広報部署が社内コミュニケーションが大切である4つの理由と具体的な方法4選
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2026.03.05

広報部署が社内コミュニケーションが大切である4つの理由と具体的な方法4選

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この記事では広報・PR担当者の皆さんに向けて、「社内コミュニケーション」が大切である理由や、向上させるための具体的な方法などについてお伝えしていきます。

少しでも「社内の情報共有や意思疎通ができていないせいで顧客に負担をかけている」と感じている方や、「広報・PR関連の社内取材の協力が得にくい状態が続いている」とお悩みの方におすすめの内容となっています。

本記事では、広報・PR部署が社内コミュニケーションの向上に取り組むべきである理由、社内コミュニケーションが重要である理由、そして向上させるための具体的な方法などに関してお話ししますので、ぜひ参考にしてください。

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主に広報・PR部署が「社内コミュニケーション」の向上に取り組むべき

まず多くの企業にとって「広報・PR担当者部署以外に担当できる部署が存在しない」という現実的な理由があると思いますが、それだけではありません。広報・PR部署は普段から、一般ユーザー、メディア関係者、取引先(未来の取引先)、就職活動者などの心を動かして、具体的なアクションをさせるための活動をさせているはず。

そして社内コミュニケーションを向上させるためには、社員の心を動かし、社内コミュニケーションの重要性・必要性を伝えて、具体的なアクション(コミュニケーション自体など)をさせることになりますよね。

つまり通常の広報・PR活動と構造がかなり似ているのです。また、これから解説しますが「社内取材がしやすくなる」などのメリットもあるので主に広報・PR部署が担当することをおすすめします。

広報・PR担当者が知るべき「社内コミュニケーション」が大切である4つの理由

それでは広報・PR担当者の皆さんに向けて「社内コミュニケーション」が大切である理由をいくつか挙げていきます。「社内コミュニケーションは直接は生産性アップにつながらないのでは」と感じるかもしれませんが、実はそうではありません。

理由①:社内コミュニケーションができていないと「社内取材」がしにくい

広報・PRにおける「発信内容」の情報源の大半は「自社社員からのヒアリング」によるもののはずです。そのため少なくとも広報・PR部署と他部署の関係性は日頃から良好である必要がありますよね。

また、広報・PR部署は何かと「得体の知れない部署」「具体的な成果は出さないのに予算だけ持っていく」などと思われがちなので、「社内コミュニケーションが盛ん」→「どの部署も他部署のことを理解している」→「広報・PR部署の存在意義も理解されている」という構図にすることが大事です。

そして「社内コミュニケーション」における「コミュニケーション自体」からプレスリリースやSNS発信などで使うネタのヒントが見つかることさえあります。場合によっては何気ない雑談からネタが生まれることも。

理由②:「共通の目的」を持つためには社内コミュニケーションが必要

企業としては全社員一丸となって「共通の目的」を持つことが大事です。しかし社内コミュニケーションができていないと、つまり部署間・社員間・役職間などで意思疎通ができていないと、意外と「あれ、今の業務はなんのためのものだっけ?」などと思ってしまいがちです。

もちろん究極的にいえば「経営の維持」が企業の目的ですが、もっと前の段階で、一例として「○○の生産量を10%上げる」、「○月までに□□を達成する」などの共通目標を持つことも大事ですよね。

理由③:社員のモチベーションアップ(パフォーマンスアップ、離職率低下などのメリットが)

社内コミュニケーションが円滑だと社員のモチベーションが上がり、パフォーマンスもアップするものです。また、自然と自社への愛着も強まり、離職率も下がる可能性が高いです。

「人間関係」をきっかけに離職する人は少なくありません。そして社内コミュニケーションは何も「全社員仲良しこよし」ではなく、「最低限コミュニケーション不全の社員はいない」という状態を目指すものです。夢がないと感じるかもしれませんが、むしろ現実的ではないでしょうか。そして「嫌な人がいない」というだけで精神的負担が大きく下がる社員も少なくないはずです。

理由④:社内コミュニケーションができていないと顧客にしわ寄せが行く可能性が高い

社内コミュニケーションができていない場合は、例えば「部署によって違うことを言ってくる」、「そもそもどの部署に話を通せばいいのかわからない」などとなって、結局は「なぜか顧客が各部署・各社員の声をまとめることに……」という流れになることさえあります。

逆に社内コミュニケーションができていれば(このケースではどちらかと言えばシステム面ですが)、どこの部署に話を付けても「では関係部署につなぎますね」とスムーズに流れますし、即座に全部署に話が通って、社内中から必要な情報やアイデアが届くことになります。

つまり顧客からすれば「企業全体で私のために頑張ってくれているなあ」という感覚になるのですね。本来企業とはこうあるべきですが、まるで各部署が別々の会社であるかのような、もっと言えば部署同士がいがみ合っているような企業さえ少なくありません。

広報・PR部署が主導して「社内コミュニケーション」を向上させる方法4選

それでは広報・PR担当者の皆さんに向けて、社内コミュニケーションを向上させるための主な方法を挙げていきますのでぜひ参考にしてください。

方法①:ツールなどを使って円滑なコミュニケーションができる環境を整える|システム面

まずはシステム面から社内コミュニケーション環境を整えることをおすすめします。コミュニケーションツールは様々にあるので基本的に社員全員が使えるようにしつつ、何かあればすぐに情報共有をするルールにします。

これによってコミュニケーションが豊かになりますし、広報・PR部署としても「ネタの材料」を簡単に拾えるようになるため負担が減ります。また、スタートは「システム的なコミュニケーション」だったとしてもそれが円滑になるだけで、不思議と対面でのコミュニケーションもしやすくなっていくものです。

そして方針によってはコミュニケーションツール内で、例えば「雑談コーナー」などを設けるのもいいでしょう。一例として「我が家のペット自慢」や、「○○のイベントに一緒に遊びに行きませんか?」などと社員が気軽に提案している企業もあるようです。

方法②:社内報を発行する

社内報とは基本的に「社内の情報が掲載された、社内向けのメディア」のことです。近年では紙媒体ではなくデジタル配信もできるので比較的少ない負担で発行できるのではないでしょうか。もしくはメールマガジン形式などでライトに配信するのもおすすめです。

社内報に載せるべき内容は主に以下の通り。

  • 各部署の最新情報
  • 社長や代表者からのメッセージ
  • 社員の成功事例、社員の紹介(プライベート寄りでも可)
  • 自社関連のメディア掲載情報

読んだ社員が「我が社はこういう活動をしているのか」、「この部署は・この社員はこういうことをしているのか」と思わせつつ楽しませるのが社内報の理想です。また、企業としてのメディア掲載情報を紹介することで「うちの会社すごいじゃん!」と感じさせてモチベーションをアップを図ることもできます。

✅社内報には「裏の目的」もある

社内報の質が高ければそれだけで「これを発行している広報・PR部署はすごい」という印象になるため上でお伝えしている社内取材などがしやすくなることでしょう。特にメディア掲載情報を紹介することで、「ちゃんと仕事をしているんだ」と思ってもらいやすくなります。

方法③:各部署に最低1人以上は「広報・PR担当者の深い理解者」を作る(基本は部署責任者)

全社員の理解を得るのが理想ですが、現実的な目標としてまずは各部署に最低1人以上は「広報・PR部署の深い理解者」を作ることをおすすめします。基本的には部署責任者がそれに該当することでしょう。達成することで各部署とのコミュニケーション、意思疎通、情報共有などがスムーズ・高精度になるはずです。

理解者を作る具体的な方法は主に以下の通り。

  • まずは他部署について深く理解する(先に理解しないと理解してもらえない)
  • 日頃から積極的にコミュニケーションを取りにいく(雑談でも可)
  • 広報・PRの発信内容を作るためのヒアリングを積極的に行う

裏ワザ的な方法はありません。こちらから理解し、こちらからコミュニケーションを取り、こちらからヒアリングをするのが基本です。

✅関係性が深まるまでのヒアリングはあえてビジネス的に行うのがおすすめ

関係性が深まるまでのヒアリングはあえてビジネス的に行うのがおすすめです。紙でもデジタルでも良いので「質問リスト」などの書類を作り、提出してもらう期日も決める。その書類には「広報・PRが重要である理由」、「今回ヒアリングしている理由」なども明記すると理解を得やすくなります。

「ビジネスライクすぎて逆効果では?」と感じるかもしれませんが、妙にフランクに臨むと真剣さが伝わらなかったり、「後日お答えしますね」が繰り返されて最終的にうやむやになる恐れもあります。

そのため最初はビジネス的にアプローチして、関係性が深まってからフランクになればいいのです(相手のスタンス次第ではビジネス的なままでも構いません)。

方法④:1on1、シャッフルランチ、食事会などのイベントを主催する

1on1、シャッフルランチ、食事会など、他部署同士や上司・部下でのコミュニケーションを取るためのイベントを広報・PR部署が開催するのもおすすめです。それぞれ具体的には以下の通り。

  • 1on1:上司と部下などが1対1で行うミーティング。基本的に部下が話す(考え、悩み、要望など)
  • シャッフルランチ:社員がランダムに数人選ばれて一緒にランチをするイベント
  • 食事会(飲み会):シャッフルランチよりもフランクで参加人数が多いイベント。企業によっては飲み会も可

他部署同士、上司・部下間などでコミュニケーションを取るという目的に向かってさえいるのであれば他の形式のイベントでも構いません。逆に「全部任せるのでとにかく自由に話してください(同じ会社の仲間だからできますよね)」という態度ではコミュニケーションがうまくいかず逆効果になる、そのようなイベントを開いた広報・PR部署への反感が強まるなどの恐れがあるので気を付けてください。

広報部署の社内コミュニケーションを円滑にするコツ(まとめ)

社内コミュニケーションは直接的に企業の利益につながりませんが、端的にいうと「企業自体があらゆる意味で強くなる」ので間接的には大いに意味があります。そして、その社内コミュニケーションを向上させるのも、普段人の心を掴む・動かすことに長けている広報・PR部署の仕事。

ただし「じゃあコミュニケーションを取ってくださいね!」と「場」を提供するだけでは不十分ですし、むしろ逆効果になる可能性さえあります。そのため「外向け」の広報・PR活動と同じできちんと戦略を練り、目標も明確に立てた上で動き出すことが大事です。

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執筆者・監修者
上岡正明
経済記者・経済コメンテーター
戦略PRプランナー・著書26冊累計105万部のビジネス作家
登録者30万人のYoutuber
上岡正明

MBA(経営学博士前期課程修了)
多摩大学客員講師(18,19)
帝塚山大学客員講師(19)
登録者30万人のビジネス系YouTube

「スーパーJチャンネル」「めざましテレビ」「王様のブランチ」「クイズミリオネア」等の元放送作家。日本を代表するPR戦略の専門家で、企業広報のスペシャリスト。未上場から上場企業まで戦略PRを手掛けたクライアントは300社以上。

広報ブランディング、新規事業構築、外資系企業の国内イベント、海外プロモーション支援のコンサルティング会社代表。現在まで約20年間、実業家として会社を経営。これまでに三井物産、SONY、三菱鉛筆、日本瓦斯など200社以上の広報支援、スウェーデン大使館やドバイ政府観光局などの国際観光誘致イベントなどを行う。

代表的なコンサルティング案件としては、日本中の女性たちの心を動かした「表参道のパンケーキブーム」、1年で200万台以上を売り上げた「ふとん専用掃除機レイコップ」、世界が注目する食イベント「肉フェス」、1カ月で6000万人(日本の約半分)にバズらせた「ジャポニカ学習帳“昆虫の表紙が変わった?”」がある。

経営と並行してMBA(情報工学博士前期課程)取得。東京都中小企業振興公社講師。成蹊大学、多摩大学、帝塚山大学の客員講師。東洋経済新報社、ダイヤモンド社、朝日新聞出版社、PHP出版、総合法令出版社、アスコム社、大和出版、すばる舎、宝島社から累計21冊80万部の著書を上梓。

日本神経心理学会、日本行動心理学学会、行動経済学学会、一般社団法人日本行動分析学会、日本社会心理学会、一般社団法人日本小児心身医学会、認知神経科学会の各学会員。

日経ヴェリタス・東洋経済オンライン・ダイヤモンドオンライン・プレジデントの4大経済メディアで専門家として記事連載もおこなっております。お読みになりたい方はこちらからご覧下さい。

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