都中小企業振興公社講師。成蹊大学、多摩大学、帝塚山大学の客員講師。東洋経済新報社、ダイヤモンド社、朝日新聞出版社、PHP出版、総合法令出版社、アスコム社、大和出版、すばる舎、宝島社から累計21冊80万部の著書を上梓。

日本神経心理学会、日本行動心理学学会、行動経済学学会、一般社団法人日本行動分析学会、日本社会心理学会、一般社団法人日本小児心身医学会、認知神経科学会の各学会員。

日経ヴェリタス・東洋経済オンライン・ダイヤモンドオンライン・プレジデントの4大経済メディアで専門家として記事連載もおこなっております。お読みになりたい方はこちらからご覧下さい。

①:東洋経済オンラインでの連載記事
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③:プレジデントでの連載記事
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